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2021年4月29日木曜日

(祝)配信再開 NHKドラマ「アシガール」と最近の黒島結菜さん

黒島結菜さんが、男性ファッション誌「UOMO」のフルーツサンドの特集記事に出たそうだ。男性誌にフルーツサンド特集?と思ったのだが、どうやらフルーツサンドを食べている女の子がメインらしい。

フルーツサンドが流行っているのは、オジサンでも知っている。でも、あのサンドウィッチの断面のことを「萌え断」というのは知らなかった。僕も、セブンイレブンの苺サンドの萌え断にやられて、衝動買いをしてしまったが、後で冷静に考えてみたら、苺が1パック買える値段だった。食べてしまえば、フルーツのクリーム和えなので、フルーツサンドとは、萌え断を鑑賞するものだと学んだ。

この特集は、可愛い女の子たちが美味しそうにフルーツサンドを頬張っている写真が掲載されているらしいのだが、その中に上國料萌衣さんの名前もあった。この二人が同じ雑誌に登場するなんて予想もしてなかったので、ビックリした次第である。

さて、先週から、アシガールの配信が再開された。伊藤健太郎君が不起訴になったことを受けてだと思う。昨年、配信停止になった時、「さようならアシガール」なる記事を投稿してしまった手前、ちょびっと気まずいのだが、喜ばしいことには違いない。

2、3日前に、健太郎君の独占インタビューが、芸能誌に掲載されていた。ワイドショーでは動画も流れたらしい。番組を見た人(ライトなファン)から聞いたところによると、話の内容が言い訳としか受け取れず、不快な会見だったらしい。健太郎君に好意を持っていた人でさえそうなんだから、好感度を一層下げてしまったのは確かだろう。被害者との示談も済んで、不起訴になったというのに、最悪のタイミングである。今は、黙っているべき時期だなんて素人にも分かること。多額の賠償金を前にして、焦っているのかもしれないけど、負のスパイラルに入り込んでしまったようで悲しい。

アシガールの配信だが、停止するときには一気に全話消してしまったのに、再開は、全13話を2話ずつ、小出しにして配信するらしい。現在は第6話まで再開されていて、折角だから、少しずつ視聴させていただいている。もう何度も見て、台詞もあらかた覚えてしまっているんだけど、それでも新たな発見はある。あと、オジさんになると、ドラマ視聴は字幕が必須ってことも分かった。

もう1つ、嬉しいことと云えば、今「hulu」で、日本テレビ「時をかける少女2016」の全5話を無料で配信している。こちらは、現在公開中の竹内涼真君主演ドラマの番宣によるものだろう。

どちらも、ちゃんとお金をかけて制作した、黒島さんの数少ない主演ドラマなので嬉しい限りである。五連休は、毎日、アシガールを2話と、時かけを1話ずつ視聴させていただくこととしよう。

それから、黒島さんは、5月5日にはNHKのコント番組「LIFE!春」にも出演するらしい。こちらは朝ドラ「ちむどんどん」にむけての話題作りってところだろうか。いつかは出てくるだろうと思っていたが、楽しみが1つ増えて嬉しい限り。この番組、面白い時と、やたらツマラナイ時がある。つまり、脚本次第なんだけど、4月の放送がめちゃくちゃ面白かっただけに、比べられて叩かれないかと、心配事も1つ増えてしまった。

後は、「鶴瓶の家族に乾杯」に出演できれば、NHKコンプリートだ。秋までにコロナ禍が治まることを祈るばかりである。

#黒島結菜  #上國料萌衣   #時をかける少女2016  #アシガール

2020年11月8日日曜日

さようなら「アシガール」

伊藤健太郎君のひき逃げ事件を受けて、NHKはアシガールとスカーレットのホームページを削除し、オンデマンドでの配信を終了してしまった。さらに、伊藤君に対して損害賠償の手続きを取る構えらしい。

彼が出演した映画が、作品と個人の罪は別だとか、見たい奴が金を払って見るからと云う論理で、公開されているのとは対照的である。見たい奴が金を払って見るのであれば、有料オンデマンドだって同じだと思うのだが、NHKは視聴者の受信料で成り立っているので、こういう不祥事には厳しく対処するとのことらしい。

事件が起きる前は、伊藤君の人気にあやかろうと、一番チヤホヤしていた放送局がNHKだったから、とんだ手のひら返しである。まあ、俳優「伊藤健太郎」は自分たちNHKが育てたって気分でいた分、より裏切られた感が強いのかもしれない。民放のようにスポンサーに配慮する必要の無い代わりに、視聴者・・・つまり世間の風潮に左右されるのがNHKなんだと改めて実感した次第である。

伊藤君は、釈放されて湾岸署を出てきたときに「自分が起こしてしまった事故のせいで、たくさんの方々にご迷惑をおかけした・・・」と云った。迷惑をかけた沢山の人って、どのくらいいるのだろう。

真っ先に思い浮かぶのは事故の被害者とそれに関連する人たち、次に思うのは、ドラマや映画の共演者とそのファンだ。健太郎君はどこまで分かっているのか知らないけれど、アシガールと黒島結菜さんのファンである「僕」は、紛れもなく伊藤君に迷惑をかけられた者の一人だ。NHKのオンデマンドのマイページ、お気に入り登録してあったアシガールの全13話が、消えてしまった時の悔しさと憤りは半端なかった。だから、彼の謝罪の何百万分の一は、僕に向けられたものだと信じている。

そんな中、原作コミックの15巻が、年末に刊行されるそうだ。森本先生が今回の事件により創作意欲を失い、連載を切り上げてしまうのであれば、それもまた「さよなら」であるが、現在連載中の第2部は読者の強い要望で始まったから、(純粋な)アシ・ラバが支え続ける限り、本能寺の変から関ヶ原の戦いへと話は続いていくだろう。

でも、NHKがアシガールの続編を制作する可能性は無くなってしまった。12月に公開予定の舞台「両国花錦闘士」のように、伊藤君に代役を立ててでもアシガール続編を制作して欲しいところであるが、制作側には、そんな意欲はもう無いだろうし、作ったところで世間からあーだこーだと云われることは目に見えている。

アシガールの配信終了は残念極まりないことだが、NHKは今までにも出演者に不祥事のあった番組を配信停止にしたことがあり、その方針が今回もブレなかっただけのことである。配信再開は、過去の例からしても極めて難しいだろう。ファンならばDVDを持っているだろうし、テレビ放送の録画もあるだろう。だが、配信がなければ新規のファンも生まれないだろうし、配信という共有財産を失ったアシラバの精神的ダメージは大きい。

今回の事態を、黒島結菜さんは、どう思っているのだろうか。

アシガールが放送されてたのは、ちょうど3年前の今頃だった。当時20才だった黒島さんも23才だ。大人の女優へのステップになるはずだったスカーレットへの出演は、とんだ思惑違いだったが、同じく大阪放送局で制作されている「閻魔堂沙羅の推理奇譚」のゲスト出演でも、黒島さんは実年齢相当の役を演じている。熱愛報道も出たし、いつまでも唯之助のイメージでいることもないだろう。潮時って言葉は相応しくないだろうが、これは与えられた1つのきっかけなのかもしれない。


僕は、アシガールに出会って、黒島結菜さんを知った。二十歳そこそこの女優を応援するなんて考えもしなかった。アシガール関連の投稿記事は13本。たくさんの人たちに読んでもらえたし、とても楽しく書かせていただいた。だから、アシガールには感謝しかない。

でも、女優「黒島結菜」を第一に考えれば、アシガールの配信終了は1つの区切りであって、何かが終わったわけではない。黒島ファンは次のステップを応援し、アシラバはコミックの世界へ帰っていく、ただそれだけのことなのだ。

さようなら「アシガール」そして、ありがとう。

2020年8月12日水曜日

「アシガール」に登場する家族とその魅力③ ~羽木家の人々と、2つの暗殺未遂事件~

原作コミックを忠実に再現していると云われているNHK時代劇「アシガール」だが、細かく見ていくと、悪丸との出会い、成之の登場場面、如古坊のキャラクター設定など、変更されている部分は意外に多い。中でも、大きく変更されているのが、若君の異母兄「羽木成之」のキャラクター設定だろう。
というわけで、今回は、羽木成之についての考察と妄想・・・だったのだが、彼の心の闇は深い。

7.羽木家の人々と成之暗殺未遂事件


まずは、黒羽城主「羽木忠高」を演ずる「石黒 賢」さん。最近では「行列の女神」に出演されていた。


ドラマでの忠高は、命令するばかりである。野外ロケNGなのかなってくらい、自ら出陣しない。かなりヤバい戦も、若君に任せっきりである。多分、全編を通じて1回も出陣していない。まあ、若君に試練を与えて成長させるためってことにしておこう。

その忠高には、男子がもう一人いる。それが「松下優也」さん演じる「羽木成之」である。設定では、若君と同い年で誕生日も数日違いとなっているが、コミックでもドラマでも年上にしか見えない。羽木成之は、物語の最重要キーパーソンで、こういう役を演じるのって、楽しいんじゃないかなって思う。


成之の生い立ちは、ドラマとコミックで大きく異なる。

コミックでは、成之の母「久」は羽木家の奥女中だ。久は忠高と恋仲になって側室に上がったが、忠高が京都の公家の二条家から正室を迎えることになり、二条家に気を遣った羽木家は、久に暇を出してしまう。城から追い出された久は、忠高の子を身籠もっていた。久は、成之を出産して直ぐに病没、成之は寺で育てられたという設定である。時代劇としては王道の設定だ。コミックでの羽木成之は、何の後ろ盾も無い孤独な男である。

ドラマでは、「久」は、とある小領主から差し出された側室ということになっている。城を追われた事情は同様だが、久は病没していない。
やがて、跡目争いが起きることを危惧した家臣が、幼い成之を亡き者にしようと毒殺を謀り、久が代わりに毒を服して倒れてしまう。久は体を壊し、山奥の庵にてひっそりと暮らしているという設定である。

ちなみに、ドラマでは、若君の母「二条の方」は、忠清を出産してすぐに亡くなっている。だから、ドラマでは、母の顔を知らずに育ったのは、成之ではなく若君の方だ。

しかし、これは、かなりチャレンジングな設定だ。武家にとって、男子は大切な跡取りである。乳幼児死亡率の高かったこの時代に、正室に男子が産まれたからといって、側室の男子を亡き者にしようなどと考えるだろうか。それに、側室の子といえども、忠高の実子であるから、暗殺は、主君に対する完全な裏切り行為になる。

正室の子とはいえ、後ろ盾をなくした若君と、小さいながらも領主の娘を母に持つ成之。二人の間に、跡目争いが起きるというのは、有り得る話だが、だからといって、幼少のころから心配することとも思えない。
そもそも、相続争いというのは、取り巻きが起こすものだ。もし、成之の命を狙う者がいるとすれば、それは、久の実家と敵対する勢力、久の実家が勢力を得ることを好ましく思わない人たち、或いは二条家の関係者ということになる。少なくとも、羽木の家中の者の仕業とは考えにくい。忠高が、自分は関知していないと云ったのも、納得できる。

成之暗殺未遂事件に関して、忠高を首謀者とするには無理がある。何よりも、忠高には惣領の指名権がある。我が子を遠ざけることはあっても、命を奪う理由などないからだ。暗殺未遂事件そのものが、最初から無かった(久の服毒は事故だった)可能性だってある。
ただ、成之親子が安全な城内で暮らしていれば、このような事件は起きなかったわけで、忠高が責めを負うとすれば、この点にある。このことについては、ドラマ第12話で、忠高は成之親子に謝罪し、城内で共に暮らすことを許可している。

8.羽木成之の陰謀


人里離れた山寺で隠遁生活を送っていた成之は、異母弟の忠清に請われて、黒羽城で暮らし始める。そして、これを機に成之は陰謀を企てるようになる。

コミックでも、ドラマでも、成之は、忠清を亡き者にして、羽木家の総領に納まろうとする。ただし、その動機は多少異なる。

コミックでの成之は、如古坊と共謀して、羽木家の乗っ取りを謀っている。そこにあるのは羽木家への復讐心というよりも、歪んだ倦怠感にまみれた権力への欲望だ。まあ、幼い頃に捨てられちゃったのだから、素直に育てと云う方が無理な話であろう。

しかし、悪事がバレて如古坊が遁走し、成之が忠清たちと接することによって、彼自身も変わり始める。コミックの如古坊は救いようの無い奴だから、そんな悪い友だちと離れたことが、成之の自力更生につながったとも云える。若君の、己の暗殺を企てた者をも信じて許してしまう、という器の大きさに惚れ込んだってこともあるだろうし、元々、大した信念も無く、謀反を企てていたのだから、羽木家の中での自分の立ち位置を見つけ出せれば、それでOKだったのだろう。全ての罪を如古坊に背負わせちゃった感は否めないが。
ただ、このあたりの成之の台詞は「・・・・。」ってのが多く、彼の心情はブラックボックス化されているから、読者によって解釈はいろいろあろうかと思う。


一方、ドラマの成之の動機は、少し複雑だ。

久は、我が子「成之」を城から追い出し、亡き者にしようとした羽木家を怨んでいる。そして、成之は、母「久」を不自由な体にした羽木家を怨んでいるのだ。その恨みは、忠清を亡き者にし、羽木家を乗っ取ることで晴らすことができると考えている。
成之の第一の目的は、権力を奪うことではない。母の代わりに羽木に復讐すること、それが彼の望みである。羽木家の当主となって母を喜ばせたい気持ちはもちろんあるが、高山と通じることによって、結果的に羽木が滅んだとしても、それはそれで構わないのだ。

成之は、捻くれてはいるものの、純粋な心の持ち主だ。花を愛でたり、虫を慈しんだりする描写がそれを表している。唯之助に対する態度も、コミックよりもずっと優しい。如古坊が陰謀に加担するのも、虐げられていた自分を拾い、人として扱ってくれた成之への想いからである。

成之の陰謀は、母の思いを成し遂げるためであり、母への愛情の具現化である。成之暗殺未遂事件というチャレンジングな設定は、その成之の陰謀を正当化するために必要であり、互いの暗殺未遂事件でチャラにしようってことなのだ。

第10話で、成之の陰謀は、若君の知るところとなり、久は天野家に預けられた。久の心は、天野家の人々と心を通い合わせるにつれ、解きほぐされていく。ここでの「吉乃」の存在は大きい。

とは云っても、若君を暗殺しようとした兄の罪は、あまりにも重い。これを不問に付すなんて有り得ないことだ。だが、若君は成之を信じた。忠清と成之の確執は、(女が絡んでいるので)刃を交えるところまでいってしまうが、それでも信じ続けた。

これでは成之に勝ち目は無い。そもそも羽木を手に入れたところで、成之にはその先の未来が見えていない。だから、ずっと前から勝負はついていたし、それは成之も分かっていたはずだ。認めるのに時間が必要だっただけのことである。

第11話で、久は出陣の挨拶に来た成之に会わなかった。若君救出のための出陣である。会えば成之は母に謝罪したかもしれない。久は会わないことで、自らの怨念から成之を解放したかったのだろう。


高山と通じ、敵役だった成之が、若君と力を合わせて高山軍と対決するシーン。こういうのって昔から何度も見てきたけれど「光堕ち」って云うらしい。
「光堕ち」したキャラの多くは、その犯した罪を償うかのように、物語のクライマックスで命を落としたりすることが多い。しかし、成之は、何事も無かったかのように、阿湖姫を娶り、その知力によって若君に仕えるようになる。

「アシガール」の登場人物に悪人はいない。コミックでもその傾向はあるが、ドラマではさらにそうだ。若君暗殺を企てた成之をも悪人にしない。不思議な物語である。

2020年8月2日日曜日

「アシガール」に登場する家族とその魅力 ② ~天野家と唯之助の出世物語

物語はプロローグが面白い。特に根拠は無いけれど、そう思う。アシガール全編で、僕が特に面白いと思うのは、第一話から第三話までである。一番お金がかかっているのもここだろう。だから、アシラバさんたちの、最初のうちは我慢みたいな書き込みを見ると、そうなのかなぁって思う。確かに、オンデマンドの人気ランキングでも、第2話は、全13話中不動の最下位である。伊藤健太郎君と黒島結菜さんのどちらを軸に視聴しているで変わってくるのだろうか。

と云うわけで、今回は、天野家について妄想してみた。

前回へのリンクです。



3.唯之助の出世物語


天野家は、黒羽城羽木家の重臣で、武勇で仕えた家柄である。唯之助が天野の屋敷に匿われる場面では、広い屋敷に多くの下女が働いている描写があり、コミックにも、天野勢200という記述があるので、羽木の家臣団の中でもズバ抜けた勢力を持っていたことが分かる。

軍事面でも、赤備えの鎧で統一された天野勢は、先鋒や本軍を勤める羽木軍の中核的存在であった。赤備えは、武田軍の「山縣昌景」隊、徳川軍の「井伊直政」隊、大坂の陣の「真田幸村」隊など最強精鋭部隊の象徴であり、天野の赤備えもそれにあやかっての設定であろう。


梅谷村の百姓足軽だった「唯之助」は、駆け比べでのアピールなどが実って、天野家に召し抱えられた。この時の身分は、天野家の下人である。その後、鹿之原の合戦での働きにより、御馬番足軽に取り立てられた。城内にお役目を頂いたのであるから、城への出入りも許されるわけで、(但し、若君のプライベートエリアは不可)第1話で城を訪ねて門番からつまみ出された時と比較すると、かなりの出世である。この時の身分は、正式な足軽、つまり下級武士であるが、唯之助が羽木家直属の家来(直参)になったのか、天野家の家来(陪臣)のままなのかは、よく分からない。

江戸時代になると、直参と陪臣というのは、同じ武士でも天地の差があったらしい。企業ドラマで云えば、本社本店の正社員と子会社の社員、刑事ドラマで云うと、本庁捜査一課の刑事と所轄警察署の刑事の関係である。

天野の家人のままであれば、天野の屋敷に住んでいて、そこから城に通うであろうし、直参であれば、城下の足軽長屋に住まいをあてがわれるはずである。ドラマでもコミックでもこのあたりの描写は省略されているので、判断のしようがないが、何となく、天野の家人のような気がする。戦国時代中期においては、その差はどの程度であったのだろう。

コミック第5巻、ドラマ第8話では、唯之助は、若君の命を助けた功により、御馬番から若君の警護役に取り立てられる。実は、この出世は、これまでとは比べものにならないほどの大抜擢である。


唯之助は屋敷に上がり、殿様に直接お目通りしている。家人であれば庭先までだから、どエライ出世なのが分かる。コミックによると、この時の装束は、天野小平太のお下がりを使って天野信茂(じい)があつらえてくれたものらしい。唯之助は、梅谷村の百姓出身であったので、天野家が彼(彼女)の後見人となっていたのであろう。コミックでは、この時、忠高から「林 勝馬」の名をもらっている。

ドラマ第8話には、阿湖姫が馬を借りにくる場面があったが、姫の申し出を断る時の御馬番足軽の立ち振る舞いを見れば、両者の間の身分の隔たりが分かる。唯之助が阿湖姫と友達になれたのも、若君警護役という身分があればこそなのである。

4.天野家の人々


物語で、天野家は三代揃って登場するが、三人ともキャラが立っていて傑作である。

                 
先代当主は、イッセー尾形さん演ずる「天野信茂」(じい)。今は隠居の身であるが、先代の殿様の元では四天王の一人として活躍し、若君の守役(養育係)も務めた。ドラマでも、コミックでも個性的なキャラであるが、ドラマから入ったファンからすると、コミックのじいは口喧しいだけの印象があって、(唯之助が云うところの)喰えないクソじじい的なドラマの爺の方が魅力的に思う。まあ、これは、イッセーさん自身のキャラによるものであろう。

天野家の現当主「天野信近」を演ずるのは飯田基祐さんである。時代劇も現代劇も何でもこなすベテランの俳優さんで、飯田さんが出演しているドラマとか映画とか、たくさん見ているはずであるが、思い出せない。神木隆之介君と一緒に宝くじのCMに出ていたそうで、CMは見たことがあったが、上司の役だったのは云われるまで分からなかった。でも、映画もドラマもこういう役者さんの存在無くして作れないんだなぁと、実感した次第である。


天野信近は、堅物で根っからの武人という設定だが、ドラマの信近は、爺や唯之助に振り回されるなどコミカルな面も多い。筆頭家老でありながら、偉ぶったところの無い誠実な人柄は、飯田さん自身のキャラでもあろう。コミック12巻の番外編では、唯之助のお袋様「吉乃」との再婚にまつわるエピソードが紹介されている。

天野家の嫡男「天野小平太」を演じるのは、(はんにゃ)の金田哲さんである。はんにゃの金田なのに、ドラマではボケない。コメディーにお笑い芸人が出演しているのに、一切ボケない。この視聴者への裏切り度はハンパないであろう。剣道経験者だそうで、若君との剣術の稽古での剣さばきは、普通に格好いい。芸人さんっていうのは、ホントに何でも出来るんだなって思う。


金田哲さんは、今年公開の映画「燃えよ剣」に出演するそうだ。主役の土方歳三には岡田准一さん。近藤勇に鈴木亮平さんという豪華な顔ぶれであるが、金田さんは、八番隊隊長「藤堂平助」を演ずるらしい。ちなみに 、藤堂平助は、大河ドラマの「新撰組!」では、中村勘九郎さんが演じた人気の役である。

小平太は、若君と常に行動を共にしている近習で、7才の時から、3才年下の若君に仕えていたことになっている。恐らく、守役であった天野信茂が、若君の御学友というか、遊び相手として、自分の孫を連れてきたのであろう。乳母子の例と同様に、幼君と一緒に育った家臣の子は、互いが厚い信頼関係で結ばれて、幼君が成人した時には最も忠実な家臣となる。天野家は、羽木家の重臣の家柄であるが、小平太の存在により、若君の代になっても、筆頭家老の地位が保証されていることになる。


物語には、もう一人、「赤井源三郎」という近習が出てくる。こちらは重臣千原家の縁者で、設定年齢は小平太と同じだそうだが、立ち振る舞いから小平太より若干身分が低いように思える。小平太は、若君に苦言を呈することもあるが、源三郎は、ひたすら忠義を尽くす近習である。若君にとっては、最も使い勝手の良い家来といえよう。


5.正室への伏線


永禄にタイムスリップした唯を助け、引き取ってくれたのが、梅谷村の百姓「吉乃」である。第8話では、吉乃が足軽大将「きうちやすまさ(木内康正?)」の娘であったことが明かされる。当時の軍団は、総大将→侍大将→足軽大将→足軽小頭→足軽→雑兵と構成されている。足軽大将は100人ほどの足軽を束ねる実戦部隊の指揮官であり、海軍でいうと巡洋艦や駆逐艦の艦長クラスであろうか。中流武家の娘が、なぜ百姓として暮らしていたのかは明らかにされていない。

吉乃は、唯之助が若君拐かしの疑いで、お尋ね者になっていたときに、尋問のために引き立てられて来たことが縁で、天野信近に見初められた。吉乃が信近の後妻になったことで、形式的ではあるが、唯は天野家の養女になった。この意味は大きい。アシガールは、時代考証などで杜撰なところもあるのだが、こういう伏線の張り方は見事である。

戦国時代にも江戸時代にも、身分を越えた恋愛はあった。でも、正式に婚姻関係を結ぶには、やはり身分を整える必要があったわけで、その時に使われたのが、身分の高い家の養女になるという方法である。

真田家と徳川家が同盟を結んだときに、「真田信之」と本田忠勝の娘「小松姫」が結婚することになった。真田家の嫡男と徳川家の重臣の娘であるから、身分的には、まあまあ釣り合っていると思うのだが、家康は小松姫を自分の養女にしてから結婚させている。つまり、家康の娘と結婚したことにしたのだ。信之を見込んだ家康のラブコールである。形式的なことに過ぎないが、関ヶ原の戦いでは、信之は義理の父である家康方に付くわけで、やはり形式は大事なのだ。

面白いのは、唯は、若君と結婚するために天野家の養女になったのではない、というところである。重臣の娘であれば、若君との結婚に問題はない。が、吉乃が再婚したのは、唯が平成に戻っている間である。唯は自分の知らないうちに天野家の養女になっていた、つまり形式の方が勝手に整ったのである。


この婚姻は、天野家にとっても、喜ばしいことである。天野家の娘が羽木家の跡取りを産むことになれば、天野家は、領主の外戚となるからだ。ライバルの千原家が面白くないのは当然のことである。
しかし、正室となると話は別である。正室の座は他国のと同盟関係に使う重要なカードであるから、忠高が難色を示したのも当然のことであろう。

6.唯之助の弟たち


吉乃には、三人の男子がいたことになっている。「弥之助」は小垣の戦で死んでしまい、代わりに転がり込んできたのが唯之助である。
弥之助の弟たちが「三之助」と「孫四郎」である。数字が合わないのは、幼くして死んでしまった兄がいたということであろうか。後妻と連れ子たちである。


「三之助」は、聡明な男の子という設定である。14巻では、平成からやってきた「尊」から数学の手ほどきを受けたりもしている。天野家の三男として、成人したら、知力をもって緑合藩を支えることになるであろう。とすると、天野家の四男の「孫四郎」は、武力で仕える設定であろうか。・・・ん、数字が合ってる?

子役が大きくなるのは早い。続編を制作するとき、弟たちってどうするんだろう。

2020年7月25日土曜日

「アシガール」に登場する家族とその魅力 ① ~主役の二人と速川家~

昔と比べると、コミックを実写化したドラマってホントに多くなったと思う。まあ、それだけ日本のコミックのレベルが高いってことなんだろうけど、画がそのまま使えるアニメ化と違い、人間が演じる実写化は、人物に違和感が出ちゃったり、世界観を表現しきれなかったりと、いろいろと難しいこともあるようだ。そんな中で、実写化の成功例とされているのが、NHKドラマ「アシガール」だ。

いきなりですけど、SPドラマのラストシーンです。


で、こちらがコミック12巻のラストシーン。アシラバさんによると、このコマはコミックの方がドラマに合わせて挿入したらしい。


というわけで、今回は、コミックとドラマを見比べながら、アシガールの登場人物とその家族について妄想してみた次第である。


1.まずは主役の二人から


アシガールがドラマ化されるにあたって、主役の「速川唯」については原作者さんからの指名(内田Pのオファーとも)で黒島結菜さんに決まっていたそうだが、若君はオーディションをしたらしい。
当時、コミックは7巻までが刊行されていて、すでに多くのファンが付いていた。ファンの若君に対する思い入れは熱く、伊藤健太郎君(当時の芸名は健太郎)に決まったときも、イメージに全然合ってないとか云われちゃったそうだ。今では、想像もできない話である。


アシガールのカップルは、どこまでも格好いい若君と、ちんちくりんな女子高生という、典型的な凸凹カップルだ。コミックの速川唯は、計算高いところもあって意外と性格も悪い。オマエみたいな男がホントにこんな彼女で良いのか、ってツッコミを入れたくなるようなカップルだ。まあ、ドジな女の子に王子様キャラの彼氏っていうのは、少女漫画によくある設定だ。多分、読者が感情移入しやすいんだろう。

若君は、少女漫画では盛り放題だが、生身の人間はそうはいかない。どんな好青年だって完璧なんて有り得ない。で、唯之助を演じる黒島結菜さんは、女優だからそれなりに可愛い。だから、コミックでは凸凹カップルだった二人が、ドラマでは程よく釣り合って、お似合いカップルになっちゃってる。


こんなドラマみたいなカップルを街中で見かけたら、ガン見しちゃうだろう。(ドラマでした。)

アシラバさんたちの中には、二人がリアルでもお付き合いしてくれれば良いのになんて思っていた人もいたようだ。特に、健太郎君の中年オバさんファンからは、結菜ちゃんならOKみたいな書き込みがあった。まるで、息子のお嫁さん選びである。

でも、共演をきっかけに交際ってことにはならなかったようだ。番宣などでの二人を見ているとなんとなくのよそよそしさを感じる。どちらかと云うと、伊藤君が遠慮気味な感じがする。二人は同じ1997年生まれだけど、黒島さんの方が学年が1こ上ってこともあるかもしれないし、収録が始まった頃は、役者としての実績は黒島さんの方がちょっと上だったってこともあるかもしれない。

黒島さんのインタビュー記事には、同世代の共演者よりも、スタッフさんとかベテランの俳優さんとかと話をすることが多いと書いてあった。もしかしたら、同世代の男からすると、取っ付き難い雰囲気を持っているのかもしれない。アシガールの現場でも、この二人って、ほとんど話などして無いんじゃないかって思う。

今年になって、二人には、それぞれ熱愛報道があった。伊藤君には活発な女の子の彼女ができたようだし、黒島さんは落ち着いた大人の彼氏とお付き合いをしているようだ。これをきっかけに、二人とも素敵な大人の役者へと成長していくんだろう。まあ、続編制作のことを考えると、リアルで付き合っていない方が、仕事がしやすいってこともあるわけで。


2.速川家の人々


コミックの速川家は、ごく普通のサラリーマン家庭という設定だ。母親は専業主婦で、弟の「尊」は有名進学校に通っている発明の天才だが、不登校ではない。

それと比べて、ドラマの速川家は、キャラが立ちまくっている。母親は内科と外科の開業医で、父親は家事が好きすぎて会社を辞めた専業主夫。弟はいじめられっ子の引き籠もりである。

母親が開業医というのは便利な設定である。若君が瀕死の重傷を負って平成に送り込まれた時も、救急車を呼ぶときにどうやって説明するかとか、入院したときの医療保険はどうするんだろうかとか悩まなくって済む。まあ、これはコミックだって同じ事なんだけど・・・。

コミックの速川家の両親は、常に受け身だし、常識的に悩んだりもするので、お隣に住んでいる向坂名誉教授の助けを必要とするのだが、ドラマの速川家は、とにかく明るくて前向きだ。引き籠もりの尊に対する態度もそうだけど、新型タイムマシンの起動スイッチの仕様書を提案するのも両親だし、戦国の皆さんに手土産を持たせようなんて発想も最高である。


僕は、最初にSPドラマを見たとき、若君は、このまま平成で暮らすのかと思った。若君は永禄では死んだことになっている(お墓もちゃんとある)し、唯の幸せを第一に考えたとき、若君が現代で生きるという選択をすることもアリだと思ったからだ。だから、この結末は、ちょっとした衝撃でもあった。

コミックの速川家は、常識的な家族であるから、唯たちが戦国時代で暮らすことを認めた場面では、無理をして納得しているっていうか、重苦しい雰囲気を感じてしまう。一方、ドラマにそれが無いのは、この家族だったら、若い二人の想いを認めちゃうんだろうなっていう大らかさがあるからだ。

コミックでは、御月家の家系図が発見され、そこには、戦国に戻った唯たちが、明治維新まで続いた緑合藩御月家の藩祖になっていたことが書かれていた。これで時空は完全にループし、唯は歴史を変えたのでは無く、唯の行動そのものが歴史だったことになった。

この場面を挿入することで、コミックの速川家と読者は安心することができた。だが、ドラマには家系図は出てこない。収録時にはコミックがそこまで進んでいなかったってこともあるのだろうけど、あったとしても、この家族には不必要だろう。


若君の、唯を伴って永禄に帰りたいというのは、彼のエゴだと思う。だけど、現代で暮らすのが幸せで、永禄で生きることが不幸だなんてのも、現代人のエゴでしかない。

誰も不幸にしない、ハッピーエンド・・・タイムトラベルもので、この結末ってアリなのだろうか。そんな懸念を抱かせない不思議な魅力が、この家族にはある。


実は、静岡県人は、唯の父親「速川覚」を演じている「古舘寛治」氏には特別の思いがある。静岡県限定の、パチンコ・コンコルドのCMにレギュラー出演しているからだ。コンコルドのCMは、炭焼きレストラン「さわやか」と並ぶ静岡県の名物で、インパクトのみのくだらないCMである。いや、インパクトすら無いと云っていいだろう。それでも「娯楽惑星コンコルド」とか「娯楽仮面コンケルド」とかやってた頃は、くだらない中にもストーリー性があって、ブラックなユーモアとか、人間にとって娯楽とは何かみたいな深遠なテーマがあった(と思う)のだが、2012年に古館氏が登場して「コンコルド人間、略してコンコルゲン」とかやりだしたら、本当にくだらないだけのCMになってしまった。       
だから「古舘寛治」氏は、静岡県では早くから有名だったけれど、しょうもない三流の喜劇役者だと思われていた。彼が大河ドラマ「直虎」に出演したときは、何かの間違いだろうってみんな思ったくらいだ。

もちろん、今では、彼が立派な俳優さんであることは、静岡県民だって知っているんだけど、コミックの速川唯の父親のイメージから、どういう思考回路を経れば古館氏のキャスティングになるのか、全く理解できない・・・・けど、それが最大のヒットなのかな。

と、思いの外、長くなってしまったので、今日はここまで。続きは近いうちに。

高山家の二人については、こちらの記事で。

2020年7月18日土曜日

戦国時代劇としての「アシガール」 ~羽木VS高山の合戦を検証する~

NHKラブコメ時代劇「アシガール」。再放送からの再ブレイク凄かったですね。NHKオンデマンドのドラマ部門ランキングでは、大河や朝ドラを押しのけて全13話が全て15位以内に入るという快挙。総合でも20位以内に4、5話がランクインしていました。DVDの売り上げも伸びていて、一時は在庫切れになったそうですし、コミックも1巻から最新刊までを大人買いする人がかなりいるとのことです。再放送とかしちゃうと、DVDなんて売れなくなるんじゃないかって思うんですけど、そういうものでもないんですね。

ブレイクの原動力は、スカーレットからの伊藤健太郎君のファンの方々のようですが、ついでに黒島結菜ちゃん可愛いなどと云って貰えるので嬉しい限りです。


「アシガール」では、物語の主人公である羽木(御月)家と、隣国の高山家は、祖父の代から領地を争ってきた宿敵という設定になっています。今回は、羽木家の宿命のライバル高山家を取り上げさせていただきます。


まずは、アシガールでの個性派キャラ。「村田雄浩」さん演じる高山家の当主「高山宗鶴」です。


こちらは、高山家嫡男で、「加藤諒」さん演じる「高山宗熊」です。


お二方とも「超」が付くほどの個性派俳優さんですね。高山家の二人って、コミックのキャラクターとは全然似てないんですけど、これが物語に見事にハマっています。

1.小垣城夜襲


さて、アシガールは、永禄2年にタイムワープした唯が、敗走する足軽隊に紛れ込むところから物語が始まります。

この時の戦では、小垣城を守る200人の羽木勢は、高山軍2000の夜襲に遭い、生き残った者18人(コミックでは28人)という惨敗を喫し、城も奪われてしまいます。
小垣城は、高山領と国境を接する最前線の城ですから、それなりに警戒をしているはずです。その城に対して、2000もの軍勢が敵に気付かれずに夜襲するのは極めて高度な戦術が必要で、そのことだけでも高山が如何に戦上手かが分かります。


国境の重要な拠点である「小垣城」を奪われたことは、羽木にとってはかなりの痛手になったようで、進んでいた松丸家との縁談(同盟)も保留になってしまいます。

2.小垣城奪還戦


ドラマ第3話では、占領された小垣の地が、高山軍の略奪行為により疲弊していることが報告されます。占領軍による略奪は「乱取り」といわれ、雑兵への恩賞代わりとして黙認や公認されていた行為でした。雑兵どもは、乱取りができるから、命を懸けた戦に赴いていたとも云えます。

しかし、勢力拡大の視点で考えると、占領地は自国の領地となるところです。その地が荒廃してしまうのは、領国経営上好ましいことではありません。また、合戦が完全に終了していないのに乱取りが始まってしまうと、軍隊の統率も乱れてしまいます。大河ドラマ「麒麟が来る」では、今川義元が、乱取りに逸る自軍の兵に激怒する場面が描かれていました。実際、桶狭間の戦いでの織田信長の勝因に、今川軍の乱取りを指摘する説もあるくらいですからね。

上杉謙信は領土的野心が無い武将と云われ、美談のように語られることが多いのですが、上杉軍は遠征先でしばしば乱取りを行っています。略奪によって目先の生活が楽になればOKってことですね。一方、天下統一をめざす織田信長などは、乱取りを厳しく禁止する触れを出していたようです。と考えると、高山軍は古いタイプの軍勢であるとも云えます。


さて、小垣城奪還の機会を伺っていた羽木ですが、高山軍が隣接する野上衆を圧迫したことで、両者が一触即発の状態になっていることが、成之によって知らされます。羽木軍は、これを好機として、小垣城の奪還に動き出します。唯之助は小荷駄組の百姓足軽として、この戦に参戦しました。

以前、投稿させていただいたブログ記事へのリンクです。 

       小垣城奪還戦と小荷駄組

この時の羽木軍の軍勢は3,000と推定されます。時代考証に無頓着なコミックでは、1万人と云うトンデモナイ数字を出しています。戦国時代の軍勢の動員力に関しては、一万石あたり、侵略戦で200人程度、防衛戦で300人~350人とされていますから、1万人の軍勢を動員できる羽木家は、40万石の大大名ということになってしまいます。


一方、小垣城の高山軍は、数百人ほどと思われます。数的に劣勢な高山軍としては、小垣城に籠城して援軍を待つことが定石の戦い方ですが、この時は、城を出て奇襲を仕掛けるという作戦をとっています。高山の本軍が野上衆との戦いに動員され、援軍が期待できない情況では、籠城は不利になると考えたのでしょう。


高山軍は、小垣城へ向かって狭い山道を行軍する羽木軍を待ち伏せたようです。羽木勢は、隊列が細長くなっていたところを側面から奇襲されます。剣を振るい敵をバッタバタと倒す、伊藤健太郎君演じる「羽木忠清」は、格好良いこと此の上ありませんが、総大将が敵の雑兵と直接切り結ぶなど、軍勢としては恥ずべき失態であります。一歩間違えば、桶狭間の戦いのように、奇襲により総大将が討ち取られてしまうなんてこともありえたわけで、この時、高山軍がとった戦法は理にかなったものと云えましょう。

3.鹿之原の合戦


ドラマ5話では、降伏した野上衆を取り込んだ高山軍が、小垣城を奪い返しに来ます。この時の作戦は、野上衆に羽木の本城「黒羽城」を攻めさせ、高山軍は小垣城を攻撃するという二方面作戦です。野上衆には黒羽城を陥落させるほどの戦力は無いはずですから、こちらは陽動部隊で、主目的は高山軍による小垣城の奪還です。羽木勢は、戦力を分割せざるを得なくなり、小垣城に迫る高山軍3,000に対して、羽木勢の援軍は1,000という、圧倒的に不利な戦いに臨むことになります。

この時の唯之助は、羽木の重臣「天野」の下人として戦に参加します。赤備えの鎧で統一された天野勢200は、羽木軍の中核的存在で、唯之助の部隊は先鋒を任せられています。百姓足軽から天野家の正規兵になったのですから、兵が足りなくて急遽採用されたとはいえ、なかなかの出世であります。アルバイト社員が子会社の正社員に採用されたと云ったところでしょうか。

若君率いる羽木勢1000は、小垣城に入らず、近くの「鹿之原」で野戦に臨みます。野戦は兵の数で勝敗がほぼ決まりますから、3倍の敵に野戦を仕掛けるというのは、極めて無謀なことであります。本来ならば、籠城して高山軍を引き付け、野上勢を退けた本軍が援軍に来るのを待つべきなのですが、あえて、野戦に臨んだのは、籠城戦になった場合に、小垣の城下や付近の村々に被害が及ぶことを、若君が嫌ったためとされてます。

この時、数的に有利な高山軍は、羽木軍を包囲殲滅しようと鶴翼の陣で構えます。高山軍は夜の間に行軍して陣を構えますが、このことからも、高山軍が如何に訓練された軍勢であるかが分かります。

対する羽木軍は、鋒矢の陣で中央突破を狙います。鋒矢の陣は、強力な先鋒をもって敵陣に突入していく超攻撃的な戦法です。


ドラマでは、「天野小平太」率いる先鋒が、高山軍の鉄砲隊に三方から撃ちかけられ混乱していたところを、(総大将であるはずの)若君が自らを先陣として突入し・・・・という展開でしたね。
この時、若君に従っていた重臣「天野信近」が「もはや、これまでか・・・」みたいなことを云います。未だ、槍も交えていないのに、随分あきらめが早いなあと思ったんですけど、鋒矢の陣は、超攻撃的な陣構えですから守りには不向きです。先鋒が抑えられてしまったら、高山軍の両翼から側面攻撃を受けてしまいますから「もはやこれまで」なんですよね。ですから、無謀でも何でも、先鋒は敵陣に突入して、相手の陣形を崩さなくてはならなかったんです。


羽木勢の進軍を止めたのは、高山軍の鉄砲隊でした。実は、永禄2年という時期に、鉄砲隊を組織的に運用していた戦国大名というのは、あまり例がありません。大河ドラマ「麒麟が来る」でも描かれていたように、この頃(長篠の戦いの16年前)は、戦での鉄砲の使い方を試行錯誤している段階なんですよね。当時、大変高価な武器であった鉄砲とその弾薬を一定数揃えることができるのは、かなりの財力を持った大名だけだったと思います。ちなみに、羽木勢には鉄砲が全く見られません。

この財力の違いが、それぞれの居城で表現されているのは、アシラバさんたちの指摘の通りであります。


高山家の居城「長沢城」では、唯が軟禁された部屋を始め、ほとんど全ての部屋は総畳敷きになっています。一方、羽木家の居城「黒羽城」では、奥座敷を除いてほとんどの部屋が板敷きで、畳は、当主が座るところだけにしか置いてありません。
当時、畳は大変高価な品物でしたから、総畳敷きというのは大変珍しかったはずです。まあ、贅沢な暮らしをしている高山家と、清貧な羽木家という対比での演出だと思いますが、さすが、NHK時代劇班。見事な時代考証であります。で、高山家は、その財力を軍事にも投入しているわけです。(ちなみに、コミックの黒羽城の奥御殿は、江戸城の大奥もビックリの贅沢な造りになっています。)


高山家の財力の源は、どこにあるのでしょうか。高山家と羽木家は長年のライバル関係にありましたから、領土などの国力は大差ないはずです。となると、考えられるのは、高山領が交通の要所であったとか、鉱山や港を持っているとかの経済力の差です。あとは、領民に重税を課していたとかもありますけど、それでは、領国経営が永続しませんからね。(ちなみに、織田信長が治めていた尾張は、さほど大きな国ではありませんが、熱田湊・津島湊という良港を持っていました。)
高山宗鶴の代になって、高山軍が攻勢を強めた背景には、高山領で何らかの経済的発展があっからだと考えられます。経済力があると云うことは、召し抱える家臣の数も多かったでしょうから、これが、高山軍の迅速な行動に結びついていたとも考えられます。

さて、唯が平成に戻っている間に、羽木家では跡継ぎをめぐってお家騒動が起き、それに乗じて高山軍が羽木の領内に2度侵入したことが、お袋様によって語られます。若君が全軍を率いて高山軍を撃退し事なきを得るのですが、高山の相手の混乱を察知する情報力(スパイ活動にもお金がかかるはず。)はさすがですね。

4.万代橋の戦い


ドラマのクライマックス第11話と第12話では、羽木・高山両軍は、国境の川を挟んで対陣します。本来は川の名を合戦の名前にしたいところなんですが、川の名前が分からなかったので、とりあえず「万代橋の戦い」といたします。


羽木勢は若君を救出するため、高山軍は若君を捕らえるための出陣です。どちらも急な出陣ですが、高山軍が数千の軍勢を集めたのに対して、羽木勢は1,000足らずです。
高山軍の優れているところは、戦に於いて常に数的優位な情況を作り出せるところにあります。そのためには、兵の招集から陣触れまでの命令系統がしっかり構築、訓練されていなくてはなりません。一方、羽木軍は常に劣勢です。羽木は物語の主人公ですから、劣勢でも頑張って戦って、それはそれで格好いいと描写されますが、戦略的には褒められたものではありません。

羽木勢は、後から援軍を送ることになりますが、この戦力の逐次投入というのは、最も避けるべきことであります。
典型的な例が、太平洋戦争の「ガダルカナルの戦い」です。日本軍は戦力をダラダラと投入し続けて、最終的には、3万人もの大軍を派遣するのですが、結果は大惨敗となります。戦力というのは、最初にドカーンと投入するべきで、そのための輸送とか兵站とかを如何に構築できるかが勝敗を分ける決め手になるわけです。

この時の戦いでは、高山軍は薄い鶴翼の陣と見せかけて、山の後ろに3,000の伏兵を配置します。羽木勢を預かる「羽木成之」は、優勢な高山軍が攻めかかる気配を見せないことを不審に思い、様子をみることにします。もし、若君救出に逸って攻撃を仕掛けていたら、伏兵に包囲され大敗北を喫していたと思われます。


とはいえ、高山軍は優勢なのですから、攻めてこないと思えば、攻勢をかければ良いわけで、尊が発明した「まぼ兵君」が無ければ、小垣城に拠ったとしても、かなりの苦戦を強いられたはずです。この時の戦の様子は、ドラマでは軽く流してしまいますが、舟橋を使った作戦など、コミックでは詳細に描かれていて、読み応えがあります。


羽木勢は、敗戦となるべき戦いを、唯の活躍や、尊の発明で乗り越えていきました。郷土史家でもある社会科の木村先生は、「羽木家が突然滅んだのは郷土史上の長年の謎」と語りましたが、合戦の情況を検証すると、高山軍が勝てなかったことが最大の謎であって、唯の存在が無ければ、高山宗鶴は戦国時代の名領主として、高く評価されるべき人物になっていたと思います。

2020年6月14日日曜日

アシガール第14巻と期待される続編の展望

次々回のNHK連続テレビ小説の主演は「清原果耶」さんに決定したが、依然として黒島結菜さんを朝ドラの主演にと望む声は多いようだ。こういうのは巡り合わせが大事なので、若干時期を逸した感があるのだが、最近の朝ドラは、オーデションで主演を決めているわけでもなさそうだから、可能性はゼロとは云えない。
ただ、朝ドラの主演女優というのは、誰からも温かく見守ってもらえるような新人か、叩かれてもビクともしない実績のある女優が相応しいように思う。普通のテレビ番組なら、お気に召さなければ見なければいいのだが、朝ドラは視聴が生活習慣になっているから、批判の的になり易い傾向にあるからだ。
僕的には、朝ドラで1年近く拘束されるよりは、いろいろな役を演ってくれた方が面白いし、出演できるのならば、次回主演「杉咲花」さんの親友みたいな、当たり障りの無い役が良いなと思っている。


さて、アシガールの再放送も最終回が近づいてきた。視聴率は、それほどではないかもしないが、オンデマンドでも健闘しているし、NHKが重視している番組満足度は、かなり高いのではないだろうか。それらを受けて、アシガールSPの再放送も現実味を帯びてきた。
SPは、兎に角、若君が格好いいので、放送されれば健太郎ファンは大喜びとなろう。


で、アシラバさんたちの次の関心は、何と言っても、続編制作の可能性であろう。

続編の対象となる原作コミックは12巻の終盤からになる。現在は14巻まで刊行されていて、年末には15巻が発売される予定だ。物語の舞台は、永禄4年の尾張・美濃となっていて、これは大河ドラマ「麒麟が来る」とまるかぶりである。

アシガールの連載開始時点での年代設定は永禄2年。実は、この設定はどう考えてみても違和感があった。このことについては、以前投稿させていただいた通りである。


ところが、13巻から始まった第二章では、永禄4年という年代設定に物語を合わせてきているのである。結果として世界観は、大きく変更され、第一章と第二章の間で辻褄の合わないところがでてきてしまった。


ということで、第二章は、尾張国ローカルで繰り広げられる戦国絵巻ということになった。14巻のラストでは、ついに「細マッチョの塩顔」な織田信長が登場する。しかも、ちょっと遊びに来た的な気軽さでの登場である。そんなご近所だったら、第一章の世界観なんて完全に吹き飛んでしまうのだが、まあ面白ければ良しとしよう。


第二章では、唯の弟の「尊」の成長が丁寧に描かれている。準主役級の扱いで、狂言回しの役割も担っている。ドラマで尊を演じていたのは、「下田翔大」君という子役出身の俳優さんだった。SPの撮影時、彼は所属していた「アミューズ」を退社していて一般人だったのだが、この収録限定で復帰したという話は有名である。
彼は、アシガールの続編制作には、無くてはならない存在であるので、芸能界を引退してしまったことを危惧する声が多かったのだが、最近SMAと契約したことが明らかになった。現在、これといったタレント活動はしていないようであるが、SMAは、黒島結菜さんの事務所でもあるので、これを続編制作への布石と考えるファンは多い。

コミック版アシガールの黒羽城のモデルである「熊本城」と、5年前の「下田翔大」君(2列目の向かって左端)


で、14巻でも、タイムトラベルに関して注目するべき「尊」の台詞が出ている。平成に御月家は存在し、未来で尊は新型タイムマシンを完成させるのであるから、尊も若君も永禄で命を落とすことは無い、という強気な思想である。これは、過去も未来も相対的な存在で全ては確定しているという、相対的時空論に基づくものである。
このような、自らの未来が保証されていると考える不死身思想は、物語の緊張感を損なってしまう危険性があるのだが、原作者さんも、ちゃんと布石を打っていて、こういうところは流石である。

イラストは、原作者さんがドラマの登場人物の似顔絵を描いたモノで、原作者とドラマ制作者の蜜月関係がよく分かる。

アシガールの面白いところは、物語が進んで行くにつれて、原作コミックがドラマの方に寄ってきているところである。13巻以降において、原作者さんがドラマ化を意識して物語を構成しているのは明らかである。

コミック第一章での高山家の若君「高山宗熊」は「羽木忠清」の引き立て役に過ぎず、何ら魅力のない存在であったが、ドラマでは、「加藤諒」さんが演じることで、魅力的なキャラクターになった。


アシガールには、名場面と云われるものがいくつかあるが、僕の大好きな場面の1つが、第12話での和議のシーンである。羽木家と高山家の総領が、互いをリスペクトするこの場面は、感動的ですらある。続くSPドラマでは、高山宗熊は、唯の良き理解者となって活躍することになる。
そして、それと連動するように、コミック第二章の高山宗熊は、当初のような凡庸な人物ではなく、物語になくてはならない重要なキャラクターとして描かれている。

さて、第二章が制作された場合、ファンの最大の関心事は、織田信長を誰が演じるのかであろう。細マッチョな人気若手塩顔俳優というと「中村倫也」さんや「松田翔太」さんを思い浮かべるが、ここは「佐藤健」さんでお願いしたい。年齢差もピッタリだし、伊藤健太郎・加藤諒・佐藤健の3人の個性豊かな「藤」で共演いただければ最高である。


アシガールの続編が制作されるとしたら、90分のSPドラマになる可能性が高い。ラストシーンは、初代藩主の誕生であろうか。ラブコメでは珍しい出産シーンがあるかもしれない。

コミックの連載と俳優の成長がリンクしていって、どんどん続編を作り続けていけば、「北の国から」みたいになって、アシガールは、黒島結菜さんと伊藤健太郎君のライフワークになるかもしれない。何せ、年代設定は永禄4年。関ヶ原の戦いまでは39年もあり、その時、若君は59才なのだから。


そういえば、「麒麟が来る」だけど、細川ガラシャ役の女優さんが、まだ告知されてない。もし、黒島結菜さんが起用されれば、朝ドラの主演よりも、僕的には、こっちの方が嬉しい。細川忠興は、もちろん伊藤健太郎君である。二人に追い風が吹いている今、これ以上の話題作りはないだろう。

2020年6月7日日曜日

ブレイクの兆しを掴んだ「黒島結菜」は、ラッキーな女優なのか。

テレビ東京「行列の女神 ~らーめん才遊記~」が早くも最終回だ。10話くらいあると思っていたから、まさかの打ち切り?なんて心配したのだが、ドラマBizは、いつも8話くらいで終了だから、予定通りってことらしい。ネット記事によると、最終回のロケは3月29日の雪の降るなかで強行されたそうだから、本当に滑り込みセーフだったことになる。

原作だと、ゆとりちゃんがラーメン選手権に出場したり、自分のお店を開いたりするらしいが、どうやら、コンサルティング業務に直接関係ない部分は割愛したようだ。
原作を忠実に再現するのも、大変な作業に違いないが、テーマに沿って再構築するのも簡単なことでは無いと思う。このような原作を改編したドラマは、評判が悪くなるのが常なのに、意外と受け入れられたのは、原作へのリスペクトをファンが感じ取ったからだろう。


で、このところ、女優「黒島結菜」さんに追い風が吹いている。ブレイク確実などと云われ続けながら、イマイチ知名度が上がってこなかった黒島結菜さんだが、明らかに情況が変わってきている。続けざまに何本もネット記事などに取り上げられるなんて、一年前には考えられなかったことだ。

追い風の原因が、NHK時代劇「アシガール」の再放送と、テレビ東京ドラマBiz「行列の女神」の完全放映にあるのは確かである。
ともに午後10時からのゴールデンタイムだが、当然のことながら、裏には他局の強力な番組が存在している。特にアシガールは、他の再放送番組のように、誰もが知っている高視聴率ドラマだったわけではないし、裏番組は「金曜ロードSHOW!」だ。それが口コミで評判を呼び、再々放送(深夜とCSも含めると再々々々々放送)にもかかわらず、新聞のテレビ欄で毎回紹介されるまでになったのだからたいしたものである。

ちょっと前のことだが、日刊ゲンダイ・デジタルに、「ドラマ話題作が全滅で…「ラッキー!」な女優たちが急浮上」なる事実誤認だらけの失礼な記事が出ていたのは、黒島ファンならご存じのことと思う。(これによると「行列の女神」の視聴者は、他に見るモノが無いから仕方なく見ている奴らになってるw)人を貶めることでしか注目される記事が書けないコラムニストってのは、哀れとしか云いようがないが、まあ、言わんとしていることは、理解できないわけでは無い。


スカーレットに出演していた今年の1月、黒島結菜さんは叩かれていた。誹謗中傷ってやつだ。Yahoo!のコメント欄には、彼女の演技を否定するコメントがいくつも並び、何千ものイイネが付いていた。見かねたファンが肯定的なコメントを投稿すれば、今度は何百もの低評価を付けられるって有様だった。まあ、ネットの番組欄への書き込みだったら、番組への批評とギリ云えなくもないが、一般のSNSへの書き込みは、やり過ぎだったと思う。当時、彼女のインスタグラムのコメント欄が封鎖されたのだって、このことと無縁ではないだろう。

でも、事務所は絶対フォローしていたと思うし、NHKだって、それなりにフォローに入っていたように思う。(番組は収録済みだったので如何ともし難かっただろうが)今回のアシガールの再放送だって、フォローの1つと考えられなくもない。でなきゃ、45分の番組枠に40分番組をムリヤリ嵌め込むなんて無茶なことを、NHKがするわけがないからだ。

そして何より、1月には、「行列の女神」の収録が始まっていた。僕はこれが一番大きかったと思う。もし、黒島結菜がラッキーな女優だとすれば、このことに尽きる。

虐めを克服する最大の武器は、自分が必要とされているという自覚を持つことだ。テラスハウスの彼女だって、コロナ禍がなくって本業で忙しく活動できてれば、あのようなことにはならなかったように思う。


注目されてきた分、三流芸能記事にも取り上げられるようになった。先日は、西野七瀬さんと、浜辺美波ちゃんと3人で、令和の貧○トリオとか云う失礼な記事が出ていたし、ファンは、彼女の写真集を心待ちにしているとか書いてあった。
ファン待望の写真集とか云ってるけど、それって、黒島結菜が撮られている写真集なのか、黒島結菜が撮った写真集なのか、どっちのことなんだろう。

まあ、タイトルからして完全な「釣り記事」なんだけど、この記事で釣ろうとしてるのは、明らかに若い男性層だ。

今までの黒島結菜さんの出演作というと、「アシガール」「FLY! BOYS, FLY! 」映画「カツベン」など、若い男性をターゲットにした作品とは言い難いものが多かった。
そして、デビュー当時からアイドル的な売れ方にならなかった(しなかった)黒島結菜さんには、コアなファン層というものが存在しなかったように思う。

昨年秋の朗読劇だって、観客のうちで相方の「岡山天音」君が目当ての女性客は分かったけど、若い女優大好きっぽい野郎どもなんて全然目立ってなかった。こんなに可愛い若手女優を間近で見られる絶好のチャンスなのに、である。


「行列の女神」(日刊ゲンダイの表現を借りると番外地扱いのB級ドラマ)では、黒島結菜さんは、ワザとうざく演じたみたいなことをインタビューで云っている。役どころとしては確かにその通りなのだが、そう云いつつも、制作側は明らかに彼女を可愛く撮ろうとしているし、彼女は可愛く見せようと演技しているように見えた。そう、媚びているのだ。そのつもりになれば、媚びることだって、ちゃんとできるんだからって云わんばかりの演技だ。黒島結菜は変わったのだ。アシガールの「速川唯」と、行列の女神の「汐見ゆとり」が別人なのは、役柄の違いだけではない。


黒島結菜さんは、日大芸術学部の写真学科に3年まで在籍していた。彼女のインスタには、旅行先で撮った芸術(?)写真が、コメントも付けずにアップされている。わざとピントを外して写真を撮るなんて、素人がすることではないから、腕前はかなりのものだろう。
1つの仕事が終われば、休暇をもらって遊びに行って、帰ってくれば、ちゃんと次の仕事が待っている。本当に幸せなことだったと思う。それがコロナ禍によって失われかねなかったのだ。自分が出演したドラマの注目度が多少上がったからといって、ラッキーなどと思えるはずもない。コロナ禍がなければ、休業することもなかったから、もっと活躍できていたはずだ。


次々回のNHK連続テレビ小説の主演は「清原果耶」さんに決定したようだが、黒島結菜さんを朝ドラの主演にと望む声は多い。最近の朝ドラは、オーデションで主演を決めているわけでもなさそうだから、可能性はゼロとは云えないが、こういうのは巡り合わせが大事だと思うから、時期を逸した感も否めない。

全ては、巡り合わせなんだと思う。黒島結菜さんは、タレントとして恵まれていたのは確かだけれど、決して順風満帆だったわけでは無い。その彼女が、23才にしてブレイクの兆しを掴んだのをラッキーと言うのならば、そうかもしれない。
ただ、巡り合わせは偶然の積み重ねで、そこにはラッキーもアンラッキーもない。その先の結果は、行動による必然から生み出されるものなのだ。そして、僕はそれを楽しみに待っている。

でも、「呪怨」は見ませんよ。