2021年6月27日日曜日

黒島結菜「ごめんね青春!」現地巡礼 その5 ~FMみしま・かんなみ「ボイスキュー」~

日曜劇場「ごめんね青春!」では、コミュニティ放送局「みしまFM」がドラマの重要な場になっていました。劇中で毎週金曜日の夜に放送されている「カバヤキ三太郎のごめんね青春!」のラジオパーソナリティを務めているのが、「生瀬勝久」さん演じる東高校長「三宮大三郎」。決まり文句は「一方的にしゃべらないでくれる?」でしたね。

僕の青春時代は、静岡SBSラジオの「1400電リクアワー」が全盛期で、パーソナリティ(と云っても局アナですけど)の「國本良博」さんや故「荻島正己」さんはアイドル並みの人気で、公開放送やイベント(局アナなのにバンドを組んでライブとかしてた)があると凄い数の中高生が集まったものでした。番組は、お便り読んだり、リクエスト曲をかけたりってことでしたけど、オールナイトニッポンが深夜の全国放送という、手の届かない世界だったのに対して、電リクは、非深夜の地元の放送でしたから、ずっと身近な存在でした。お便りが読まれる確率も、決して高くはありませんが、かといって絶望的なわけでもなく、パーソナリティとリスナーの距離感が絶妙だったのが、人気の秘密だったと思います。やはり、中高生の恋の悩みみたいな手紙も読まれていて、まあ、それなりにあしらわれてたような記憶があります。

局アナが遊びで作ったバンドを、自局の放送ネットで流しています。ローカル放送ならでは・・・って云うのかなぁ。ボーカルをとっているイケメンの局アナが「荻島正己」(まちゃみ)さんです。荻島さんは、俳優の「荻島眞一」さんの従兄弟になるそうで、後に、TBSに出向されて全国の顔になります。2014年に食道癌で永眠(62才)とありました。

さて、リアル三島市のコミュニティFMは、周波数77.7MHz「FMみしま・かんなみVOICE CUE(ボイスキュー)」であります。ボイスキューは、阪神・淡路大震災の2年後の1997年に開局したミュージックバード系のコミュニティFMで、近隣の放送局の中では、早くに開局した方です。24時間放送ですけど、週休2日で土日は独自番組はありません。

三島市周辺限定のFMラジオ局なんて、経営が成立するんだろうかと思っていたんですけど、聞くところによると、ラジオ局で一番経費がかかるのは中継局なんだそうです。エリア内の、ほとんど人が住んでないような所までラジオを聴ける状態を構築するのって、凄く大変なことなんだそうで、その点、中継局が不必要で、20Wの送信設備だけで運営できるコミュニティFMは、経営効率が良いんだそうです。(もちろん、自治体からの援助は必要でしょうけど)

コミュニティFMは、防災公共放送としての役割もありますから、素敵な歌を流していても、いきなりブチ切って「どこどこのお婆さんが家を出たまま帰りません」なんて放送が入ったりします。

ボイスキューのライバル局は、お隣の沼津市にあるJ-WAVE系の「COAST-FM(コーストエフエム)」であります。以前、ボイスキューに人気の男性パーソナリティがいたんですけど、急に退社することになって、皆で別れを惜しんでいたら、「コーストFM」のパーソナリティになってました・・・っていう電撃移籍もありました。

それから、過去には、放送局の重要なスポンサーである函南町(かんなみ)を「はこなん」と読んだ伝説のパーソナリティもいましたっけ。(地元民じゃなくても、そこ、絶対絶対間違えちゃダメでしょ!)

ボイスキューの最大の特徴は、パーソナリティとリスナーとの距離が大変近しいことです。女性パーソナリティはタレント並みの素敵な方たちで、熱心なリスナーが平日にもかかわらず(仕事しているのかなぁと心配になるくらい)投稿しまくってます。ボイスキューは自分たち常連リスナーが支えているという意識も強く、その関係は、秋葉原のアイドルとトップ・ヲタに近いものを感じさせます。

常連さんには、(思いつくままにですけど)ラジオネーム「黒木眼医者」さんとか、「浄蓮(常連)の滝」さんとか「あるパパ(アルパカ?)」さんなどがいらっしゃいます。

土曜日の午後には、「あの頃、青春グラフティ」という、ミュージックバード制作の全国放送が流れますけど、皆さん、こちらにもガンガン投稿しているようで、日によっては読まれるメールの半分が、ボイスキューのリスナーだったりします。

ボイスキューも、開局当時は独自取材の番組とかも結構あって頑張っていましたが、最近は、独自番組の放送時間も減少気味で、音楽を流し続けたり、親局であるミュージックバードの再放送をしている時間が増えつつあります。有力なスポンサーを持っていないから、経営が厳しいのかなぁ。三島の国立遺伝学研究所の先生を招いての「サイエンスNOW」みたいに、独自番組からミュージックバード制作の全国放送に出世するようなプログラムもあったりするんですけどね。

まあ、親局である「ミュージックバード」と比べたら垢抜けないのは確かですし、全県放送局のSBSやK-MIXとかとの格差も感じますけど、三島市民からの愛され具合を見ていると、全国に数多くあるコミュニティFMの中でも、成功している放送局じゃないのかなぁと思います。

(ボイスキュー:ミュージックバード「大西貴文のTHE NITE」を聴きながら。)

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