2016年12月13日火曜日

「東ロボくん」東大合格断念に思う ~初音ミクが松浦亜弥を越える日~

  2011年から取り組まれてきた「ロボットの東大合格をめざすプロジェクト」ですが、先日、東大合格を断念したことが発表されました。国立情報学研究所の新井紀子教授によると「東ロボくんは高校生の8割より良い成績になったが、読解力に問題があり、上位1%以上になれないことが分かった。」からだそうです。

 初音ミクで云うと、ボーカロイドは、並みの歌手程度の歌唱力を身につけることには成功したが、「松浦亜弥」にはなれないことが分かった、ってところでしょうか。

 断念と云っても、東大には入れないというだけで、センター試験模試は、偏差値58だそうですから、国公立33大学、私立441大学で合格可能性80%以上を勝ち取ってはいるんですよ。少なくとも、僕がいた大学には入れると思いますし、「東ロボなんてダメだ」って言ってる奴らの大部分は、学生時代、東ロボくん以下の成績だったということになります。

 英語では、問題を解くためのデータベースを10億単語から500億単語に増やしたら、得点が15点伸びたそうですが、その後、1500億単語まで増やしても、それ以上、成績は伸びなかった、とありました。増やしたデータベースが余計な情報になって、正解を絞り込めなくなってしまうと云う、人間にもよくある「知りすぎて間違う」ってやつですね。
 さらに人工知能が囲碁の名人と対戦して話題になったディープ・ラーニングを導入すると、かえって成績が落ちたそうです。

 人工知能の研究は、人間が読解、つまり情報を処理しているバックには、膨大な知識や豊かな生活経験があるという仮説に基づいて進められてきたように思います。その一方で、人間は、たいした根拠も無いなか「何となく」って感覚だけで理解しているようにも思えます。
 文章の行間を読むとか、空気を読むとかって部分までもデータベース化して、気の遠くなるような情報量をバックに、課題を解決していこうという手法は、大きな壁にぶち当たってしまったようです。
 それから、「何となく」という部分については、「ディープ・ラーニング」によるアプローチが期待されていたのですが、こちらもあえなく玉砕してしまいました。

 物量作戦の限界が見えたことが、プロジェクト断念となったわけで、「読解力とは何か」、つまり、「人間が意味を理解するというのは如何なることか」という根本的な答えを得ない限り、先には進めないようです。

 これは、初音ミクについても同様だと思います。「人間が歌うとは如何なることか」って問題をスルーして、音素連鎖がどうとか、歌声調整がどうとかって、物理的に情報量を増やしていくだけでは、限界があるように思います。

 現状の初音ミクは、歌っているのでは無くって、音声を使って演奏しているに過ぎません。言葉を発しているように感じますから、擬人化してとらえてしまいますが、実はインストゥルメンタルなんですよね。自動演奏のピアノやオルゴールに近いと云えば良いでしょうか。
 もちろん、オルゴールの音色に感動することもあるように、初音ミクの歌声を聴いて、ああ良いなあって思うこともありますけど、本当の意味で「歌に感動した」ということには、なっていないということです。

 僕は、初音ミクが松浦亜弥になれる日の実現については、楽観的に考えていましたが、最後の一線を越えるのは、生易しいことではないみたいです。
 「歌うことは人間だけができることで、機械には無理」と考える人は多いと思います。しかし、そういう人たちは「ならば人が歌うとはどういうことなのか」という問に対して明確な解答を持っているのでしょうか。
 確かに現状では、初音ミクは限りなく人間に近づけたとしても、人間にたどり着くことはできないと思います。でも、それは、初音ミクが人間が造った機械だからでなく、人間が人間を理解できていないからだと思うんです。

 まあ、「東ロボ」君が、並みの受験生より成績が良いように、初音ミクに負けている人間の歌手もいるんじゃないかと思いますが。
 ってことで、これなら絶対に勝てるというテイクを紹介して今日はお終いにします。まずは、人間。次にボーカロイドですwww



 勝ってると思うんだけどなあw

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