2020年6月25日木曜日

「松浦亜弥」34才の誕生日に「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」を

今日、6月25日は、松浦亜弥さんのお誕生日。34才になられたはずです。

松浦亜弥さんが、脱アイドルのきっかけになるはずだった、アルバム「ダブルレインボウ」をリリースしたのは21才の時。そして、あの、松田聖子さんが、脱アイドルを決定づけた大ヒット曲「SWEET MEMORIES」を発表したのも21才の時です。

さらに、松田聖子さんの34才の時と云えば、最大のヒット曲「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」を発表した年になります。元祖ぶりっこアイドル歌手という扱いだった松田聖子さんが、34才にして自身最大のヒットをかっ飛ばすという底力には恐れ入りますが、松浦亜弥さんだって、未だ34才なんですから、何かアクションの1つも欲しいところです。

と云うわけで、今回貼り付けさせていただくのは、松浦亜弥さんが2009年に開催した「マニアックライブⅡ」からの「あなたに逢いたくて~Missing You~」であります。ちなみに歌っている松浦亜弥さんは、23才です・・・って、間違えるわけありませんよね。


冒頭のMCによると、この曲をセットリストに入れたのは、以前、稲垣潤一さんとのコラボで歌ったことがあって、でもその時は、半分しか歌えなかったし(デュエットですから)、思い通りに唄えなかったので(稲垣さんに合わせてましたから)、ソロで歌い直すことにしたというのが理由のようです。
でも、突然の思いつきで、バンドとの意思疎通ができてなかったような雰囲気を出しています。まあ、普通なら、そんなこと云ったって最初から歌うつもりだったんじゃないのって、つっこむところなんですけど、これは本当に気まぐれだったようです。

と云うのは、これ、明らかにリハーサル不足ですよね。歌の出だしを間違えていて、キーボードの桜井さんがフォローしているし、歌詞カードをガン見しているし・・・。
マニアックライブⅡは、大阪と横浜の2都市で昼夜2公演ずつの計4公演だったようですが、「あなたに逢いたくて」を歌ったのは、横浜の昼公演だけ。曲のリハーサルも1回しかしてなかったようで、バンドの菊ちゃんたちからすると、一応準備はしておいたけど、まさかこのタイミングで歌うとは、ってところだったようです。

松浦亜弥さんのことをあまりご存じない方からすると、セットリストちゃんと決めてないし、歌詞カードばっかり見ているし、座ったまま歌っているしで、とんでもないライブなんですけど、このテキトーさは、この企画がファンクラブ・イベントだからであります。とは云っても、本来ならばお金を取っている以上、きちんとやるのが有るべき姿なんでしょうけど・・・。まあ、この内輪の馴れ合い感をファンも楽しんでいたようですから、ユルさも演出の1つだったと云うことにしておきましょう。

ところが、歌詞カード見ながらテキトーに歌っているテイクなのに、聴き手の心を揺るがしてしまうのが、松浦亜弥さんの凄いところであります。

ならば、ぶっつけ本番でこれだけ歌えるのだから、ちゃーんと練習すればトンデモナイ歌唱になるだろうって思うところなんですけど、たぶん、そうはならない。
松浦亜弥さんのリハーサル嫌いは有名でしたけど、ファーストテイクから既にベストで、あとはテンション次第なんて情況だったら、練習する気も無くなろうというものです。

正面やや横には、譜面台が堂々と置いてあります。ここには歌詞カードが入ったファイルがあって、ほぼガン見状態です。これは、歌詞をきちんと覚えていないって云うか、歌詞をきちんと覚えるほど歌い込んでいないってことを表しています。

彼女は、この歌詞カードを見るときに、パッと1フレーズ分目に入れて、ああ次はこういう情景なんだってインプットしといて、どんな声色で歌おうかとか準備しているんだと思います。情景が分かっていれば、それに合わせた歌い方は、感覚的、瞬間的にできるわけです。
並の歌手は、1番と2番は歌っている言葉が違うだけで歌唱的には差違がありません。それは曲に歌詞を当てはめているだけだからです。それに対して、彼女は歌詞カードからの視覚情報を、即興的に歌唱に活かしている。歌詞が描いている情景に合わせて歌い分けているのです。

松浦亜弥さんのカバーの魅力の源は、その即興性にあります。活動後期の彼女は、ライブでたくさんのカバー曲を披露していますが、高評価のテイクの多くが1回限りのものです。歌い込むことによって付いてしまう手垢が、彼女のカバー曲にはありません。楽曲をカバーしたときの評価の1つに、自分の歌にしているかというのがありますが、彼女のカバーには何となくの余所余所しさが感じられます。しかし、それが、オリジナルとの絶妙な距離感となって、多くの視聴者からの支持を得ているのだと思います。

「ファーストテイクからほぼベストで、あとはテンション次第」は、彼女の希有な歌唱力によるものです。普通に歌うことに飽き足らなくなった彼女は、やがて敢えてリスクを求めるような歌い方をするようになりました。

松浦亜弥さんは、2013年の「マニアックライブⅤ」で、同じ松田聖子さんの「赤いスイートピー」をカバーしました。この時は、前回のライブから1年半のブランクがあって、しかも、ろくにリハーサルもしていないという状態だったようです。


このテイクは、昼夜公演の2回目の方です。この頃には、もう松浦亜弥さんには動員力とかありませんでしたから、2回公演しても観客は同じ顔ぶれってことも多かったようです。だからと云うわけでしょうか、昼と夜の公演ではセットリストを変えてくることが普通になっていました。でも、この曲は2回歌いました。これ、絶対、歌い直したんだと思います。昼公演の歌に納得できなかったから。

で、歌い始めて、やっぱりダメって感じに、照れたような表情をしました。まあ、後半になるにつれて、それなりに声も出てきたようですけど、これは、褒めちゃダメなテイクだと思います。きっと、彼女も、こんなもんじゃないって思いながら歌っていたはずです。

歌に真摯に向き合ってきたはずの彼女が、歌うことへの情熱を失ってしまった結果でした。松浦亜弥さん自身が持て余すほどの歌唱力は、たった一年半の間に、あっけなく失われてしまったのです。


お誕生日ですから絶賛しようと書き始めたのに、結局、愚痴ってしまいました。
ちょっとだけエコーを効かせれば印象も随分違っていたでしょうし、歌った曲がⅡとⅤと逆だったら、もっとしっくり聴けたかもしれません。全ては僕の妄想であります。

折角ですから、カバーテイクを、もう1つ。槇原敬之さんの「Love Letter」のカバーを貼り付けさせてお終いにいたします。確かこれも、ぶっつけ本番の1回限りの歌唱だったと思います。   

                                 

4 件のコメント:

アヤまる さんのコメント...

お誕生日にブログありがとうございます。

やっぱり天才なんでしょうね。
もちろん努力もしただろうし、
中学生のころからあの熱狂に応え
プレッシャーを跳ね返して来たわけだし
後半は病気との戦いもあったろうし
だけど練習嫌い。

こうして振り返ってみると亜弥さんはアイドルというよりアスリートみたいだなと思います。

ゴルフの宮里藍とかテニスの伊達公子なんかと重なるところが多くて。

若くして注目を集め、体を酷使するからどこかが壊れ、惜しまれつつ引退。

伊達公子さんが引退した時が26歳ですから、亜弥さんとほぼ同じぐらいですね。

伊達さんは現役引退4年後に当時の世界のトップだったシュテフィ・グラフと3試合エキシビション・マッチをやってます。引退して4年もブランクがあっても世界のトップと試合になるところがなんかマニアックライブ5の亜弥さんのようです。

ちなみに伊達さんは37歳で現役復帰し、その年に全日本テニス選手権で単複優勝。スポーツ界で11年のブランクがあって復帰後すぐチャンピオンなんてことがあるんだと驚きました。

天才伊達公子のように天才松浦亜弥(亜弥さんもテニス部でしたね)も37歳で復帰するや否やチャンピオン!なんてこともあるんじゃなかろうかと期待してるんです。

さんのコメント...

コメントありがとうございます。
「期待せずも、絶望せず」のスタンスで待ち続けて6年目に突入です。

テニス・プレーヤーと重ねるとは、想像もしませんでした。
アスリートが11年ものブランクから復帰することを考えれば、
6年のブランクなど問題ないのかもしれません。

最近は、松浦亜弥さんの記事も少なくなっていますけど、
このブログはあくまでも松浦亜弥ファンブログであり、
その他の話題は全て、来たるべき日まで生き延びるための活動であることを宣言しますw

korou さんのコメント...

久々にお邪魔します。

亜弥さんの「赤いスイートピー」ですが
今回の記事を読ませていただいて
さらに聴き直してみた結果
いろいろと気付くことがありました。

私は、大sansanさんとは逆の感想をもちました。
昼公演の歌唱が意外といい感じだったので
夜公演では、本当は「”Red"でないほう」を歌う予定だったのを
急きょ同じ曲目にしたところ
いざ歌ってみたら昼公演ほど気持ちよく歌えなかった
ということではないかと。
まあ、真相がどっちでも、そんなにこだわることもないんですが(笑)

何を歌ってもOKという2010年2月~9月の時期の歌唱は
もう期待しようもないのですが
それでも、細かいところで聴きどころの多い歌唱は
なかなか他の歌手では味わえないわけで
その意味で
私も”来るべき日”を待ち望んでいます。

さんのコメント...

コメントありがとうございます。

このライブ全体に云えることかと思いますけど、
黒い服(昼の部)の方が、白い服(夜の部)よりもデキが良いように感じます。
それまでの彼女だったら、後の方が調子が上がってくることが多かったので、
やはりブランクの影響かと思いました。

上手くいったからにしても、いかなかったからにしても、
思い入れなど有りそうも無いこの曲を、何故、2回も歌ったのか不思議です。
正直、似合ってないしw

Redでないほうが、何だったのかも気になります。
まさか「あなたに逢いたくて」だったりして。
って云うか、そもそも、なんで松田聖子を歌う気になったんでしょうか。
それが、最大の謎ですね。