2015年6月13日土曜日

「踊り子」村下孝蔵 feat. 「VY1」

 「踊り子」は、僕の大好きな村下孝蔵さんの楽曲です。ミクのカバーもあったんですが、なんとなくイマイチで、貼り付けさせていただく自信がなかったんです。で、「VY1」を聴いてみたら、しっくりきたものですから、今回、投稿させていただこうと考えた次第です。

 「VY1」は、ヤマハから発売されている、純正VOCALOIDです。現在出ているのはVer.4。声の性質は松任谷由実に似てるため松任谷の曲のカバーが結構多いってありますけど、よく分かりませんw。ただ、天真爛漫なミクに比べると、圧倒的に落ち着いている大和撫子です。当初はキャラ設定をしないということでしたが、最近は、「MIZKI」と呼ばれ、イラストなども出ているようです。
 あと、僕でも分かるところは、滑舌のよさ。ですから、歌詞を大事にする、フォークや演歌系の歌唱に適しているのではないでしょうか。
 ただ、多少ツッコミ難いキャラではあります。ミクだと「お前下手くそだな」なんて気軽に言えるのですが、彼女だと何だか落ち込んでしまいそうで・・・w。

 とりあえず、聴いてみてくださいますか。


 「踊り子」は1983年、大ヒット曲「初恋」の半年後にリリースされた、村下さんの6作目のシングルです。
 僕は、歌うことは嫌いではないのですが、カラオケというものが苦手でして、人の歌を聴いていることの方が多いんです。でも、何となく歌わなくちゃイケない空気になってきたときに、よく歌っていたのが、「村下孝蔵」でした。


 村下孝蔵さんが歌手デビューしたのは、27歳の時。フォークの時代は、とうに終わり、ルックスもイマイチな村下氏のデビューに難色を示した者もいたといいます。そんな中、30歳にして発表した5枚目のシングル「初恋」が、オリコンチャートで最高3位を記録する大ヒットとなります。しかし当時、体調を壊していた彼は、その最大のチャンスであり、最も大切な時期に、テレビ出演もできない状態だったといいます。
 その後は、「初恋」を上回るヒット曲を出すことはできず、1992年、渾身の自信作「ロマンスカー」をリリースしますが売り上げは芳しくなく、時代の巡り合わせの不運を嘆くようになっていきます。
 では、18枚目のシングル「ロマンスカー」です。

                    村下孝蔵 「ロマンスカー」

 動画に寄せられたファンの方々のコメントから、この曲に対する熱い想いが伝わってきます。村下氏も、この曲が完成したときに「やっと納得する作品が出来た。」と語ったそうです。

 しかし、申し訳ありませんが、僕は、この歌を知りませんでした。もちろんボーカロイドによるカバーなどありません。この楽曲を素晴らしいと、口先で絶賛することは簡単です。でも、僕は、「これが売れなきゃおかしい」とまで語った村下さんの想いに、苦しいまでの哀しさを感じてしまいます。大好きな、村下さんにこんなことを云うのは、失礼で、辛いのですが、この曲は、・・・・・やはり売れないと思います。

 村下さんが、時代の流れに逆らいながら立ち続けられたのは、その才能、心揺さぶる懐かしいサウンド、優しく甘い歌声、実直そうな人柄によるものでした。しかし、ここから新しい流れを生み出すには、彼は、あまりにも孤立無援でした。
 
 1999年、村下さんは、失意の中、コンサートのリハーサル中に倒れ、帰らぬ人となります。
 享年46。再び時代が彼に巡ってくるのを待つにしても、彼が時代に合わせて変わっていくにしても、まだ十分に時間はある。そういう年齢でした。

0 件のコメント: