7月23日、ボカロP・作曲家の「椎名もた」(ぽわぽわP、本名 溝口 遼)さんが亡くなりました。20歳。椎名さんは、なくなる当日Twitterに投稿し、新曲「『赤ペンおねがいします』feat.初音ミク」を公開したばかりでした。
最後のツイートに残した新曲「赤ペンおねがいします」を貼り付けさせていただきます。彼の遺作になります。ニコニコ動画の方は、コメントで埋め尽くされていて、画面が全く見られない状態になっていました。
椎名もたさんは中学生のころから作品を発表し、ニコニコ動画発のアーティストとして、16才でCDデビュー。その若さが話題になり、Eテレの番組に出演したり、新聞社に取材されたりもしていたそうです。
死因は公表されていませんが、以前から、鬱病を患っていたこと。最後に投稿した動画に、作品への批判とも受け取れるコメントがあり、椎名さんの最後のツイートが「大人になったから魅力がなくなった、と。大人になってはいけないらしいですね。」というものであったこと。そして、そのツイートの数十分後に、自宅近所の小田急線で飛び込み自殺をした同年齢の人物がいることなどから、死因は自殺ではないのかという噂が広がっています。
彼の代表曲の1つとされている。「ストロボラスト」です。現代アートを鑑賞しているような気分にさせてくれる曲です。「青春の葛藤を投影した言葉や旋律」というコメントがありましたが、正にその通りだと思います。
CINRA.netに「批判や精神不安定からサバイブした、椎名もたの漫画みたいな人生」というインタビュー記事がありました。かなり繊細な方のようで、彼の死が自殺かどうかは別としても、ネットによる批判で心を痛めていたことは、間違いないようです。ネットにより生きがいを見つけられた若者が、ネットにより心を傷つけられたというのは、皮肉なできごとという言葉では、片付けられない悲しいことだと思います。
アルバムの表題にもなっている「夢のまにまに」のMVです。親しみやすいというわけではありませんが、前2曲に比べれば、おじさんにも受け入れやすい曲になっていました。
どれも楽曲は、典型的な最近のボカロ曲のようです。此の手の曲は、今までほとんどスルーしていたのですが、何曲か聴いてみて、十代の若者の作品とは、思えないほどのクオリティーを感じた反面、十代だからこそ表現できた世界観なのだとも思いました。
20代になった彼が新たな世界観での作品を発表する可能性、全く異なるジャンルで別の才能を開花させる可能性、そのいずれの可能性も失われてしまったことが残念でなりません。
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