2020年11月24日火曜日

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」中条あやみ×黒島結菜

 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」は、2018年より刊行されている短編小説シリーズで、ミステリー作家「木元哉多」さんのデビュー作とのことです。ググってみましたら・・・

閻魔大王の娘・沙羅が現世に未練を残し殺された死者たちに課す「自分の命を奪った殺人犯を推理することができれば蘇り、わからなければ地獄行き」という死者復活を賭けた霊界の推理ゲームを、1話完結で描いたミステリー

と、ありました。今までに7巻、19話が発表されていて、その内の6話が、NHK「よるドラ」でドラマ化されました。主演は「中条あやみ」さん。ただ、中条さん演じる「閻魔堂沙羅」は、物語のナビゲーター的存在で、各回のゲスト出演者が、実質的な主役を演じる構成になっています。

前半の3話、Ⅰ~Ⅳ回を視聴した印象は、タイトルから受けるイメージとは真逆の、ほのぼの系ドラマでした。兎に角、みんな良い人ばかり。さすがに、殺人を犯した奴は善人とは言い難いですけど、それなりに情状酌量の余地がありますし、第2話に登場した、乃木坂の「賀喜遥香」さんが演じた女子高生なんて、絶滅危惧種的に健気な女の子でしたよ。

NHK教育番組的なデキすぎストーリーは、若干ひき気味になりますけど、視聴後に心が温かくなるのは確か。週末の夜を気持ち良く過ごすことができます。それがNHK「よるドラ」のコンセプトなんでしょうね。

「中条あやみ」さん演じる「閻魔堂沙羅」は、ドSキャラとのことですが、意外と優しいところもあったりして、演じている「あやみ」さんは楽しいだろうなって思いました。黒島さん云うところの、ハロウィンの仮装みたいな衣装を、ここまで着こなせる女優さんって、他には思いつきませんです。


で、今回、取り上げさせていただくのは、「黒島結菜」さんが出演した、第3話、Ⅲ・Ⅳ回放送分です。黒島結菜さんが演じたのは、バドミントンの元トッププレイヤー「澤木夏帆」。一年半前に膝を故障して引退し、現在はジュニアの臨時コーチをしている、という設定でした。

ドラマ中で印象に残ったのは、全日本Jr.チャンピオンの「内山静香」。演じているのは「藤川心優」さんという子役出身の女優さんで、大阪を中心に活動なさっているようです。プロフィールの特技欄に「バドミントン」って出てましたから、それでオファーされたんでしょうか。

夏帆コーチを慕っているこの子が、ひたすら良い子なんですよ。実際のアスリートでも、トップに立つ子は、運動神経だけでなく、頭も性格も良いことが条件なんでしょう。


黒島結菜さんがバドミントン経験者であることは、ファンなら誰もが知っていることですよね。沖縄では、糸満の黒島というと有名なバドミントン一家のようで、YouTubeを検索すると、妹さんたちが出場しているインターハイ等の試合動画が出てきます。沖縄の大会では、上の妹さんと下の妹さんで決勝戦をした、なんてこともあったそうですよ。

黒島さんと中条さんが同い年で、プライベートでも仲良しであることも、ファンならば誰もが知っていることだと思います。このあたりのエピソードは、日テレの「アナザースカイ」でも紹介されましたけど、中条さんもバドミントン経験者であることは知りませんでした。二人が共演もしていないのに仲が良かったのは、バドミントンという共通項があったからかもしれません。

バドミントン・マガジンのインタビュー記事によると、黒島さんは、小・中学生の時に「糸満ジュニア」というクラブチームで活動していたとのことです。中学校のバドミントン部にも入っていたようですが、どちらで選手登録をしていたかは分かりません。中学2年生の時に沖縄でベスト8だったのが、最高戦績とありました。糸満高校でもバドミントン部だったという情報もありますが、この頃はタレント活動も始まっていて、沖縄と東京の二重生活でしたし、ケーキ屋さんでバイトもしていたみたいですから、部活はどうでしょうか。

ドラマの冒頭に静香と夏帆がバドミントンをしてるシーンがあります。番組予告では、バドミントンの腕前を披露とかありましたけど、実際にシャトルを打ち合っているシーンは、この時くらいでした。黒島さんは、手足が長く見えるので、フォームも綺麗だし、兎に角、格好良かったです。そりゃぁ、俳優さんですから、実力以上に上手く見せる術を持っているとは思いますし、ラケットを振る瞬間だけ早送りにしているような感じが・・・・してないか。バドミントンのシーンは、もっと見たかったですね。

上の画像は物語の前半でのシーン。あの唯之介も、こんな表情ができるんですね。ドラマの最後の方で、やる気を出してるときは、髪の毛をしばっていて、髪型によって印象を変えていたみたいです。元気が出た後は、いつもの黒島結菜さんでしたけど。

前半は、登場する人たちが、わざとらしいくらいに(ワザとでしたけど)口を揃えて「現役復帰なんかするな!」って云っていて、重苦しい雰囲気でした。その中で、代表コーチだけが優しい言葉をかけていたんですよね。つい「こいつ良い奴だ。」なんて思ってしまい、見え見えのトリックなのに引っかかってしまいました。

結局、このコーチが、交際相手(主人公の姉)に対する歪んだ思いやりから、現役復帰を妨害し、罪を犯していたんです。

夏帆の古傷を悪化させようと、飼い犬を逃がして追いかけさせたのって、傷害未遂になるんですかね。でも、階段から突き落とそうとしたのは、完全に暴行罪や傷害未遂。自転車のブレーキを壊したのは傷害罪。結果として交通事故を起こして死んでしまいましたから傷害致死、場合によっては殺人罪になるかもしれません。しかも、目撃者である静香ちゃんを拉致しましたから、未成年者略取。口封じのために殺してしまえば、誘拐殺人という重罪になります。犯罪というのは、1つ犯してしまうと、どんどんエスカレートしてしまうんだなって思いました。まあ、夏帆が生き返ったおかげで、最終的には、障害未遂と未成年者略取で済みましたけど、それでも重い罪のはず。あと、自転車壊してるから器物破損も。なのに、ナレーションでは、代表コーチ解任と、姉との交際解消しか語られませんでした。それだけじゃ済まないだろっ!

あと、気になったのは、謎解きのシーンでの台詞でしょうか。こういった、説明的な長~い台詞って、どうしても台本を読んでる感が出てしまいます。まあ、これは、若い女優さんたちのこれからに期待です。

閻魔堂は、物語のテイストに合わせて、ロケ地を変えているようです。今回は、「旧奈良少年刑務所」が使われました。

ここは、仏像巡りをしてた頃に、車で寄ったことがあります。その頃は、まだ少年刑務所として使われていて、門の前に車を停めたところ、守衛さんと目が合ってしまい、(何も悪いことしてないのに)慌てて引き返した思い出があります。

この旧奈良監獄の建物は、重要文化財に指定されている日本で最古の監獄建築なんですけど、今は使われて無くって、星野リゾートが監獄史料館やホテルなどの複合施設として、2024年の開業を目指しているとありました。高級ホテルを経営する星野リゾートでは、気軽に泊まるわけにはいきませんですね。

黒島さんって、このところ、テレビ東京やNHK大阪放送局のドラマに出演することが多いみたいです。「閻魔堂沙羅」は、制作費も安いだろうし、視聴率も高くはないだろうから世間の話題になることはないかもしれないけど(過度な期待さえしなければ)面白いドラマであることは保証いたします。

NHKオンデマンドが配信中止になることもなさそうだし。何より、30分で問題解決するから、テンポが良くって視聴疲れしないのが有り難いです。放送は残り4回。後半のゲスト出演者は、ベテランの俳優さんたちです。どんな展開になるんでしょうか。

 最後に、悪人には容赦ない沙羅ちゃんです。

  

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