2021年1月10日日曜日

「紀平梨花」選手が4回転トゥループに挑戦!だって?

 年末に開催された全日本選手権。エキシビションは、昨年の四大陸選手権と同じ「2002 by Anne-Marie」だった。ラストで3連続の2アクセルを披露して喝采を浴びたようだが、動画を見ると、昨年の四大陸より抑え気味の演技に思えた。自由に滑れるエキシビションというのは、選手の調子のバロメーターだから、体調は絶好調ではなかったようだ。やっぱりルッツを回避したのが気になる。

名古屋フィギュアスケートフェスティバルに出演した後は、スイスに戻るとあった。

その名古屋のアイスショーでは、全日本を欠場した「本田真凜」さんが出ていた。動画を見る限り元気そうで何よりである。楽しそうに滑っているのを見ていたら、このままプロに転向した方が良いんじゃないかって思った。知名度は抜群で、可愛いし、表現力はあるし、アイスショーだったら回転不足がどうとか煩いこと言われることも無いし・・・。

で、先日、紀平梨花選手(梨花ちゃん)のインタビュー記事が出ていた。それによると、梨花ちゃんは、「北京オリンピックの金メダルへの決意として、4回転トゥループに挑戦」するのだそうだ。全日本選手権で、会心の4サルコウを跳んだことを受けての発言らしい。インタビューと云うのは、いろんなことを聞いていて、その中で記事になりそうなモノをピックアップしているのだろうから、これも、いろいろ話したことの1つなんだと思う。

梨花ちゃんは、インタビューで「トーループは3回転を(ステファン・ランビエル氏のもとで)一から教わり、型にはまったものができてきた。きれいな3回転ができれば4回転もできる」と答えたらしい。やっぱり、北京に向けて4トゥループに挑戦するなんて云ってないじゃないか。云っていることは「4トゥループの練習もしようかなぁ」ってことであって、練習するだけだったら皆している。それを試合に取り入れるかどうかは、全然別の問題だ。

梨花ちゃんの国際試合での戦い方は、SPで3アクセルを成功させての先行逃げ切りしかない。そのためには、兎に角、3アクセルを安定させることに尽きる。2年前みたいに、SPでミスってもフリーで逆転なんてことは、ロシアの女の子たちがクワドを跳びはじめて完全になくなった。だから、羽生選手みたいに「3アクセルだったら考え事をしながらでも跳べる」くらいの境地まで高めることが大切なんだと思う。

でも、トゥループを見直したってのは、本当なんだろう。昨シーズン、梨花ちゃんは、4サルコウに挑戦する前段階として、3サルコウのフォームを変更した。それまでは、両足をハの字にして、安定重視の跳び方だったのを、右足を前に出して回転重視の跳び方に変えたのである。フォームの変更は、あっという間だった。僕は、ジャンプのフォームというのは、体に染みついているモノで、そう簡単には、変えられないと思っていたのでビックリした。まあ、それだけ、梨花ちゃんの身体能力が高いということなんだろう。トゥループは単独で跳ぶことは無いジャンプだけど、どんなフォームなのか、次の試合での楽しみが1つ増えた。

4トゥループは、踏み切りの時に体を180度ねじっているので、空中では、体を3回転半(足は4回転だけど)すれば良い。だから、6種類のジャンプの中では最も難易度が低いとされている。とはいえ、クワド(4回転)ジャンプというのは、技術的にも身体的にもリスクが大きいから、試合に取り入れるのは、そんなに簡単ではないと思う。

勝負となるフリー演技は、4サルコウ1本と3アクセル2本、あるいは、4サルコウ2本と3アクセル1本の構成になるだろう。それでダメなら致し方ない。メディアや世間は期待しているだろうけど、3アクセルと基礎点で1.5点しか違わない4トゥループを、構成に入れる可能性は小さいと思う。

昨シーズンの梨花ちゃんは、クワドを跳ぼうとしなかった。消極的な態度に思えたけど、負けず嫌いであるが故の選択とも云えよう。彼女にとってベストを尽くすとは、一か八かの勝負に挑むことではなく、ノーミスで演技をすることと考える。それが、僕のイメージしている梨花ちゃんだ。

ロシア選手権では、アンナ・シェルバコワ選手(アーニャ)が、4ルッツと4フリップという高難度のジャンプを成功させて優勝した。アーニャと梨花ちゃんとの対決を煽る報道もあるみたいだ。

アーニャについては、コロナに感染したことを伏せたり、選手権で発熱があるのに出場したことが問題になっている。アンチは、盛んにプレ・ローテーションのことを指摘しているし、良い話が伝わってこない。アーニャに課せられ使命は、祖国ロシアのために北京オリンピックで金メダルを獲ること。僕には、彼女が、大人たちに使い捨てにされるような気がしてならない。

次の大会は、3月に開催される世界選手権だけど、5月頃に延期される可能性も大きいようだ。北京オリンピックの出場枠を決める大会なので、代替地になっても、無観客でも、延期してでもやるんだろう。ロシアの女の子たちとの直接対決は、楽しみでしょうがない。それまでは、冬眠の期間になりそうだ。

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