2015年9月29日火曜日

椎名林檎「長く短い祭」~オートチューン考~

 「長く短い祭」は、椎名林檎さんによる「コカ・コーラ」の2015年サマーキャンペーンCMソングです。よくテレビで流れてましたけど、最初、初音ミクが歌っているのかって思ってしまいましたw
 危なかったです。以前もオートチューンがかけられた歌を、ボーカロイドが歌っていると間違えたことがありましたからね。

 オートチューンは、「音程の不安定な歌声を半音ずつ最も近い完全な音高に補正するもの」とありました。この補正を強くかけると独特のカエル声になることが知られていて、逆に、これをエフェクトとして使おうって考えた奴がいたみたいです。で、これが結構面白いということで、最近では、音程補正だけでなく、エフェクターとして使われることも多いとありました。
 ただ、「ケロケロボイス」にするには、テクニックが必要のようで、ボーカロイドなどは、決して音程を外しませんから、ワザとピッチをズラして歌わせるか、一度、音程補正でズラしてから再補正をかけるなどのプロセスが必要とありました。

 では、椎名林檎さんの「長く短い祭」です。


 さすが椎名林檎さん、なかなかの楽曲と意味深なPVです。まあ、PVの解釈については、いろんな方が行っているので、そちらのサイトにお任せするとしましょう。

 いろいろと前衛的な挑戦をしてきた椎名林檎さんですが、歌声にエフェクタをかけたことは、あまりなかったそうです。今までも、かけてるっぽい歌声があったように思いましたが、あれは生だったということでしょうか。

 さて、オートチューンと云えば、やはりPerfumeですよね。ヘリウムガス吸ってPerfume歌う、というネタがあるそうですけど、良い子は決して真似をしないでください。アイドルの声にオートチューンをかけるというのは、当時は、画期的というか、そんなことダメでしょ、なことだったそうです。では「ポリリズム」、貼り付けさせていただきます。


 この楽曲は、「ポリループ」とも云われるリズム打ちが特徴ですね。間奏部分のCDの針飛びみたいなところがそうですけど、これはこれで1ネタ作れそうですw。
 
 初音ミクのオートチューンといえば、livetune Kz氏です。初音ミクの場合は、氏があまりにもビッグですから、他のボカロPがオートチューンを使うと、ファンからパクり扱いされちゃうらしくって、氏以外で使っている人は少ないと聞きました。

 ボーカロイドは、決して音程を外しませんから、オートチューンをかけるのは、勿論エフェクトとしてです。オートチューンをかけることにより、いい具合に歪んでボーカロイドの不自然さが消えた独特の声になるとありましたが、僕は、その独特の声の、つまり加工された完璧な音程の不自然さの方が、ボーカロイドの不自然さより問題だと思いますけどね。まあ、人間だろうが機械だろうが、なんでもかんでもオートチューンかければイイってもんじゃないということです。

 要は、人間はオートチューンをかけることによって人間らしさを消し、ボーカロイドはオートチューンをかけてボーカロイドぽさを消すと,両方から近づき合って、似たようなものになるということのようです。まあ、オートチューンが人間とボーカロイドの垣根をなくしたとも云えますけど、僕が、以前、Perfumeの記事を書いたときに、ボーカロイドの歌声と間違えちゃった理由もここにあるわけですw。
     
 では、livetuneの作品を貼り付けさせていただきますね。初音ミクにオートチューンをかけるとこんな感じです。椎名林檎さんのテイクと比べていかがでしょうか。


 スミマセン、間違える方がどうにかしてましたねw

 今回は、椎名林檎さんの記事ですので、せっかくですから、がんばれニッポンの想いを込めて、林檎さんのテイクを最後に貼り付けさせていただいて、お終いにいたします。
 

オートチューンかけてません・・・よねw

2015年9月27日日曜日

初音ミク「Mステ」初出場

 初音ミクが「ミュージックステーション10時間SP」に登場しました。僕は、10時間も見てられないし、出演順も未発表でしたから、結局、録画しておいてから後で見ました。そういう人って多かったんじゃないでしょうか。紅白みたいに、出演順を発表してしまうと、お目当てのところだけ見られてしまうからってことでしょうけど、結局,みんな録画しちゃうし、そうしたらCMなんて全部スキップしますから、こういうやりかたって、テレビ局的にはどうなんでしょうかね。
 
 それから、「Mステで初音ミクの登場時の視聴率が急上昇」とか云って、Twitterのグラフを視聴率のグラフかのように偽った投稿があったようですけど、実際のところはどうだったんでしょうか。ミクの登場した17時台の平均視聴率は、15%だったそうですから、いずれにせよ、かなりの人たちが見たことは、確かだと思いますが。

 披露した曲は、予想通りの「千本桜」でした。「世界に誇るニッポンの歌」のランキング25位の曲という扱いでしたので、選択の余地もなく仕方ないところですが、大方のファンは、別の曲を演奏することを望んでいたと思います。

 以前も書かせていただいた通り、初音ミクにとっての「千本桜」は、松浦亜弥さんにおいての「めっちゃホリデー」と共通点が多いと云えます。

 もし、松浦亜弥さんが、将来、何年か振りに、Mステに出演したとして、1曲だけ歌うことになったとした時に、その曲が「めちゃホリ」だったら、松浦亜弥ファンの皆様はどう思われますでしょうか。
 でも、世間的には、一番知られている曲だし、一番ウケそうな曲だから、歌ってくれってことになるかもしれません。視聴率を何より大切にしているテレビ局なら言い出しかねないですよね。もちろん、松浦亜弥さんは、決して承諾しないでしょうけどww。

 で、今回のMステでの「千本桜」も僕としては、似たようなものだと思います。何で、1曲しか披露できないのに、これなんだろうってことです。
 決して、楽曲としての「千本桜」や「黒うさP」さんを批判しているんじゃないんです。確かにヒットしましたし、ミクの最大の特徴である「N次創作」もたくさん行われた曲です。代表曲ということに疑いの余地はありません。だけど、時と場合によってってことです。「めっちゃホリ」だって、あの時期に「あやや」が歌っていたから、価値があったわけですし。

 モーニング娘がいつまでも「LOVEマシーン」を歌わされるのとは違うんですよ。考えるほど、「千本桜」と「めちゃホリ」は共通点が多いんです。だから、松浦亜弥さんファンの方なら、僕のこの気持ち、お分かりいただけると思いますwww

 複数の曲を披露できる大物アーティストや、頻繁に番組に出ている、旬なタレントならともかく、ほとんどの出演者は1曲限りでしたからね。V6の「WAになっておどろう」なんてのも悪くはありませんけど、これぞV6という楽曲とも思えませんし。
 こんな風に考えていくと、世間的に代表曲と思われているものと、ご本人やファンが想っている曲が、一致している幸せなアーティストと、ズレている不幸なアーティストがいるのかなって気がします。

 あと、ジャニーズのタレントが出ているときの、会場のファンの方々が、全てのタレントに対して完璧に対応しているのには、驚きました。ジャニーズファン恐るべしですね。
 それから、僕的には、レベッカのステージが良かったです。NOKKOさんも良かったんですが、何よりバンドのオジさんたちが良かったです。歳を重ねて渋く格好良くなってました。オヤジバンドの理想型ですよ。
 
 ミクのファンの中には、出ない方が良かったなんていう意見もあるようですが、しかし、ここは単純に初音ミクが、日本の地上波に初出演できたことを素直に喜ぶべきなんでしょう。

 テレビの映像を見た限りでは、レーザープロジェクターは、横に2台並べていたようです。位置をかなり下に設置していましたから、見下ろさない限り、目立ちませんでしたね。
 使用しているCGは、今回特別に制作されたもののようですが、CGというのは、不思議な物で、リアルに作り込めば良いというものでもないんですよね。今回のは、マネキンが動いているみたいに見えちゃったんで、ある程度のデフォルメがあった方が可愛かったかなって思いました。でも、一応、生バンドが出てきましたし、ライブの雰囲気は、それなりに伝わったかなと思います。

 で、肝心の次なんですけど、僕としては、「ないかな」って感じです。やっぱり番組的には、かなりの違和感がありましたからね。時期が早すぎたとも、遅すぎたとも云えますし、何よりジャンルが違っていたと思います。

 本来なら、ここで動画を、ということですけど、YouTubeでも、アップと削除のイタチごっこ状態になってますので、今回は断念させていただきますww。

2015年9月25日金曜日

松浦亜弥 「YOUR SONG ~青春宣誓~」

 「YOUR SONG ~青春宣誓~」は、2004年に松浦亜弥さん主演で、日本テレビ系列で放送されたドラマ「愛情イッポン!」の主題歌だったそうです。ドラマは、町の柔道場が舞台で、松浦さんは、柔道家(中村雅俊さん)の娘役、高校生3年生の設定だったそうです。
 アテネオリンピックと放送時期を合わせたそうです。アテネオリンピックにおいて、日本柔道陣は、軽量級の男子や中・重量級の女子の活躍で、8個の金メダル、2個の銀メダルを取りましたが、ドラマの方は、かなりの苦戦だったそうで、初回こそ視聴率10%を越えましたが、その後は、5%程で、全10回で放送を終了したそうです。「そうです」が多いのは、僕がこのドラマを全然見ていないからですw。

 ドラマのサイトがまだ残っていました。あらすじなどを読ませていただきましたが、うーんどうなかな、って感じですww。ドラマというのは、なかなか難しくって、実力派俳優や人気アイドルを出したからと云って視聴率が取れるというものでもありませんからね。それでも、初回の視聴率が10%越えというのは、松浦亜弥さんの人気もまだまだ捨てたものじゃなかったということですし、その後の低迷は、単純にストーリーに魅力がなかったからではないでしょうか。

 ドラマのエンディングです。探せばあるものなんですね。


 で、肝心の楽曲なんですけど、普通に良い曲だと思います。でも、何というのか、あまり残らないというか、印象的な曲を聴いた後って、いつまでも頭の中に残っていたり、思わず鼻歌が出たりするんですけど、そういうことがないんですよね。歌詞の、ちょっとお説教ぽいところも、何となくの理由なのかも知れません。
 
 ドラマでは高校3年生役、年齢的にビンゴな役どころです。この歌のテイクに制服姿が多いのは、そういう理由だったんですね。ただ、松浦さんは、本当に、不思議なくらい制服が似合いません。なぜでしょう。普通、制服姿って、どんな女の子も可愛くなるものなんですけど・・・w

 というわけで、ベストテイクは、「松クリスタル」から。普通、オープニングは、景気の良い曲でいくところを、このようなミディアムテンポの曲でスタートしたというのは、このライブで新しい松浦亜弥を出していきたいという願望の表れだったのでしょうか。


 大人になってからは、あまり歌っていないような印象があります。そう云えば、アルバムにも収録されてないですよね。でも、楽曲としては、「可能性の道」と共に、年齢を問わずに歌い続けられる曲だと思います。ライブの最後にみんなで大合唱なんてのも面白そうだし、名曲といわないまでも、普通に良い曲ですから、制服姿は封印しても、この曲は、封印せずに歌い続けていただきたいと思います。

2015年9月22日火曜日

VS嵐 「One Love」「Love so Sweet」 ~国民的アイドルに挑むコンピュータたち~

 面白い動画を見つけました。というか、昔からあったんですけど、今まで関心がなかったんでスルーしてたんです。で、何となく聴いてみたら、なかなか面白くて、ちょっとハマッてしまいました。

 曲は「One Love」。2008年、松本潤さんと井上真央さんが出演した映画「花より男子F」の主題歌でしたね。7年前ですか、月日が経つのも早いものです。


 馬鹿馬鹿しいと云えばそれまでなんですけど。僕は、サビのところを聴いて思わず笑ってしまいましたよww

 では、オリジナルを貼り付けさせていただきますね。


 意外と大差ないでしょ。特にサビのところなんて。

 みんなで歌うところなんか、よくできてると思います。人間もボーカロイドも、個々の歌声には個性があって、それが斉唱とか合唱とかすると声が混じって平均的になりますよね。そうすると、結果的に人間もボーカロイドも同じように聞こえるってことなんでしょうか。
 
 あと、ソロとユニゾンやハモりの使い分けとか、歌割りも良く考えられていると思います。5体のボーカロイドの個性もちゃんと出ているし。元歌をしっかり理解していないと、こういうカバーは作れないと思います。作成者さんは、きっと嵐の熱心なファンなんでしょう。

 で、嵐と云えば、度々「口パク」のことが話題になりますよね。今年のFNS歌謡祭に嵐が4年ぶりに出演とありましたが、口パク嫌いのプロデューサーさんがCS部門に飛ばされて、口パク解禁になり、晴れて主演となったそうです。まあ、ネットの情報なんで、どこまでホントか分かりませんけど。

 ネット情報によると嵐は、「口パク」というか、音源に声を被せる「かぶせ」(MIX)をしていると言われています。
 でも、不思議なことに、明らかに歌の下手な「SMAP」は(国民にとって不幸なことに)生で歌いますよね。で、少しはマシに歌えそうな「嵐」がMIXをしているというのも、おかしな話です。で、調べましたらこんなことが書いてありました。

 「SMAP」の場合は、日本中に歌が下手なことが知れ渡っていますから、「口パク」をして上手く歌ってしまうと「どういうことだ」と非難されることが予想されるそうです。一方「嵐」は、MIXの歌唱に国民が慣れてしまっているので、生で歌うと、「放送事故だ」となってしまうんだそうです。つまり、SMAPは下手、嵐はそこそこ、という国民的イメージを壊すことができないので、今更、SMAPは口パクなどできないし、嵐はMIXをやめられないとのことでした。

 ばかばかしいと云えばそれまでなんですけど、アイドルというのは、イメージに縛られ続けるツラい商売ということでしょうか。

 では、調子に乗って、もう1つ。今年のFNS、口パク疑惑のテイクからですw。

 嵐の代表曲「Love so Sweet」。こっちは2007年のドラマ版「花より男子2」の主題歌ですね。デビュー以来、そこそこに活躍していた嵐ですが、この曲のブレイクが、今日の国民的アイドルの地位を築くきっかけになったとされています。


 今度は、ボーカロイドの番です。


 いい歳をして、「嵐」の動画を漁ることになるとは思いませんでした。でも、良い曲が多くって、格好いいし、見ていてだんだん笑顔になっていく自分が分かりましたよ。何か今日は、明るく前向きな気分になれました。バカバカしいと云えばそれまでですけど、さすが国民的アイドルですね。
 
 まあ、本格的男性グループをお好みとあれば、松浦亜弥さんの旦那さんもいらっしゃいますから、選択する権利は、我々にアリってことなんですけど。そのためには、メディアの皆様も公平に扱って欲しいものです。
 これは、嵐をリスペクトしているが故の発言なんですよ。

  最後に、「truth」。大野君へのKAITOの挑戦を貼り付けさせていただいて、お終いです。


2015年9月21日月曜日

KAN「結婚しない二人」feat.松浦亜弥

 先日、KAN氏について、大変失礼なもの云いをしてしまいましたので、遅まきながらフォローさせていただきますw

 「結婚しない二人」は、 1994年にリリースされたKAN氏の9枚目のアルバム「東雲」に収録されています。とは云っても、KAN氏の楽曲は、広く世間に知られているというわけではありませんし、ましてやアルバム収録曲ですから、松浦亜弥ファンにならなかったら、私など、決して知ることもなかった楽曲だと思います。
 こんな、大人のオシャレな楽曲が、全く知られていないというのも、勿体ない話なんですが、これも、KAN氏が、日頃世間から過小評価されているが故のこと、大変残念に思います。

 で、松浦亜弥さんがこの楽曲をカバーするに至った理由が『はてなでテレビの土踏まず』というサイトに投稿されていました。2009年、「想いあふれて」のアルバムがリリースされた直後の記事のようです。


 KAN氏の発言が箇条書きでまとめてありましたので、さらにそれを箇条書きにしました。

  ・昔の曲から、あややが歌う良い曲を出してくれと言われた。
 ・もっとインテリジェンスに富んだ歌があるでしょうとダメ出しされた。
 ・(やけになって)「結婚しない二人」など難しい歌をいっぱい出した。
 ・プロデューサーも松浦さんも、気に入って決定!!

 で、今度は、松浦亜弥さんの発言を箇条書きしたものを箇条書にしますと。

 ・「結婚しない二人」は、自分と重なるようで歌詞が気に入った。
 ・最後のフレーズ(できちゃった結婚)が好きで、自分もいつかそういうことになるかも。
 ・未来を想像しながら歌いました。

 だそうです。

 「結婚しない二人」のライブテイクは、いくつかあるんですが、今回は、2009年の「想いあふれて」からのテイクにしました。結婚秒読みの時期に歌っているのよりも、このくらいの頃のほうが、良い感じかなって思ったものですから。
 そう云えば、KAN氏とのコラボテイクも、この前までYouTubeにもあったはずなんですが・・・。


 楽曲が発表されたのは、1994年。バブルは崩壊していたものの、年収に深刻な影響が出てくるのは、もう少し先のことで、都会の若者の中には、まだまだ優雅な独身生活をおくっていた奴も多かった時代です。今から考えると、夢物語みたいなお話ですね。まあ、「できちゃった婚」だけは普通になりましたけどwww

 今回の記事をきっかけに、KAN氏のアルバム収録曲などを試聴してみましたが、結構、心に響く泣かせるような曲も多いんですよね。ただ、「愛は勝つ」の一発屋的イメージと、氏のおちゃらけたキャラクターが、どうも邪魔をしているように思うんですよ。

 いつのことになるか分かりませんけど、作詞曲:KAN、歌:松浦亜弥みたいなコンビでやってくれると面白いと思いました。同じアップフロントグループのタレントさんですから、楽曲を外注するより経費かからないし、堅実路線の事務所にとっても良い考えだと思うんですが。

2015年9月20日日曜日

初音ミク EXPO 2016 ジャパンライブツアー だそうです。

 初音ミクのライブツアーの告知がありました。全国5都市のZeppで3月下旬から4月上旬まで、のべ7日間のツアーとのことです。
 春休み期間中とはいえ、平日開催が多いところをみると、急遽決定したっぽさを感じます。ミクのライブは、儲かるとふんだのかもしれませんねw。いずれにせよ、ファンとしては嬉しい限りです。
 合わせて、現在開催されている「MIKU EXPO 楽曲コンテスト」の最優秀作品を、このライブで演奏するということも発表されています。

 Zeppは、ソニー・ミュージックエンタテインメント系のライブハウスです。スタンディングで2000人前後というところでしょうか。かなりライブ感の強いコンサートになると期待できますね。しかも、楽曲の募集も行われているということは、初音ミクの原点に回帰したライブといえます。何より、横浜アリーナとか武道館でやってた時みたいに、全然見えなくって、モニターばかり見ていましたってことは、なさそうです。その代わり、チケットを手に入れるのは、かなり難しくなりそうですけど・・・・。

 というわけで、貼り付けさせていただくのは、2010年にZepp Tokyoで行なわれた伝説のライブからのセレクトです。こんなライブに参戦できるのなら、いくら払っても構いませんwww




スミマセン。3つも貼り付けてしまいました。


2015年9月19日土曜日

KAN「愛は勝つ」 松浦亜弥VSがくっぽいど

 KAN氏は、福岡出身のシンガーソングライター。事務所がアップフロントグループということで、松浦亜弥さんも、「結婚しない二人」をカバーするなど、ハロプロとの関わりもいろいろとあるようです。

 以前、玉置浩二氏を「日本で最も過小評価されているアーティスト」と紹介しましたが、彼の場合は、おそらく「日本で二番目に過小評価されているアーティスト」と云えるでしょう。とはいっても、デビューまもない「槇原敬之」氏が、よくKAN氏と間違われたというエピソードがあるように、当時のKAN氏の世間的知名度は、かなり高かったように思います。現在では、槇原氏に信者の数で、圧倒的に引き離された感がありますが・・・w

 「愛は勝つ」は1990年にリリースされた自身最大のヒット曲で、200万枚以上売れたそうです。そう云えば、「愛はチキンカツ」なんていう替え歌も流行りましたね。山田邦子と良いコンビで、お笑い番組なんかにも喜んで出ていましたから、根っからのお調子者と云うことなんでしょう。

 まずは、ボーカロイド「がくっぽいど」のテイクから貼り付けさせていただきます。僕は、男声のボーカロイドというのは、あまり好みではないのですが、このカバーは良くできていると思います。
 「がくっぽいど」は、名前の通り、歌手のGACKTさんの音声データを元に作成されたボーカロイドです。言われれば、なるほどという感じですが、言われなければいかかがでしょうか。元データとボーカロイドの関係が分かる一例だと思います。


 つぎは、松浦亜弥さんのテイクです。「歌ドキッ」からのテイクになります。


 まあ、想定の範囲内と云えるでしょうw。コメントにもありますけど、本当に気持ちよさそうに歌いますね。「気がつけばあなた」の時もそうでしたけど、この年頃で此の手の楽曲というのは、お似合いだったと思います。

 では、最後にご当人の登場です。KAN氏のライブ動画は結構あるんですが、ほとんどがふざけたコスプレ衣装のテイクなんです。氏のライブは「音楽ギャグエンターテイメントショー」とか云うそうですけど、こんなことばっかりやってるから、過小評価されちゃうんですよね。まあ、才能あるが故のおふざけなんでしょうけど、自業自得ってことですww


 これなんかまだ良い方で、「天使の羽」着けてるのもありましたから。

 おかしな言い方になりますけど、ちゃんと聴くと結構心に響く楽曲もあるんですよね。世間的には、「愛は勝つ」だけの一発屋的扱いになってしまっているのが何とも残念です。
 まあ、ご本人は、居心地の良いアップフロント系の事務所で、フランスに移住してみたりと、やりたいように活動しているということなんでしょうから、凡人からみれば、なんとも羨ましい人生です。

2015年9月18日金曜日

初音ミク 武道館レポートⅢ  livetune「Packaged」

 初音ミクの楽曲は、ニコニコ動画への投稿が元になっています。投稿は、基本的に自由ですから、誰にだってミクの楽曲を提供することができます。これって、今までの常識からは考えられないことですよね。僕が、いくら中森明菜のファンだったからと云って、明菜の曲を作って発表するなんてあり得ない話でしたからww

 しかし、初音ミクが認知されるに従って、個々のボカロPにファンがつくようになっていきました。誰々の作った曲だから聴く、買うとなっていきます。もちろん、今だって、自由に投稿できますが、名の知られていない者の楽曲など誰も相手にしてくれなくなりました。古き良き、そして熱き時代の終焉とも云えますし、人間の歌手並みになってきたとも言えます。

 ミクのライブでは、初期の頃は、特定のボカロPの曲ばかりにならないように配慮されている感があったのですが、今回は、若干採用されている曲に偏りが出ているように思います。
 で、今年のライブでの主役は、やはり、「livetune」だと云えるでしょう。

 テーマ曲「Hand in Hand」の提供と、オープニング曲「Tell Your World」、そして何より、初期の楽曲である「Packaged」の採用が象徴的でした。
 「Packaged」については、本当に驚きました。前奏を聴いた瞬間、もの凄く知っている曲のはずなのに、始まってしばらくの間、曲名が思い出せなかったんです。そのくらい意外な選曲でした。まさか、マジカルミライで演奏が聴けるなんて思っていなかったものですから。

 2011年のライブテイクです。この時は、途中までなんですけど、今回は、フルで演奏してくれたんで、本当に大満足でした。


 まあ、1つ注文をつけるとすれば、たまには「オートチューン」かけないで歌わせてあげて欲しいです。いくら機械だからって、ちょっとくらいは、個性を尊重してあげて欲しいですwww

2015年9月16日水曜日

槇原敬之「LOVE LETTER」 松浦亜弥VS初音ミク ~遂に実現、カバー対決~

 3月21日の投稿記事でボーカロイドのファーストソングが槇原敬之氏の「LOVE LETTER」であることを紹介させていただきました。合わせて、ボーカロイドによるカバーを探してみたのですが、その時は、残念ながら見つけることができませんでした。

 で、遂に見つけたんですよw。アップしてくださったのは、「SWitch off!!」さんという方で、ニコニコ動画とYouTubeにカバー作品がアップされてました。

「LOVE LETTER」は槇原敬之氏が1996年にリリースしたアルバム「UNDERWEAR」に収録されている曲で、シングルカットはされませんでしたが、2008年にNTT東日本のコマーシャルで使用されたため、知名度は高く、たくさんの人に好まれている楽曲です。
 で、ヤマハの社内プレゼンテーションで、この曲を開発中のボーカロイドにデモソングとして歌わせたのが、2001年。このことによって、ボーカロイドの開発プロジェクトが正式にスタートしたのですから、正に記念すべきファーストソングなんです。


 いかがですか、槇原ファンや松浦ファンの皆様にとっては、「?」な感じかも知れませんが・・・w
 まあ、僕としても、手放しで絶賛しているだけでは、作成者様に、逆に失礼かと思いますので、感想を述べさせていただきます。
 
 まず、調教については、ほとんどベタ打ちなように思います。ミクもバージョンを重ねて、いろいろと改良されてきましたが、滑舌に関しては、まだまだ不十分ですので、そこのところをフォローできたら良いかなと思います。それから、抑揚もある程度は、つけてあげた方が良いと思います。
 あと、声質なんですけど、僕は、この可愛らしいスタンダード版が一番好きなんですが、この曲に関しては、ちょっとキツくって、明るすぎるように思いました。例えば「Append Dark」で歌わせるとか、いっそのことミクでなく、ヤマハの「MIZKI」に歌わせても面白いんじゃないかなんて思いました。
 だったら、お前がやれと云われそうですけどwww

 オケは、自作なんでしょうか。アレンジは、オリジナルに沿っているようですが、ボーカロイドの伴奏としては、音数など丁度良いように思います。コーラスも可愛らしくできていますし。

 では、松浦亜弥さんのテイクを改めて貼り付けさせていただきます。


 今更、何もありませんねw。

 今回、表題に「VS」と付けましたけど、勝敗など初めから明らかなこと。僕が望んでいることは、ただ1つ。ミクも、いつの日か、こんな風に歌えるようになって欲しいってことなんです。何が足りないのか、何が劣っているのかを1つ1つ突き詰めて、松浦亜弥の歌唱に一歩一歩近づいて欲しいってことなんです。それは簡単なことではないし、直ぐにできるようなことでもありませんが、決して不可能なことでもないと信じているんですよ。
 
 初音ミクのライブでも明らかなように、最近のミクは、その歌唱能力よりも、CGキャラクターとしての側面ばかりが注目されています。
 9月23日のミュージックステーションに初音ミクが出演するそうですけど、話題になっているのは、どうやって歌っているのかということでなくって、どうやって姿を映すのかってことばかりです。しかし、本来「初音ミク」とは、「ボーカロイド」とは、CG技術のことではなくて、人工的に歌わせるシステムのことなんですから。

2015年9月14日月曜日

初音ミク 再生リスト「マジカルミライ 2015 武道館」

 久しぶりに再生リストを作りました。「初音ミク マジカルミライ 2015 武道館」といいます。といっても、先日のマジカルミライのセットリストをもとに、ネット上に散らばっている動画を、順番に並べただけのものです。
 
 今まで、松浦亜弥や初音ミクの再生リストをいろいろと作ってきました。初期の頃は、動画の不要な部分をカットするなどの編集ができたのですが、今はただ並べることしかできません。それでも、同じ曲でも、どの動画を採用するのかとか、どういう順番に並べるのかとか、いろいろと考えていました。まあ、ライブのセトリを自分で作っているような感じで、それが一番の楽しみでもありました。
 
 そういう意味では、今回の「マジカルミライ」の再生リストは、自分の考えなどが入り込んでいるわけもなく、ただ並べただけの、誰でも簡単に作れるものなんですが、時期的にタイムリーだったみたいで、たくさんの方に使ってもらっています。

 公式DVDが来年1月に発売されるまでの、つなぎに使ってもらえると嬉しいです。決して、DVDの販売を妨害しようというものではありませんので・・・w

 公開1週間で、2万回以上視聴してもらってますww


 2014年のライブが、ほとんど2013年のライブの順番を変えただけと云える、オリジナリティーに乏しいものであったのに比べ、今年は、使い回しの曲も確かに目立ちましたけど、それなりに新曲もあって、良かったです。2014年のDVDは、2013年のを持っていれば、買わなくてもいいかなって感じでしたが、今年のは、買って損はないと思います。

 DVDの予告動画です。僕は、端っこの上の方から見下ろしてたんで、よく分からなかったんですが、ちゃんと正面から見ると、こんな風に見えていたんですねww
 

2015年9月9日水曜日

初音ミク 武道館レポートⅡ 「愛Dee」「エンヴィキャットウォーク」

 夜公演の観衆は、ファミリーの姿もなく、若者中心の構成でした。
 
 初音ミクのライブの特徴は、何と言っても、その客層の幅広さです。そのため、どのファン層もイニシアティブが取れない状態になってしまい、どうも盛り上がりに欠けるという欠点があります。ライブが始まっても、立つのかどうかも周りの様子を見ながら、パラパラと立ち始めるような感じで、全然立っていないブロックもあるくらいでした。

 まあ、そのユルさが良いところでもあるんですけどね。やっかいな慣例とか掟とかないし、ペンライトだって思い思いに振ってるだけですし。こんなに敷居の低いアイドルコンサートもないと思います。

 しかし、夜公演では、始まっていきなり総立ちで、声も出ていて、のっけから全開って感じでした。まあ、昼夜両方出ている奴は、昼で様子が分かったんで、夜は思いっ切りはっちゃけようって決めてる奴も多かったと思います。僕なんかもそうでしたけどw

 で、僕は、西ブロックの立ち見席という、これ以上ない末席でした。スタンド席なら段差がありますから、前の奴が立っても、自分も立てば見れるんですけど、立ち見席って、前の席と同じ高さなんで、立たれると前の奴の頭しか見れなくなっちゃうんですよ。で、みんな手すりに乗っって見てるんです。これで金取ろうってんですから酷い話ですww

 ただ、幸いなことに、僕は、一番端っこだったんです。武道館の急な階段の一番上に陣取ったって感じでした。だから、柱があるんで視界は狭いんですが、横にズレれば、ステージを見下ろすこともできました。何より、自分が一番後ろの一番端っこという安心感がありますから、やりたい放題でした。また、仕切りを隔てた隣のブロックの立ち見のお兄ちゃんたちが、かなり元気の良い集団だったんで、つられちゃって、楽しく盛り上がることができました。
 もう一度、この席でも良いなってくらい楽しかったですww

 さて、ライブは、中盤からは初期のヒット曲中心でした。みんなでかけ声を出して、大盛り上がりってことなんですけど、結局、初期の曲じゃないとコールも揃わないんです。昔の曲じゃないと盛り上がれないというのも考えものですよね。
 そんな中でも「愛Dee」は、新しい曲(といっても2012年ですけど)の中では、楽しく聴けました。「Mitchie M」さんの楽曲は、相変わらず歌詞の意味がよく分からないんですけど、ノリやすいんでライブには最適ですね。


 ライブ版のCGも良くできていました。ミクとルカの2人が出てくるんですけど、ルカがスタンディングキーボードを演奏している隣で、ミクが歌っているという演出で、可愛くって格好良かったですよ。

 ミクの楽曲って、ボカロPさんが全力で作ってくるのが多いんで、やたら変調したり、変則的なリズムにしたりで、ライブだとサイリューム振り難いことこの上ないんです。アイドル用の楽曲だと「ここでコール入れて」みたいに、曲の間をとってくれたりするでしょう。そういう配慮も全くないんでw

 で、「エンヴィキャットウォーク」です。この曲は、セガのライブで演奏されたことがあるんですけど、マジカルミライでは、初めてでした。貼り付けさせていただく動画は、上手すぎるバックバンド「THE39’S」のテイクです。


 今回のライブでやってくれるとは、思わなかったんで、前奏を聴いたときは、「おおっ」って思ったんですけど、残念ながら、バンドのパフォーマンスは、やや劣っていた感じです。ベースのソロもそうですけど、どうしてもギターがコードをストロークしているだけになっちゃうんです。会場で大音量でやっている時は、わからなくても、DVDになってヘッドホーンで聴いたりすると差は歴然としてくるんじゃないでしょうか。

 この曲でペンライト振るのって凄く難しいんですよww

 今日は、ここまでです。

2015年9月7日月曜日

初音ミク 武道館レポートⅠ ~ピンチはチャンス?~「独りんぼエンヴィー」「リモコン」

 武道館ライブ、9月5日(土)の昼公演と夜公演に参戦させていただきました。ライブレポートというほどでもないですが、感想などを述べさせていただきます。
 昼公演は2階のA席、夜公演は立ち見席と、かなり厳しい環境でしたが、楽しいコンサートでした。先ずは、昼公演の方からです。

 昼公演は、やはり家族連れが目立ちました。男女比は6:4くらいでしょうか。若いカップルから、中年夫婦まで、相変わらず幅広い年代のファンが集まってきていました。駐車場には、痛車も来てましたし、コスプレの女の子や男?もいました。人間のアイドルのコンサートでは、見られない風景ですね。


入り口には、冨田勲先生からの花束も飾られていました。冨田先生に認められたというのは、ステータスですからね、一番目立つ場所にありました。


で、肝心のライブの方ですが、オープニングは「Tell Your World」。その後の数曲は、僕の知らない曲が続いたんで、これは困ったぞと思いましたが、中盤からは、おなじみの曲が続いて、悪く云うとマンネリですが、ほっとしました。「ロミオとシンデレラ」「ワールドイズマイン」「Packaged」と初期の曲もかなり入っていたんで、僕としては、嬉しかったです。

 序盤で、良いなと思ったのが4曲目の「独りんぼエンヴィー」。2012年投稿ということですが、最近になって注目されてきた曲のようです。PVだと「ふーん」っていう感じで、この手の曲は、どうも苦手なんですが、生バンド伴奏だとリズムにメリハリがついて格好良かったです。ライブ向けの曲だったんですね。



 この後、早口系の曲などがあって、8曲目が鏡音リン・鏡音レンの「リモコン」でした。この曲は、オフィシャルアルバムにも入っていたんで予習していきましたw。かなり盛り上がっていたんですが、ここでハプニングが発生!

 2番の間奏のあたりで、いきなり映像が消えたんですよ。初めは、演出か何かと思ったんですが、ずーっと暗いままなんです。音は出てるんで、最後まで曲は演奏されたんですけど、曲が終わったところで、「機械が故障しました。復旧作業のためしばらくお待ち下さい。」のアナウンス。で、みんなして苦笑いの事態となりました。

 会場からスクリーンに向かって、「ミクちゃんがんばれー」とか「ミクちゃん帰ってきて-」のかけ声w。10分か15分くらいは、待っていたでしょうか。皆さん、文句も言わず静かに待っていましたよ。こういうところが日本人なんですよね。
 で、もしかしたら、これはダメかなと思っていたところに、「会場の皆様・・・・」と一瞬のタメのあと「・・・演奏を再開いたします。」もう、ドキッとしましたよ、ヘンなところでタメをつくるんで。これ、驚かそうとしてワザとタメをつくったんでしょうかねww

 しかし、再開後、最初に出てきたのは、皆が待っていた「ミクちゃん」じゃなくて「メイコ」でしたけど・・・w

 プロジェクターは5台あるはずですが、一斉に消えたんで、プロジェクターの故障と云うよりは、電源でも落ちたのではないかと思います。

 で、その間、バンドのみなさんなんですけど、ひたすら待機してました。ギターの方が軽く音出しして、「時間つなぎに何かやるのかな」なんて思ったら直ぐにやめてしまいました。「余計なことするな」なんて指示が出たんでしょうかw。

 実は、このことで僕は、少し考えたことがあります。確かに観衆はミクを見に来ているのであって、バンドは脇役にすぎません。だから、中断しているときには、今回のように静かに待機するのが正しい選択だと思います。

 だけど、初音ミクは、コンピューターが主役のライブです。今回は、その機械がトラブルを起こしてピンチになったんですが、こんな時こそ、人間の出番じゃないかと思ったんです。ここで臨機応変に対応すれば、やっぱり人間って凄いな、プロのミュージシャンって凄いなって思われるチャンスだったと思うんですよ。ドラムのソロプレイとか、何でも良かったんですけどね。まあ、大きなお世話でしたww

 で、途中で消えてしまった曲、「リモコン」です。


 とりあえず、今日は、ここまでで、お終いにします。

2015年9月4日金曜日

「花は咲く」初音ミク ~山桜とブルーシート~

  「花は咲く」は、東日本大震災の復興を応援するために制作されたチャリティーソングです。たくさんのアーティストが参加し、たくさんのカバーが行われていますが、残念ながら、その中に「初音ミク」は登録されてませんw
 でも、ミクだって、たくさんのカバー作品がアップされているんですよ。


 今回、いきなりこの話題を取り上げさせていただいたのは、NHKでこの曲が流れているのを久しぶりに聴いて、4年前のことを思い出したからなんです。
 で、このブログの趣旨とは全然関係ない話ですけど、ミクのテイクを貼り付けたことで勘弁して下さいww


 僕は、少し前まで、仏像鑑賞が趣味だと公言してました。北は岩手から南は大分まで、全国約300ヶ寺を巡り、日本の主だった仏像は、だいたい拝観させていただきました。で、NHKで「花は咲く」が流れているのを久しぶりに聴いて、2011年の4月中旬に、福島・宮城・山形・岩手と仏像巡りをしたことを思い出しました。震災の約1ヶ月後のことです。

 東北自動車道は、まだ仮復旧中で全線50km制限でした。道路も所々応急処置の状態でしたが、誰も速度制限なんて守っていません。みんな100km出してました。段差があると車がものすごくバウンドしました。でも、50kmで走る方がもっと危険だったので、僕も流れに乗って行きました。もっとも走っているのは、自衛隊か災害派遣のトラックばかりでしたけど。

 高速道の両側には、ブルーシートをかぶせた家が並んでいました。そして、何よりも印象的だったのは、周囲の山々で満開に咲いている山桜の美しさでした。ほとんど人影のない福島の里山で、山桜は見事なまでに花を咲かせていたんです。僕は、そのブルーとピンクの景色が交互に現れる高速道路を、車体を跳ねさせながら北へ北へと進んでいきました。
 
 訪れた街の1つ、水沢では、北上川に架かる5つの橋のうちの3つが通行止めになっていました。黒石寺の収蔵庫で記帳をした時、僕は、自分が震災後の最初の訪問者であることに気づきました。薬師如来は、4月にあった震度6の余震のため、台座からずれ、左に回転していました。「勝手に動かすわけにもいかないから、そのままにしているんですよ」と住職は笑いました。

 狭い収蔵庫の中で、貞観4年(862年)につくられ、貞観の大地震も体験しているという薬師如来と向き合いながら、僕は、「触ったら怒られるかな」なんて不謹慎なことばかり考えていました。この如来が作られたのは、阿弖流為の反乱から僅か60年後。1150年もの間、この地を守り続けていた如来は、今まで拝してきたどの薬師如来よりも厳しいお顔をしていました。

 黒石寺の前を通る国道は陸前高田や大船渡へと通じていました。遺体を運ぶ車が、毎日毎日たくさん通り過ぎていったと聞きました。火葬場がいっぱいなので、遠く北上の方まで焼きに来ているのだと聞きました。

 陸前高田まで行ってみようかなんて話が出ました。
 「とんでもない」住職の顔が急に厳しくなりました。僕は最初、物見遊山の浮ついた気分を諫められたのだと思いましたが、そうではないことに気がつきました。その言葉は「死の世界への恐れ」から出ていたのでした。

 日本人である以上、東日本大震災の影響は誰もが受けていると思います。ただ、僕は、いくら頭で考えたところで、東北の人たちの本当の気持ちを理解することはできないのではないか、と思いました。

 拝観を終えて立ち上がった瞬間・・・この如来は泣いているのではないか。

 僕には、長い間、人々から威厳に満ちた面相と表現されてきた如来のお顔が、泣いているように見えました。震災があったから泣いているのではない。如来は、この地で、1150年間、ずっと泣いていたのではないかと。
 
 広い駐車場に、ぽつんと止めてある、車に向かって歩いていたとき、僕は、その周りの木が、桜であったことに気がつきました。

 黒石寺の桜は、まだ早いようでした。