2021年3月14日日曜日

黒島結菜「ハルカの光」第4話・最終話  ~スーパー楕円と対数螺旋曲線~

 Eテレドラマ「ハルカの光」第4話は、ムーン・リバーからのフライ・トゥー・ザ・ムーンで始まりました。で、ハルカが名作照明の店「éclat」で働くことになった素敵な回想シーンからの・・・誰?。

期待を裏切らないオープニングです。ちなみに、「éclat」はフランス語で「輝き」という意味なんだそうです。勉強になります。

登場したのは、「緒川たまき」さん演じる西谷店長の元妻「茜」。茜が店長の元妻であることは、ちょっと考えれば分かることですけど、僕は、ずっと騙されていました。というのも、予告映像で、茜は、大切な人が光と心中したと語り、墓場で涙ぐむシーンが流れて来たからです。ですから、茜は未亡人とばかり思っていました。ところが、墓場のシーンはハルカの妄想だったのです。

同じようなことは、最終話の予告編でもありました。ここでは、店長の西谷が、電話でハルカにさよならを云うシーンが流れました。ですから、ハルカは最終話で東北へと帰ると思い込んでいたんですけど、これは、ハルカがお店を離れることを想定した店長が、さよならの練習をしていただけだったんです。

この2つは、明らかな予告編詐欺です。まあ、何でもアリの「ハルカの光」ですからね。もう驚きません。でも、同じことを朝ドラでやったら、間違いなく炎上すると思いますよ。

第4話のオチは、ハルカと彼女が紹介した光が、茜が西谷への未練を断ち切る手助けをしてしまったことでしょうか。


登場したのは、第1話でハルカが導かれたペンダントランプ「HERE COMES THE SUN」。フランスの建築家「ベルトラン・バラス」が1970年に発表し、2013年にフランスのメーカーによって復刻されたとありました。éclatには大きさの違う3タイプが展示されていましたけど、紹介された「φ350」で10万円ほどのようです。

下方への直接光と、シェード中央からの間接光が特徴の照明ですね。ペンダント照明は部屋全体を照らすというもの、という観念に縛られている僕には、お洒落過ぎる光ですが、ハルカは、これに父が乗る漁船の灯りを感じたことになっています。

結局、第4話は、そのほとんど全てがéclatを舞台にしての二人芝居でした。(それと、古館さんのミニライブ)これで25分もたせてしまうんだから、大したものです。

続く第5話は、ハルカの家族の物語でした。第3話から、翌日が次回という設定が続いていますから、随分と濃い毎日をおくっていることになります。

紹介された照明は2つで、共に数学的な解説がなされました。そこはEテレ、勉強になります。

スーパー楕円とは、交通渋滞を解消させるためのロータリー交差点の形状として考案されたとありました。伊豆半島の天城峠の近くに、河津ループ橋っていうのがあって、円形の道路をグルグル回りながら下って行くんですけど、曲がり過ぎちゃったり、足りなかったりで、ずっとハンドルを動かし続けなくてはいけません。ハンドルを一定の角度に曲げ続けるのって難しいですよね。その点、長方形と円の中間の形である「スーパー楕円」は、直線とゆるいカーブの組み合わせでできているので、運転にもストレスがなさそうです。

スーパー楕円をデザインに応用したのが、デンマークの数学者「ピート・ハイン」でした。スーパー楕円は、長方形の角を丸くしたものですから、誰でも思いつきそうな形ですけど、そこに数学的な根拠を与えたところが、彼の功績であります。

そのデザインを照明へ応用したのが、PIET HEIN SUPEREGG。球と箱形の双方の長所を取り入れたフォルムですね。ネットで検索しましたら、税抜価格¥64,000とありました。部屋全体を、優しく明るくしてくれる照明に思います。

最終話で登場したもう1つの照明が、シェードのデザインに対数螺旋曲線を取り入れた「Poul Henningsen」氏デザインのテーブルランプ「PH Table」シリーズ。

対数螺旋曲線は、内側ほど間隔が狭くなっていく螺旋です。中心から同じ角度を保ちながら成長すると対数螺旋曲線になるとされていて、巻き貝や台風、銀河など、自然界に多く見られる曲線だそうです。巻き貝の殻が対数螺旋だから、サザエの壺焼きは身の部分が太くて、肝のところは細くなっているわけですね。一方、間隔が同じなのは代数螺旋といって、こちらはグルグル巻きのソーセージのイメージです。ちなみに、ソフトクリームは作る人の腕前によって、対数螺旋にも代数螺旋にもなります。(こちらは代数螺旋の方が嬉しい)

この照明では、それぞれのシェードの曲がり具合が、対数螺旋曲線になっているそうです。解説記事に「電球のフィラメントを螺旋の起点に置くことで、眩しさを低減し、同時にシェードが効率良く柔かく心地よい光を放つ機能的なデザイン。」とありました。写真を見ますと、光源から上中下に放たれた光が、それぞれのシェードに当たるようデザインされているみたいです。

この照明、僕にはクラゲに見えるんですけど、対数螺旋は自然界に広く見られる形状ですので、当たっているかもしれません。

ドラマには、たくさんの照明が登場しましたけど、僕が買うとすればこれでしょうか。デンマークのルイスポールセン社製で、一番小さいのでも10万円はします。ただ、家や車のような高額の買い物をする時って、金銭感覚が麻痺してますから、僕も新築する時だったら買ったかもしれません。一生モノですしね。

気になる台詞は、大きな幸せが少しと小さな幸せがたくさんの話とか、あと「光は人と共にある」もですね。生活があるところに光はあるし、光があるところには人がいます。そこには光を生み出した人の想いもある。人が光に癒やされるってのは、結局は、人は人に癒やされているってことなのかもしれません。

最終話の見所は、べたなシーンではありますが、海を見ながら母娘で語る場面でしょうか。「バチがあたるっちゃ」の一言が心に響きました。この宮城県七ヶ浜でのロケは、コロナ禍ということで、最低限の人数での弾丸ロケだったそうです。僕は、人を泣かせにくるシーンというのは、どうも苦手なんですが、湿り過ぎず軽すぎずで良かったと思います。

ハルカの一家は、東日本大震災の被災者であり、母との確執も震災が大きく関わっています。最終話において、震災で止まったハルカの想いは、光によって動き出し、ドラマは終了しました。震災がドラマの根底にあるのは確かですが、あくまでも家族の問題とし、深入りすることがなかったのも良かったと思います。

第5話は、家族がテーマでしたから、ちょっと朝ドラっぽく感じました。「ハルカの光」最終話は、朝ドラのパロ・・・オマージュじゃないかと、視聴しながら考えた次第です。

#ハルカの光   #黒島結菜  

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