ブライアン・メイは、天体物理学者であり、そしてクイーンのギタリストです。彼は、「黄道塵雲における視線速度の調査」という論文で2007年に博士号を取得したそうですが、この博士号、決して金に飽かせて取ったものでは無いようです。彼は、クイーンの活動が本格化する前までは、ロンドンのインペリアルカレッジの大学院で惑星間物質の研究をしていたそうで、科学雑誌「Nature」に掲載された論文にも名を連ねているそうですから、かなりのガチです。
では、僕の一押しの「Tie Your Mother Down」を貼り付けさせていただきます。フレディの声が出ていて、ちゃんと歌っていた頃のテイクですね。もっともレコード音源のようですが。
そして、ブライアン・メイと言えば、何と云っても彼が16才の時に、父親と二人で手作りした、ハンドメイドギター「レッド・スペシャル」でしょう。
ボディには、廃材として捨てられそうになっていた100年以上前の暖炉のオークとマホガニーを使ったという、この夏休みの自由工作みたいなギターは、決してお遊び的なものでは無く、彼の博士論文と同じ、かなりガチな代物のようです。
彼と彼の父親が、ギターの制作を思い立ったのは、決してお金が無かったからとか、手作りの面白さを味わうためとかでなく、既存のギターでは、満足することができなかったからのようです。彼は、レッド・スペシャルに関する著書の中で次のように語っています。
「父親と僕は、エレクトリック・ギターを作ることに決めた。 僕はゼロからギターを設計した。当時売っていたどのギターよりも性能が高くて、チューニングがやりやすく、広い音域とサウンドが得られて、高性能なトレモロが付いていて、空気の振動を通して、よりうまくフィードバックするギターを。」
完成まで5年を費やしたと云われるこの自作のギターで、彼は、ミュージシャンとしての道を歩き始めます。そして、億万長者になっても、このギターを改良しつつ、使い続けました。
クイーンのギター音が、他には無い独特のものであることは、中学生だった僕にも分かりました。でも、その頃は、それがこんなにも特別なものだなんて、思いもしませんでした。
しかも、それをピックでなくって、「6ペンス硬貨」で弾くなんて格好良すぎでしょ。6ペンスですよ。いまどき12進法ですよ。これぞイギリスの伝統ですよ。
そして、その音を多重録音することによって得られる「ギターオーケストレーション」と呼ばれるサウンドこそが、前期クイーンの最大の特徴といえます。
さて、「Keep Yourself Alive」は、1973年に発表した、クイーンのデビュー曲です。作詞・作曲はブライアン・メイで、いわゆるハードロックナンバーなんですが、全英チャートには入れなかったようです。邦題は「炎のロックンロール」で、この頃までは、日本でシングルカットする場合は、このような邦題を付けていたんですね。「Keep Yourself Alive」は、直訳だと「生き続けろ」だと思いますけど・・・w
そういえば、高校時代のバンドの連中も、コインピックを真似て、10円玉、いわゆる「ギザ十」で弾いてみたり、フィードバックだとかいって、ギターアンプのスピーカーに覆い被さって弾いたりしていたのを思い出しましたw
では、「Now I'm Here」で今日のところは、お終いにしたいと思います。ブライアン・メイというと、どうしてもこのような初期のハードロックナンバーを思い浮かべてしまうんですよ。彼のファンからすると、メイの魅力の一部分しか分かっちゃいないってことなんでしょうけど、やっぱり、弟と2人で聴いた「タイ・ユア・マザー・ダウン」の印象が強すぎたんでしょうかね。
フレディは、後年、自らの高音声が出なくなっても、最後まで楽曲のキーを下げて歌うことはありませんでした。一説には、メイのギターを転調させたくなかったからだと言われています。
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