2016年2月29日月曜日

「旅立ちの日に」 ~ 一世を風靡した卒業ソング ~

 卒業式のシーズンが近づいてきました。学校では、受験が一段落すれば、卒業式の練習が始まるでしょうから、合唱の練習に熱が入っている頃だと思います。で、今回取り上げさせていただくのは、数年前まで盛んに歌われていた卒業ソング「旅立ちの日に」についてです。

 僕らの年代だと、自分たちも歌ってないし、子供も歌っているわけでもありませんから、ちょうど狭間の世代になるかと思います。学校という閉じた世界で歌われていたこの曲を広く世間に知らしめることになったのが、2007年に放送された「NTT東日本フレッツ光」のテレビCMでした。


 このCM、SMAPのメンバーが「ひかり中学校」の先生になり、ほぼ1年間に渡って、メンバーそれぞれによるバージョンでCMが放送されました。ちなみに、国語:草彅君、理科:中居君、美術:吾郎ちゃん、体育:キムタク、そして用務員さん:慎吾でした。そして、集大成として作られたのが、この卒業式のシーンになります。っていうか、このシーンで、「白い光の中に」っていうフレーズを使うだけのために、1年間かけて放送を続けてきたって感じで、僕はそれだけで感動してしまいました。

 では、ボーカロイドカバーです。数多くアップされている中から、こちらをセレクトさせていただきました。魂の無い物に魂を込める仕事って云うと、ちょっと大袈裟ですけど、よくできている調教だと思います。


 「旅立ちの日に」は、1991年に埼玉県の中学校の教員によって作られた合唱曲です。作詞は校長先生、作曲は音楽の先生、先生たちから卒業生に贈ったサプライズソングだったそうです。その後、音楽教諭であり作曲家でもある松井孝夫氏によって混声三部合唱に編曲され、教育雑誌に掲載されたことで全国に広まりました。2000年代には、全国ほとんどの小中学校で歌われていたみたいです。

 この曲の、誕生秘話みたいなのがあって、要は、荒れた中学校を合唱で立ち直らせたってことなんですけど、僕は、此の手の話は苦手なんですよ。不良たちが先生の熱意に改心して、最後は抱き合って、めでたしめでたしってことなんでしょうけど、おまいらはそれで良いかもしれないけど、さんざん虐められてきた俺たちの気持ちはどうしてくれるんだよって云う、気弱なオタクの叫びが聞こえてくるんです。彼らは、先生たちを取り巻く輪の中にも入れず、一番外側でウロウロするばかりの存在にすぎないわけで。
 だけど、この歌は、そんな奴らの心も全部ひっくるめて包んでくれる、そんな力があるように思うんです。

 では、もう1つ。ホントにこの曲って、たくさんの作品がアップされているんですが、歌が上手いという観点でみるとこれかなって思いました。合唱のパート練習なんかに使えそうな、お手本的歌唱だと思いますよ。


「猫村いろは」の歌声が良いなって思ったのは、初めてですw

 で、全国津々浦々の学校で歌われていたこの曲なんですけど、最近はあまり歌われないみたいです。まあ、卒業ソングなんて毎年次から次へと新しいものが出てくるでしょうし、みんなが歌っていると、また「旅立ちの日に」かって、今更感が出てきますんで、別な曲をってことになるのかなって思います。
 寂しい気もしますけど、卒業式の主役は、合唱曲じゃ無くって、合唱している卒業生です。卒業ソングが何であれ、旅立ちを祝福してあげられば良いだけのことですからね。

2016年2月26日金曜日

松浦亜弥の「T・W・O」ってそんなに凄かったのか

 久々に来ましたね「マーティ・フリードマン」氏。「あややの歌は子供の時にKISSを初めて聴いた時のような衝撃があり、その時から新しい自分が始まりました。『T・W・O』は、JポップにおけるKISSの『Alive!』のようなものでした。」ですって。
 この記事を受けてだと思いますが、Amazonでは、このセカンドアルバムが品切れ中で、入荷待ちの状態になってます。つい昨日まで、ブックオフで、108円とかで売ってたはずなんですけどw

 まあ、彼が「あやや」の熱烈なファンであることは、周知のことですから、これくらいの発言は、想定の範囲内なんですが、しかし何でまた「T・W・O」なんでしょうか。

 当時の亜弥オタさんたちのコメントを読んでも、ファーストアルバムが100%だとすると、セカンドは60%、サードアルバムは30%くらいの評価なんですよね。新規にファンになった方たちの意見を聞いても同じような傾向だと思います。
 氏のインタビュー記事によると「このアルバムはいろんな要素が入っていて、音楽のローラーコースターのよう。展開が予想できないから、耳を飽きさせない。衝撃を受けるような音楽が聴きたいという全ての人にこのアルバムを勧めてますよ。」だそうですけど、これって褒め言葉と受け取って良いんでしょうかw

 「T・W・O」の最大の特徴は、「Yeah!めっちゃホリデイ」「The 美学」「桃色片想い」の3曲のシングル曲が収録されていることです。これらは、アイドル「あやや」のイメージを世間に決定づけることになる楽曲なんですけど、同時に歌手「松浦亜弥」の正統な評価の妨げになったともいえる楽曲です。ただ、それだけインパクトのある楽曲群と云うこともできます。おまけにいきなり「草原の人」なんてのが挟まってきますから、この滅茶苦茶感がこのアルバムの「?」な評価に繋がると思うんですが、これを「!」と感じる人がいると云うことなんでしょう。

 しかし、「KISSのAlive」と「あややのT・W・O」を並べてくるとは、思いませんでした。
 
 僕が高校時代に誘われたバンドがKISSのコピーをしてましたんで、KISSのAliveについては、それなりに思い入れはあるんです。ただ、僕がハマっていたのは、どちらかというと次の「AliveⅡ」の頃でして、そちらなら、もう少し熱くも語れたんですけど残念ですw
 でも、試しにと思って、YouTubeにアップされている音源を聴いてみました。ライブ音源ってこんなにもキャーキャーうるさかったんですね。友人からLP借りてきて、喜んで聴いてたはずなんですけどすっかり忘れてました。

 まあ、その伝説のロックバンド「KISS」ですが、先年の東京ドーム公演では、「ももクロ」とのコラボなども話題になってました。どうやら「KISS」→「マーティ・フリードマン」→「ももクロ」と繋がって、また「KISS」に戻るというループが存在するようで、だとすると、この輪の中に「あやや」が入ってたとしても、何ら不思議は無いわけです。

 で、マーティ・フリードマン氏は、「美空ひばり」についても言及しています。「神がいるなら、その声がひばりさんを通して我々に届いている、というぐらい素晴らしい歌声。ギターであの表現力に近づけないかとずっと挑戦しています。」だそうです。日本語をしっかり歌うという観点からすれば、平成の時代に美空ひばりさんに最も近かった歌手は、松浦亜弥と言って良いでしょうから「マーティ・フリードマン」→「美空ひばり」→「松浦亜弥」というループも考えられるわけで、この2つのループの重なったところに「あやや」がいて、1枚だけアルバムを取り上げるとすると「T・W・O」しか有り得ないとなるのも納得の気分です。

 日本という最果ての国には、J-POPという不思議な音楽があって、ときどきアイドルなる西洋人の常識を越えたものが出てくるって云う感覚でしょうか。そのアイドルの中でマーティ・フリードマン氏のお眼鏡に適ったのが「あやや」であって、その最もエキサイティングなアルバムが「T・W・O」だということなんでしょう。
 という観点で、改めて「Yeah!めっちゃホリデイ」を聴いてみますと、確かにこんな楽曲、世界中探したって無いだろうなって思いました。外国人旅行者に逆に日本の良さを教えてもらったような気分です。まあ、マーティ・フリードマン氏は、もう完全に日本人でしょうけど。

 ここで「めちゃホリ」の動画を貼り付けてオシマイってのが今までなのですが、それもありきたりなんで、イケない動画ですけど・・・


 KISS偉い、ももクロ偉い、企画した奴も偉い、客席が埋まってナンボの世界ですからね。これぞプロのショービジネスってやつですよ。

2016年2月25日木曜日

松浦亜弥「ショッピン グー!」が7枚目のシングルだったなら

 先日、おいちゃんさんのブログで紹介されていた曲です。お恥ずかしいことに、僕はこの曲の存在を知りませんでした。ライブ動画ばかり見ていちゃダメだってことですよね。

 さんまさんのラジオ番組「ヤングタウン」の第7回作詞選手権とかを経て、2002年8月に公開されたようです。作詞は、松浦亜弥さん自身。おいちゃんさんのブログにもありますように、意味深な歌詞なんですが、ご本人曰く、「大好きなあなた」っていうのは、「ショッピング」のことだそうです。?

 では、作詞:松浦亜弥、作曲:玉井健二、歌:松浦亜弥で「ショッピン グー!」です。


 作曲を担当した、玉井健二氏は、現在音楽プロデューサーとして、活躍されているようですが、当時は、さんまさんの「ヤングタウン」にアシスタントとして出演していて、音楽企画を担当していたそうです。って、ウィキペディアに出てました。

 ラジオトークによると、松浦亜弥さんは、この曲をコンサートでもアカペラで歌ったそうです。余程お気に入りだったのでしょうか。
 曲調は、さんまさん曰く、「竹内まりあ」っぽいイメージで、80年代の匂いのする楽曲です。特に目新しいという感じではないのですが、完成まで3ヶ月余りを費やしていますし、ラジオのネタ企画にしては、かなり気合いが入っているように思います。

 で、2002年8月というと、「めっちゃホリデー」リリース後で、「あやや」がアイドルとしての絶頂期を迎えようとしていた時期にあたります。ここで、つんく♂氏は、9月に「THE美学」12月に「草原の人」と変化球を多投して、アイドルファンの期待を悪い意味で裏切ります。
 まあ、つんく♂氏にしてみれば、ど真ん中に渾身のストレートを投げたつもりかもしれません。でも、ファンにとっては、そんな見たことも無いようなクセ球よりも、無難にストレートを散らしてきてくれた方が嬉しかったんじゃないのかって思います。

 もちろん、長ーい目で見れば、この変化球も意味のあることだとは思いますが、ここで、7曲目のシングルが「THE美学」でなくって「ショッピン グー!」だったらどうなのかなって考えてみたわけです。

 では、改めて聴いてみましょうか。1つの記事に同じ動画を2つ貼り付けるという初の試みになります。


 やっぱり、こちらの方が、明らかに無難なストレートに思います。
 
 で、今気づいたんですけど、カップリング曲が「I Know」ですから、どちらがシングルになろうが、いずれB面に喰われてしまうんで結果は同じじゃないですか。一生懸命考えて損した気分ですw

 この後、「お洗濯」っていう曲も作っているんですね。この曲自体は、さんまさんも言っているように大したことないんですけど、7分20秒からのトークが面白いんですよ。


「松浦は、つんく♂の曲だけを歌っていたのでは、もったいない」って、ハッキリいっているんですけど、これはかなりの本音に聞こえるんです。早くも2002年の段階で、ラジオのトークとはいえ、こう云う意見が堂々と出ていたというのは驚きました。

「ショッピン グー!」がシングルになることは、現実的では無いにしても、「あやや」の3枚目のアルバムに、つんく♂氏以外のアーティストから楽曲を提供してもらうことは、可能だったように思います。オーディションの経緯がどうであれ、松浦亜弥は一人の歌手であって、つんく♂氏のバンドの専属ボーカルではありませんから、つんく♂氏のネタ切れやスランプと心中する必要など無いわけですし。

 「ヤングタウン」の企画は、ほんの一例だと思います。松浦亜弥を優れた歌手としてプロデュースしたいと考えていた人は、他にも数多く存在していたのかもしれませんね。

2016年2月23日火曜日

「365日の紙飛行機」のヒットに便乗して、山本彩VSボーカロイド

 売れてますね「365日の紙飛行機」。しかも、世代を超えて。ヘビーローテーションとか、フォーチュンクッキーとは、異なる売れ方をしているみたいです。年配の方がCDショップに買いに来たら、ジャケットがAKBなものですから、これじゃないって言い張って、納得してもらえなかった、なんてエピソードも紹介されてました。握手券とか入ってたら、爺ちゃんどうするんでしょうかねw
 NHK朝ドラの力って言われてますけど、主題歌が必ずヒットするというものでもありませんから、やっぱりこの曲に人を惹きつける力があると考えるべきなんでしょう。

 まずは、王道ってことで、公式ショートバージョンです。


 この歌は、歌唱力を披露するには、少し不向きに思えますので、山本彩さんの自慢の歌唱力が遺憾なく発揮されているとは云えませんが、彼女ならば、ライブでも、つまり生歌でも、これと同等以上のパフォーマンスが期待できるのでしょうね。

 では、続いてボーカロイドカバーを2つ紹介します。1つめは、滑舌と発音に定評のある「VY1」と「IA」によるテイクです。合唱用の楽譜と伴奏譜を使ったのでしょうか。「卒業生を送る会」にでも使えそうな感じです。


 ピアノでのスリーフィンガー、懐かしいですね。僕もピアノを弾き始めたとき、一生懸命練習したんですよ。僕は、完全に自己流で、エレクトーンから入ったものですから、左手でコード、右手でベースを弾く癖がついちゃって、腕を交差させて弾いてましたw

 ボーカロイドの歌って、欲が無いんですよ。人間って、上手く聴かせようって、絶対意識するでしょ。感情込めまくったり、これ見よがしに美声を張り上げたり。で、それが歌手の魅力でもあるんですけど、そういうものが、鬱陶しいって云うと言い過ぎかもしれないけど、聴いている側の負担になる時があるんですよ。ボーカロイドの歌には、魂が無いと云うコメントがありますけど、魂が無いが故の安心感とか、心地よさがあるんですよ。
 山本彩さんと比べてどうって意味じゃあ無いですよ。誤解無きようにw

 2つめは動画付きの賑やかなテイクです。AKBと同じように、皆で歌っていますから、良い雰囲気を出していると思います。こっちは、声を重ねる心地よさですよね。SMAPだって、5人一緒に歌ってくれている間は、ホッとしますでしょw


 作成者の「no ka」さんのコメントによると、「混声合唱の楽譜を女声合唱に作り変え、移調による不協和音を取り除き、ドラムやベースを加えてバンド形式に作り変え、オーケストラ形式の音源と音響効果を追加した」とありました。好きで無ければできませんね。

 山本彩さんも22才だそうです。巷では、いつ卒業するのかっていうのが、関心事のようですけど、今、彼女に抜けられたら、NMB・AKBはお終いでしょうから、在籍のまま、シンガーソングライターとして、ソロデビューってこともありそうですね。作詞:秋元康なら問題ないでしょうw
 まあ、ソロになったとしても、世間は彼女を、元NMB・AKBというフィルターで見るでしょう。それがアドバンテージとなるか、ハンディとなるか分かりませんけど、CDショップに行った爺ちゃんみたいに、世の中では、山本彩が何者かなんて知らない人の方が多いでしょうから、新たなファンが開拓できて、案外すんなりと移行できるかもしれません。

 では、お終いは、山本彩さんの弾き語りバージョンです。


 アイドルとして走り続けてきた彼女が、22才でまだ燃え尽きていないのは、本当にやりたいことがまだまだ有るからだと思います。 まあ、ヒット曲が一発ドカーンと出れば、全ては解決です。
 芸能界はどう飛んだのかではなくって、どれだけ飛んだのかが全てなんですから。

2016年2月21日日曜日

CMを何気なく見ていたら泣けてきた 「BOSS北海道新幹線篇」

 宇宙人ジョーンズのCMです。もう何本制作されたのか想像もつきませんけど、最新作「北海道新幹線編」良いですねえ。何気なく見ていたら、敬礼するラストシーンで、本当に泣いてしまいました。

 60秒バージョンです。


 30秒バージョンです。60秒版が、ちょっと説明的になってしまっているんで、こっちの方が良いかもって思います。しかし、CMって上手くまとめるものですね、いつもながら感心してしまいます。


 CMでも云ってますけど、何故か新幹線ってテンションが上がりますよね。

 この世の中って、ロマンで動いているって、僕は信じているんですよ。何も北海道まで新幹線をつなげる必要なんてないし、赤字になるに決まっているし、もっとお金を使わなければいけないことがこの世の中には沢山有るだろうけど、でもやっぱり、ロマンじゃないですか。

 最近話題の「重力望遠鏡」だって、「天体観測衛星」だって、そうそう「初音ミク」だって、そんなことやって何になるって云われながら、たくさんのお金と労力を使って、熱中しているんですよね。
 そして、全ての事業は、決して一人の力、もっと云えば、一世代の働きだけでできているものでも無いわけで、CMに出てくるサブちゃんみたいに、命がけでトンネル掘っただけで、その役割を終えてしまう世代の人たちがいて、でもそういう人たちからバトンを受けついできたからこそ、新幹線が北海道まで繋がっていったわけですよね。
 単純に良いなあって思います。僕は、結局ロマンに溢れる仕事にも就けなかったし、これが僕のロマンですなんて云えるものにも出会えなかったけど、でも、こういうものを見ているだけでも、幸せな気分になれるんですよ。みんな頑張れなんて、そこまで思い入れることは無いけれど、見ているだけで良いんです。

 まあ、ミクは関係ないですかねw

 では、もう1つ。九州新幹線の伝説のCMを貼り付けさせていただいてお終いにしますね。リアルタイムで、テレビで1回だけ見た記憶があります。え、何これって感じでしたね。合成映像かなって思いましたよ。沿線に集まった人たちは、1万5千人と云われていますが、JRもどのくらいの人が実際集まったのか、正確には、把握できていないようです。
 JRは、集まらなかった時のことも考えて、所々に仕込んでいたようですけど、集まった人たちのパフォーマンスは、仕込み以上だったそうです。あと、カメラは、進行方向左側って告知が有ったみたいですけど、それを知らずにかなりの人たちが右側にも集まっていたとかw。ネットには、24分FULLバージョンなんてのもありますけど、別に親戚が映っているわけでもありませんから、今回はこちらで。どれが仕込みか分かりますかw


 このCMが放送された直後に、東日本大震災が起きて、結局ほとんど放送されずに終わってしまいましたけど、今思えば、あんな時だからこそ、こういう映像を流すべきだったんですよね。

  やっぱり、新幹線っていいですよね。今度、敬礼しちゃおうかな。

2016年2月20日土曜日

松浦亜弥「♡桃色片想い♡」のPVが(ちょっとだけ)凄いことになっている

 先日korouさんのコメントを読ませていただいて気づいたんですけど、このPV、いつの間に視聴回数が300万回を越えたんでしょうか。何か200万回を越えてからのペースがやたら速いように思うんですが。あと、コメントの書き込みも最近のものが目立っています。ここにきて、盛んに再生されているようなんですよね。

 で、この5番目のシングル曲である「桃色片想い」なんですが、リリースが2002年の2月6日ってなっていますから、今からちょうど14年前になります。資生堂シャンプーのCMとタイアップして盛んにTVでも流されていました。
 楽曲としては、典型的な昭和的なアイドル曲ですよね。この時期は、アイドル不遇のというか、アイドル否定の時代ですから、若い歌手は皆さん、いかにしてアイドル色を消そうかって、必死になっていた時代です。ですから、楽曲もアーティスト志向のものばかりだったと思います。そんな中で、この曲ですからね。まっピンクの衣装で、皆さんご一緒にとか言って、「あーやや・・・」ですよ。
 
 3曲目の「Love涙色」にしても4曲目の「100回のKiss」にしても、いわゆるアイドル曲って云うだけでなく、「あやや」の歌唱力をそれとなくアピールしてきた感のあるつんく♂氏ですが、ここでは、松浦亜弥さんの歌唱力とか将来性とか、とりあえず隣に置いといて、アイドル性を前面に押し出していこうって考えているように思います。
 で、結果として、最大ヒット。次作の「めっちゃホリ」と、この2曲で松浦亜弥の世間のイメージを完全に形作ってしまいました。
 
 しかし、面白い現象ですね。一昨年の秋は、松浦さんの「クリックユーリンクミー」が注目されて、アイドルフィルターで彼女を見ていたことへの反省が盛んに述べられていたと思ったんですけど、今回は、逆に、アイドルイメージを決定づけた曲が若い人を中心に注目されているんですから。


 ちなみに、PVを集めたDVDってのが、2枚ほど発売されておりまして、恥ずかしながら僕も持っております。特典映像には、お約束のメイキング映像なんてのが付いているんですけど、このころの「あやや」のPVは、CGとか使わずに、ちゃんとセットを組んで撮っているんですよね。同じ時期の「ミキティ」のPVを見ると、可哀相なくらいお金をかけてもらって無いんで、その依怙贔屓度は歴然です。

 で、このPVでは、「あやや」が一人3役を掛け持ちしているみたいです。1つ目は、桃の缶詰工場で働いている女の子ですよね。それから、桃の缶詰のCMに出ている女の子。どっちもピンクの似たような衣装なんでこんがらがっちゃうんですけど。えっ、工場で働いてる子が自らCMに出演したという設定なんですか。失礼しました。
 それから、シャワーを浴びている女の子です。シャワーのシーンは、この歌がシャンプー「ティセラ」のCMで使われましたので、その関係でしょうか。かなり強引な挟み方ですけど、こういうちょっと嬉しい映像を入れると云うのも、大切なファンサービスですよね。まあ、こういう映像が、変にいやらしくならないと云うのがこの時期の「あやや」の良いところであります。

 ビデオに出てくる、ぬいぐるみは、「モモゾー」と「ピーコ」って云うそうです。まあ、どうでも良い話ですね。

 このPVの視聴回数が早いところ500万回を越えて、この上にある目障りな2つの動画を早く追い抜いて欲しいものですww

2016年2月16日火曜日

「ハロ☆プロ パーティ~! 2005」 ~松浦亜弥キャプテン公演~

「ハロ☆プロ パーティ~! 2005」は、2005年の5月21日から6月26日まで、松浦亜弥キャプテン公演として開催されたコンサートツアーです。出演者は、松浦亜弥、W(元モーニング娘の加護・辻)、メロン記念日。DVDになっているのは、6月25日に神戸ポートピアホールで行われた、松浦亜弥お誕生日公演です。
 このツアーは、その後、「キャプテン公演NEO」として、9月3日から全国の19会場で36公演行われたようです。ファイナルは、12月4日のパシフィコ横浜国立大ホールとありました。

 ただ、申し訳ありませんが、僕は、このDVDを持っていませんので、ネットからの情報が全てになります。

 で、春と秋の公演の違いなんですが、個人の持ち歌が差し替わっているみたいです。松浦亜弥さんで云えば、春が「ずっと好きでいいですか」「Love涙色」なのに対して、秋が「気がつけばあなた」「草原の人」となっていました。ただ、リハーサルに手間がかかる、全員で歌う曲や、ユニットで歌う曲は、春も秋も全く同じみたいでした。

 ライブレポートによると、いわゆるハロプロファンが多く集まっていたようで、彼らの評判は良かったみたいです。翌年には、同様の企画で、後藤真希キャプテン公演なども開催されています。

 ただ、松浦亜弥ファンの立場から考えますと、モーニング娘の「LOVEマシーン」などを松浦亜弥さんを含めた全員が歌ったり、松浦亜弥さんの持ち歌である「ね~え?」を、本人を差し置いて、辻ちゃんが歌ったりすることの意味を理解するのは難しいことです。デビュー間もない頃ならともかく、もう19才の時ですからね。やはり、松浦亜弥さんのファンと云うよりは、ハロプロ大好きなファンのためのライブだったといえると思います。

 ご本人は、どういったテンションで、ツアーをしていたのでしょうか。皆と一緒にやれて楽しかったのか、仕事だと思って割り切っていたのか・・・。
 まあ、こんなテイクを見ていると、楽しいそうって云えば、楽しそうなんですけどね。


 やっぱり、「あやや」は、何を歌わせても、安定感がありますよね。あと、辻ちゃんは、芸達者ですし。加護ちゃんは・・・、まあ、こんなもんでしょうw

 辻ちゃんが芸達者っていうことで、やっぱりこれも貼り付けちゃいましょうか。辻ちゃんによる「ねーえ?」です。っていうか。何でこんなのが、視聴回数が100万回越えてるんでしょうか。


 高評価1033個に対して低評価355個って、記録的な低評価率なんですけど、まあ、もともと半分ふざけたような歌ですから、これはこれでアリということにしましょうか。
           
 では、いよいよ松浦亜弥さんのソロコーナーのテイクです。


 いやあ、この「Love涙色」なんですが、歌唱そのものは、かなり雑に聞こえるものの、3本の指に入る好テイクだと思います。この前後のツアーの衣装や化粧がガッカリなものでしたからね。いかにも19才のアイドルらしい、好感のもてるお姿です。やればできるじゃないですか。

 どこが、違うんでしょうかね。髪の毛が長いのは、ヘアーエクステンションって云いましたっけ、そのようなものを付けているんでしょうか。衣装も手足が長く見えますし、このイメージで活動を続けて欲しかったです。

 もう1曲、「ずっと好きでいいですか」貼り付けさせていただきます。


 僕は、この曲に関しては、このライブがベストテイクではないかと思っています。もともと「ハロ☆プロ パーティー」は、取り上げないつもりだったんですけど、この動画があったから記事を書こうって思ったんですよ。

 切ない歌なんですけど、ド演歌みたいに歌に完全に入り込んでしまうわけで無く、あくまでもアイドルらしさを残していると思います。それが、ワンフレーズごとに、交互に表れるんですよね。本人がどれだけ意識しているのか分かりませんけど、歌を聴かせるだけじゃ無くって、「切なく歌う姿をファンにお見せする」って感じなんですよね。だからアイドル歌手ってCDじゃダメなんですよ。
 
 では、「ドッキドキLoveメール」のアカペラバージョンで、お終いにしましょう。


 2005年は、「あやや」がハロプロのタレントであることが強く印象づけられた年でした。ただ、この時期のハロプロタレントとしての活動は、育ててくれたことに対する恩返し的な意味はあったかと思いますが、彼女の歌手活動にとって有意義なことであったとは考えられません。
 この2005年から、ダブルレインボウがリリースされるまでの二年間は、松浦亜弥さんにとって迷走の期間だったと云われていますが、ベストアルバムのリリースといい、春のコンサートツアーといい、彼女の活動は、完全に過去に退行しているかのような印象を受けます。2005年は、未だ迷走すらしていなかった時期と云えるのでは、ないでしょうか。
 まあ、そんな印象を持ってしまうのは、2010年頃の、シンガーとしての松浦亜弥さんを完成形とする、新規のファンから見た場合のことで、リアルタイムで彼女のファンだった方たちからすれば、極々自然の成り行きだったのかもしれません。

 過去への退行も、急坂を登るためのスイッチバックって捉えることもできますからね。

2016年2月14日日曜日

松浦亜弥「渡良瀬橋」のPVを鑑賞する

 僕にとっての「渡良瀬橋」のベストテイクは、代々木のテイクですから、ファンに成り立ての頃を除くとPVを見ることなど無かったのですが、久しぶりに何となく再生したんです。

 いつの間にか、YouTubeでの視聴回数も80万回を超えていましたが、代々木のテイクは130万回を越えましたので、他のファンの方々も代々木の方を評価しているってことなんでしょうか。PVよりライブDVDの方が再生されるという松浦亜弥さんならではの現象ですね。

 で、このPVについて、よく話題になるのが、ロケに使われている橋についてです。コメントにもありますけど、この橋は、天王洲の「ふれあい橋」と云うんだそうです。

 長さ約70m幅4mの歩行者専用の橋で1996年に完成、とありました。僕は、たまーに東京に行きますけど、天王洲アイルとか、完全に無縁のエリアでしたので、この橋を見たことがありませんが、夜になるとライトアップされて、夜景が綺麗なわりに、人通りが少ないので、絶好のデートスポットだそうです。
 この、景色が良くって、歩行者専用で人通りが少ないというのは、ロケにとっても絶好の使いやすい場所のようで、このPV以外にも、たくさんのドラマやCMのロケに使われているそうです。

 では、貼り付けますね。「渡良瀬橋」at天王洲ふれあい橋です。


 割り箸で作った夏休みの自由工作みたいな橋ですけど、「ピン・トラス構造」って云うんだそうです。100年以上前に使われていた、かなり古いタイプの構造のようで、「トラス構造」の橋の中では、初期の工法のようです。接合部分にピンを使うのが特徴で、完全に溶接してないので、荷重がかかる度に騒音が発生するみたいなことが書かれていました。実際に渡ってないんで何とも云えませんが、ちょっとしたスリルが味わえるかもですね。
 人が渡る程度の加重じゃ関係ないかw

 歩行者専用の橋だし、周辺の景色とのマッチを考えて、あえてレトロな雰囲気の橋を架けたのでしょう。もしかしたら、明治時代に同じような構造の橋がこの辺りにあったのかも知れませんね。1996年といえば、まだ、景気の良かった頃ですから、こんなことにもお金を掛けられたんでしょう。ただ、100年も前に廃れてしまっている、かなり珍しい工法ですから、橋マニアや橋の構造を勉強している方たちが結構見学に来るとも書いてありました。

 で、PVを見ていて、あれって思ったんですけど、途中、2カ所ほど、夕日に染まる本物の渡良瀬橋の映像が、一瞬、挟まるんですね。気づきませんでした。手近に都内のロケで済ませちゃってごめんってことで、挟んだんでしょうかw

 ただ、この女の子が「ふれあい橋」に佇んで、故郷の「渡良瀬橋」に思いを馳せていると考えると話は変わってきます。そう思うと、歌っている「あやや」の表情もそんな風に見えてきました。歌の主人公は、足利から東京に出てきたんでしょうか。で、結局上手くいかなくって、この場所にやってきては、故郷の渡良瀬橋から見える夕焼けに思いをよせていると・・・・。

 本物の渡良瀬橋では、とてもPVのロケなんか出来そうに有りませんけど、渡良瀬川の河原とか、八雲神社とかでロケをすれば素敵なPVができたとは思います。まあ、わざわざ足利市まで行って、お金をかけたPVを作ろうって云うような事務所じゃありませんけどね。
 でも、手近なところとはいえ、こうやってロケをしたことは良かったと思います。間奏のところで、リコーダーを吹いている小学生の女の子とすれ違う演出も面白いですし。

 そうそう、本物の渡良瀬橋なんですが、元々、鉄道用の橋だったそうで、典型的な「トラス橋」なんですよね。同じ「トラス橋」繋がりということで、「ふれあい橋」でロケをしたとすれば、さすがってことなんですが、まあ、偶然ですよねww

2016年2月10日水曜日

初音ミクのライブの魅力を再考する

 初音ミクやボカロのファンというのは、様々なスタンスの方がいます。人間のアーティストのファンならば、いつかは、ライブに参戦したいと考えるのは、極めて普通の事だと思いますが、ミクの場合は、必ずしもライブに行くことを考えていないファンも多いのではないかと思います。
 そう云う僕だって、ミクのファンを自称していながら、ボカロ関連本を読んだこともありませんし、アーケードゲームをしたこともありません。カゲロウプロジェクトには、世代の壁を感じてしまいます。
 ミクを楽曲の発表ツール、DTMのソフトウェアーと考えて利用している方にとっては、ライブもゲームも無縁なことかもしれません。だから、初音ミクのファンに巡り会えたとしても、相手がミクのどの分野に興味があるのかで、話が合わないことだって考えられます。

 ですから、初音ミクのライブに集まるファンというのは、多彩なミクのファンの一部ということになります。ところが、その一部がこれまた多彩な顔ぶれなんですよ。

 先日コメントをいただいたneko kuroさんのように、ミクの姿形でなく、その音楽に魅せられたファンにとっては、ミクの姿が見えないような末席でも、楽しめるわけで、これは、普通のアイドルコンサートでは考えられないことだと思います。
 そもそも、初音ミク最初のライブ「ミクフェス’09」では、スクリーンに映されたミクのCGは、ライブを盛り上げるための演出にすぎず、あくまでも主役は、楽曲であり、楽曲を演奏するバンドでした。初音ミクが映されない曲もあったみたいですから、集まった観衆にとっては、CGなんて、どっちでも良いことだったようです。

 「エンヴィキャットウォーク」のライブ動画とPVを見比べてみたいと思います。



 さすが、一流と云われているスタジオミュージシャンたちですね。もちろんPVには、PVの良さがあります。でも僕は、こんなライブ演奏を間近で見られるのならば、初音ミクが声だけで、姿が見えなくたって全然構いません。
 
 人間の女の子である「あやや」は、ファンを相手にカラオケコンサートをしますけど、「あやや」のライブで、カラオケ伴奏を聞きに来る奴なんていませんよね。みんな「あやや」の生パフォーマンスを見に来るわけでしょ。
 それに対して、コンピュータプログラムのアウトプットである初音ミクは、オタクを相手に生バンドライブをするわけですから、ミクのライブで、どんなバンドがバックを務めてくれるかは、ミクのCGの出来以上に重大な関心事です。ミクのライブがPVの上映会に過ぎなかったら、僕は意味が無いと思います。アマチュアの有志がイベントでやるならわかりますよ。でも、興行としてお客から何千円も取れないと思います。

 動画は、「からくりピエロ」のライブ動画とPVになります。バンドは、若い子たちですけど、頑張ってますね。音楽監督は別にいるみたいですが、バンドアレンジは、自分たちでやっているのかなあ?



 結局、初音ミクのライブの魅力って何なんでしょうか。正直云って、絶対、人間のライブの方が感動すると思います。でも、何て云うのかなあ、作りの物であるが故の面白さって云うか、ディズニーランドのアトラクションが本物じゃ無いことが分かっていても面白がっているのと同じって云うか、本物ソックリに作られた人形を面白がって眺めている気分って云うか。カップルで来ている男が、ステージに向かって「愛してるよ~」なんて叫んだりして。普通じゃ考えられないでしょw
 作りものであるが故の安心感があるんですよね。感動で泣いてる奴ってあまり見ないけど、皆で楽しめる。普通じゃ絶対隣り合うことの無い、秋葉系のオタクとヤンキーな兄ちゃんと小学生の女の子が、一緒に並んで楽しむことが出来る。ホントに変なアイドルライブだと思います。

 初音ミクのライブ会場で開演を待つ行列って、男も女も、子どももオジさんも、若者のカップルも中年夫婦も、オタク君もヤンキー君も、ファンの形態も千差万別。テーマパークの行列にどことなく同じ雰囲気を持っているのもそんなところからきているように思います。

 とは云ってもミクのライブって、終わった後に何とも云えない、虚しさが込み上げてくるんですよ。ミクが人間の女の子だったらどんなに素敵だろうって、タブーとは分かっていても、つい考えてしまうんですよね。だから、会場のオタクって、ムキになって盛り上がっていても、心のどこかでは冷めているように思います。まあ、その虚しさも含めて楽しむっていうのが、正しいファンの在り方なんでしょうけど。

 っていうか、本気で入れ込んでたらアブナイですよねw

2016年2月9日火曜日

初音ミクVS松浦亜弥で「なごり雪」

 以前、イルカさんと松浦亜弥さんの「なごり雪」を聴き比べる記事を投稿したことがありました。で、なごり雪は、有名な曲ですから、ボーカロイドカバーも有ることはあったのですけど、なかなかこれといった作品に巡り会えなかったものですから、その時は、スルーしていたんですよね。

 で、この度、「melodylights」さんが初音ミクによる素敵なカバー作品を投稿してくださいましたので、再びこの曲を取り上げさせていただくことにしました。

 「なごり雪」は、当時「かぐや姫」のメンバーであった「伊勢正三」氏の作品です。その後「イルカ」さんがカバー、シングルカットして発表しました。イルカさんが歌うことになったのは、かぐや姫の楽曲としてアルバムに収録したものを、解散後に自分のバンド「風」の楽曲としてシングルカットすることに伊勢氏が難色を示したからだと云われています。

 では、初音ミクのカバーによる「なごり雪」です。


 このカバーは、とても丁寧に歌っているように思います。伊勢正三には伊勢正三の、イルカにはイルカの「なごり雪」があるように、初音ミクには初音ミクの「なごり雪」があると良いなと思っていましたから、本当に嬉しいです。

 何十年も前のことになりますが、僕が中学3年生の時、予餞会で体育館のステージに立って演奏した何曲かの1つがこの曲でした。演奏といっても、僕は、ピアノでギターコードを押さえていただけ。ボーカルは、同級生の女の子でした。
 いかにもフォークソングらしい、テクニックも必要としない、簡素な楽曲です。その後、僕は「かぐや姫」など卒業したつもりになっていましたが、こうやって改めて聴くと、新しい想いも湧いたりして、シンプルなだけ、聴く者の感じ方もいろいろと言うことなんでしょう。今も尚、親しまれ、歌い継がれている理由もそんなところにあるのだと思います。
 
 次は松浦亜弥さんの「なごり雪」です。いつの間にか、120万回近くも再生されてました。カバー曲の評価は相変わらず高いですね。とどまるところを知りません。
 松浦亜弥さんの楽曲を聴き込んでいる熱心なファンにしてみれば、このくらいのテイクは何てことないと思いますが、ライトなファンにとっては、皆が知っているポピュラーな歌を、分かりやすい上手さで歌っている、こう云ったテイクがウケるのでしょう。


 今回は、一応「VS」ということで、取り上げましたけど、まあ、わざわざ対決を煽るようなテイク同士でもありませんでしたね。それぞれの好き好きで、ということでいかがでしょうか。まあ、ミクの方が圧倒的少数派なのは、いつものことですけどww

 では、せっかくですから、伊勢正三氏の名曲「ささやかな人生」を聴きながら、お終いにしたいと思います。
 ライブ動画のようですが、音声は、レコード音源みたいです。まあ、最近のねちっこい伊勢氏の生歌よりは、ずっと良いと思いますので、こちらにしました。


スミマセン、またしても伊勢氏に失礼な物言いをしてしまいました。

2016年2月7日日曜日

「遠野物語」 あんべ光俊と柳田國男

 僕がこの曲に出会ったのは、学生の時でした。たぶんラジオで聞いたんだと思います。その後、時々思い出しては気になっていたのですが、最近、何となしに検索したらこの動画を見つけたんです。

 楽曲の作詞曲者である「あんべ光俊」氏は、釜石市出身のシンガーソングライターで、現在も東北地方を中心に活動をしているようです。代表作は「遠野物語」「星の旅」「イーハトーヴの風」とありましたが、僕は、遠野物語以外の楽曲のことは知りません。彼の地元である仙台や岩手以外の人で、「あんべ光俊」と云われてピンと来る世代は、かなり狭い範囲に限られているかと思います。

 楽曲の題名は、「遠野物語」となっていますが、物語そのものに題材を採ったものでは無くって、心に痛手を負い旅に出た主人公が、遠野の村で素敵な女性と出会ったけど、特に何も起こらずに別れた、という歌詞です。ですから、別に「安曇野物語」でも「伊賀上野物語」でも話は成立するんですが、やはり「遠野」という響きと、最果て感が有りながらもどことなく懐かしさを感じるイメージが良いんでしょうね。


 僕は、遠野には行ったことがありません。ただ、「ハヤチネウスユキソウ」を見るために、早池峰山に登ったことがありますんで、遠野市に足を踏み入れたことにはなってます。今はもう無くなってしまった、東北本線の夜行急行「八甲田」に乗って花巻まで行き、気仙沼に住んでいた友人に迎えに来てもらったんです。あの頃の僕は、山登りにハマっておりまして、アルプスなどに登っては、山や高山植物の写真を撮っていました。確か、天気はイマイチでしたが、お目当ての「ハヤチネウスユキソウ」に出会えて満足の山旅でした。

 それから、東日本大震災の1ヶ月後、東北の仏像巡りに行ったときに、「成島毘沙門堂」のある花巻市東和町に泊まりました。東和町の隣が遠野市になります。当時、遠野市には、震災関連ボランティアの基地がありましたから、東和町にもボランティアが泊まっていたり、被災地の人が避難してたりしてました。夕食時に、震度3くらいの余震が来て、慌てて鍋を押さえたのも懐かしい思い出です。

 しかし、いわゆる遠野郷を訪れることは、未だに実現していません。

 「この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。鏡石君は話し上手には、あらざれども誠実なる人なり。」で始まる、柳田國男の「遠野物語」は、日本に民俗学という学問を定着させるきっかけになった名作です。

 遠野物語に納められている100余りの伝承の中で、僕の好きな話の1つが、九十九番の「福二」です。NHKの「100分de名著」でも取り上げられていました。

(部分略)福二という人は田の浜へ婿に行きたるが、先年の大海嘯に遭いて妻と子とを失ひ、生き残りたる二人の子と共に元の屋敷の地に小屋を掛けて一年ばかりありき。夏の初めの霧の布きたる夜、霧の中から男女二人の者の近よるを見れば、女はまさしく亡くなりしわが妻なり。思はずその跡をつけて名を呼びたるに、振り返りてにこと笑ひたり。男はと見ればこれも同じ里の者にて海嘯の難に死せし者なり。自分が婿に入りし以前に互いに深く心を通はせたりと聞きし男なり。今はこの人と夫婦になりてありといふに、子供は可愛くはないのかといへば、女は少しく顔の色を変へて泣きたり。男女は再び足早にそこを立ち退きて見えずなりたり。追ひかけて見たりしがふと死したる者と心付き、夜明けまで道中に立ちて考へ、朝になりて帰りたり。その後久しく煩ひたりといへり。

 この話は、物語の中では、かなり異色の作風でして、ちょっと出来過ぎ感があるのですが、「あの世で妻が元彼と結ばれている」ことを知ってしまった男の心中を察すると心が痛みます。男にできることは、残された二人の子と懸命にこの世を生きることだけなのですから。

 あと、山口孫左衛門の座敷童の話なんかも、如何にも遠野物語っぽくって好きなんですよ。

 何か、あんべ光俊さん、全然関係なくなっちゃいましたね。

2016年2月6日土曜日

松浦亜弥 「only one」

 「only one」は、企画アルバム「Click you Link me」に収録された新曲の1つで、作詞曲は、「ベースのかじやん」こと梶野秀樹氏です。松浦亜弥さんには珍しい三拍子の曲で、松浦亜弥さんには珍しい不倫恋愛を歌った曲です。聴いたときの第一印象としては、ちょっとこねくり回し過ぎたメロディーラインに馴染めない感があったんですが、何回か聴いているうちに、じわじわと良くなっていくという不思議な楽曲です。
 もちろん、その良さは、松浦亜弥さんの歌唱力あってのことで、並みの歌手でしたら退屈この上ない楽曲になってしまうかもしれません。

 では、貼り付けさせていただきます。公式チャンネルからのテイクにしました。アイドル時代から、CD音源より生ライブの方が断然良いという松浦亜弥さんですが、大人になってからは、その差もあまりなくなってきたように思います。


 しかし、酷いPVですねえ。公式動画でしょ、これ。

 日本は三拍子の楽曲が極端に少ない国だと云われています。現在歌われている三拍子の曲は、全て西洋音楽が入って来た明治以降のもので、それ以前の日本には、三拍子の楽曲は、皆無だったと云うことです。(五木の子守歌」が唯一の三拍子とされているみたいです。)お隣の朝鮮半島には三拍子の優れた名曲が多いですし、大陸にも三拍子の楽曲は少なくありませんから、やはり日本人は特異な民族のようです。
 昔、NHKの「のど自慢」を見ていたら、出演者が三拍子の歌を歌っている時でも、会場の皆さんが、強引に二拍子で手拍子を打っていましたんで、我が民族のDNAの特異さを強く感じました。まあ、六拍目ごとには揃っていましたけどw
 で、その原因は、日本農耕民族説とか、日本語の特性である五七調が三拍子に馴染まないなど、諸説あるようです。ただ、日本語が三拍子に馴染まないとは思えませんし、たまに出会う三拍子の曲に心を打たれることも多いですから、日本人が三拍子を好んでいないという訳でもないようです。まあ、ここ一番、困ったときの必殺技として温存しているってところでしょうか。

 ライブテイクでは「CBC創立60周年記念スペシャルライブ」がいかかがでしょうか。冒頭部分が切れているのが惜しいんですが、ピアノ1本の伴奏が良い感じです。


 改めて、歌詞を見て思ったんですけど、これって男歌ですよね。男女どちら目線とも受け取れる内容に思います。だとすれば、この曲は松浦亜弥さんのために書き下ろした曲というわけでもなさそうです。梶野秀樹氏が、どのくらいの楽曲を作成されている方か分かりませんが、多作の方では無いように思います。そういう場合、自身の体験から、作詞をする傾向がありますので、この楽曲は、梶やんの実体験からできた楽曲という憶測も可能かと思います。
 
 梶やんが若かりし頃につくり、温めていた楽曲を、松浦亜弥さんが知り、自らのアルバムに収録することを希望した、という推理はいかがでしょうか。
 それとも、梶やんがあややに秘めた想いを。。。。。。スミマセン、くだらない詮索は失礼と云うものですねw

2016年2月3日水曜日

突然「サボテンの花」を聴きたくなる

 今回取り上げさせていただくのは、チューリップが1975年にリリースした「サボテンの花」です。1993年に放映された、フジテレビ系ドラマ「ひとつ屋根の下」の主題歌としても広く知られています。
 僕にとってチューリップは、憧れてカバーするバンドというよりは、テレビやラジオでその歌を聴くバンドという感じで、歌謡曲に近いイメージでした。ですから、当時のヒット曲群はもちろん知っていましたが、それ以上のものでは有りませんでした。子どもだった僕には、財津氏が、甘い優しいイメージの楽曲に関わらず、とても気難しそうな取っ付き難い人に見えたこともありますw

 僕がこの楽曲に強くひかれたのは、学生になってからで、サークルの先輩たちと一升瓶を真ん中に置いて、車座になって、飲み、そして歌ったときからです。
 誰からともなく、始まった歌声。ギターの伴奏など無くっても、酔っ払いのアカペラでも歌えるシンプルな楽曲。失恋の歌にも関わらず、明るい希望で終わる歌詞。それでいて、歌い終わった後の胸が締め付けられるような想い。

 その後、ドラマの影響で、リバイバルヒットしたようですが、この有名な(?)ドラマを僕は、見ていませんでしたので、僕にとっての「サボテンの花」は、やはりオリジナル版のアレンジによるものでした。


 では、ボーカロイドカバーも紹介しておきますね。


 後ろで小さくミクの可愛いコーラスが入っているんですけど、お気づきになられましたか。折角つくってもらってこんなことを云うのも申し訳ないのですが、ミクにもう少し丁寧に歌わせていただけると最高です。是非とも最新バージョンで歌わせてあげて欲しいです。

 こちらは、有名なボーカロイド合唱団のテイクです。


 やはり、折角つくってもらってこんなことを云うのも申し訳ないのですが、合唱曲ですから仕方ないとはいえ、伴奏にベースとパーカッションを加えていただけると有り難いです。
 先ほどの伴奏と、この合唱を合わせると、良いなって思うのは、僕だけでしょうかw

 財津和夫氏は、松田聖子さんにも、たくさんの楽曲を提供しています。氏は、松任谷由実さんと並んで、聖子さんが、ただのぶりっ子アイドルで無いことを世間に知らしめた功労者の一人です。

 僕は、松浦亜弥さんのことを考えるときに、彼女が、つんく♂氏の楽曲の表現者としての役割しか与えられなかったことが、残念でなりません。松浦亜弥の歌唱力の過小評価は、世間がアイドルのフィルターを通して彼女を見ていたからだとされていますが、もう少し正確に言うと、世間がつんく♂氏のフィルターを通してしか彼女を見られなかったからだと思います。両者が一体であったがために、つんく♂氏の限界が松浦亜弥の限界になってしまったのだと思います。
 
 決して、つんく♂氏を批判しているんじゃ無いんです。ただ、何だか虚しいんですよ。悔やみきれない想いというか。

 久しぶりに「サボテンの花」なんか聴いたせいでしょうか。


2016年2月1日月曜日

都会のマナーに学ぶ?  鉄道編

 そのⅠ
 云うまでも無いことだと思うが、都会では、駅のエスカレーターの右側を空けるのがマナーとなっている。関西では、左側を空けるらしい。昔、東京に行ったときに、そんなことを知らずに右側に乗っていたら、後ろから来たお兄さんに、舌打ちをされてしまった。
 僕の生んでいる町は田舎だから、そもそもエスカレータがほとんど無いし、たまにあっても、並んで乗るほど人がいるわけでも無いし。急いでいる奴は、階段を駆け上がるものだと思っていたから、そんなマナーがあるなんて知らなかった。
 でも、それからは、右側を空けるように心がけている。マナーを知らない田舎者だと思われたくないというツマラナイ理由からだ。たまに、右側を塞いでいる奴がいると、冷たい視線を浴びせながら追い越したりしていた。
 多分、東京の町を歩いている奴の8割は、田舎者の「おのぼりさん」なわけだから、所詮、田舎者が田舎者を馬鹿にしているに過ぎないわけで、まあ、マナーというやつは、こうやって広まっていくものなんだろう。今では、都会の駅のエスカレーターは、綺麗に右側が空いている。
 しかし、考えてみればおかしな話だ。本来、エスカレーターを歩いて上ることは、危険な行為の筈だ。なんでそんなマナー違反な奴のために右側を空けなければならないんだ?
 それに、電車が1時間に1本なんていう田舎と違って、都会は次々に電車が入ってくるから、乗れなかったら次を待てば良いだけのことだ。
 まあ、そう云う僕だって都会に出るとせわしなく動いてしまうから、都会と田舎では時間の進み方が、やはり違うのだろう。


 そのⅡ
 電車の4人掛けの席に乗っていた時のこと。僕は、田舎の始発駅から乗っているんで、4人掛けの進行方向を向いた窓側に一人で座っていることが多い。で、次の人が乗るときには、斜め向かい、つまり進行方向に背を向けた通路側に座るものだとばかり思っていた。そしたら、いきなり僕の隣に座ってきたんでビックリしてしまったことがある。
 二人仲良く並んで、進行方向を向いて座ったんだが、これが意外と良いと云うことが分かった。視線のやり場に困らないのである。向かい側に座られると、目を合わせちゃ悪いから、外ばかり見るようになる。都会の人は、上手いことを考えるものであると感心させられた。
 まあ、直に混んできて、狭いボックス席に男4人、縮こまって座るようになるから、一時のことなんだけど。


 そのⅢ
 で、鈍行列車はオジさんには辛くなってきたんで、最近は新幹線にも乗るようになった。でもお金が無いから、行きは高速バスで、帰りが新幹線というパターンが多い。
 新幹線は、2人掛けと3人掛けの座席でできている。僕みたいに一人で乗る奴は、3人掛けに座るのがマナーだということを学んだ。2人掛けに一人で座ってしまうと、2人連れが困るからだ。だから、独り者は、3人掛けの窓側に座る。また独り者が来たら、1つ飛ばして、3人掛けの通路側に座る。そうすれば、空いている真ん中が緩衝地帯になる。で、混んできたら真ん中を使えば良い。
 2人掛けの席に一人ずつ座って、3人掛けの席に2人連れが座っている状態は、好ましくない。次に乗ってきた4人目は、必ず誰かの隣に座らざるを得ないからである。2人掛けの席には、2人連れが、3人掛けの席には、独り者が2人座っているのがベストな状態なのだ。
 だから新幹線の3人掛けは、お一人様のためにある。そうすると3人連れが困ると思うかも知れないが、2人連れの数から比べると3人連れというのは圧倒的に少ないから影響は少ない。
 しかし、3人連れが、座るところがないからといって、2人掛けの席を回転させて、3人で使っているのは最も迷惑だ。
 まあ、その空いているとこに、一人で入り込む強者もいるが・・・。