2020年11月8日日曜日

さようなら「アシガール」

伊藤健太郎君のひき逃げ事件を受けて、NHKはアシガールとスカーレットのホームページを削除し、オンデマンドでの配信を終了してしまった。さらに、伊藤君に対して損害賠償の手続きを取る構えらしい。

彼が出演した映画が、作品と個人の罪は別だとか、見たい奴が金を払って見るからと云う論理で、公開されているのとは対照的である。見たい奴が金を払って見るのであれば、有料オンデマンドだって同じだと思うのだが、NHKは視聴者の受信料で成り立っているので、こういう不祥事には厳しく対処するとのことらしい。

事件が起きる前は、伊藤君の人気にあやかろうと、一番チヤホヤしていた放送局がNHKだったから、とんだ手のひら返しである。まあ、俳優「伊藤健太郎」は自分たちNHKが育てたって気分でいた分、より裏切られた感が強いのかもしれない。民放のようにスポンサーに配慮する必要の無い代わりに、視聴者・・・つまり世間の風潮に左右されるのがNHKなんだと改めて実感した次第である。

伊藤君は、釈放されて湾岸署を出てきたときに「自分が起こしてしまった事故のせいで、たくさんの方々にご迷惑をおかけした・・・」と云った。迷惑をかけた沢山の人って、どのくらいいるのだろう。

真っ先に思い浮かぶのは事故の被害者とそれに関連する人たち、次に思うのは、ドラマや映画の共演者とそのファンだ。健太郎君はどこまで分かっているのか知らないけれど、アシガールと黒島結菜さんのファンである「僕」は、紛れもなく伊藤君に迷惑をかけられた者の一人だ。NHKのオンデマンドのマイページ、お気に入り登録してあったアシガールの全13話が、消えてしまった時の悔しさと憤りは半端なかった。だから、彼の謝罪の何百万分の一は、僕に向けられたものだと信じている。

そんな中、原作コミックの15巻が、年末に刊行されるそうだ。森本先生が今回の事件により創作意欲を失い、連載を切り上げてしまうのであれば、それもまた「さよなら」であるが、現在連載中の第2部は読者の強い要望で始まったから、(純粋な)アシ・ラバが支え続ける限り、本能寺の変から関ヶ原の戦いへと話は続いていくだろう。

でも、NHKがアシガールの続編を制作する可能性は無くなってしまった。12月に公開予定の舞台「両国花錦闘士」のように、伊藤君に代役を立ててでもアシガール続編を制作して欲しいところであるが、制作側には、そんな意欲はもう無いだろうし、作ったところで世間からあーだこーだと云われることは目に見えている。

アシガールの配信終了は残念極まりないことだが、NHKは今までにも出演者に不祥事のあった番組を配信停止にしたことがあり、その方針が今回もブレなかっただけのことである。配信再開は、過去の例からしても極めて難しいだろう。ファンならばDVDを持っているだろうし、テレビ放送の録画もあるだろう。だが、配信がなければ新規のファンも生まれないだろうし、配信という共有財産を失ったアシラバの精神的ダメージは大きい。

今回の事態を、黒島結菜さんは、どう思っているのだろうか。

アシガールが放送されてたのは、ちょうど3年前の今頃だった。当時20才だった黒島さんも23才だ。大人の女優へのステップになるはずだったスカーレットへの出演は、とんだ思惑違いだったが、同じく大阪放送局で制作されている「閻魔堂沙羅の推理奇譚」のゲスト出演でも、黒島さんは実年齢相当の役を演じている。熱愛報道も出たし、いつまでも唯之助のイメージでいることもないだろう。潮時って言葉は相応しくないだろうが、これは与えられた1つのきっかけなのかもしれない。


僕は、アシガールに出会って、黒島結菜さんを知った。二十歳そこそこの女優を応援するなんて考えもしなかった。アシガール関連の投稿記事は13本。たくさんの人たちに読んでもらえたし、とても楽しく書かせていただいた。だから、アシガールには感謝しかない。

でも、女優「黒島結菜」を第一に考えれば、アシガールの配信終了は1つの区切りであって、何かが終わったわけではない。黒島ファンは次のステップを応援し、アシラバはコミックの世界へ帰っていく、ただそれだけのことなのだ。

さようなら「アシガール」そして、ありがとう。

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