2019年7月13日土曜日

ドリーム・オン・アイス in 新横浜 その2 ~「紀平梨花」と国境なきフィギュア愛の現場~

30分間のトイレ休憩が終わると、いよいよシニア選手の登場です。

日本人選手で大きな声援がかかっていたのは「友野一希」君でした。こちらの世界では、なかなかの人気者のようです。フリーの演技(のショート・バージョン?)を披露してくれましたが、ジャンプが若干不安定な感じでした。リンクが狭いので滑りにくかったのかもしれませんけど、ロシアの女の子たちは、きっちり滑りきってましたからね。

彼ばかりではないんですけど、若手男子選手の状況は厳しいと思いました。エキシビションとかアイスショーでコケられると心配になってしまいます。

「田中刑事」さんは、新しいエキシビションを演じてくれました。「ジョジョの奇妙な冒険」が見られなかったのは残念でしたけど、新プログラムも力強い演技で良かったですよ。3回転ジャンプも格好良かったです。永遠の3番手というイメージの田中選手でしたけど、生演技を見させていただいて、好感度アップです。

フランス代表ペアの「ヴァネッサ・ジェームス&モルガン・シプレ」組は、黒人女性と白人男性のペアです。昨シーズンの世界選手権では、惜しくもメダルを逃しましたけど、グランプリ・ファイナルやヨーロッパ選手権で優勝しているトップ・アスリートさんです。
演目は、マイケル・ジャクソンのナンバーでした。スロー・ジャンプとデス・スパイラルは、それぞれ1回だけでしたけど、安心して見ていられるのが有り難いです。
フィギュアスケートのペアというと、女の子は、小さければ小さいほど演技しやすいわけですから、中国ペアのように親子みたいなペアが多いんですけど、彼女たちは大人のカップルって感じで、本当に格好良かったです。

「坂本花織」さんは、新しいショート・プログラムを披露してくれました。思ってた以上にオーラのある選手で、会場も一気に明るくなりました。ダイナミックな振り付けで、彼女らしさを存分に発揮できるプログラムだったと思います。ジャンプ構成は、①3F+3T ②2A ③3Lo(?)だと思います。2番目のダブル・アクセルがシングル・アクセルになってしまいました。これが試合だったら、1Aは0点ですからピンチなんですけど、これから滑り込んで安定度を増していくのだと思います。

次に登場したのは、昨年度大活躍の「ヴィンセント・ジョウ」選手。今回は、新SPを披露してくれたんですけど、スケートリンクが狭かったからでしょうか、なんとなく跳びにくそうで、ジャンプの精彩がイマイチ無かったように感じました。

 で、残り3人。僕はここで梨花ちゃんが出てくるのかと思いました。最後は、世界チャンピオンの2人なのかなって。そうしたら、ザキトワ選手が、出てきたんですよね。どうやら梨花ちゃんは、トリを務めるようです。

「ザギトワ」選手は、昨年度のSP、オペラ座の怪人を演じてくれました。余裕のファン・サービス、変らない安定感、限界説もなんのその、今シーズンもまだまだやってくれそうな予感です。ジャンプは、①3Lz  ②2A ③3Lz という風に見えました。もしかしたらどちらかのルッツがフリップだったのかもしれません。ただ、彼女のルッツは、助走してきて、跳ぶ直前に一度右側(左足のインサイドエッジ)に振るのが特徴なんで、見間違えないと思うんですけど、一瞬のことですから自信はありませんです。3番目のジャンプは、試合では連続ジャンプですけど、今回は単独ジャンプでした。最初から単独にするつもりだったのか、コンビネーションを跳ぼうとして跳べなかったのかは、分かりませんです。

トリ前は、世界チャンピオン「ネイサン・チェン」選手です。昨シーズンのフリー演技(のショートバージョン?)を披露してくれました。いきなりの4回転。一瞬のことで種類は分かりませんでしたけど、4回転であることは、瞬時に分かりましたよ。4回転ジャンプを生で見られるなんて最高でした。想像以上の回転スピードでした。ジャンプと云うのは、3回転も4回転も滞空時間はあまり変らないようです。っていうか、3回転だってすでにギリギリなわけで、そのうえで4回転を跳ぶためには、回転速度を上げるしかないわけですからね。跳んだ瞬間に、思わず「うわっ」って声が出てしまいましたよ。

全選手の全演技を通して、4回転ジャンプは、この1回だけでした。狭いリンクですから、助走スピードなんて全然確保できないと思うんですけど、それでも跳べてしまうんですから、さすがです。他の選手とはモノが違うと云うところでしょうか。彼の天下は、当分続きそうです。

で、いよいよ紀平梨花ちゃんの登場です。今シーズンのエキシビションを披露してくれました。

今回のジャンプ構成は、 ①2A ②3S+3T ③3F だと思います。サルコウからの連続ジャンプというのは、試合だとリカバリーで跳ぶくらいで、あまり披露することのないジャンプです。単独のサルコウにすることの多いエキシビションで、ここをコンビネーションにしたということは、調子が良かったのか、気分がノリノリだったかのどちらかだと思います。どんなジャンプにも、気分次第で3Tを付けられるという梨花ちゃんのポテンシャルの高さを表している構成に思います。

こちらは、韓国で開催されたアイスショーの動画です。こんな派手な紹介はありませんでしたけど、雰囲気的には、こんな感じでした。ただ、2番目のジャンプが単独になっていますから、新横浜の演技の方がレベル的には上だったと思います。


今回、最も楽しみにしていた梨花ちゃんの演技なんですけど、実は、思ったよりも感動しなかったんですよね。その理由の1つは、僕の期待値が高すぎちゃったと云うことです。で、もう1つは、今回のエキシビションの構成が、僕的にどうもイマイチだからです。
ダンスナンバーってことなんですけど、彼女の最大の魅力である、スケーティングの美しさが、全然伝わってこないんですよね。黒い衣装も可愛くないし。まあ、今のうちにいろいろなことに挑戦してみたいという気持ちは分かりますけど、彼女には、昨シーズンのSPみたいな楽曲が一番似合っていると思います。

でも、思い直してみると、今回出場してきた選手の中で、決めたプログラムをきっちり滑りきったのは、ロシアの女の子たちと、ネイサン・チェン選手と、梨花ちゃんと、あと他にいたかなぁって感じでしたから、やっぱり紀平梨花さんは、凄い女の子なんだなって思います。

今回のアイスショーに関連して、梨花ちゃんのインタビュー記事が出ていました。それによると、今シーズンのフリー演技では、4回転サルコウと2回のトリプル・アクセルを構成に入れることを公言したそうです。6月1日の投稿記事で、今シーズンのジャンプ構成を

①4S ②3A+2T ③3Lz+3T ④3Lz ⑤3A ⑥3F+1Eu+3S ⑦3Lo

と予想しましたけど、まさか本当に3アクセルを2つ入れてくるとは思いませんでした。まあ、目標は高くても良いんですけど、本当に出来るんかイナって思います。

なんか今シーズンも、決まればぶっちぎりで優勝。コケれば惨敗って1年になりそうです。

グランプリ・ファイナルと世界選手権。この2つの大会で、紀平梨花選手とアンナ・シェルバコワ選手が揃って表彰台に乗ってくれることが、今シーズンの僕の願いであります。

それから、フィギュア大好きおばさんたちのパワーにも圧倒されました。彼女たちは、日本・アメリカ・ロシアの3国の国旗を持参して、どの国の選手も同じように応援し、良い演技にはスタンディング・オベーションしてました。会場に揺れるたくさんのロシア国旗。あれは、日本のフィギュア大好きおばさんたちが振っているんです。

そうそう、僕の隣と、その隣に座っていたフィギュア大好きおばさんなんですけど、国籍問わず熱心に応援していながら、梨花ちゃんの演技だけ完全スルーだったんですよね。真央ちゃんファンにアンチ梨花ちゃんが多いって聞きますけど、あまりにも極端なのが可笑しかったです。

新横浜スケートセンターは、フィギュアスケートの聖地と云われるだけあって、とてもイイ感じの所でした。スケートリンクの他は、本当に何も無いんですけど、一番後ろの6,000円の席でも十分楽しめそうですから、また機会があったら訪れたいです。

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