2019年6月1日土曜日

「紀平梨花」新シーズンの3連続ジャンプの破壊力

国内最大のアイスショー「Fantasy on ICE」が始まりました。1ヶ月間、全国4会場で12公演とのことですから、アイドルのライブツアーもびっくりのスケジュールです。
ファンタジー・オン・アイスと云えば、出演者の顔ぶれが豪華なことで有名です。参戦したいのはヤマヤマなんですが、羽生君が出演するとあってチケットは大争奪戦となってましたし、地方公演は交通費もかかりますからね。

週末のスポーツニュースでは、羽生選手と「ToshI」さんとの共演を大きく取り上げていました。で、紀平梨花選手はと云うと、新シーズンのSPをお披露目したようです。


ジャンプの構成は、①2A ②3Lz ③3Fとなっています。

実際の試合では、最初の2Aが3Aになるはずです。(僕は2回転半のままでも十分だと思いますけど)あと、どちらかのジャンプに3Tを付けて、コンビネーションにするはずです。(こちらはルールですからね)昨シーズンは、フリップの方が連続ジャンプだったので、それでいくと、3番目が連続ジャンプということになります。連続ジャンプを最後にすれば、基礎点はちょびっと上がりますけど、失敗したときにリカバリーができなくなります。かといって、2番目のルッツをコンビネーションにすると、昨年度よりもほんのわずか、基礎点が下がってしまいます。まあ、結果的には、昨年と同じ構成になるのではないでしょうか。ジャンプを難しい順に上から3つ選んで跳んでるわけですから、変えようも無いですしね。

曲は、「Breakfast In Baghdad」で、衣装もガラッと変えてきました。スカートで無いことを嘆くファンもいるようです。彼女の最大の良さである、美しいスケーティングを生かすならば、もう少しゆったりと滑ってほしいところですが、昨シーズンのSPは完全に失敗癖がついていましたから、気分一新、180度変えてみたと云ったところでしょうか。

しかし、SPについて、1ヶ月前の段階では、何も決まってないみたいに云ってましたから、わずか2・3週間で作り上げてきたということになります。凄いですね。

もう1つ、コロラド合宿でのフリー演技の動画がアップされています。こちらの方が、ファンの期待値は高いみたいですね。全体的には、昨シーズンの「A Beautiful Storm」と同じような印象を受けます。「O Virtus Sapientae」という曲だそうです。


動画のファイル名が「Sneak Peakとなってましたけど、「Sneak Peekの間違いでしょうか。隠し撮りみたいな動画で、複数の映像をつなぎ合わせているようです。

冒頭は、宣言通りの4サルコウ。2番目は、3アクセルと2トゥループのコンビネーションになっていました。連続ジャンプにしているということは、後半にもう1回、単独の3アクセルを入れるつもりなんでしょう。

動画での最後のジャンプは、3ループのようですから、ここから予想されるジャンプ構成は次のようになります。

①4S ②3A+2T ③3Lz+3T ④3Lz ⑤3A ⑥3F+1Eu+3S ⑦3Lo

もし、完成すれば、前回のソチ・オリンピックの男子メダリスト並の構成ですね。もちろん、これは考えられる最高難度の構成です。3アクセルを2つ、しかも、1つは後半というのは、かなり厳しいと思いますから、実際の試合では、もう少し難易度を落としてくるかもしれません。

3アクセル+2トゥループと2アクセル+3トゥループの基礎点の差は、1.8点しかありませんから、何が何でも3アクセルを2つ入れる必要は無いと思いますし、ショートプログラムでの得点差とかを考えて、構成を変更していくという戦い方もありますけど、それじゃあ梨花ちゃんらしくないですからねぇ。

で、最も注目すべきは、3フリップ+1オイラー+3サルコウのコンビネーション・ジャンプを練習しているところですね。オイラー(ハーフループ)を挟んでの3連続ジャンプは、全日本選手権の時に、リカバリーで3Lz+1Eu+2Sを跳びましたけど、正式に投入するのは、ジュニア時代を通しても初めてだと思います。

従来の+2T+2Loの3連続ジャンプと比べて、基礎点で2点ほどアップさせることができますし、終盤にもっていくと、得点も1.1倍になります。
でも、そんなこと以上に、この3連続は、とにかく格好良いです。女子選手で、3連続ジャンプの中に3回転を2つ入れるというのは、凄いことですし、プログラム後半で決めることができれば、8回裏のダメ押しホームランって感じで、盛り上がること間違い無しでしょう。

オイラーを挟んでの3連続ジャンプをまとめた動画がありました。


イマイチな選手は、2番目のオイラーが「おっとっと」って、着地が乱れているように見えてしまいます。これを、ちゃんとした繋ぎのジャンプに見せるというのは意外と難しいみたいです。で、この動画・・・全日本の男子よりも、ロシアの女の子たちの方が基礎点が高いジャンプを跳んでいるのがお分かりいただけたでしょうか。

では、改めて、梨花ちゃんの3連続ジャンプを見てみましょう。2分35秒からです。


なかなかの安定感ですね。さらに完成度を高めて、振り付けの中に溶け込ませていけば、最高のプログラムになるかと思います。実戦での投入が楽しみです。

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