2021年6月13日日曜日

黒島結菜「ごめんね青春!」現地巡礼 その2 ~みしまコロッケ~

 静岡県を代表するB級グルメと云えば「富士宮やきそば」だろう。この富士宮市周辺で食されてきた焼きそばは、輪ゴムのように弾力性の強い細麺に、背脂を搾り取った後の「肉かす」やキャベツを具材とし、仕上げに「だし粉(サバやイワシの削り粉)」をかけて食べるという、高級食材不使用なB級グルメの王道である。

静岡県には、他にもいくつかのB級グルメが知られているが、その中の1つに、日曜劇場「ごめんね青春!」で登場した「みしまコロッケ」がある。みしまコロッケの最大の特徴は、ポッと出てきた企画物と云うところである。みしまコロッケが誕生したのは2008年で、昔から食べられてきたわけでも、三島市民のコロッケ消費量が特別多かったわけでもない。

三島市の東部、箱根山へと続く南斜面では、昔から野菜の栽培が盛んだった。中でも有名だったのは大根で、富士山をバックに収穫した大根を干す風景は、コンクール写真の定番だ。

ジャガイモも「三島馬鈴薯」の名前で作られてきた。品種はメークイン。みしまコロッケは、その三島馬鈴薯を使うことが絶対条件のB級グルメである。もし貴方が、みしまコロッケを食べて「何これ、普通のコロッケじゃん」という感想を持ったら、それは正しい。みしまコロッケは、三島馬鈴薯を使っていれば他は自由という、レシピ指定ではなく、産地指定のグルメだからだ。

近所のスーパーでも売っているが、値段は若干お高め。北海道男爵コロッケが100円だとすると、みしまコロッケは、ちょっと小さめで120円くらいする。と云うのも、三島馬鈴薯は「手掘り」「天日干し」「風乾」という高級品で、市場価格は日本一。贈答にも使われるブランド品だからだ。で、その規格外になったやつをコロッケに使おうってわけだが、それでも安い品では無い。


男爵のようなホクホクしたジャガイモを使う普通のコロッケと比べて、みしまコロッケは、何となくねっとり感があるような気がする。気がするというのは、2つ並べて食べ比べるのならともかく、単品で食べて、使われているジャガイモの品種を当てる舌を、僕は持っていないからだ。そもそも、コロッケのレシピ本には、メークインでなく男爵を使いましょうって書いてある。そこを、あえてメークインを使うことで差別化を考えたようだが、味覚的にどれだけの意味があるのか、僕の舌では分からない。


「ごめんね青春!」の第2話では、三女の子たちが源兵衛川の岸辺に座って、みしまコロッケを食べていたし、第3話では、「あまりん」と蜂矢先生が勉強合宿の差し入れに持ってきたシーンが放送された。リアル世界では、三島の観光協会が撮影現場に差し入れたこともあったらしい。青春とコロッケは、お似合いの組み合わせだ。もし、このドラマがなければ、みしまコロッケは、三島市民でさえ知らない悲しい存在になっていただろう。

箱根西麓三島野菜は、露地栽培なので出荷時期が決まっている。収穫を終えた三島馬鈴薯の出荷が始まるのは、6月下旬。正にこれからが旬だ。地元のコンビニでは、期間限定「みしまコロッケパン」が今年も販売されるであろう。みしまコロッケパンは、もっちりしていて美味しい。このパン、普通のコロッケサンドと差別化するために、米粉入りのパンに挟んだりしている。でも、もっちり感は、あくまでも三島メークインによるもの、と信じて食べることを推奨したい。

みしまコロッケは美味しい。それは確かだ。でも、それは、コロッケという食べ物が美味しいからに他ならない。そして、僕が20円高いみしまコロッケを買うときは、自分へのご褒美としてなのだ。

「コロッケ賛歌」をはりつけさせていただいて、お終いにしようと思う。


 「コロッケ賛歌」
おかずに悩んだときは、コロッケを買う。
お金に困ったときも、コロッケを買う。

コロッケは、安い。
コロッケは、ご飯に乗せても、パンに挟んでもいい。
コロッケは、食べ歩きもできる。
コロッケは、揚げたてはもちろんだが、冷めても美味しい。
コロッケは、気合いを込めなくても食べられる。
コロッケには、ソース派と醤油派がいるが、何もなくても美味しい。
コロッケは、差し入れに最適である。
気取らず、大人数にも対応できるし、
「近所でも評判なんです。」とか云っておけば、体裁も保てる。
コロッケには、無限のバリエーションがある。
コロッケは、ナイフとフォークで洋食っぽく食べてもいい。
でも、一番幸せなのは、手で摘まんで食べるときである。

学生の頃、コロッケ弁当ばかり食べていた。
ちょっと贅沢したいときは、唐揚げ弁当だが、
基本は、コロッケ弁当だった。
奮発して、とんかつ弁当にしたときは、後悔した。
安いとんかつは、不味い。

でも、コロッケは、当たり外れが無い。
資生堂パーラーの3,000円の「クラブクロケット」も
イオン火曜特売の50円コロッケも。
工場で大量生産される冷凍食品のコロッケも、
駅前商店街の肉屋のこだわりコロッケも、
コロッケは、基本、全部美味しい。
(資生堂パーラーは食べたこと無いので、あくまでも予想)

コロッケ・ランキングは意味が無い。
何故ならば、コロッケは、全てが等しく美味しいからだ。


先日、三嶋大社の夏祭りが、コロナ禍により2年連続で中止とすることが発表された。三島の大祭りは、ドラマの第3話にもちょっとだけ出てきた静岡県東部最大のイベントである。

悲しい。


#ごめんね青春    #みしまコロッケ   #黒島結菜

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