2020年3月8日日曜日

松浦亜弥「ダブルレインボウ」その2 ~描かれなかったもう1つの虹~

ダブルレインボウは、二重の虹が現れる現象です。滅多に見られない現象ですが、最近は、皆さん見つけるとすぐに写真をアップしますんで、ネットで検索すると思いのほか出てきます。内側の普通の虹が主虹で、外側の虹を副虹というそうです。副虹は、下が赤、上が紫と、色の順番が逆になっているのが特徴とのことです。


ところが、松浦亜弥さんのアルバムのジャケット写真は、ダブルレインボウではありません。それから、松浦亜弥さんは首にレイをかけています。ダブルレインボウはハワイでは幸福のサインだそうですから、ダブルレインボウ→ハワイ→レイと安易に連想したのでしょう。しかし、肝心の楽曲は、南の島の明るいイメージなど皆無であります。

まあ、その辺りが、当時の松浦亜弥さんサイドの雑な商売というか、ツッコミどころと云えましょう。


と、思っていたのですが、先日TKLYIMさんから頂いた投稿によると・・・
タイトル「ダブル レインボウ」とは、アイドルと本格歌手の間に立った松浦亜弥の二輪を具現化したものであり、楽曲「ダブル レインボウ」とは、1つ目の虹(アイドル)を完成させ、2つ目の虹(本格アイドル歌手)を作り上げるための曲。
とありました。なるほどです。

つまり、ジャケットの虹は完成されたアイドルとしての活動を表し、写っている松浦亜弥さんは、新たな虹を架けようとする決意の姿になります。

確かに、ジャケットにダブルレインボウを使いたければ、写真を探し出したり、無ければ合成しちゃえば良いわけで、ここは、あえて、シングルレインボウの写真を使ったのでしょうか。それに再出発を誓う場は、東欧でもハワイでも構わないわけですからね。

さて、コンサートツアー「ダブルレインボウ」の特徴の1つが、アイドル曲とニューアルバムの楽曲を同等に扱っているセットリストです。ライブの主な構成曲がニューアルバムの楽曲から成っていることは当然ですが、驚くべきは、その間を埋めている楽曲のほとんどが、初期のアイドル曲であることです。「ドッキドキLoveメール」「トロピカール恋してーる」「ラブ涙色」「100回のKiss」「桃色片想い」「めっちゃホリデー」。デビューからの6曲までが全て入っています。それもフルコーラスで。こんなことは、2003年までのバリバリのアイドルコンサートをしていた時以来のことです。

「めっちゃホリデー」をちゃんと歌っている最後のテイクですね。


ライブレポートに当時のMCの抜粋が投稿されてました。「今、歌うのが楽しい。歌詞を見返すと、昔は分からなかった新しい発見がある。」「デビュー3、4年目の頃は、「めちゃホリ」を歌うのに飽きてました。1年356日で、365回以上歌ってるんじゃないかってくらい歌ってたし。」

こちらは、タイトル曲「ダブルレインボウ」。


このビジュアルで、この歌唱力。やはり「ダブルレインボウ」に外れ無しですね。

タイトル名に込められた想いを考えた時に、この曲をセットリストに組み込まずアンコールで歌った意味が分かったような気がします。

この2つのテイクが、同じライブで披露されたことは、正に奇跡であり、2007年という年が、松浦亜弥さんの画期であったことは確かなようです。

しかし、この2007年を境に、第1の虹は少しずつ色褪せていきます。「アヤまる」さんによると・・・
2008年には、大人が子供を演じている感じがして、
2009年になると、もはや「あやや」のパロディ。
とありました。なるほどです。

この後、歌うことはあっても、第1の虹は、ファンサービス化、ネタ化していきます。そして、2つ目の虹を納得できる形で描けないまま、1つ目の虹も輝きを失っていくのです。
          
さて、ご存じの通り、虹は空中の水滴に太陽光線が屈折反射して起きる現象ですが、この時、水滴内で2回反射すると副虹ができるそうです。調べていて分かったんですけど、副虹ができる条件と云うのは、それほど厳しいものでは無く、水滴がある程度上方に広がっていれば普通にできるんですよね。つまり、虹はかなりの確率でダブルレインボウになっている。ただ、水滴内で2回反射している分、光は弱くなりますから、条件に恵まれてなければ見えないわけです。

外側の虹は、「存在していても気付かれない」ことが多い。

松浦亜弥さんの2007年以降の活動と、「ダブルレインボウ」というタイトル名に不思議な因縁を感じざるを得ませんです。

4 件のコメント:

アヤまる さんのコメント...

実物にお目にかかったこともない新参者の感想をご紹介いただき恐縮です。

私は2008-9年辺りから亜弥さんにハマってその後若い時代にさかのぼって行ったんですが、最初は外見的な変化の激しさに戸惑いました。
どうも同じ人物とは思えないほど外見が変わって、それもメイクやヘアで変えているというわけではなく、比較的薄化粧で無造作にしているのに全く違って見えるという不思議。

たとえばマニアックライブの1-5なんか音を消して見せたら同一人物と気づく人の方が少ないかもしれません。

そしてこれだけ変わったのにどれも可愛くて魅力的というところがまたすごい。

次にお目にかかるときは、どんなお顔かお姿か、そっちも密かな楽しみです。

さんのコメント...

実物にお目にかかったこともない新参者というのは僕も同じでございます。
新しくファンになる人たちは、皆そうなりますよね。
歴史上の人物みたいなものですから。

松浦亜弥さんの外見については、仰るとおりに思います。
マニアックの時代もそうですし、アイドルの時代の五年間でも別人みたいに思えるときがあります。

そういえば、「チビあやや」ちゃんの御入学は、来年でしたっけ?
その時は、「週間女性」さんが、スクープしてくれるお約束なのかもです。

TKLYIM さんのコメント...

亜弥さん結婚後に応援しだした社会に出たての若造の意見で、亜弥さんの事を知る人・思い出す人が1人でもいれば嬉しい限りです。

最後に、虹は条件さえ揃えばどこにでも現れます。それは、副虹も同じこと。
現れる副虹が2007年と全く同じかは分かりませんが、もう一度現れた時、副虹は主虹を超える輝きを放ち、やがて新しい時代の主虹となっていくでしょう。
もし、再び現れることがなかったとしても、2000年から2013年にかけて現れた2つの虹は、人々の心とネットの世界に一生残り続けます。

私は、前者を願っていますが、後者を否定せず受け入れた上で、気長に待ち続けたいと思っています。
今後とも、よろしくお願い致します。

さんのコメント...

主虹の上に副虹を架けることが、成功への王道だったはずなんでけど、
主虹を消して、新たに虹を架け直そうとしちゃったんですよね。

それでも、地味に商売していけば、輝きも徐々に増していったと思うんですけど、
結局、アイドル時代の殿様商売から、抜けきれなかったのが、続かなかった理由に思います。
もちろん、病気のこともあるでしょうけど。

僕らは、虹が出現する条件が揃うのを待つしかありませんが・・・って、そんなに、難しい条件じゃ無いはずなんだけどなぁ。