上海ライブって松浦亜弥さんもやりましたよね。この2つのライブ動画を見比べて僕が一番変わったなと思ったのは、誰もライブ中に録画をしていないと云うことなんです。アメリカのライブだって、堂々とスマホとか掲げてる奴がいるのに、中国のファンはスマホじゃなくって、ちゃんとキンブレ振ってるんですよw。
ただ、振ってるキンブレがどうも高輝度タイプらしくって、スクリーンへの映り込みがハンパないですけどww
で、上海まで出かけていった日本のファンによると、現地のファンは、マナーも良くって、日本人だと分かるといろいろ親切にしてくれて、逆に戸惑ってしまったとのことでした。
最近の中国の若者たちの間では、日本人のマナーを真似ることが格好いいとされているそうです。そう云われると悪い気はしませんが、だとすると僕らもしっかりしなくてはなりませんね。
まあ、初音ミクのファンなんて、中国では珍しい存在でしょうし、そもそもS席3万円、ダフ屋で11万円もするライブに参戦できる人たちですから、このことをもって、中国が変わってきているなんて云えないと思いますけど、なかにはそういう奴らもいるんだなって考えた次第です。
ただ、このライブで「千本桜」をセットリストから外したという事実を忘れてはいけませんね。僕らは、まだまだ微妙な関係にあるということを、心しておかなくてはいけません。
で、「月西江」の話です。
この曲、上海ライブのアンコール曲なんです。どんなライブでも、ファンサービスとして、ご当地の有名な曲をセットリストの中に組み込んだりしますよね。でも、この「月西江」は、歴としたミクのオリジナル曲なんですよ。作成したのは、中国桂林出身のボカロP「solpie」氏。発表したのは2010年、彼が20歳の時とのことです。楽曲そのものは、その数年前からできていて、手を入れながらずっと温めていたみたいです。
遠く離れた初恋の人を慕う歌だそうです。まあ、聴いてみて下さい。
ね、キンブレの映り込み凄いでしょw。
でも、古典的な中国歌謡であるのにも関わらず、どこか懐かしさを感じてしまうんですよね。直訳文を読みながら聴いていると、切なくって泣きそうにすらなります。
直前のミクのMCは、「頑張って中国語で歌うから聴いてね♡」みたいな感じで、一緒に歌ってとは言わなかったそうですけど、いきなりの大合唱で、その場にいた日本のファンもかなり驚いたようです。で、ちょっとオチがあるんですけど、このライブのためにと「solpie」氏が歌詞に加筆をしていたらしくて、途中からみんな歌えなくなっちゃったとか・・・w。
中国歌謡は、透き通るような高音が特徴ですから、ミクの声質に合っているみたいです。しかし、ミクは中国語に対応してませんから、当然、カタカナ中国語で歌わせることになります。氏によると、不自然にならないように、日本語にない発音をできるだけ使わないようにして歌詞を考えているとのことでした。
しかし、この楽曲には、忘れてはならない過去があります。47newsに「共同通信(2010年5月14日)」からの引用記事がありました。少し長いですけど再引用させていただきます。
~初音ミクの中国語曲消える 動画サイト「荒らし」で~
歌声合成ソフト「初音ミク」を使って制作された中国語の曲が、インターネットの動画投稿サイト「ニコニコ動画」で「荒らし」と呼ばれる、中傷書き込みを受け、作者の中国の若者が曲と画像をサイトから削除していたことが14日、分かった。「中国人死ね」などの中傷があったとされる。
この曲は8日に投稿された「月・西江」。作者は中国広西チワン族自治区の20歳の男子学生。古風で静かなメロディーや、日本語用ソフトである初音ミクに中国語で歌わせる技量が注目され、再生回数は6千回を超えた。
しかし12日までに削除され、投稿者はサイトの説明文に「ご応援、ありがとう。でもこの動画のせいでみなさんが仲良くなれないより、消したほうがいいと思っている」と日本語で記した。
サイトに残されたコメントによると、「中国人死ね」などの書き込みがあったという。一方で「心無い発言で、そいつらに代わって謝る」などと、荒らしを批判する書き込みも多い。(引用ここまで)
まあ、「炎上は、台湾人と中国人の罵りあいがきっかけ。」という話もありますし、ヲタク的ツッコミとしては、「ニコニコ」に投稿する時点で、このような事態は想定済みでなくてはおかしいと思います。彼に対する「割れ厨・認定」つまり、「中国人だからどうせ海賊版のソフトで作ったんだろう。」という中傷が炎上に油を注ぐことになったようです。
さらに、「ニコニコ」では、良い悪いは別として、この程度の誹謗中傷は日常茶飯事なのにもかかわらず、この件に限ってネットニュースに取り上げられたことで、イジメた側としては、「ちょっとからかったら、いきなり先生が出てきた。」みたいな不満もあったみたいですね。
しかし、彼が4日で削除したことは、結果的に助かったと思いますよ。騒ぎが長引いて反日活動にでも利用されたりしたら、誰も得をしませんからね。
「月西江」は、再び「ニコニコ」に投稿されることはありませんでしたけど、YouTubeで見ることができますし、iTuneで購入することもできます。また、solpie氏は、その後も別の楽曲を精力的にアップしていますから、この騒ぎは何だったんだって感じですね。
日本語バージョンです。いくつかあるようですけど、訳詞がオリジナルに近いのと、なによりミクが歌っているので、こちらを貼り付けさせていただくことにしました。
訳詞というのは、直訳と意訳のバランス、歌いやすさなどを考慮する必要があるんで難しいですよね。特に日本語は、一曲に入れることができる語数が極端に少ないので直訳では歌いきれませんし。でも、あと少し手を入れると、もっと良くなりそうな気がします。
やはり、この曲を広く知ってもらうには、邦題を付けて日本語で歌えるようにしたいです。同じ曲をそれぞれが自分たちの言葉で歌うことで、真に想いを共有することができるし、それって本当に素敵なことだと思うんですよ。
47NEWSより、solpie氏へのインタビュー記事です。
今では、日中友好なんて完全に陳腐な言葉になってしまいました。少なくとも僕が生きている間に進展などなさそうです。
でも、この「月西江」を聴いていると、聴いている数分間だけですけど、「もしかしたら、僕らは、わかり合えるんじゃないか。」なんて夢を見ることができるんですよ。だって、僕らは、共に、月を愛で、桜を愛で、紅葉を愛でる民族じゃあないですか。
いいえ、本当はずっと昔から、わかり合えては、いるんですよね。日本人の心と中国人の心に共通項があることは、紛れもない事実なんですから。
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