最初に、お手本としてCD音源を貼りつけさせていただきます。1963年に発表されたそうですから、50年以上前なんですが、全然古さを感じませんね。
当時は、高度経済成長期で、日本人は、「働き蜂だ」なんて世界から云われていた頃でした。フランス人は「バカンス」といって何ヶ月も夏休みがあるんだ、なんて子どもの時に聞いて、その間、誰が代わりに仕事をするんだろうって、子ども心に、心配しちゃいましたよ。
で、思ったよりも、濃い歌い方だったんですね。すごく大人っぽいです。今のタレントさんは、実年齢より若く見せたいという感じですけど、当時は、早く大人なりたいという時代だったと思います。18歳くらいでデビューする歌手もできるだけ大人っぽく、大人っぽくって云う感じでしたから。
2つめは、辻・加護コンビによるテイクです。
2004年のテイクのようですね。辻・加護が、最後に輝いていた頃かも知れません。ザ・ピーナッツは、一卵性双生児でしたけど、彼女たちは、一卵性他人と云われていて、見た目も声質も合ってましたから、この曲をカバーすると云う決断はヒットだったと思います。
オタクってのは、どんな曲でも前奏が流れると「オイ!オイ!」ってコールしちゃうんですね。でも、なかなか良いカバーだと思いますよ。ザ・ピーナッツは、リリース当時、22歳でしょうか、一方、彼女たちは、17歳。原曲もしっかりリスペクトしているし、彼女たちの可愛らしさも出ているし、原曲との距離感がちょうど良いですね。
次は、ボーカロイドカバーです。鏡音リンと初音ミクによるデュオですね。主旋律はリンが担当しているようです。
投稿が2008年1月4日とありました。ザ・ピーナッツのカバーというよりは、Wのカバーをさらにカバーしている感じですね。
鏡音リンの発売日が2007年12月27日ですから、発売から1週間後の投稿になります。正月休みを全て費やして調教したのでしょうか。それにしても、出来すぎと云える作品だと思います。最初聞いたときは、こっそり人間が歌っているのだと思いましたよ。
デモ作品なんですかね。鏡音リンのカバー作品としては、トップレベル。最高レベルの作品が、発売1週間で出てしまったことになります。
では、4つ目、今度は、ロシア語カバーになります。動画のアップ主さんのコメントを引用させていただきます。
【当時のソビエト連邦国家テレビラジオ委員会(ゴステレラジオ:国営放送局)のヴラジーミル・ツヴェートフ東京特派員が本曲を気に入り、ソビエト連邦本国に持ち込み積極的に展開、ニーナ・パンテレーエワが1965年に"Каникулы любви"のタイトルで大ヒットさせた。ロシア人の中にはこの曲が日本で作られた曲であることを知らない者さえ居る程、現在のロシアでも世代を超えた有名曲となっている。】
・・・だそうです。
YouTubeでも、やたらとロシア語のコメントが多かったのはこういう事情があったからなんですね。1965年なんて冷戦真っ只中なんですが、当時、こんなことがあったなんてびっくりいたしました。
最後に日本語で歌っているんですね。ロシアでも、たくさんの歌手にカバーされながら、現在でも、歌い継がれているようです。でも、だいぶ歌詞の内容が変わっているようです。他の曲でも良くあることですが、別の歌詞に書き換えられて海外でヒットした場合、作詞家の心境ってどうなんでしょうかね。音楽は世界共通ですが、それは、あくまでもメロディーのことで、そのメロディーにのせたい想いっていうのは、各民族それぞれと云うことなんでしょうか。
最後は、再び、御本家のテイクでお終いにします。1975年とありますから、芸能界引退の時の映像みたいです。お姉様が沢田研二氏と結婚されたのは、この翌年になります。
現在でも、カラオケの定番になっている「恋のバカンス」。覚えやすくて、歌いやすくて、デュエットだから、一人じゃ恥ずかしいから2人で歌おうって感じでカラオケ向きだし。
ザ・ピーナッツは、40年も前に歌わなくなってしまいましたけど、忘れ去られてしまうことなく、こうやって、みんなで歌い継がれていくんでしょうね。
2 件のコメント:
ザ・ピーナッツ、「恋のバカンス」、うーん、いいですねえ。
思わずコメントを書きたくなりました。
ロシアバージョンは初めて見ました。
考えてみれば、どことなくロシアっぽい?適度の重たさが
感じられる曲調なので
ロシアで人気が出ても不思議ではないですね。
なんで”イルカ”を連発する歌詞になるのかは
よく分かりませんが(笑)
歌詞が違うものになって外国でヒットするというのは
どういう感じなんでしょうね。
外国でヒットすること自体は嬉しいことのようで
先日亡くなられた永六輔氏のエピソードですが
米国旅行中にレストランで「上を向いて歩こう」がかかったとき
思わず「この曲の歌詞はボクが書いたんだよ」と
周囲のアメリカ人にアピールしたそうです。
永さんとしては、米国では”普通の日本人”として扱われていたので
ちょっと驚かしてやろうという気分だったのでしょうが
残念なことに、周囲の誰にも信じてもらえなかったそうです。
多分、偽永六輔が出回っていたんでしょうねw
それはともかく
ザ・ピーナッツは全然古くないです。
昭和30年代の音楽なのに、これは素晴らしいことですね。
ロシア語カバーの話は、この記事を書くにあたり知りました。
辻・加護の動画などロシア語のコメントがびっしりなんですが、
まさか、辻・加護をザ・ピーナッツと間違えていたりしてw
ザ・ピーナッツのことを記事にしようって思ったとき、
「モスラ」とどっちにしようか、迷ったんですけど、
こっちにして、正解でしたね。
コメントを投稿