2016年4月19日火曜日

中島美嘉「雪の華」を初音ミクが歌うと意外と泣けると云う話

 まずは、御本家のお手本からです。今回は、あえて、このテイクをセレクトさせていただきました。中島さんも最近は、だいぶ歌い方が変わってきているようですね。
 

 中島美嘉さんの「雪の華」というと、2005年の紅白を思い出します。この時は、トリの1つ前だったんですけど、だいぶ時間が押していたみたいで、慌ただしく出てきて、歌い終わってお辞儀をしている最中に、もう次の曲の前奏が始まっちゃったんですよ。僕は、特にファンというわけではなかったんですけど、これは可哀相だよって思いました。しかも、次の曲が北島サブちゃんの「風雪ながれ旅」で、もの凄い紙吹雪の演出、完全に持ってかれちゃったんですよ。次の日は、サブちゃんの話題で持ちきり。あまりにも扱いが違くって、唖然としてしまいましたw                                     
 では、初音ミクのテイクを貼り付けさせていただきますね。中島美嘉さんと、あまりにも対照的な、これぞボーカロイドという歌唱なんですよ。



 凄いでしょ。歌に全然感情が入っていないんですから。でも、僕、このテイク大好きなんですよ。何て云うのかなあ、子どもが、歌詞の意味なんて全然理解せずに、唯々、素直に歌っているような、一生懸命さが伝わってくるんですよね。スタンドマイクの前に直立して、振り付けなんてつけないで、ひたすら正面を向いて、丁寧に歌っている情景が浮かぶんです。
 不思議ですよね。歌に感情がこもっていないのにもかかわらず、何故か不思議と泣けてくるんですよ。
 
 もう1つ、こちらのテイクは、ボーカロイドの歌声に、感情を込めてみようって云う、試みのテイクです。


 さすが「melodylights」さんですね。特に高音の歌わせ方がとても綺麗に思います。ささやくように、それでいて高温を綺麗に響かせるって、なかなか人間じゃできませんからね。
 中島美嘉さんが、泣いているかのような雰囲気で歌っているんで、ついつい勘違いしてしまうんですけど、この曲って、もの凄く明るくって、可愛らしくって、前向きな詩なんですよね。だから、中島美嘉さんには、美嘉さんの「雪の華」があるように、初音ミクには、ミクの「雪の華」があっていいと思うんですよ。もちろん、ミクは自分で考えられませんから、ボカロpさんが詩を解釈して、ミクの特性を考えて、歌わせてあげるんですけど。

 「雪の華」は、たくさんのアーティストさんがカバーしていますけど、カバー対決ならば決して人間に負けてないと思います。歌っているのはコンピューターですけど、歌わせているのは人間。大切なのは、歌わせている人間がどれだけ、この曲に想いを持っているのか。それが実感できる2テイクじゃないのかなって思います。

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