2018年6月9日土曜日

「初音ミク×鼓童」スペシャルライブ参戦報告 前編 ~和太鼓の破壊力はバーチャルをも粉砕!?~

6時過ぎとは云え、まだ明るい渋谷の街を僕は歩いていた。相変わらず若者と外人でごった返している騒がしい街だ。
「渋谷」は、その名の通りの「谷」である。スクランブル交差点が渋谷の谷底にあたる。だから、交差点に立つと、ぐるりと周りにあるビルとネオンが覆い被さってくる。まるで、武道館のアリーナに立って、スタンド席を見上げてるみたいだ。この街が異様にハイテンションなのは、この地形のせいなのだ。って大発見したつもりでいたのだが、「ブラタモリ」でも云ってたかもしれない。

渋谷なんて馴染みの無い街に、こんな短期間で2度も来てしまったのは、「初音ミク×鼓童」のスペシャルライブに参戦するためだ。僕は、NHKホールに向かって坂道を登っていった。「NHKホール」・・・なんという文化的な響きだろう。

先月おじゃましたライブハウス「eggman」の前の信号をわたると、NHKホールが見えてきた。グッズ売り場をスルーして、入り口でチケットを提示する。チケットもぎりのお嬢さんからして、品格があるように思う。マジカルミライで行った幕張メッセのお姉さんとは明らかに違う(ゴメンナサイ)。

NHKホールのキャパは3500人。今では、ドームとかアリーナとかの大箱でライブをすることが普通になってきたから、たいしたことないように思うが、正規のコンサートホールとしては、日本屈指の大ホールなのだ。入ったときは、それほど大きく感じなかったのだが、とてつもなく高い天井と、遥か彼方の三階席を見たとき、その大きさを実感した。
今回ゲットしたのは、P席である。コンビニで発券してチケットの「P」って字を見たときは、A、B、C、・・・随分後ろだなあって思ったのだが、「P」はオーケストラピットの「P」だと分かった。まあ、端っこの方ではあるが、それでも前から3列目という、ライブ参戦史上最前席だ。
目の前には、テレビカメラを載せたトロッコのレールが敷かれていて、隅には、ケーブルさばきの兄ちゃんがつまらなそうにしゃがんでいる。今回は、ハイビジョン4Kの撮影も入っているらしい。

鼓童からは、9人のメンバーが参加してきていた。初音ミクのバックバンドは、今回4名だったから、出演者は13人の人間と、4体のバーチャルシンガーである。
ライブは、19時きっちりに始まって、終わったのは、21時ちょうど。機械のように正確なのは、初音ミクが機械だからだ。

観客は、基本的には、マジカルミライと同じような感じだったが、夜の部のためか、親子連れは1組くらいしか見なかった。中年夫婦みたいなカップルが多いのは、ファンの年齢が毎年上がっていくからで、当たり前のことなのに、初音ミクが永遠の16歳のせいで次第に違和感が出てきている。一緒に歳をとっていれば、初音ミクも26歳の立派な大人なのだ。観衆が中年男女でも、26歳のシンガーのライブだったら、全く問題ないだろうに。
僕の斜め前に、明らかに後期高齢者のお爺さんが一人で来ていた。鼓童のファンなのだろうか。これから始まるライブのことを思うと、大丈夫なのか心配になってしまったが、いざ始まると、控えめながらもペンライトを振っていたので、安心した。

今回のライブは、オリジナルペンライトが全員に支給されていた。それで鼓童と初音ミクが出ていて、NHKホールのS席7500円は安い、って云うか、マジカルミライの9000円がぼったくりなんだろう。
両手にペンライトを持っているのは、昼の部にも参戦した奴だろう。マジカルミライは、毎年SOLD OUTだが、このライブは、当日券も出ていたようだ。


鼓童の和太鼓から、ライブは始まった。すぐに初音ミクが出てきて、共演となったのだが、これがトンデモナイことだった。

僕の席は、端の方なので、片方のスピーカーの音ばかりが聞えてくる。それだけでも聞き取りにくいのに、それに鼓童の和太鼓から直に出てくる音が、もろに被さってきたのだ。鼓童の皆さんの鍛え上げられた腕っぷしで、力いっぱい叩かれた和太鼓の生音は、アンプで電気的に増幅された楽器音など、いとも簡単に粉砕してしまった。
テレビ放送やDVDの音は、PAによって調整されるから、問題なく聴くことができるのだろうが、和太鼓から直接ホールに聞えてくる音は、PAでは制御できない。初音ミクの歌が、和太鼓の音でかき消されてしまうという、予想もしない事態に戸惑うばかりである。
まあ、これは、僕の席でのことなので、中央の後ろの方だったら、もう少しちゃんと聴こえているかもしれない。前席の端というのが、完全に裏目に出てしまったということにしておこう。だとしても、ホール内の音のバランスは、崩壊していたことに変わりない。

まあ、NHKとしては、良い番組を作ることが、最優先の目的なのだろう。僕らは、いわゆるスタジオ見学の視聴者代表の扱いだったのだ。お笑い番組などで見られるように、演者は、誰かに見られている方がやりやすいと云う。僕らは、鼓童の皆さんが演奏しやすいよう呼ばれた観客なのだ。さらに、ホールに響くコールとか歓声とか、ペンライトを振る姿とかを撮影すれば、ライブの盛り上がりや臨場感を伝えることができるわけだし。って、だったら無料でも良くないか?

というわけで、ちゃんとPAを通した演奏を貼り付けさせていただきます。しつこいようですが、ホールでは、こんな風に聞えてませんでしたよ。


まあ、和太鼓の生音を侮ってはイケないということを思い知らされたわけである。

お終いに、テープ砲が発射されて、頭上から大量のテープが振ってきた。せっかくだから、2本ほど記念にもらうことにした。こういうのって、ただのキラキラテープだと思っていたのだが、ちゃんとライブ名が印字されている専用のテープだってことを初めて知った。それとも、NHKだからなのか。比べようも無いので分からないままである。


というわけで、まずは悪口をまとめて書かせていただきました。ライブには、もちろん良かったこともあったわけで、それについては、後編で。

0 件のコメント:

コメントを投稿