85歳で新作交響曲の発表だそうです。恐れ入ります。音楽家活動の集大成とのことですが、だからと云って、これで引退というわけでもなさそうです。芸術家は、亡くなるまで生涯現役なんですね。自分の現状を考えると、羨ましくも尊敬すべきことだと思います。
で、今回も初音ミクとのコラボとのことです。相変わらずの好奇心、新しい物好きなところも、大先生となられた今も一向に変わるのことがないようです。
前回、4年前に発表された「イーハトーヴ交響曲」はオペラだったんですが、今回は、バレエがテーマだそうです。
やはり、60歳でバレエを始めるなど、好奇心旺盛だった故「糸川英夫」大先生の「いつかフォログラフィーとバレエを踊りたい。」というむちゃ振りが、この作品が生まれるきっかけになったそうです。「初音ミクを指揮者に合わせて歌わせろ」と云った冨田先生といい、大先生方のむちゃ振りには驚かされますが、こう云う発想が技術を進歩させるのでしょう。
「音楽・バレエ・映像が渾然一体となった音楽・舞台作品」ということは、今回は、ディラッドボードに投影される初音ミクとバレエダンサーの共演という演出になると思います。クリプトン社のお手並み拝見といきましょうか。
11月11日(金)・12日(土)の2日間、東京・渋谷 Bunkamuraオーチャードホールで、S席10,000円。通常のクラッシックコンサートとも、初音ミクのライブとも違いますから、慌てなくともチケットは手に入るでしょう。クラシックコンサートなら、知っている曲をやってくれるし、予習もできるんですけど、交響曲の初演公演なんて始めなので戸惑ってしまいます。だけど、ライブみたいに、昼夜2回参戦なんてしませんから、東京見物を兼ねて、行ってみたい気持ちもあります。
あと、ペンライトとか長ネギの持ち込みは、どうなるんでしょうかww
そうそう、糸川英夫先生と云うと、むかーーし講演を聴いたことがあります。
糸川先生は東大で航空工学を専攻、戦争中は中島飛行機に入社し、帝国陸軍の戦闘機「隼」などの設計に、空力担当技師として関わりました。「隼」は、海軍の「零戦」とともに、太平洋戦争の主力戦闘機になりました。
戦後は、ロケット開発に熱中し、日本の宇宙開発の父と呼ばれています。
「隼」というと、小惑星探査機の「はやぶさ」くんが有名ですが、この探査機が向かった小惑星の名前が「イトカワ」だったんですよね。これらの命名は、偶然ではなく、意図的なもののようですから、それだけ糸川先生の業績が偉大だと云うことなんでしょう。
先日、X線観測衛星の「ひとみ」ちゃんが、運用中止に追い込まれ、310億円の宇宙ゴミと化してしまいました。衛星の姿勢制御のプログラムミスなどと云うのは、有り得ないことなんですけどね。まあ、テストで云えば、難しい応用問題にばかり気を取られて、始めの方の簡単な計算問題をミスったってことなんでしょう。糸川先生がご存命でしたら、そのお怒りはいかがなものかと・・・w
で、肝心の講演会なんですけど、内容は全然覚えてません。当時は、僕もまだ理系オタクを引きずっていた頃なんで、開発の裏話など期待して聴いていたんですけど、権力を手にした後の自慢話をノープランで取り留めなく話していただけでした。
糸川先生に関連する現代語・造語には、「逆転の発想」「不具合」という言葉があるそうです。
そうでした、ロケット開発に「不具合」は付きものでしたね。糸川先生も大量のゴミを出し続けていたことでしょう。ロケット開発など無駄なものと云う、当時の政治・官僚の思想の中で、糸川先生が夢を達成するためには、科学技術者だけでなく、自らも政治家という側面を持たざるを得なかったのでしょう。今だったら、糸川先生の講演会も、興味を持って聴くことができるような気がします。
「ドクター・コッペリウス」の公式ホームページのデザインは宇宙をイメージしたものになっています。1人の天才科学者の夢を音楽とバーチャルリアリティ技術で表現しようとする試みなんでしょう。
制御不能になった「ひとみ」ちゃんは、高度を徐々に落とし、数十年後には、綺麗な流れ星になるそうです。
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