2021年12月30日木曜日

フィギュアスケート「紀平梨花」全日本選手権欠場と、ロシア代表選考

紀平梨花選手(梨花ちゃん)が、北京オリンピックに出場しないなんて考えもしませんでした。ジュニア時代から怪我の多い選手でしたけど、丸々一年間ですからね。オリンピックの出場枠を取るために無理をして、自分がオリンピックに出ないんですから話になりません。まあ、愚痴は、ここまでにしておきましょう。

もし、梨花ちゃんの誕生日が2週間早かったら、平昌オリンピックに出られたかもしれないけど、あの頃のメンタルじゃあ、満足な結果は残せなかったと思うし、世界選手権で台乗りしていれば、北京オリンピックに出られただろうけど、こんな状態じゃあ、出場したとしても最終グループに残ることもできないでしょう。ギリギリまで全日本の出場を模索していたそうですけど、今までもそういうことをやってきたから、悪化させちゃったわけですし。周りの大人たち(オーサ・コーチかな?)が、よくぞ止めてくれたと思います。

で、オリンピックの派遣選手が決まりましたね。女子の3枠目は河辺選手になりましたけど、フィギュアファンは、圧倒的に三原選手推しだったようです。三原選手がツラい時期を乗り越えてきたことを、皆さんよく知っていますからね。だいたい、強化部長が「若いから選んだ」みたいなことを口走っちゃたのが問題だと思いますよ。全日本選手権の成績で上から3人を選んだって云っておけば良かった話です。

河辺選手は、梨花ちゃんとコーチが同じですから、スケーティングもどことなく似ていますね。結果を出せば、外野も静かになるでしょう。

それにしても、梨花ちゃんがツイッターで「みんなおめでとう。テレビで観戦していて感動しました」みたいな投稿をしたのにはビックリしました。本人の投稿か、疑っちゃいましたよ。どういう心境で、どういう情況で投稿したのか分かりませんけど、ファンの多くは、試合を見る気にもならなかったのにですよ。それを、

テレビで観てたんだ

落ち込んで損した気分です。さすが、ツッコミどころ満載の梨花ちゃん、推している甲斐があるというものです。

さて、ロシアの代表選びも、いろいろと炎上しているみたいですけど、「コストルナヤ」選手の怪我には驚きました。北京で最も金メダルに近いと云われていた選手です。北京オリンピックは、梨花ちゃんとコストルナヤの対決って、ずっと思っていましたから、その2人がいなくなってしまうなんて誰が予想したでしょうか。でも、コストルナヤは、あと4年間はスケートを止めない、って宣言したそうです。(その後は、医学部に進学するとか。)

ロシア選手権では、絶望的強さの「カミラ・ワリエラ」選手が、当然のように優勝。2位に「トルソワ」選手(サーシャ)が入って、この二人が代表内定のようです。残りの一人は、3位に入った「シェルバコワ」選手(アーニャ)か、ベテランの「トゥクタミシェワ」選手(リーザ)のどちらか。ヨーロッパ選手権の結果で決めるそうですが、そう云っておきながら、リーザは補欠ですから、余程のことがない限りアーニャになりそうです。プレーオフにするんだったら、二人とも出場して決着を付けるべきだと思うんですけど、ロシアのスケート界は、日本以上に陰謀が渦巻いていますからね。

アーニャは、フリー演技でクワッドを転倒したのに、得点がリーザより5点も多いモノですから、いろいろと叩かれているようです。プロトコルを確認した限りでは、リーザがアーニャの上になるとは思えませんでしたけど、エテリ帝国に対するヤッカミからの嫌がらせってところでしょうか。選手そっちのけで、いい大人が大喧嘩ですけど、日本みたいに裏でじめじめするより良いかもです。(いっそのこと、ロシアに4枠あげちゃえば)

記者会見でも、アーニャに意地悪な質問が出たそうで、「コストルナヤが記者に苦言!」なんていう記事がヤフーに出てました。コストルナヤって良い子だなって思いましたけど、同じチームですからね。援護射撃ってこともあろうかと。

アーニャも4回転なんて封印してしまえば良いのにって思いますよ。あんなに綺麗なスケートをしているのに、プレローテーションがどうとか、こんな批判ばっかりですから。北京オリンピックでも、アーニャが3位で、坂本選手が僅差で4位とかになったら、日本中のファンから叩かれまくるんだろうな。隠れシェルバコワ・ファンの僕としてはツラいところです。

北京オリンピック、推しが出場しないのは、残念だし寂しいことですけど、出たら出たで、テレビを見ながら「カミラ転べ」とか「サーシャこけろ」とか念じてしまうと思うので、かえって、純粋に競技を楽しめるかもです。(若干、負け惜しみ)

まあ、梨花ちゃんも「もっと強くなって戻って来ます」って云ってましたから、信じて待つことにしましょう。って、僕が推すと、何でみんなそうなるんだ?

お終いに昨シーズンのフリー演技を貼り付けさせていただきましょう。このプログラム、曲は良いんだけど、編集がぐちゃぐちゃでしたからね。オーケストラバージョンで合わせてみました。


梨花ちゃんは、もう今シーズンは全休でしょうから、ちょっとはスケートを離れた生活をして欲しいなあ。ディズニーランドに遊びに行くとか、彼氏をつくるとかさぁ。で、まずは、2023年の世界選手権ですよね。だいたい、世界選手権の台乗りもしてないのに、オリンピックでメダルを目指すなんて、10年・・・3年早いってことだったのでしょう。

クワッド・ジャンプが跳べなくなったって良いじゃないですか。怪我を治して、大人のスケーターになって帰ってきて欲しいです。その時は、梨花ちゃんじゃなくって、ちゃんと紀平選手って呼びますね。

2021年12月22日水曜日

「北条宗時」と仏の里美術館「阿弥陀三尊像」

JR函南駅近く、大竹・神戸坂に、地元の人たちから「ときまっつあん」と呼ばれている神社がある。神社の名は、宗時神社。その名のとおり「北条宗時」を祀っている神社で、五輪の小塔が二基あり、大きい方が北条宗時、小さい方が狩野茂光の墓と云わっている。
NHK大河で宗時を演じた「片岡愛之助」さんも、大型二輪に乗って、お忍びで訪れたらしい。


北条宗時は、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主役「北条義時」の同母兄である。父「時政」とともに頼朝の旗揚げに加わり、山木館の襲撃では先導役を務め、石橋山の合戦で戦死した鎌倉時代の武将だ。その最期を「吾妻鏡」では、次のように伝えている。

又北條殿。同四郎主等者。經筥根湯坂。欲赴甲斐國。同三郎者。自土肥山降桑原。經平井郷之處。於早河邊。被圍于祐親法師軍兵。爲小平井名主紀六久重。被射取訖。茂光者。依行歩不進退自殺云々。將之陣与彼等之戰塲。隔山谷之間。無據于吮疵。哀慟千万云々。

(訳文)又、北條(時政)殿と四郎(北条義時)様は、箱根の湯坂道を通って甲斐国へ向かおうとした。三郎(北条宗時)は、土肥山から桑原へ降りて平井郷へ向かうところ、早川の辺りで祐親法師(伊東祐親)軍に囲まれて、小平井の名主「紀六久重」に討ち取られた。(工藤)茂光は、怪我のため歩けなくなり、自害した。頼朝様の陣と彼等の戦場とは、山谷を隔てていたので助けることができず、(頼朝は)嘆き悲しんだ。

「早河」は、神社の近くを流れる「冷川」の誤記として、この地を戦死した場所とする説がある。宗時の墓が、函南町の桑原にあったことは確かだが、討ち取られた場所に墓所が作られるとは限らない。もし、宗時が敗走の途中で、追撃してきた伊東祐親の軍に冷川で討ち取られたとすると、頼朝がその情況を知っていることが不自然となるからだ。桑原から平井へ向かうとは、来た道を引き返すことであり、宗時たちが退却しようとしていたところを、後方から攻めてきた祐親の軍勢に包囲されたのではないだろうか。宗時は、早川で戦死し、桑原に葬られたと考えるのが自然に思う。

吾妻鏡には、もう1つ不思議な記述がある。時政と義時が箱根の湯坂道を通って甲斐国へ向かったことである。時政が、甲斐源氏に援軍を要請に行くのは、もう少し後のことであり、結局、この時は甲斐へは行かず、引き返したことになっている。

これによって、北条親子は、当主と嫡男で別行動をとったことになり、関ヶ原の戦いでの真田家の行動に準えて、家を存続させるための行動とする考えもある。ただ、敗走中の時政の行動は、不明なところが多いそうだ。恐らく、宗時が祐親軍に包囲された時、時政親子は、逃亡した後だったのではないだろうか。結果として、(逃げ遅れた)嫡男を見捨てたことになってしまった時政は、言い訳として、この一文を挿入させたという説を支持したい。

大河ドラマでは、北条宗時は「片岡愛之助」さんが演じることになっている。わずかな期間しか登場しない人物に、こんな大物俳優を抜擢するなんて、さすがNHKの大河ドラマである。この場面は、序盤のクライマックスになるだろうから、どんな描き方をするのか楽しみである。

さて、若くして討ち死にし、歴史の舞台に立つことのなかった「北条宗時」であるが、その死から21年後の建仁2年の吾妻鏡に再び登場する。

建仁二年六月小一日甲戌。晴。遠州令下向伊豆國北條給。依有夢想告。爲訪亡息北條三郎宗時之菩提給也。彼墳墓堂。在當國桑原郷之故也。

(訳文)建仁二年(1202)六月小一日甲戌。晴れ。遠江守(北条時政)は、伊豆の北条へ向かった。夢のお告げがあり、(石橋山合戰で)亡くなった息子「北条三郎宗時」の菩提を弔う(追善供養の)ためである。その墳墓堂(墓の上に建てられたお堂)が、伊豆の桑原郷にあるからである。

桒原の墳墓堂は、以前からあっただろうし、時政も何度か訪れていたと考えるのが普通であろう。建仁二年になって、わざわざ夢のお告げがあって伊豆に向かったと記述したのは、何故だろう。

建仁2年というと、時政が第二代将軍「源頼家」を追放する前年であり、北条氏が比企一族を滅ぼし、幕府の権力を握る直前である。北条家の行く末を決める大事な時期に、石橋山で討ち死にした嫡男の追善供養をしようとしたのだろうか。もしかしたら、夢のお告げを理由にして、何らかの行動を起こすための根回しに赴いたのかも知れない。

その墳墓堂に安置されていたのが、「かんなみ仏の里美術館」に収蔵されている「阿弥陀三尊像」だ。国の重要文化財で、鎌倉時代の慶派仏師「實慶」の作であることが分かっている。

仏像に関する過去ログはこちら

 桑原薬師堂と仏の里美術館Ⅱ ~収蔵仏像に関する私見~    

阿弥陀三尊像は、檜材の一木割矧造だそうだ。写実的で力強い表現は、如何にも鎌倉時代の慶派仏である。如来像の蓮華座が、鎌倉時代のオリジナルというのも貴重である。

美術館に収蔵される前、薬師堂に祀られていた頃の阿弥陀三尊像である。復元修理前なので、左脇侍「観音菩薩立像」の左前腕部が亡失した状態になっている。

實慶という仏師は、運慶願経の記述から、その存在は知られていたが、作品は長い間未発見だった。昭和59年、伊豆市修禅寺の大日如来から墨書銘が発見されたのに続いて、この阿弥陀三尊の胎内からも「實慶」の名が発見されたのだ。實慶の現存する作例は、今でもこの2例、計4躯だけである。 


修禅寺の大日如来は、承元四年(1210年)に造立されたことが分かっている。承元四年は、この地で暗殺された鎌倉幕府二代将軍「源頼家」の七回忌にあたる年で、北条政子が我が子を弔うために作らせたと云われている。

一方、桑原の阿弥陀三尊像の制作時期については、建久年間(1190~1198)の末頃とされている。墳墓堂の建立に合わせて造仏されたのならば、時政が建仁2年に訪れたときには、すでに祀られていたことになり、二像の制作年の隔たりが気になる。元々墳墓堂は仮堂であって、追善供養を機に造仏した可能性はないだろうか。だとすれば、造仏は1202年前後になる。

いずれにせよ、阿弥陀三尊像を作らせたのは、時政で間違いないであろう。頼朝の舅とはいえ、伊豆の小豪族に過ぎなかった北条氏が、幕府の実権を握るまでになった最初の一歩が、石橋山の合戦である。その合戦で命を落とした嫡男「宗時」を弔うことは、特別の意味があったはずだ。


宗時の墓(五輪の塔)が祀られている「宗時神社」であるが、宗時神社の呼称が使われるようになったのは、比較的最近のことで、地元では、ずっと「ときまっつあん」と呼ばれていたそうだ。「ときまっつあん」とは、「時政さん」つまり、北条時政のことである。宗時を祀っている場所の名が「時政」というのも不思議な話である。また、これだけの仏像を納めるには、それなりのお堂が必要であるし、宗時の墳墓堂は桒原にあったと明記されているから、この地に墳墓堂があったとは考えにくい。

時政が「牧氏の変」により、鎌倉から追放されたのは、元久2年(1205)。宗時の追善供養からわずか3年後のことである。

牧の方と謀って実朝暗殺を企てたため、北条家の子孫から謀反人と扱われ、歴史上の人物としても評判の良くない時政だが、嫡男の墳墓堂のために一流の仏師に阿弥陀三尊像を造仏させたり、地元民から「ときまっつあん」呼ばれたりと、従来のイメージと異なる一面を持っていたことは興味深い。

肉親に裏切られ、孤独となった時政にとって、石橋山で共に戦い討ち死にした宗時に、特別な思いがあったことは想像に難くない。この地を度々訪れていたことが、「ときまっつあん」の地名となって伝わったのであろう。宗時神社の地は、元々「時政」所縁の場所だったのだと思う。

北条の地に隠居させられた時政は、再び歴史の舞台に立つことなく78才で生涯を閉じた。鎌倉を追放されてから、10年後のことである。


#片岡愛之助  #かんなみ仏の里美術館  #鎌倉殿の13人

2021年12月18日土曜日

上國料萌衣「VIVA!!薔薇色の人生」

「松浦亜弥」さんは、相変わらずの音沙汰無しですが、このブログで応援してきた「丸山純奈」さんや「黒島結菜」さんが、いきなり活動をし始めましたので、嬉しいこと此の上ありません。今年の夏なんて、全くネタがありませんでしたからね。フィギュアスケート全日本選手権に臨む「紀平梨花」選手も気になるところですし、僕の住んでるところが舞台になる、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も話題にしていかなくてはなりません。

でも、今回は、それら全てを横に置いといての「上國料萌衣」さんであります。ハロプロのイベントで歌った「VIVA!!薔薇色の人生」のテイクが素晴らしかったモノですから、投稿してしまいました。


 「VIVA!!薔薇色の人生」は、作詞:児玉雨子、作曲・編曲:加藤裕介。2017年にリリースされた「嗣永桃子アイドル15周年記念アルバム♡ありがとう おとももち♡」に収録された楽曲とありました。元々は「ももち」のソロ曲だったようですけど、「カントリーガールズ」のライブで披露されていたようです。ハロヲタ君たちの間では神曲とされていて、シングルカットも期待されていたようですけど、グループは2019年に解散してしまいました。

ハロプロの良いところは、松浦曲も含めた過去曲を、後輩たちが歌い繋いでいくところにあります。この曲は、カントリーガールズでは6人で歌割りしていたようですが、ソロで歌いきってしまえるのが、「上國料萌衣(かみこ)」さんの魅力ですね。

また誰かの脇役だ でも君の助演賞ならば なんでも頑張れる
浮いてる人は個性的 前向きすぎちゃってごめんね
未熟者は将来がある 未来しかなくてごめんね
明日の明日の幕開け 私なら大丈夫です 薔薇色の人生

暗い話題ばかりの一年だったなぁ、なんて思いながら聴いていたら、なんだか、泣きそうになりましたよ。歌で暗い世相を吹き飛ばすなんてできなくても、聴いている間は忘れていられるような気がします。この世にアイドルという職業が存在する価値って、こういうことなんでしょう。

スローバラードを歌うことも多い「かみこ」ですが、彼女は、やっぱり、前向きなアイドル曲が似合います。「元気を貰う」という表現は好きではないので、何か適当な言葉はありませんかね。


2022年は、素敵な年になると思います。

2021年12月12日日曜日

「サンダーバード」込められた平和への願い ~映画「サンダーバード55」公開に寄せて~

「サンダーバード55/GoGo」(Thunderbirds 55/GoGo)は、2022年公開予定の映画で、2015年にクラウドファンディングによって製作された「サンダーバード1965」(Thunderbirds 1965)を劇場公開用に再編集したものだそうだ。


サンダーバードは、今までにも、実写版、リブート版と作られてきたが、成功しなかったように思う。まあ、サンダーバードのファンていうのは、「第一作至上主義者」の集まりだから致し方ないことではある。今回、ペネロープの声を「満島ひかり」さんが担当するらしいが、「黒柳徹子」氏じゃなきゃヤダというコメントがあった。第一作至上主義にも程があると云うものだ。字幕で見れば良いだけの話だと思うが、ファンにとっては、吹き替え版こそがサンダーバードなんだろう。

今回の「サンダーバード55」が期待されているのは、当時の手法(スーパーマリオネーション)を使って忠実に制作されたとされているからだ。しかも、脚本は、ラジオドラマとして制作され、映像化されなかったものとあった。ハリウッドに改作された、2004年の実写版にガッカリさせられた僕らの期待は、高まるばかりだ。

クラウドファンディングによって制作されたのは、30分ドラマが3話。集まった資金は日本円にすると3,300万円ほどで、制作されたドラマは出資者にDVDとして配られたらしい。それを劇場版映画に再編集したのが「サンダーバード55」だそうだ。「55」というのは、公開から55周年という意味だろうが、元になったドラマは50周年の時に制作されているものである。(どうでもいいことですね)

こんな興行が企画されるのは、日本くらいなものだろう。逆に云えば、日本において、サンダーバードの人気は根強いモノがあるってことだ。サンダーバードは、1966年のNHK放送から始まって、2004年まで7回に渡って再放送を繰り返してきたそうだから、幅広い年代に刷り込まれている、憧れの存在なのだ。秘密基地・・・何てワクワクする言葉だろう。

さて、サンダーバードについては、映画の公式サイトにある「サンダーバード入門」を参照されたい。サンダーバード愛に溢れた、良くまとめられている解説である。

サンダーバード入門

YouTubeで見つけた発進シーン集である。新作の映像のように見える。映画公開がますます楽しみになってきた。僕は、2004年の実写版を見るまで、1号は長男、2号は次男と単純な順番になっているのだと思っていた。

何度見ても牧歌的な雰囲気である。地元の消防団だってもっと早く出動できるだろう。ただ、1号のスクランブル発進までの所要時間は2分だそうで、意外と早い。のんびり感じるのは、マリオネットの緩慢な動きのためと云うことか。

ウィキペディアからの引用である。これもまた、サンダーバード愛に溢れた、良くまとめられている解説である。

「人形劇でありながら、その模型のリアルさ、質感の充実、子供でも理解できる単純なストーリー、「人命救助」というスリリングかつ前向きで健全なイメージ、これら全てが明確な世界観を提示して大好評を博した。ロケット噴射の描写などの特撮技術も優れており、その後の特撮作品への多大な影響を及ぼした。登場するメカもデザイン的に極めて斬新かつ洗練されていた。音楽もオーケストラサウンドを基本に、質が高く映像にマッチしたものだった。」

では、サンダーバードに影響された日本の特撮シーンを紹介させていただこう。まずは、1967年の「ウルトラセブン」。地球防衛軍の秘密基地からウルトラホーク1号が発進するシーンである。

「Fourth Gate Open(4番ゲート開け)」って云ってたんだ。スクランブル発進って、命令を受けてから何秒で出発できるかが勝負だと思うのだが、牧歌的雰囲気を確実に継承しているのが分かる。サンダーバードと比べると、ジェット噴射がちょっとショボいように思う。

続いて、1968年の「マイティジャック」。主演は二谷英明さん、音楽は「冨田勲」大先生である。水流をリアルに見せるために、採算を度外視した最新鋭の高速度カメラを導入したらしい。納得できる作品を作るためなら会社が傾いても構わない、という円谷プロの信念が伝わってくる。

以下は、2015年のブログ記事の再編集である。

サンダーバードが制作された1965年は、第二次世界大戦からまだ20年しかたってない頃である。制作者のジェリー・アンダーソンは、自身も従軍経験があり、戦争で兄を亡くしている。そしてロンドンは、ドイツ軍の最新兵器V2ロケットによって無差別爆撃をされたところだ。

サンダーバードは、原子力機関で動いているという設定だ。そして、TB1号のフォルムは、ナチス・ドイツ軍のロケット兵器V2を連想させる。サンダーバードの設定年は2065年。つまり当時からすると100年後の未来だ。そこに描かれているのは、原子力やロケットの平和利用であり、国際紛争の無い世界だ。 

第2話「ジェットモグラ号の活躍」は、アメリカ陸軍の新型装甲車が実験中に遭難するというものだった。装甲車が大きな穴に落ちてしまうのだが、それは、昔、陸軍が不要になった兵器を処分して埋めていた穴だという。冷戦を背景に軍拡競争に邁進していた、当時のアメリカに対する皮肉ともいえるストーリーになっている。

つまり、「国際救助隊」は戦争のアンチテーゼなのだ。戦争とは、国家と国家が、科学技術を利用した兵器を使って人を殺し合うことである。でも「国際救助隊」は、イギリス独特な階級社会のテイストはあるものの、国籍関係なく科学技術を駆使した機材で人命を救助する。作品の底流には、科学技術は人を救うために使われるべき、という思想がある。科学技術の粋を結集しているが決して兵器ではない。そして誰も殺さないという理念がある。「国際救助隊」は、原爆やロケット兵器で街を焼かれ、世界平和など夢物語だと承知していながらも、本気でそれを願っていた1960年代という時代が生んだ物語だ。

やがて、その後の特撮作品、SF作品は、正義をかざして悪を撃つものばかりになる。スターウォーズに代表されるように、科学技術は、再び最新兵器となり、敵を殺戮するために使われるようになってしまった。

サンダーバードも、その危うさを予見していたはずだ。良いことをしている彼らが「秘密基地」を作り、極秘に活動しなければならない理由が、子どもの僕には理解できなかったけど、今ならば分かる。リアルな2065年が、設定以上の素敵な世界であることを祈るばかりである。

2021年12月5日日曜日

丸山純奈「落ち葉」「この街」at渋谷gee-ge.

活動再開してからの1ヶ月間で、3回の配信ライブなんて。これって、最初から決まっていたことなのかなあ。のんびり構えていると次のライブが始まってしまいます。急激な展開に付いていけません。

11月23日の配信ライブでは、オリジナル曲を6曲(僕が聴けたのは4曲)披露してくれた丸山純奈さん(すーちゃん)、そのうちの3曲がギターの弾き語りでした。ギターの腕前も、弾き語りには十分に思いましたよ。

弾き語りの2曲目だった「落ち葉」ですけど、聞いたことがある気がしたので、もしかしたら、曲の一部がTikTokで公開されていたのかもしれません。切ない女の子の恋心を歌った曲とのこと。曲自体は、特にすーちゃんが歌わなくても、って感じでしょうか。でも、今までは歌うことのなかったようなアップテンポの曲を、見事に歌いこなしていましたから、歌のジャンルが広がったのは確かに思います。

チューニングの後、「はい、では、次が最後の曲になります。」「え~。」の声。「懐かし~。」とのリアクション。次回からは、このやりとりが、お約束になるでしょうね。

で、ラストソングは「この街」。上京してすぐに作った曲で、特に思い入れの強い曲とのことでした。これもTikTokで歌っていたかも知れません。曲のテーマとか弾き語りのアルペジオとか昭和のフォークソングっぽい曲でしたね。兎に角、歌が上手いので、5割増しで名曲に聞えてきます。

「あおぐみ」さんたちの投稿にもありましたけど、「はみ出ないように、だけど染まらないように」のフレーズが印象に残りました。何回も繰り返して出てきますので、これが一番云いたいことなんでしょう。歌に説得力があるので、メッセージ性のある曲は、良いかもしれません。

今回、ギター1本の弾き語りでステージを成立させられたのは、すーちゃんの成長に思います。今のすーちゃんは、弾き語りはもちろんのこと、アコースティックな伴奏でも、ロックバンドのボーカルでも、オーケストラをバックにしても歌えるだろうし、曲だって、自作したり、作ってもらったり、カバーしたりと、幅が広がってきたと思います。

あさってのライブは、どんな感じでくるのかなぁ。