安田成美さんのカバーです。ナウシカのことは知っていてもこの歌は知らない人も多いのではないでしょうか。松本隆、細野晴臣という当時の最強コンビの作品ながら、安田さんのあまりの歌の下手さに宮崎駿氏が激怒。映画には絶対関わらせない条件で、落ち着いたのがイメージソングという扱い。上映前の館内では流れていましたが、劇中に使われるわけでもなく、サントラにも未収録。その後、映画がどんなにヒットしても、ジブリが世界的ブランドになっても、この歌が世間に広まることはなく、安田さんもその後は女優業に専念するようになり、二度と歌うことはありませんでした。
あれから30年、初音ミクが歌うナウシカを聴いた僕は、衝撃を受けました。テクノポップとボーカロイドの相性が良いのは当然のこととしても、細野晴臣氏が、初音ミクの登場を予測して作ったのではないかと思うほど似合っていて、僕の抱いていたナウシカのイメージを初音ミクが見事に再現しているのです。
電車の吊り広告を見て、何の予備知識もなく入った町の古ぼけた映画館。どんな作品だろうと待っていたときにかかっていたこの曲。作品ではあまり描かれることのなかった、ナウシカの16歳の女の子としての可愛らしさを表現したこの曲。宮崎駿氏が排除しようとした、16歳の可愛い女の子のイメージ・・・。ああ、今頃わかりましたよw。宮崎先生が激怒されたのは、安田成美の歌唱力なんかじゃなく、ナウシカにアイドル性を持たせようとしたこの曲そのものだったんだってことが。
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