一方、ボーカロイドだけの演奏も3曲ほどありましたが、面白いことに全てが鏡音リン・レンの曲で、こちらはいつものライブのノリでしたよ。
今回のセットリストの中で印象に残っているのは、何と云っても「南部牛追い歌」です。鼓童のお姉さんがソロで歌を披露してくれたんですけど、途中から初音ミクとのデュエットになりました。人間とボーカロイドの歌の共演。これこそ、僕が待ち望んでいた演奏で、こういうことが、もっと自然に、広く演奏されるようになってくれれば嬉しい限りです。この一曲が、今回のライブにおける最大の収穫だったと云えます。
でも、「ビバハピ」を演奏したときは、ビックリしました。何が凄いかって・・・。ボカロファンには有名な曲ですけど、知らない人も多いと思うので、貼り付けさせていただきますね。
この曲を和太鼓と合わせたら、どうなるか想像できますでしょうか。まあ、何事も、挑戦することは大切ですけど。
で、さらに凄かったのは、「初音ミクの激唱」です。
初音ミクの単独ライブでさえ、こんな感じなのに、これに和太鼓の音が、もろに被さってくるんですよ。最後の方なんて、何が何だか全然分からなくって、いろいろな音がNHKホールにわんわん響き渡ってました。もう、現代音楽など超越して、もはやカオス。笑うしかありません。
ただ、ライブレポートには、この曲で「感動した」とか、「凄く盛り上がりました」とか書き込まれていましたので、新人類(ニュータイプ)の人たちは。こういう音楽をちゃんと聞き分けることができるのでしょうね。
「ハジメテノオト」とか「桜の雨」の時は、和太鼓の音も控えめで、初音ミクの歌もちゃんと聞こえていたので、少しほっとしました。鼓童さんには、申し訳ありませんでしたけど。
それから、「千本桜」の時は、不思議と合っていたんですよ。僕にもちゃんと聞こえてきました。どうやら、和太鼓には和太鼓独特の音階があって、それが千本桜に合っていたのかと思います。って云うか、ただ単に、千本桜=和風という先入観に影響されていただけかもしれません。
伝統的な和太鼓と、近未来的なボーカロイド、日本が誇る2つの芸術文化を融合させようと云う試みが、成功していたのかどうか、僕には分かりません。
ただ、これは、初音ミクだからどうと云う話ではないように思います。安室奈美恵さんだって、松浦亜弥さんだって、和太鼓の伴奏でライブができるとも思えません。
そもそも和太鼓という楽器を、伴奏用として使うことが正しかったのでしょうか。だとすれば、人間では無い初音ミクだから、つまり、初音ミクの楽器としての側面で、かろうじてライブを成立させていたのでは無いか、なんて考えてしまいました。
まあ、いずれの演奏も、BS放送の時は、音声を調節してくれるでしょうから、NHK的には問題ないかと思います。せっかく、ハイビジョン4Kで放送してくれるって云うのですから、旧人類である、おじさんは、参戦するよりもテレビで見てた方が良かったかもしれません。
しかし、それでは、和太鼓が伴奏用の打楽器として、つまり単なる脇役として使われていただけになってしまい、今回のライブの主旨とは云えません。
やはり、初音ミクと鼓童が対等にパフォーマンスすることによって、生じるカオスこそが、今回のライブの本質だったのではないかと思います。・・・・おじさんにはキツいことでしたけど・・・・。
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