2019年12月7日土曜日

NHK連続テレビ小説「スカーレット」で「黒島結菜」が演じる「松永三津」とは

NHK朝の連続ドラマ「スカーレット」に、「黒島結菜」さんが1月初旬から出演します。で、ファンの間に、その役どころについて懸念する声が広がっております。
「スカーレット」は、信楽の陶芸家「神山清子」さんをモデルとした創作ドラマですが、史実に照らし合わせた場合、黒島結菜さんが演じる「松永三津」という女性は、主人公の旦那さんと不倫関係になり、家庭を滅茶苦茶にした嫌われ役と予想されるからです。

こちらは、1月13日の投稿記事のリンクになります。


さて、一部のファンの間では、黒島結菜さんの役どころを、同じく神山清子さんの弟子で、神山親子を献身的に支えた陶芸家「牛尼瑞香」さんに求める希望的観測があるようですが、出演時期を考えると黒島さんは伊藤君の少なくとも10才以上歳上の役であり、その可能性は低いかと思います。もちろん、スカーレットはオリジナルストーリーですから、如何様にも作り替えることはできますけど、そこまで変更してしまっては、牛尼瑞香さんをモデルにしたとは云えなくなってしまいますからね。


実在の名前と役名と俳優名が混在していますが、整理するとこうなります。

 実名 → 役名  → 俳優名
神山清子→川原喜美子→戸田恵梨香
神山易久→十代田八郎→松下洸平
神山賢一→川原武志 →伊藤健太郎
 ?  →松永三津 →黒島結菜

神山清子さんの旧姓は「金場清子」とありました。結婚して神山姓になったのですが、離婚後も神山をそのまま名乗っています。既に陶芸家「神山清子」の名前は広く世間に知られていましたからね。ただ、一説には、(ドラマでもそうですけど)清子さんは父親との折り合いが悪く、また在日朝鮮人と間違えられる金場姓を嫌っていたとも云われております。神山姓は、信楽では由緒正しい名字だそうです。
ただ、神山易久氏の経済状態は悪く、神山夫婦はマスオさん状態だったと云われています。二人が「寸越窯」を開いた資金も清子さんの父親から出ていて、離婚後の窯の権利も清子さんが継いで現在に至っております。

さて、黒島結菜さんがドラマに登場する、つまり清子さんに弟子入りする頃は、長男の賢一君は未だ子供ですから、伊藤健太郎君の役には子役を立てると思われます。
伊藤健太郎君が演ずる「神山賢一」氏は、若くして白血病で亡くなります。この時の親子の物語は、それだけで大型ドラマが作れるほどでして、2月以降のスカーレットの盛り上がりは凄いことになるでしょうし、伊藤健太郎君の好感度もバカ上がりになろうかと思います。

さて、神山清子さんの自伝映画などで描かれている彼女の夫「神山易久」氏は、妻の才能に嫉妬し、若い女性の弟子(清子さん側の資料では使用人)と駆け落ちするゲスな男ですが、それはあくまでも清子側から描かれた物語の場合でして、史実の「神山易久」氏は、国際的にも著名な陶芸家であります。


まあ、芸術家どうしの結婚が上手くいきそうにないことは容易に想像できますし、清子さんのような凄すぎる女性の旦那を務めるというのも大変なことに思います。窯元経営についても、陶芸家としての評価も常に清子さんの方が高かったわけで、そんな時に、自分の云うことを聞いてくれる若い女性に出会ったら・・・心を奪われてしまうのも致し方ないと思うんですよね。

離婚の原因は、今で云うところのDVとされています。ただ、史実はプライベートな問題ですから、他人がどう云うものではありません。大切なのはドラマとしてどう描くかです。清子さんをモデルにした場合、その原因を愛人の存在に求めていました。あの女さえいなければこんなことにはならなかったという論理です。
易久氏には、才能ある妻を陰で支えるという人生の選択肢もあったはず。でも、それを許さなかったのは、彼の陶芸家としての才能ではないでしょうか。だとすれば、物語の描き方も大きく変わっていくはずです。

神山易久氏についてネットで検索したところ、神山清子さんの夫であったことは伏せられているような印象を受けましたし、駆け落ちしたと言われている女性については、その後どうなったのか全く分かりませんでした。まあ、黒歴史と云ったところでしょうか。
ただ、この夫婦は離婚したことによって互いに成功したわけで、神山易久氏の才能は清子さんと離れることによって開花したのですから、黒島結菜さんが演じる「松永三津」という女性は、易久氏の才能の救い主という言い方もできようかと思います。


神山易久氏をモデルにした「十代田八郎」は、ドラマでは好意的な描かれ方をしています。俳優「松下洸平」君の好感度も高いようです。そこに黒島結菜さんが絡んでくるわけですからね。単純な嫌われ役で無いことは確かです。僕は、「スカーレット」が、ゲスな男という扱いを受けてきた神山易久氏とその愛人をどのように描くのかが楽しみで仕方ありません。
松永三津は難しい役どころですけど、女優としてこれほど面白い役は無いように思います。そして、その配役に黒島結菜さんを指名してくれた内田Pには感謝しかありません。


今後の史実(と云われていること)をもう一度整理してみました。

①「神山易久」「神山清子」夫妻は共同で自宅に穴窯「寸越窯」を開く。
②清子氏の陶芸家としての評価が高くなるにつれ、二人の関係が悪化していく。
③二人は離婚し、易久氏は内弟子の女性を伴い家を出る。子供の親権と窯の権利は清子氏が得る。
④窯の顧客は易久氏についたため、残された「寸越窯」の経営が苦しくなる。
⑤逆境の中、清子氏は自然釉薬を使った古信楽の再現に成功し、陶芸家として高い評価を得る。
⑥長男「神山賢一」氏も陶芸家になり、釉薬を使った「天目茶碗」の研究に没頭する。
⑦賢一氏が白血病で亡くなる。この時のドナー探しの活動が現在の骨髄バンク設立の元になる。
⑧易久氏は「自然釉」「須恵器」などの研究を重ね、「メトロポリタン美術館」をはじめ多くの美術館に作品がコレクションされるなど、国内外から高い評価を受けるようになる。

これを残り3ヶ月間でやってしまおうというのですから、怒濤の展開になりそうですね。


そうそう、最初に出てきた「牛尼瑞香」さんですけど、そういう純粋な女性の役は、僕的には「浜辺美波」ちゃんが適任かと思います。きっとステキなシーンが撮影できるかと思いますが、如何でしょうか。

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