2021年2月24日水曜日

Eテレドラマ「ハルカの光」第2話 ~「禁断にも程がある」の真意?!~

 ある程度予想してたことではあるが、「ハルカの光」公式ブログがユルい。しかも、頻繁に「アシガール」と云ってる。ってことは、アシガールはNHK的にNGワードでは無いってことか・・・。だからと云って、アシガールを検索したところで、配信停止では話にならない。悲しい。公式ブログって、いったい誰が書いているんだろう。


「ハルカの光」第2話は、「塩見三省」さんが演じる老教授と「渡辺大知」君が演じる良太郎くんの「同性カップル」と、「インゴ・マウラー」氏のテーブルランプ「One from the Heart」の物語でした。

で、いきなりのピタゴラスイッチ始まり。

Eテレの幼児向け番組ですね。名前だけは知っていました。これを聴くと赤ちゃんが泣き止むことで有名なんだそうですよ。でも、何でこの曲なんだろう。壮大な伏線になっているとか。

今回も、「田牧そら」ちゃんの出演があり、嬉しい限り。東北訛りの台詞は難しそうですけど、なかなかのお芝居だったと思います。ハルカの少女時代のエピソードを毎回挟む構成なのようですね。ハルカの過去と、母とのわだかまりが、少しずつ明らかにされてきました。

「インゴ・マウラー」氏は、光の詩人と賞賛されているドイツの照明デザイナーだそうです。一昨年の秋には、日本とドイツで展示会があったそうですけど、その直後にお亡くなりになられたとありました。ドラマで取り上げられたのは、1989年に制作されたハートをデザインしたテーブルランプ「One From The Heart(心からの贈り物)」で、ネットで検索しましたら、12万円ほどで購入できるようです。この番組が始まってから、名作照明の問い合わせが増えているそうですよ。

この照明からは3つのハートが映し出されています。光るハート型のシェード、ミラーによって反射したハートの光、もう1つはミラーに遮られて映し出されるハート形の影です。

良太郎君は可愛いとか素敵とか、教授は斬新なオブジェと云ってましたけど、僕にはSF小説に出てくる火星人に見えちゃうんですよね。まあ、ユニークなデザインであることは確かです。

黒島結菜さん演じるハルカは、店長さんが仕入れてくれたこのランプが、殊の外お気に入りのようで、店長さんの忠告も耳に入りません。黒島さんは、こういった人の話を聞かないキャラをよく演じるんですけど、見ているこっちが、ハラハラしてしまいます。

購入を即決しようとした良太郎君に、教授と相談したほうが・・・と云ったのも、売りたくないからですよね。しかも、2週連続でお客さんの気分を害してしまいましたから、困った店員です。さらに「禁断にも程がある」の爆弾発言。

「~にも程がある」という言葉は、度が過ぎていることを「たしなめる」言葉ですが、ハルカの使い方は、ちょっと違うようです。「可愛いのにも程がある」「美味しいのにも程がある」というように、驚嘆の意味を持たせているんですよね。二人が大変レアなカップルであることに、無邪気に驚いているんです。

ただ、いずれの意味でも、お客さんに対して使うべき言葉ではありませんから、店長はハルカをたしなめましたし、良太郎君には、決して悪気があるわけじゃない・・・つまり否定をしたわけでは無いと弁明しているわけです。それに対しての良太郎君の反応は、「メモして良いですか」でした。良太郎君は、脚本家を目指していて、気になった言葉はメモすることが(恋人である)教授の教えでした。つまり「禁断にも程がある」と言うインパクト満点の言葉は、教授と良太郎君のプロファイルを紹介するためのフリになっています。

前後の文脈や、ハルカのお芝居の表情から考えるとこのようになるのですが、これを同性愛者に対して「禁断にも程がある」と発言した、という部分で捉えると、トンデモナイ問題発言になります。最近よく云われている「切り取り」ってやつですね。

その直後に「二人の事を応援したい」とフォローを入れるんですけど、「禁断にも程がある」のインパクトが強烈ですから、白々しく聞こえちゃいました。


今回の見所は、教授とハルカが家族についての話をしてる場面でしょうか。

「お二人を見ていると、とても幸せな気持ちになります。」とハルカ。「そんなふうに言ってもらえるなんて、こんな嬉しいことはない。」と教授。それに続く、教授の「ご両親を大切に」との言葉で表情を曇らせるハルカと、そこから何かを察した教授の「余計なお世話だったら、ごめんね」の一言。少ない台詞で多くのことを感じさせるお芝居だったと思います。まあ、店員とお客が交わす言葉ではありませんけど、ドラマですから。


今回のオチは、スタンドの土台にワニが潜んでいる意味を紹介し忘れたこと。ワニは「結婚には危険が潜んでいる」ことを表しているんだそうです。で、幸せそうに肩を組んで歩く二人の後ろ姿・・・。第一話に続いての、思わせぶりな終わり方で面白かったです。僕は「結婚は障害を乗り越えて実現させること」でも良いと思うんですけどね。


さて、良太郎君の「一緒になろうよ」という台詞から、このカップルは同性婚を願っているようですが、実は、日本では同性婚は認められていません。

法律的に婚姻が認められていないのですから、ここで云う「結婚」とは本人たちの意識の問題に過ぎません。だとすると、彼らの結婚記念日とはなにをもってあてているのでしょう。自治体が証明する「パートナーシップ制度」を申請した日か、身内になるのであれば養子縁組という裏技もあるようですが・・・。

ごめんなさい。素敵な同性カップルに対して、野暮な理屈話をしてしまいました。

0 件のコメント: