2015年7月22日水曜日

阿部尚徳「ARiA」「SPiCa」feat.初音ミク

 「とくP」こと阿部尚徳氏は、主にアニソンの作・編曲を手がけているプロの音楽家で、ミクに楽曲を提供したプロのミュージシャンの先駆けとされている方です。初音ミクも発売当初は、ヲタクの玩具という扱いでしたから、ボカロPが、やがてプロの作曲家になることはあっても、プロの音楽家が初音ミクに関わるという例は、ほとんどありませんでした。そういう中での阿部尚徳氏の存在は、かなり珍しかったようです。ただ、プロであるが故のプレッシャーも大きかったようです。プロがニコニコ動画というアマチュアの土俵に乗り込んできて、簡単に負けるわけにはいきませんからね。

 まずは、「ARiA」から貼り付けさせていただきます。この曲、2011年のライブ動画もアップされているのですが、このライブでは、透過型のディラッドボードではなく不透明なブラックスクリーン(黒箱)を使用しています。で、これが、かなりの不評だったようで、確かにミクの視認性は良くなったかもしれませんが、完全にアニメっぽくなっているんですw

 というわけで、貼り付けさせていただくのは、MVです。でも、これ、なかなかの出来だと思います。


 この曲は、ミクのオリジナルとしては、2曲目になると思いますが、クレジットによると、伴奏はコンピュータの打ち込みではなく、スタジオで録音されているようですし、CGも専門の方がかなり本気で作っています。

 ミクも初めの頃は、ヲタクが、全て一人で、つまり、作詞作曲はもちろんのこと、ミクの操作から伴奏の打ち込みまで、全て自宅のパソコンで一人でやって(だからヲタクなんですけど)、静止画を1枚付けて、ニコニコ動画に投稿していました。で、その作品にみんなで寄ってたかって、N次創作をしていったわけですけど、この頃から、スタジオ録音された音源、細部まで作り込まれたCGというように、チームで制作するようになっていきます。つまり、みんなで創りあげていくものから、最初から質の高い完成品として発表していくものに変わっていったようです。
 また、視聴者も意識が変わってきて、MV作品としてのクオリティーを求めるようになってきました。実際、楽曲は既に出来ているんだけど、CGが未だなので発表を延期している、なんていうことも普通にあるようです。
 こうなってくると、アマチュアが一人で太刀打ちできることではありません。ミクのコンセプトであった「Everyone Creator」は、完全に過去のものになったと云えます。

 次は、「SPiCa」のライブ動画を貼り付けさせていただきます。何度も言ってしまいますが、間奏での黒田氏のギター、格好イイことこの上ありませんね。彼の演奏だけでもお金を払う価値があると思います。


 楽曲の感想を全然書いていないことに気づいたんですけど、まあ、聴いていただければお分かりの通り、阿部尚徳氏の楽曲の特徴は、何と云っても洗練された格好良さに尽きるのではないかと思います。最近のボカロ曲は、どうも、こういう、普通に良い曲というのがなくなってきたように思うんですけど・・・。

0 件のコメント: