2018年6月30日土曜日

まだ戦後は終わっていないと云う沖縄の地で、「島唄」を歌う「丸山純奈」が、あまりにも無邪気だった話

四国最大のロックフェス「モンバス」のタイムテーブルが発表されました。
「POLU」は、アコースティックステージ「茶堂」で、
初日のトップバッターでの出演とのことです。

サブステージだとは思っていましたけど、まさかの「茶堂」・・・意外です。
先日、このブログで、どうせ歌うなら「茶堂」が良いなんて書きましたけど、
本当にそうなるとは思ってもいませんでしたからね。
で、その時に、「竹原ピストル」さんの次がイイ、なんて云いましたが、
なんと「竹原ピストル」さん、今年はメインステージでのライブとのことです。
さすが紅白歌合戦に出場すると違いますね。


で、丸山純奈さんが2泊3日の沖縄での営業から戻ってきたようです。

宮古島でのロックフェスでは、金曜日の前夜祭と土曜日にサブステージでのライブ。
日曜日には、本島に移動して、イオンモール沖縄ライカムでミニライブをしたとありました。

宮古島の方は、写真はたくさん上がっているのですが、動画はほとんど無くって、
ツイッターに動画が上がっているのは、イオンモールの方です。

これって、やっていいのか分かりませんけど、リンクをはらせていただきます。

  ヒカリの愉快な仲間たち


まず、配信デビュー曲「ドラマ」
続けて、沖縄と云うことで「THE BOOM」の「島唄」
最後に、クリス・ハートさんのカバーである「I Love You」となっています。

「ドラマ」と「I Love You」については、本当に安心して聴いていられます。
どこでどんな状況でも、それなりに歌いこなせるというのは、
プロの歌手として、また一歩成長したのだなと、嬉しく思います。

「I Love You」では、サビのところで 、今まで「届いてーますか」と歌っていたのを
「届いていますか」と「い」を意識して歌うように修正しています。
このことで、サビに力強さが加わりました。
教えてもらったのか、自分で考えたのか分かりませんけど、
こういう進化を感じることができるのも、
動画をアップしてくださったファンの方のおかげであります。

MCは相変わらずの純奈節炸裂だったようです。
「音楽チャンプ」に出演したのを、「いつか忘れたけど」って、まだ、半年前のことですよ。

で、今回の注目は、なんと云っても「島唄」を披露してくれたことです。
以前から、彼女の発声は、奄美民謡の雰囲気があるなどと云われていましたから、
お似合いの選曲に思います。
歌うときに、足元をちらちら見ているのは、そこに歌詞カードでも置いてあるからでしょう。

実は、彼女のツイッターに「涙そうそう」を練習している動画が公開されていたので、
僕は、てっきり「涙そうそう」を、この沖縄のライブで披露するのだとばかり思っていました。

楽曲を制作した「THE BOOM」は、この歌のイメージが、あまりにも強いので、
沖縄出身と思われがちですが、彼らはは山梨県人であります。
この歌が太平洋戦争の沖縄戦を描写したものであることは、ご存じの方も多いかと思います。

そして、6月23日は「沖縄慰霊の日」でした。

追悼式典では、沖縄の中学3年生の女の子が慰霊の作文を朗読し、
翌日には、徳島の中学3年生の女の子が「島唄」を歌う、というのも感慨深いモノがありますが、
まあ、純奈さんが、この歌詞の意味をどれくらい理解し、
聴き手に伝えようとしていたかは未知数であります。
と云うのも、笑顔で歌っている姿を見ていると、
彼女は、沖縄の美しい自然情景を歌い上げただけで、
もしかしたら、よくある「ラブソング」の1つと捉えているに過ぎないのではないか、
そんな気がしてくるからです。

彼女にとって、沖縄戦なんてのは、自分の人生の何倍もの昔の出来事なわけで、
ましてや、彼女は内地の中学生です。
そんな子に沖縄戦に思いを馳せろなんてのは、到底無理な話に思えます。
もし「私、思いを馳せてます」なんて云う子がいたら、
そんなのは大人に良く思われたいだけの欺瞞にすぎません。

それにしても、何故「涙そうそう」にしなかったのでしょうか。
ただ単に、沖縄に因んだ歌を歌うと云うのであれば、
沖縄出身の「BEGIN」の作品で、歌詞だって無難な内容の「涙そうそう」という選択肢も
十分にありだったはずです。
歌うのが「慰霊の日」の翌日ということを考えると「島唄」は、扱いにくい楽曲です。
それを承知で、あえて挑戦したというのであれば、それはそれで評価しますが、
そういうことに、無頓着であったようにも、思えてしまうんです。

彼女は、「島唄」を歌う前に、この歌のことを「沖縄に因んだ曲」としか云いませんでした。
それ以上のことを教えてもらってないのか、教えてもらったけど忘れてしまったのか、
いずれにしても、余計なことを云わなかったのは、大正解だと思います。

彼女は、「島唄」を沖縄の地で、しかも慰霊の日の翌日に、
普通のラブソングのように、可愛らしく歌い切ってしまいました。
そんな彼女の歌を聴いて、沖縄って良い所だなあと思うのも、
沖縄戦の惨状に涙するのも、慰霊の日を冒涜していると怒るのも、
全ては、聴き手に委ねられているのです。

無知では伝えることはできません。
しかし、無知であるからこそ、伝わることもあるわけで、
「純粋に、ただ歌うだけ」という彼女の魅力を再認識することができたのが、
この「島唄」なのです。

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