2019年8月13日火曜日

「紀平梨花」今シーズンのフリー演技が4S+3A×2で8トリプルなんて無謀すぎだろう

アイスショー「ザ・アイス」で、紀平梨花さんの今シーズンのフリー演技が初披露された。実力の半分も出せていない感じであるが、まあ、昨シーズンもこんなスタートだったと思う。フリー演技を、滑りにくいアイスショーのリンクで、敢えてするのも練習の内と考えているらしい。


どうやら、衣装は、2年前のシーズンで着ていたものと同じなようだ。新しい衣装が間に合わなかったのだろうけど、中学3年生の時の服が、高校2年生になっても着れるってことか。

それにしても、なんとも不思議で国籍不明な楽曲で或る。今シーズンは、フリーもショートもエキシビションも、良く言えば斬新なプログラムとなっている。
まあ、時には、こういう年度があっても良いよね、ってことかもしれないが、せめて1つはフツーのプログラムを入れていただきかったものである。

梨花ちゃんは、ジャンプに必要な滞空時間を、飛距離で稼ぐタイプであるから、滑走の加速が得られないアイスショーのリンクでは、これがイッパイ・イッパイなんだろう。でも、リンクのギリギリまで使って何とかスピードを得ようとしている姿は、梨花ちゃんでは無く、アスリート紀平梨花である。リンクサイドに座っている観客は、絶対怖かったと思う。

ジャンプ構成については、宣言通りの高難度プログラムになるようだ。今回は、だいぶ失敗したり、転倒したりしてるんで、本当は何をしたかったのか不明な部分も多少あるが、4回転サルコウとトリプル・アクセルを2本入れるのは、確実のようだ。

動画のジャンプ構成は次の通りである。

①3S ②2A(オーバーターン)③3Lz ④3A(転倒)⑤3Lz ⑥3F+1Eu+3S(転倒)⑦3Lo

で、本当にやりたかったことを予想すると。

①4S ②3A+3T ③3Lz+2T ④3A ⑤3Lz ⑥3F+1Eu+3S ⑦3Loって感じだろうか。

冒頭に4回転サルコウを入れてくるのは、確定のようだ。で、そのサルコウについては、跳び方を変えてきているのが明らかに分かる。昨シーズンまでは、ハの字で構えて両足ジャンプのような、安定感を求めた跳び方だったのが、この動画では右足を完全にフリーにして回転をかけようとしている。以前、ネイサン・チェン選手の生演技を見たときに、4回転ジャンプの凄まじい回転スピードに驚いたことがあったが、あれを女子がやろうというのだから、恐れ入るばかりである。

それにしても、ジャンプの跳び方を変えるというのは、バッティングやピッチングのフォームを改造するようなものだろうから、簡単なことではないと思うのだが、わずかな期間でよくできるものだと感心してしまう。

2番目から5番目までのジャンプは、アクセルとルッツとトゥループの組み合わせでできていて、どれにどんなコンビネーションを付けるかは、試合ごとの状況によって変えてくるのだと思う。
不思議に思うのは、2本目のトリプル・アクセルを、基礎点が1.1倍になる5番目で無く、4番目に跳ぼうとしていることである。5番目に跳ぶのは、やはりキツいのだろう。

あとは、兎に角、4回転サルコウのデキにかかると云ったところだろう。
ただ、気になることが1つある。試合になった場合、その日の調子やリンクの状態によって、4回転サルコウを回避して3回転にしたり、あるいは3回転になってしまったりと云うことは、高い確率で起きそうな気がするのだが、そんなときに構成をどう変更するつもりなのだろう。

同じ種類のジャンプは、2種類、2回までしか跳べないので、後に跳ぶ3アクセルか3ルッツか3サルコウを変えなくてはならないのだ。

まず、3ルッツを2ルッツに落とすのは無理だと思う。3回転の練習しかしてない、3回転でしか跳んだことの無いルッツ・ジャンプを、いきなり2回転で跳ぶなんてできるとは思えないからだ。

一番現実的なのは、6番目に跳ぶ3連続ジャンプを3F+2T+2Loに変更することではないだろうか。3F+1Eu+2Sというやりかたもあるが、+2T+2Loは、今までもずーっと跳んできたコンビネーションだから、これならば何の問題も無いように思う。

ただ、僕的には、どう考えても3アクセルを2回跳ぶのが、一番のリスクに思えてならない。

僕は、冒頭の4サルコウが成功しようがしまいが、最初から3アクセルは1回にして、もう1つを2A+3Tのコンビネーションにしたら良いと思う。3A+2Tを2A+3Tにしても、豪快に跳んでGOEをもらえば、大きな得点ダウンになるとも限らないし、4サルコウの成否によって構成を変えることもないから演技に集中できるし、表彰台に乗れるチャンスも大きくなるはずだ。

でも、やっぱり4回転+8トリプルの構成で来るんだろうな。誰が何と言おうと8トリプルで勝負するんだろう。だからと云って、トリプル・アクセルに取り憑かれた悲壮感がないのは、転んでも笑って済ませられる梨花ちゃんのキャラクターの成せる技なんだろう。まあ、怪我だけはしないようにと、祈るばかりである。

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