2021年10月17日日曜日

「もちまる日記」の炎上に心を痛めている人間がこちらです

世の中には、犬派と猫派がいるようだ。僕は、どちらも飼った経験が無いのだが、圧倒的に猫派である。

犬は、上下関係の中で生活する生きものである。対等は有り得ない。自分より偉いと思えば、尻尾を振るし、下だと思えばマウントを取りに来る。人間にもそういうヤツがいる。そして、僕は、下に見られることが多かった。だから、相手によって態度を変えるヤツは、例え僕がチヤホヤされる側だとしても、嫌いなのである。

仏像巡りで寺院に行くと、よく野良猫に出会う。拝観していたお堂の中から、猫が出てきて驚いたこともある。(危うく、野良猫を拝むところだった。)ここを縄張りにしている彼らは、重要文化財の建物だろうが自分の物だと思っているから、侵入者である僕を睨み付けてくる。一方、僕だって、拝観料を支払っているわけだから、引き下がるわけにはいかない。こういう対等な緊張感は、相手が犬では味わえないだろう。

猫の仕草は、見ていて飽きない。その理由の1つは、前足の使い方にある。犬にとっての前足は、足でしか無いのだが、猫の前足は、手として使われている。怪しいものをつんつんしたり、獲物をキャッチしたりできる。親猫が仔猫を前足で抱きかかえて舐め回す仕草も猫ならではである。

犬の喧嘩は、野蛮に噛みつき合うだけだが、猫の喧嘩は、取っ組み合って、キックもパンチも繰り出す、正に格闘である。世の中には、暇な人も多いようで、YouTubeには、猫の喧嘩を撮影した動画がたくさんアップされている。

そんな猫の動画を面白がって見ていた僕に、ユーチューブのAI機能が、お勧め動画を提案してきた。リモートワークで在宅勤務をしている「下僕」さんが、立ち耳のスコティッシュフォールド「もちまる」との暮らしを綴った、YouTubeチャンネル「もちまる日記」の動画である。

猫との平凡な日常を記録した、何の刺激も無い動画なんだが、ついつい見てしまった。清潔感有りまくりな部屋で、猫との優雅な二人暮らし。かなりの人気チャンネルのようで、2021年9月には「YouTubeで最も視聴された猫」としてギネス世界記録に認定されたそうだ。チャンネル登録数が150万以上、総再生回数は、7億回を超えているそうだから、かなりのものである。フォトブックやカレンダーも発売されているらしい。

「もちまる日記」の人気の理由は、もうすぐ2才の雄猫「もち様」の可愛らしさにあるのはもちろんだが、飼い主である「下僕」氏の動画センスが大きいだろう。動画には、飼い主の手が写ることはあっても、顔や声が入ることは無く、動画は字幕だけで進んでいく。で、この字幕の付け方が、じつに上手い。そりゃあ、中には、本当にそうなの?ってのも無いことはないが、表情豊かな「もち様」の仕草に、あの字幕がつくと、見ているこちらが癒やされる。それを、4分程度の動画とはいえ、ほぼ毎日更新してくるんだから、恐れ入るばかりである。

もう一つは、「もち様」と「下僕さん」の、男同士の友情と信頼関係であろう。もち様が去勢手術を受けることになったとき、下僕さんは猫にだけ絶食させるのは申し訳ないと、(多分、本当に)自らも絶食したらしい。そりゃあ、中にはヤラセもあるだろうけど、下僕さんが、愛情を込めて飼育しているのは、確かなことに思う。

そんな「もちまる日記」だが、注目されるにつれて、叩かれることも多くなってきたようだ。マネジメント契約とか、フォトブックの発売など、ビジネスが絡むと風向きも変わってくる。ワニの時もそうだったけど、ネットの世界というのは、未だにビジネス化への拒絶反応があるからだ。動画の人と猫との素敵な関係が嘘っぱちじゃないかというのがアンチの指摘するところだが、そう云われてしまうと、そんな気になってしまう自分がいる。人の心は、猫以上に変わりやすいってことか。             

でも「もちまる日記」は、ドキュメンタリーでなくって創作物なんだから、作られた舞台での演出は視聴者も承知しているはずだ。年収が億を超えたとしても、それは下僕さんの動画編集の才能に対する正当な対価であるし、人間様が飼い猫を金儲けに利用したことだって、悪いこととは思えない。

ユーチューバーとして生計を立てるのであれば、期待される動画を上げるのは至上課題だろうし、確かに挑発したり、からかっているような動画を配信している時もある。僕は猫の習性に関する動物実験だと思って見ていたけど、中には、それを動物虐待だとする人もいるってことのようだ。気ままな猫が相手なんだから、ネタが無い日は休止すれば良いと思うし、日常なんだから同じような動画が続くことも致し方ないと思うけど、仕事とあれば、そういうわけにもいかないとすれば悲しいことである。

このチャンネルで視聴者が癒やされていたのは、もち様の可愛らしさだけでなく、下僕さんの優しさによるところが大きかったと思う。人って、こんなにも優しくなれるんだってのが、伝わってきた。飼い主の優しさに癒やされる・・・それは、擬似的とは云え、猫と人間との「対等」な関係が演出されていたからこそで、「もちまる日記」の人気の秘密もそこにあったんじゃないのかなぁ。

ではこのへんで、ばいばーい

#もちまる日記  

0 件のコメント: