2019年7月5日金曜日

ドリームオンアイスin新横浜 その1 ~ロシア三人娘「シェルバコワ」に魅了されるの巻~

フィギュアスケートのアイスショー「ドリームオンアイス」に行ってきました。

フィギュアスケートの聖地「新横浜スケートセンター」は、コンパクトな専用リンクでした。特設リンクと違って、専用リンクは寒いと聞いてましたけど、予想を上回る寒さ。念のためにと持っていったウインドブレーカーが大活躍。真冬の服装でもOKなくらいでしたよ。

本当にコンパクトな会場ですので、最後列の席でも十分近いです。新横浜は、安い席から埋まるってネット情報にありましたけど納得です。僕はスタンド席の前から4列目(でも4列しかないので最後列)で、料金的には下から2番目の席でした。でも、テレビカメラが近くにあって、普段テレビで見ているようなアングルで全体を見渡すことができて、かなりの良席でしたよ。
リンクの氷の上にも床を作って、パイプ椅子を並べていました。アリーナ席ってことのようです。ここは、目の前に選手がいる感じでしょうけど、足元が氷ですから高いお金を払って寒い思いをしなければなりません。

会場の作りの関係で、リンクは狭いですし壁も無くって、いきなり観客が座っていますから、加速を間違えれば観客席に飛び込んでしまいます。しかも、暗い照明の中でスポットライトを浴びて演技するわけですから、滑り難そうだな、なんて余計な心配をしてしまいました。

ドリーム・オン・アイス(DOI)~日本代表エキシビション~は、幕張メッセなどで開催されたファンタジー・オン・アイスと違ってショー的演出はありません。全日本代表となった若手のスケーターが、新シーズンにむけてのプログラムをお披露目する場であります。代表選手が順番に出てきて演技をするだけですけど、余計な演出がない分スケートそのものを楽しめますし、勉強にもなりました。ただ、演技そのものは、さらなるブラッシュアップが必要なものが多かったですね。(シーズン前ですから致し方ありませんが)

DOIでは、ゲストスケーターとして世界のトップアスリートを招待しています。まあ、どちらかというと、そっちの方がメインになってしまっている感もあります。今回は、フランス代表ペアのバネッサ・モーガン組、アメリカのネーサン・チェン選手、ロシアのザギトワ選手らが招待されていました。凄いメンバーでしょ。

一方、日本勢は若手中心ですから、羽生選手や宇野選手、宮原選手などは出ていません。(何故か田中刑事選手は出てきました)羽生選手が出場しないので、チケットは簡単に手に入ります。僕は、一般販売でしたけど、当日券もありました。小さな会場なのに、お客の入りは9割程度。羽生選手が出るアイスショーは、幕張メッセみたいな大箱でやっても高倍率抽選ですからね。彼が出るか出ないかで、テレビの視聴率も全然違うみたいです。

3日間で4公演。僕が観たのは土曜日の夜公演です。若手中心の第一部が60分、30分の休憩を挟んで、シニア中心の第2部が60分でした。

で、その第一部のラストに出てきたのが、今回取り上げさせていただく、ロシアの女の子たちでした。今シーズンからシニアデビューする「アリョーナ・コストルナヤ」「アレクサンドラ・トルソワ」「アンナ・シェルバコワ」の三人です。


ロシア選手権では、ザギトワたちを抑えて、このジュニアの三人が表彰台を独占しました。今シーズン最も注目されている三人を揃って観られるなんて、滅多に無いことと思います。

で、この子たち、写真の通りで、フランス人形のように可愛かったですよ。リンクサイドに3人並んでお喋り(ロシア語で)している時なんて、本当に可愛らしくって、世界最強のアスリートになんか全然見えませんです。

最初に登場したのは「アリョーナ・コストルナヤ」選手でした。右側の子になります。昨シーズンのジュニアグランプリファイナルでは、出場選手6人中5人がロシア勢。大混戦を制したのが彼女でした。コストルナヤは4回転こそ跳ばないものの、表現力に定評のある選手です。
この日は、昨シーズンのエキシビションを披露してくれました。マントを着ての登場でしたよ。メモによるとこの日跳んだジャンプは2つで、3サルコウと3フリップ(ルッツかも)となっています。

二人目は、世界が注目する4回転ジャンパーの「アレクサンドラ・トルソワ」でした。左側の子で、昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンです。
この日は、昨シーズンのショートプログラムを演じてくれました。メモによるとジャンプ構成は、①2A ②3F ③3Lz+3Tとなっています。動画を見てみると、試合では3番目の連続ジャンプが3Lz+3Loとなるようです。あと、ちょびっとだけですけど、得意技のクリムキン・イーグルも披露してくれました。
今シーズンのフリーでは、4回転ジャンプを複数回入れた最高難度のプログラムを披露してくれると思います。ノーミスで演技されたら、もう誰も追いつくことはできません。
今シーズン、紀平梨花選手が執拗に4回転にこだわるのは、彼女の存在に脅威を感じているからだと思います。

そして、最後に登場したのが「アンナ・シェルバコワ」でした。世界ジュニアでは、トルソワに次いで2位でしたけど、続くロシア選手権で優勝したのは彼女でした。写真では真ん中にいる子です。 
演じてくれたのは、昨シーズンのSP。ジャンプ構成は、トルソワと同じです。というのも、3Aを跳ばない場合は、この組み合わせが最高難度だからです。

僕的には、3人の中では、この子が1番でした。っていうか、この日に見た全ての演技の中で1番だったと思います。

参考までに、4月に行われたイタリア・ボローニャのアイスショーの動画を貼り付けさせていただきます。新横浜でもこんな雰囲気でしたよ。


素敵な演技でしょ。これを生で見たんですよ。
動画では3回目のジャンプが単独になっていますけど、新横浜では、きっちりコンビネーションを決めましたからね。デキは、この動画よりも上だったってことになります。
紀平梨花選手と同様に、ずっと見ていたいと思わせてくれる演技です。

動画や写真からは、体つきがかなり華奢な印象を受けますけど、実際見た感じでは、体の線もしっかりしていて、弱々しさとかは全然感じなかったです。

兎に角、可愛いだけじゃなくって、スケーティングが美しいんですよね。最初の2アクセルなんて、全く構えが無くって、いつの間にか跳んでるって感じでしょ。ただ滑っているだけという場面が全く無いし、スピンもステップも美しい。正に正統派のフィギュアスケーターです。「氷上のバレリーナ」と呼ばせていただきましょう。

彼女は、4回転ルッツっていう、羽生君や宇野君も実戦投入していない高難度の4回転ジャンプを成功させたことが話題になりましたけど、彼女のスケーティングには、そんなジャンプなんてどうでもイイって思わせるだけのものがあります。
確かに、技術面だけを取り上げればトルソワの方が上かもしれません。ロシア選手権の動画などを見ると、アンチさんの指摘どおり、4回転ジャンプでのプレローテーションなども気にはなります。けど、スピンや表現力などのトータルバランスでは、彼女が最強だと思います。


アンチさんたちによると、ロシアの選手は、子ども体型を維持できる16歳までがピークだろうと云われてきました。所詮、紀平梨花ちゃんの敵では無いとも。実際、無理なダイエットの結果、栄養障害に陥ってしまう例が少なからずありましたし、ラジオノアとか、リプニツカヤなど18才くらいでみんな引退してしまいましたからね。ただ、最近のトゥクタミシェワの復活や、メドベージェワやザギトワの活躍などを見ていると、状況が変ってきているように思います。


何より、僕が惹かれたのは、彼女の演技の内に15才らしさを感じたからです。よく、15才に見えないとか、15才らしからぬっていう云い方をするときがあります。それはそれで褒め言葉なんでしょうけど、彼女の魅力は、大人の真似じゃなくって、表現すべきモノを既に彼女自身がもってるところにあります。そして、それは、彼女が経験を重ねることによって進化していくものだと思います。

こんな写真もありましたよ。新横浜でのセレモニーで撮ったショットのようです。


で、彼女の演技が終わるか終わらないかのうちに、トイレダッシュが始まりました。皆さん冷えてますからね。会場のトイレの数が少ないので、女の人は大変です。隣のセブン・イレブンのトイレまでが大行列でしたよ。この時ばかりは、男で良かったなと思いましたです。

この続きは、近いうちにまた。

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