2017年8月23日水曜日

【緊急投稿】 潜水艦「伊58」と米巡洋艦「インディアナポリス」の悲劇 ~ウォーターライン製作記・番外編~

 僕は、「伊58」のプラモデルも「インディアナポリス」も製作してないのですが、この2隻に関するニュースが相次いで飛び込んできましたので、番外編として投稿させていただくことにしました。

 まずは、米巡洋艦「インディアナポリス」について、8月21日付の新聞記事からです。

「米マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏が率いる探査チームは19日、太平洋戦争末期に旧日本軍の潜水艦に撃沈された米軍の重巡洋艦インディアナポリスの残骸の一部をフィリピン沖の水深5,500メートルの海底で発見したと発表した。」


 ポール・アレン氏は、戦艦「武蔵」を発見したことでも話題になりましたが、沈没船の探査が趣味だというのですから、世界有数の大富豪がやることはスケールが違います。

 次に、潜水艦「伊58」について、5月25日の公開記事です。

「海中ロボット研究の第一人者である東京大学の浦環名誉教授らのグループは、長崎沖の海底で終戦直後にアメリカ軍によって処分された旧日本海軍の潜水艦を発見した。曳航式のサイドスキャンソナーで撮影された画像には、ほぼ垂直にそびえる潜水艦が写っている。艦首とみられる部分の高さは約60メートルで、大きさから「伊58」またはその同型艦であると推測されるとのこと。」
 
 で、再調査の資金を集めるためのクラウドファンディングを行ったところ、目標としていた500万円が集まったので、8月22日から再調査を行っているそうです。映像は、ニコニコ動画で生中継をするとのことでした。22日のNHKのニュースでも紹介されていましたが、確認は未だのようですね。
 ポール・アレン氏との資金力の違いはともかくとして、マイクロソフト&ニコニコ動画という組み合わせが何ともです。

 ウォーターラインシリーズでは、「伊58」も「インディアナポリス」もタミヤの製品になります。過去に40周年記念限定モデルとして、この2隻をセットで売り出したこともあったようです。今回の出来事を機会に再び、と考えるところですが、まあ、フットワークが軽くないところがタミヤですからねえ。

 日本の潜水艦「伊58」は、終戦の1年前、1944年9月に竣工した巡潜乙型(航続距離が長く偵察任務を主とした)潜水艦です。物資が窮乏する中での建造のため、スペック通りの性能は出せなかったようですが、それでもレーダーなどを備えた最新型の潜水艦でした。しかし、すでに戦争は特攻戦が中心の時期、「伊58」は人間魚雷「回天」を使用する作戦に従事するようになります。

 
 「伊58」は、終戦間近の7月、回天を搭載して4度目の出撃をしました。そして、29日深夜、グァム島とレイテ島を結ぶ航路上で、速力十数ノット、単艦で航行中の大型軍艦と遭遇します。橋本艦長は、「回天」でなく通常魚雷での攻撃を選択、右60度、距離1500mという絶好のポジションより魚雷を6本発射、そのうち3本が命中します。
 「伊58」が浮上したときには、艦影は無く、撃沈と判断し海域を離脱します。沈めた艦が巡洋艦「インディアナポリス」であったことを知るのは、終戦後のことでした。
 その後、「伊58」は、終戦を知らせる電報を洋上で受け取り、8月17日に呉に入港。橋本艦長は、そのまま海軍にとどまり、復員輸送船の艦長となります。


 アメリカの重巡洋艦「インディアナポリス」は、アメリカ海軍第5艦隊の旗艦を務めた有名な軍艦でした。第5艦隊は、空母18隻、戦艦12隻、航空機300機などからなる大艦隊でしたから、巡洋艦を旗艦とするには、スペース的にムリがありましたが、司令官スプールアンスは同行する参謀の数を減らしてでも、「インディアナポリス」を旗艦とすることにこだわりました。少数精鋭主義を実現すべく、参謀を減らす口実とするために旗艦にしたとも云われています。幕僚は32人いたそうですが、それでも第3艦隊の半分だったそうです。

 1945年3月31日、「インディアナポリス」は、沖縄上陸戦を支援中に特攻機の攻撃を受け損傷、旗艦の任を解かれ、サンフランシスコで修理を受けることになります。スプールアンスは、修理が終わったら、インディアナポリスを再び旗艦にすることを希望していたそうですから、よほどお気に入りの軍艦だったようです。


 修理がほぼ完了した7月16日、インディアナポリスは、極秘の荷物を積んでサンフランシスコを単艦で出港、テニアン島へ向かう命令を受けます。荷物は、後に広島へ投下された原子爆弾(部品)でした。積み荷については、乗組員はもちろん、マクベイ艦長にも知らされてなかったと云われています。

 7月26日、無事任務を完了したインディアナポリスは、テニアン島を出発、グアム島を経てレイテ島へと向かう途中で「伊58」の雷撃を受けることになります。
 3本の魚雷を受けたインディアナポリスは、弾薬庫が誘爆し、SOSを打電するものの、まもなく電気系統が停止し、雷撃から12分で沈んでしまいます。

 この事件は、2016年に「パシフィック・ウォー」という題名で、ニコラス・ケイジ主演により映画化されています。


 インディアナポリスに特攻したのは、「零戦」でなく「隼」で、当たったのは船尾だったそうです。まあ、他にもいろいろとツッコミどころはありますが、話が逸れてしまいますのでやめときます。

 乗員1,200名のうち、沈没時の戦死者は約300名、約900名が海上に投げ出されたと云われています。

 一方、海軍の各基地では、SOSを受診するものの、すぐに途絶えてしまったため、発信者や位置が不明のまま時間だけが過ぎていきました。
 インディアナポリスの任務が極秘であったために行動が知らされず、サンフランシスコにあるものだと思われていたこと、駆逐艦の護衛も無く単独での航海であったこと、(任務終了後のはずなのに)グァム島からレイテ島に向かっていることが通達されていなかったことなどが、発見を遅らせた理由とされています。
 また、グァムの基地は海軍、レイテ島は陸軍の管轄であったため、意思の疎通について何らかの問題(ニミッツとマッカーサーが日本攻撃の主導権を争っていて司令部間の相互連絡が全然取れていなかったなど)があったのではないかとも云われています。

 撃沈から3日たって、飛行艇が漂流者を偶然発見したことで、インディアナポリスの遭難が明らかになります。救助が完了したのは沈没から5日後、その間に900名いた生存者の3分の2が亡くなり、生きて帰ることができた者は、艦長を含めて316名だけでした。
 漂流者の主な死因は衰弱死でしたが、鮫に襲われた者も少なくなかったと云われています。また、鮫が襲ってきたことでパニック状態になり、多くの兵が衰弱を早めてしまったとも云われています。この「鮫に襲われて亡くなってしまった」という話は誇張され、インディアナポリスの悲劇としてアメリカ国民に伝わっていきました。

 制空権も制海権も完全にアメリカが握っていた海域で、何故このような事態になったのか、戦後、アメリカ国民の批判を受ける形で、異例の軍事裁判が開かれました。

 原因は、明らかでした。1つは、原爆を運ぶという極秘任務についていたこと、もう1つは、人為的ミスによる連絡不備でした。ところが裁判は思わぬ方向へと進んで行きます。裁かれたのは、救助の遅れではなく、沈没の責任でした。適切な行動をとらなかったことで魚雷攻撃を受けたとされ、マクベイ艦長が起訴されたのです。
 戦時下で、艦長が撃沈の責任を追求されるなどと云うことは異例のことです。アメリカは、第2次世界大戦で、夥しい数(700隻とも)の艦船を喪失していますが、沈没の責任の追及を受けたのはマクベイ艦長だけでした。
 さらに、海軍は、証人として「伊58」の橋本艦長を召喚します。自国の指揮官の責任を追及するために、敵国の指揮官を証人に立てるなど、これもまた前代未聞の出来事でした。

 予告編の動画の敬礼の場面になります。二人が直接対面したとは考え難いのですが、感動の場面ではあります。

 橋本艦長は、予備尋問で、「あの状況であれば、魚雷回避は不可能であった」との証言をしますが、これは海軍の求めていたものではありませんでした。橋本艦長は本裁判では証言をする機会を与えられなかったといいます。

 判決は「有罪」。しかし、海軍上層部(第5艦隊の関係者か)の嘆願により裁判は突然中止になり、マクベイ艦長は海軍に復帰することになります。「有罪」ではあるが「お咎め無し」となったのは、海軍としても責任を彼に負わせれば、それで十分だったのでしょう。
 しかし、有罪となったことで、彼は乗組員の遺族などからのバッシングを受けることになりました。度重なる非難を受けて、彼は1968年にピストル自殺をしてしまいます。

 自殺から8年後の1975年、1つの映画が封切られます。題名は「ジョーズ」。映画に登場する漁師は、「元インディアナポリスの乗組員で過去のおぞましい体験によって、鮫に強い恨みを持つようになった」という人物設定でした。(そうだったんだ)
 「鮫」=「インディアナポリス」というイメージが、いかに深くアメリカ人に刻み込まれていたのかが分かります。
 この映画を見てインディアナポリスの事件に強い関心を持った少年がいました。当時12才のハンター・スッコトは自由研究にこのテーマを選び、過去の裁判記録や元乗組員の証言を調べます。そして、この裁判が明らかな誤審であったことを確信します。彼の活動は、少しずつ広がり、やがて橋本艦長の予備尋問の証言が再発見されるなどして、マクベイ元艦長の名誉回復運動が始まりました。
 日本のマスコミからこのことを知らされた橋本元艦長は、名誉回復運動に名前を連ねるようになります。

 2000年、アメリカ議会は、マクベイ元艦長の名誉回復を議決します。インディアナポリスの撃沈から55年後のことでした。

 艦を沈められた乗組員が悲惨な運命をたどるのは、珍しいことではありません。日本海軍など乗組員全員戦死という艦はいくらでもあります。
 ただ、インディアナポリスが原爆を運搬していたことが、この悲劇を引き起こしたのは確かです。インディアナポリスが極秘任務に就いていなければ、単艦で行動することもなく、撃沈されたとしても速やかに救助活動が行われてたはずだからです。
 しかし、原爆投下を正当化しなければならないアメリカ政府にとって、悲劇の原因が原爆運搬にあるとは、何が何でも認めるわけにはいきませんでした。

 漂流中に命を落としたインディアナポリスの乗組員たち、彼らもまた、原爆の犠牲者と云えるのかもしれません。

2017年8月17日木曜日

上國料萌衣「ピザーラお届け!」

 何となく、ピザでも取ろうかってことになりました。このところは「50%OFF!」みたいなチラシを頻繁に入れてくる「ドミノ・ピザ」を注文していたんですけど、たまには、「ピザーラ」にしようって話になりました。僕の住んでいる町では、選択肢は、その2つだけです。

 で、「ピザーラ」と云えば、そう、「上國料萌衣」ちゃんの「夏のよくばりクォーター」じゃありませんか。何という偶然!。


 ネット情報によると、「よくばりクォーター」を注文すると3人のカードがオマケに付いてくるみたいです。「よくばりクォーター」は、「タルタルチキン」や「もち明太子」が入っているんですけど、「子どもじゃあるまいし」ってことで却下されてしまいました。で、結局「夏のキャンペーンクォーター」になりました。もしかしたらって、密かに期待していたんですけど、カードは付いてきませんでした。でも、美味しかったですよ。ドミノ・ピザよりクォリティーは高いように思いました。
 ただ、値段もそれなりです。聞いたところによると、値段を下げて大量に売る「薄利多売」では、配達にコストがかかって経営が成り立たないんだそうです。つまり、宅配ピザは気安く頼んでもらっちゃあ困るんだそうで、たまーにしか食べられないような価格設定にしてあるそうですよ。

 「ピザーラ」が業界1位になったのは、「ピザーラお届け」でお馴染みのCMに力を入れた結果ですよね。1号店オープンは30年前、CM開始は26年前からだそうで、有名タレントを数多く起用し、過去には「松田聖子」さんも出演したことがあったみたいです。(覚えてないけど)
 このところは、ハロプロのタレントさんをよく使ってくれるので、「ピザーラ以外のピザは食べない」という誓いを立ているハロオタ君も多いようです。


 まあ、間接的のそのまた間接的なんですけど、上國料萌衣ちゃんのタレント活動を、サポートできたかなっていう感じですw

 で、この場を借りて。

 先日紹介させていただいた「上國料萌衣:Love涙色」の動画に自主規制がかかっちゃいました。視聴回数がもうすぐ30万回ってところだったんですけど・・・仕方ないですね。
 だからといって、わずか3分間のテイクのために、数千円もする「ひなフェス」のBlu-rayを買う人がいるとも思えませんし・・・。
 あのテイクは、是非とも公式動画として公開して欲しいです。安い先行投資だと思いますよ。上國料を広く世間に伝えることができれば、将来、何倍にもなって、事務所に恩恵をもたらすはずですから。

2017年8月13日日曜日

八神純子「みずいろの雨」「思い出は美しすぎて」「想い出のスクリーン」 ~挑戦するボーカロイドたち~

 「高い声で歌うだけなら機械でもできる」の第2弾になります。もちろん、最終的な結論は、「やっぱり、八神純子さんは凄いなあ。」というところへ持っていくつもりであることを、予めお伝えしておきます。

 まずは、初音ミクによる「みずいろの雨」。この曲は、松浦亜弥さんも歌ドキッでカバーしていました。現在は、YouTubeのコメント欄の仕組みが変わって、批判的な書き込みは影を潜めてしまいましたが、以前のテイクでは、「所詮アイドル」みたいな書き込みがたくさんあって、一部ではバトルも繰り広げられていたように思います。
 まあ、「偉大な名曲を気安くカバーするんじゃネエ」ってことなんでしょうけど、歌唱力を披露したい人たちの絶好の挑戦曲でもあるわけですから、たくさんのプロ・アマが、この曲にチャレンジしてきたのも事実です。もちろんボーカロイドもその例外ではありません。

 このテイクは、いくつかあるボーカロイドカバーの中でも、ストレートな歌声とノーストレスな高音が特徴の、おすすめテイクです。初音ミクAppend Darkのささやくような高音が楽曲にピッタリだと思いますよ。


 いかがでしょうか。八神純子さん=熱唱という固定観念にとらわれず、この楽曲の持つ魅力を引き出していると思います。

 2つめは、ボーカロイドGUMIによる「思い出は美しすぎて」、伴奏は、耳コピによる打ち込みで、ギターは生で弾いているとのことです。


 Megpoid Whisperの声質が、ボサノバ調の楽曲にピッタリです。少しタメを持たせた歌い方がイイ感じですね。そして何より伴奏、ボーカロイドカバーにおいて、伴奏は重要ですからね。ギター格好良すぎでしょう。

 3つめは、結月ゆかりによる「想い出のスクリーン」。結月ゆかりの投げやりな唄い方が、妙に合ってます。説明なしで聴いたら、人間が歌っているって思うかもしれません。


 で、このテイク、いくら何でもやりすぎじゃないのかなって思って、八神さんのテイクを聴いてみたら、全く同じように歌っていたんで笑ってしまいました。

 いかがでしょうか。いずれも名曲ばかり、そして、どのテイクもボカロPさんの力作揃いだと思います。オリジナルの歌唱を分析し見習いつつも、ボカロの特性を生かした表現を追求する姿勢を賞賛させていただきます。

 優れたカバー作品は、オリジナルへのリスペクト無しには有り得ない。それが、人間だとしても、機械だとしても。ってところで、お終いです。

2017年8月10日木曜日

上國料萌衣の「Love涙色」がやっぱり気になる

 乗りかかった船と云うことで、「上國料萌衣」さんについて、もう少し。

 ウィキペディアからです。
”上國料萌衣:2014年に「モーニング娘。'14」のオーディションを受けるが落選。ハロプロの楽曲を好きになれない時期もあったが、アンジュルムの「大器晩成」の歌詞に影響され、2015年7月より行われたアンジュルム新メンバーオーディションを受験した。応募1800人中、合格したのは上國料1人であった。愛称は「かみこ」”
前回、貼りつけさせていただいた動画は、今年の3月に幕張メッセで行われたハロプロのイベントでのテイクのようですね。動画アップから1ヶ月で、視聴回数が約26万回と、此の手の動画にしては多いのですが、それ以上に注目されるのは、高評価率の高さで、イイネ!が4,000を越えています。ちなみに低評価は40余り。ネタ動画は別として、イイネ!が4,000を越える動画というのは、再生数が100万回位になっているのが普通ですから、ハロヲタさんたちの期待のほどがうかがえます。


 「Love涙色」を選曲した理由を、彼女自身がブログで語っていました。1つめはソロ曲であること。まあ、当然ですね。2つめは、「モーニング娘。」の5期オーディションの課題曲だったこと。3つめは、鈴木香音さんがバースデーイベントで歌っていたこと。だそうです。
 「かみこ」は、ハロプロのイベントで、鈴木香音(ズッキ)さんと握手をしたことがあって、それ以来、憧れのタレントは、ズッキだと公言していますので、このことに配慮した発言のように思います。
 
 ここで、注目すべきは、2番目の「5期オーディションの課題曲だから」という理由です。つまり、「憧れの大先輩、松浦亜弥さん云々」じゃないんですよね。5期と云うと、「モー娘。」絶頂期の時のオーディションで、「高橋 愛」さんなどが参加した時ですから、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 彼女は、最終審査で落選したことで、かなりのショックを受けたようです。研修生というアドバンテージを目の当たりにして、自らが置かれている立場に失望したのかもしれません。
 その後、彼女は、研修生に誘われます。落選した子を研修生に入れるというのは、ハロプロの常套手段ですが、家族の反対もあり、受験勉強のためといって熊本に帰ってしまいます。
 翌年、彼女が「アンジュルム」のオーディションを受けることになる本当の事情は、知る由もありませんが、結果としては、良いところに落ち着いたと思います。美形といっても「乃木坂」とかで活躍するタイプとも違いますし、過去の栄光を背負わされ、「18才定年制」が定着してしまったかのような「モー娘。」より、「アンジュルム」の方が生き生きと活動できそうな気がします。
 ソロで、という意見もありますが、歌手や女優に専念するのならともかく、現在のアイドル事情を考えるとソロアイドルは精神的にキツイと思います。ホームポジションを持った上で、ピンの仕事を増やしていくというのが、無難なところではないでしょうか。

 「かみこ」は、続けてこのように語っています。
”松浦さんがこの曲を出した時の年齢は今の私より若くて、それなのにリズムも細かくて、高音も上手に歌いこなしていて。私が練習で歌った時はすぐ喉が疲れてしまって、高音も出ないし、リズムも取れないし、「やっぱり違う曲にすればよかったかなぁ」って何回も思ったんですけど、今日、たくさんの方に良かったよ!って言ってもらえて、また一つ新しい挑戦ができてよかったなぁってすごく感じました。”
この選曲が「モー娘のオーディションに落選した上國料萌衣」というイメージを払拭し、さらに英才教育によるアドバンテージに対する挑戦だったように思えてきます。

 もう1つ。ハロヲタさんが「松浦亜弥×上國料萌衣」なる動画を編集してくれました。


 何で「あやや」が2005年のライブ動画なんですかね。これは悪意すら感じるセレクトですよぉw

 デビュー1年ちょっと、という観点で選ぶのなら2002年ですし、同じ17才ということなら2003年ですからね。いっそのこと、2007年のテイクでも良かったと思います。と考えると、時代が違うとはいえ「あやや」って凄かったんだなって改めて思います。「あやや」が「かみこ」の年令の時には、もうアイドルなんかヤダみたいなことを言い出して、次のステップに踏み出そうとしていたわけですし。
”歌ってる時は会場が私のメンバーカラーになって、本当に幸せでした。来年もソロが当たるといいなぁああ”
良いですね。「もっとソロで歌わせろ」ですか。知れば知るほど面白い子です。
 そうそう、今日、初めてピザーラのCMを見ました。さらなる活躍を期待しつつ、今日のところはこのくらいで。

 続編が書けることを楽しみにしています。

2017年8月4日金曜日

上國料萌衣「Love涙色」「渡良瀬橋」他 ~ハロプロの救世主なんかじゃ勿体ない~

 「上國料萌衣」さんをご存知でしょうか、「かみこくりょう もえ」と読むそうです。1年半前にデビューしたハロプロのタレントさんで現在17才。ハロプロのアイドルですから、欅坂とか乃木坂みたいにテレビに出たり、世間の話題に上ったりすることはありませんけど、ハロヲタたちが、神の子だとか、奇跡の透明感だとか云って盛り上がっています。最近は、CMとか、雑誌のグラビアとか、お仕事も順調のようですから、普通のオジさんたちに認知される日も近いかも知れません。

 まあ、百読は一見にしかずということで、「Love涙色」です。


 「あやや」の歌をハロプロの若い子たちがいろいろとカバーしてくれても、その動画を最後まで見ることなんてなかったんです。「あやや」の歌を「あやや」以上に歌える子はいない、ってことを確認するだけのことでしたから。
 でも、これは最後まで見ちゃったんですよね。お目めパッチリ系のイマドキのアイドルなんですけど、ただそれだけじゃないような気がして。
 で、気づいたんですけど、この子、ノーテクニックなんですよね。偉大なる先輩「松浦亜弥」の楽曲を、ただ、元気いっぱいに歌っているだけなんですよ。ああ、これが奴らの云うところの透明感ってことなのかって。あややの振りマネもぎこちないんですけど、これだけ堂々とやれるのは、たいしたステージ度胸です。

 身長152cmですから、だいぶ小柄ですけど、小顔ですし、それでいて華奢な体型ではなく、振りが大きいのでステージ映えします。このへんは、「あやや」とも共通しているところでしょうか。ちょっと前の資料では身長150cmとありましたから、まだ伸びている途中みたいですね。

 上國料さんは、「アンジュルム」というグループに在籍しているそうです。そんなグループありましたっけ、と思ったら、「スマイレージ」が改名したんだそうです。で、スマイレージってなんでしたっけ?

 こんなテイクもありました。森高千里さんの「この街」のカバーですね。出身が同じ熊本県だから選んだのかな。


  Bメロで「かーみこオイ!」とか、完全に昭和のアイドルのノリじゃないですか。こんな世界が今も残っていたとは。
 普通に可愛い子が、普通に出てきて、一生懸命歌う。そりゃあアイドルですから、どう振る舞えば可愛く見えるかとか計算しているのでしょうけど、それをアザとく感じさせないのもアイドルの大切な才能の1つです。
 彼女、オーディションに合格して上京するまでは、熊本の県立高校に通っていて、サッカー部のマネージャーをしていたそうです。ってことは、1年前までは普通の女子高生。○○アクターズスクールとか、○○研修生出身とかで無いのも魅力の1つですね。このへんも「あやや」と共通するところです。
       
 こんなテイクもありました。ミュージカルでは、新人ながら、主演に抜擢されたそうです。可愛いは、人生最強のアドバンテージってことでしょうか。


 こういうのって、音をとるのも難しいように思うんですけど、なかなか良いんじゃないでしょうか。
 ハロヲタたちが、素直な歌声とか、透き通った歌声とか、褒め称えてますけど、ハロプロ独特の歌い癖が付いていないってことを評価しているのだとすれば、研修生制度って何なのかってことになりますが。

 で、何かのご褒美で、ソロで一曲歌えることになった時に、この「渡良瀬橋」を選曲したのも、森高千里さんを意識してのことでしょう。でも、アレンジは松浦亜弥ヴァージョンですよ。


 松浦亜弥さんは、大人になって、どんどん歌が上手くなっていきましたけど、渡良瀬橋については、どんどん似合わなくなってしまったように思います。
 そりゃあ、上國料の歌は、松浦亜弥さんの足元にも及びません。でも、大人になった「あやや」が失っていった世界観を、この子は持っているように思います。
 特別なトレーニングを受けて無くって、デビュー1年でこのくらい歌えるのなら、まだまだ上手になりそうです。でも、この世界観は、いつまでも失わずにいて欲しいものです。
 
 久し振りにアイドルらしいアイドルに出会えたって感じです。そして何より嬉しいのは、彼女が、ファンが支えるタイプでなくって、ファンを惹きつけて引っ張っていくタイプであるということです。
 何度も云いますけど、アイドルの社会的存在価値って、世の中に元気を与えるってことに尽きます。会社でイヤなことがあった奴とか、学校で虐められた奴とかを、癒やしたり励ましたりして、まあイイかって気にさせてくれるのが、アイドルですよね。松浦亜弥さんが、「あやや」と呼ばれてた頃、彼女に救われたって奴は、たくさんいたはずです。
 「上國料萌衣」は、「アンジュルム」の中心メンバーとして、そしてアイドルとして、ヲタクどもに元気を与え続けて欲しいと思います。

 で、この子、うまく育っていけば、大人になってもマルチなタレントさんとして、活躍できるような気がします。まあ、一番の心配と云えば、ハロプロだってことでしょうか。

2017年8月3日木曜日

広瀬香美「ロマンスの神様」feat.鏡音リン ~高い声で歌うだけなら機械にだってできる編~

 前回の記事で、広瀬香美さんについて取り上げさせていただきましたが、その折りに「高い声で歌うだけなら機械にだってできる」なんて余計なことを云ってしまいました。決して、広瀬さんの歌唱力(表現力)が、ボーカロイド並みだと云ったわけではありません。今回ボーカロイドの歌唱を取り上げたのは、「やっぱり広瀬さんは凄いなあ」という結論にもっていく意図があってのことだということを予め述べさせていただきます。

 で、ボーカロイドカバーの作品ですが、今回は、「初音ミク」でなく「鏡音リン」ちゃんを紹介させていただきます。
 リンちゃんは、世間的には無名のボーカロイドかもしれませんが、ライブでの人気は抜群です。リンちゃんが登場すると、会場は異様に盛り上がります。


 ただでさえ滑舌悪いのに、オートチューンかけたので、とんでもないことになっちゃいましたね。でも、ボーカロイドに歌わせるなら、これくらい突き抜けないと面白くないってことも確かです。ところどころで崩した歌い方をさせるなどテクニックも駆使していて、なかなかの力作ではないでしょうか。
 何より、リンちゃんの底抜けに明るいキャラクターが、この曲の持っているイメージと、ぴったりなんだと思います。

 「ロマンスの神様」ってスキーのCMに使われたんで、ウインターソングのイメージがありましたけど、季節感ゼロで、肉食系女子の婚活ソングだったんですよね。でも、冬になるたびに曲が流されて、20年経った今でも世間から忘れ去られることが無いんですから、こういうヒット曲を1本持っているというのは、強いことだと思います。

 Aメロ、Bメロ、サビと頻繁に転調をおこない、必要とされる音域の広さと相まって、歌唱力自慢の人たちが好んで歌う楽曲となっています。高音域が意識されますけど、一番難しいのは、「こぶし握りしめる私」って下がっていくところ。松浦さんと稲葉さんのテイクでは、オリジナルより、だいぶ音を下げたので、ここのところがとんでもないことになってます。
 広瀬さんとか松浦さんは、何ともなく歌ってますから、それほど感じませんが、ボーカロイドの歌を聴くと、やっぱり難曲なんだなって、改めて思いました。

 2つめは、アカペラバージョンになります。投稿が2010年とありましたから、少し前の作品になります。でも、この頃って、ボーカロイドカバーが最も盛んだった時期ですから、レベルの高い作品が多いんですよ。


 ちゃんと歌うこともできるんだぞ、っていうテイクですね。ボーカロイドのアカペラと云うのは、どうしても単調になるんで、1番と2番で伴奏を変えたり、っていう工夫が必要になるんですけど、このテイクは、歌わせ方を歌詞に合わせて変えることで、変化をもたせているようです。癖の強いリンちゃんを、ここまで調教するのは、なかなかのものです。
 
 広瀬さんの素晴らしさについては、僕などが語るまでもないことですから、今日はこれでお終いです。