2016年12月17日土曜日

炭焼きレストラン「さわやか」

  「さわやか」は、静岡県限定のファミリーレストランです。大変繁盛しているお店ですが、静岡県内にしか店舗がありません。そして、一度でも「さわやか」に行くと、もう他の店には行けません。静岡県人は、みんな、自分の町に「さわやか」が開店してくれることを夢みています。新規開店の噂が流れると、みんなその話で持ちきりになります。我が町に来て欲しいお店のNo.1が「さわやか」です。ちなみに、2番は「スターバックス」です。

  「さわやか」については、最近メディアに取り上げられることが多いので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
 先日も、「秘密のケンミンSHOW」で、「相川七瀬」さんが、大阪出身にもかかわらず、「さわやか」のファンだと発言していました。また、「福山雅治」氏が、長崎出身にもかかわらず、仕事で静岡に行ったら必ず立ち寄ると、ラジオで発言して話題になったこともあります。どうやらミュージシャンと云われている方たちにファンが多いようです。

  「さわやか」は、ハンバーグがメインのファミリーレストランです。メニューの種類は多くありません。開業当初は、いろいろとあったようですが、みんなハンバーグばっかり頼むものですから、メニューを絞り込むようになったようです。値段は、ライス込みで1000円前後です。
 人気メニューの「げんこつハンバーグ」は、まん丸に焼かれたハンバーグを、バイトのお姉さんが、目の前で半分に切って、最後の仕上げ焼きをしてくれます。でも、こんなの「ビッグボーイ」とか「ブロンコビリー」でもやってますから、全然珍しいことではありません。
 肉は、オーストラリア産です。決して「何とか牛」みたいな銘柄品ではありません。だって、1000円ですから。

  「さわやか」は、ただのローカルなファミリーレストランです。でも、いつも混んでます。時間をずらしてもダメです。週末の待合室は、人で溢れていますが、バイトのお姉さんは、決して動じません。常に笑顔で余裕の接客です。まるで、ディズニーランドやUSJのクルーです。まあ、客を待たせるのに慣れきっているってことです。でも、バイトさんがテンパらないおかげで、みんな、イライラすることなくちゃんと待っています。それが静岡県民の気質と云えばそうなんですけど。
 ときどきヤンキーの兄ちゃんもやってきますけど、「40分待ちです」とか言われても「はーい」って言って、スマホをいじりながら温和しく待ってます。その隣では、孫を連れたジイさんバアさんが、その隣には、彼氏と彼女が座っています。週末で、1時間以内に呼ばれると「今日は早くて良かったね」なんて言ってます。
 座席予約なんて云う不公平なシステムはありません。食べたければ待つ、呼ばれたときにいなければ飛ばされる。それだけのことです。僕は、いつも文庫本を持っていきます。この前は、待合室にあった新聞を隅から隅まで全部読み終わった頃に呼ばれました。

 こんなふうに書くと、「馬鹿馬鹿しい、そんなところに絶対行かない」って思うかも知れませんけど、行けば必ずファンになると思います。週末の待合室が、何となくテーマパークの行列っぽい雰囲気を醸し出しているのは、多くのリピーターによって支えられている、そんな共通点があるからだと思います。

  「さわやか」には、ドリンクバーもサラダバーもありません。クーポン券も配りません。もちろん、食べ放題でもありません。
 ですから、ジュースが飲みたければ、注文してお金を払う。そうすれば、厨房で絞って持ってきてくれる。サラダが食べたければ注文してお金を払う。そうすれば、冷やしたお皿に綺麗に盛りつけて持ってきてくれる。
 ステーキも看板メニューのはずですけど、「さわやかステーキ」という1種類しかありません。部位はリブロースだそうです。ただのオーストラリア牛ですけど、自社工場で脂身を外して筋をちゃんと処理しています。店では、お兄ちゃんが炭火で丁寧に焼いてくれる。だから、ハズレがない。全部、美味しく食べられます。
 ハンバーグだって、クズ肉を使ったりしない。だから、他のファミレスのやつと見た目と値段が同じでも、食べると全然違う。ヤンキーの兄ちゃんだって、ちゃんと分かっているから、並んでも食べに来る。付け合わせのポテトは、生のジャガイモを半分に切って焼いたやつです。
 パフェもあるけど1種類だけ。いちごの季節はいちごのパフェ、メロンの季節はメロンのパフェ、ぶどうの季節はぶどうのパフェ。県内で採れた果物で作ってくれる。600円くらいだから、決して豪華ではないけれど、缶詰を使ったりしない。厨房で皮を剥かれた果物が乗ってくる。

 ファミレスといえども、料理と云うからには、食材(料)に手をかけて(理)客に出す物でなくてはならないはずです。最近は、どこのファミレスも差別化をしたいから、何処何処産のナントカみたいに、食材には、一応のこだわりを見せているけど、肝心の調理に関しては、どんどん効率化してしまっている。でも、ちゃんと調理すれば、特別肥育されたアンガス産の高級サーロインステーキよりも、普通のオーストラリア産リブロースの方が美味しく食べられるってことがあるんです。
 つまり、「さわやか」は、今流行の、高級な食材を効率化によって安く食べさせる店ではなくって、普通の食材を手をかけることによって美味しく食べさせてくれるファミレスなんです。

  「さわやか」は、店舗あたりの集客数は抜群に良いのですが、収益率は低いそうです。その原因は、かさんでいる人件費、「さわやか」が県外に出店しないのは、家賃の高い首都圏では、やっていけないからだと云われています。

 今月、30店舗目の「さわやか」が開店しました。県東部の「長泉町」と云うところです。隣接する「沼津市」には、未だに「さわやか」がありません。沼津市民20万人の落胆ぶりは、察するに余りあります。

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