剣持秀紀氏の著書「ボーカロイド技術論」に、ボーカロイドのファーストソングが槇原敬之氏の「LOVE LETTER」であることが書いてありました。2001年5月、社内プレゼンテーションで、開発中のボーカロイドにデモソングとして歌わせたそうで、初音ミクが発売される6年前のことです。エディタがまだ完成してなかったためハードコーディングとなり、かなり苦労されたようで、一曲全部歌わせることができなかったとありました。
1996年にリリースされたこの曲が、何で選ばれたのかは分かりませんが、最初のボーカロイドは、男声だったということでしょうか。
で、当時のボーカロイドの歌など探しようがありませんので、せめて槇原氏のテイクを、と思ってYouTubeで検索してみましたが、すぐ削除されちゃうみたいでほとんど残っていません。ってそれが普通ですよねww。
で、何故か削除されない2005年日本武道館ライブからです。さすが槇原氏、モテない男のラブソングを作らせたら右に出る者はいません。
えっ消えてしまいましたよw。まさか僕のせいではありませんよね。仕方ありません。・・・・これも消えたら完全に僕のせいですよね。
これ、別な意味でもヤバイです。夜、一人でヘッドフォンかけて聴いてたら、頬を伝わるものがあるんです。まさかこの歳になって歌を聴きながら泣くなんて思いもしませんでした。
カセットテープは渡せても手紙は渡せなかったこと、別れの時に取り巻きの外側に立ってしまったこと、何であの時、あの一言が・・。想いを伝えるということに、臆病になってしまうヲタクたちの心を代弁してくれるこの曲。そして、切ない男心を歌い上げる松浦亜弥という歌手。僕は、この最悪な録音状態の静止画を何度もリピートしていました。
この曲のテーマは「伝えられなかった想い」。そう考えるとこの曲がヤマハの技術者たちに選ばれた理由も分かるような気がします。伝えるというのは、ボーカロイドの重要なテーマの一つ。熱いメッセージを持っていたところで、それを伝える術も、度胸もないオタクたちが、初音ミクに飛び付いたのは、彼らが自分たちの代弁者を求めていたからに他なりません。
と、話が最初に戻ったところで、お終いです。
0 件のコメント:
コメントを投稿