2023年10月1日日曜日

「みんな空の下」covered 丸山純奈

丸山純奈さん(すーちゃん)の活動が再開したようだ。今年の春頃から、吉祥寺や新宿で(覆面?)路上ライブをしていたのは聞いていたが、今回は、事務所のホームページにライブの告知がちゃぁんと出ていたので、正式に再始動したと考えて良いだろう。


東京(新宿)には、路上ライブを専門とするYouTuberさんがいて、動画をアップしてくれている。便利な世の中になったものである。SNSがなければ、すーちゃんが活動を再開したことなど、僕は知る由もなかっただろう。


撮り手としては動画が回れば小遣い稼ぎにはなるだろうし、歌い手としても世に知らしめてもらえる。とは云え、さすがに事務所的にはNGだったようで、「オリジナル曲は歌わない」「名前を出さない」ということで活動していたらしい。事務所が寛大だったってことだろうか。

何だかんだ云っても、すーちゃんには知名度がある。再生数が稼げる素材と分かれば、いろいろな撮り手がアップするようになる。ライブの回数を重ねるごとに動画の数も増えてきた。面白いのは、同じライブなのに撮り手によって音質が全く異なることだ。何か補正でもかけているのだろうか。まあ、視聴させていただけるだけで良しとしよう。

というわけで、今回貼り付けたのは、こちらの動画。音質の良さでセレクトさせていただいた。後ろに見えるプラカードが歌舞伎町ならでわで面白い。

「みんな空の下/絢香 cover 丸山純奈|Kabukicho Music Live vol.9 2023.9.30」

「みんな空の下」と云えば、こんな動画もある。すーちゃんが中学2年生(13才)のときの歌唱だ。怖いもの知らずで、裏声に逃げることもなく、何でもかんでも声を張り上げて歌っていた頃である。

路上ライブの動画を聴いたときは、昔と同じような歌ばかりだったから変化を感じられなかったけど、比べて聴くとやっぱり違うんだなと思う。

POLUを解散してからの4年半、特にウダガワガールズコレクションをドタキャンしてからの1年と8ヶ月間に何が起こっていたのか、僕は知らない。歌唱がどのくらい進化したのかも、正直分からない。でも、彼女は、三度歌い始めた。ライブ終盤での、改めての自己紹介は感動モノだった。格好良すぎる。他に何を望むことがあろう。

今僕の記憶が正しければ、すーちゃんは、もうすぐ二十歳になるはずだ。大人になった丸山純奈さんは、どんな歌を聴かせてくれるのだろうか。

2023年3月19日日曜日

松本零士「男おいどん」「戦場まんがシリーズ」「ワダチ」

漫画家「松本零士」先生が逝去されました。訃報がマスコミ各社によって報道されたとき、氏の代表作として紹介されていた作品が「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」でした。

宇宙戦艦ヤマトは、僕が最も影響を受けたアニメですし、銀河鉄道についてはそれほどの思い入れはありませんが、氏の代表作とすることに異論はありません。ただ、ヤマトについて云えば、松本零士氏は、宇宙戦艦ヤマトのキャラクターデザインを担当しましたが、ヤマトの原作者ではありませんし、企画の中心人物でもありません。ヤマトの各キャラクターは確かに松本零士作ですが、物語の構成は全然松本零士っぽく無いですよね。

とは云っても、キャラクターあってのアニメーションですから、「ヤマト=松本零士」というイメージが、これからも残っていくのでしょう。それにしても、宇宙戦艦ヤマトって格好良すぎです。まあ、元になった旧帝国海軍の戦艦大和が理想的な船型だったってこともありますし、それに宇宙船としてのアレンジが程好くされていて、子どもだった僕は、一目で虜になってしまいました。

で、ヤマトは横に置いといて、僕が、松本作品の中で印象に残っている作品をあげるならば、「男おいどん」と「戦場まんがシリーズ」でしょうか。あと「ワダチ」も喜んで読んでました。

「ワダチ」は、世間的に無名ですし、それほど高い評価を受ける作品では無いかもしれませんが、日本中の建物を取り壊して瀬戸内海を埋め立てるとか、奇想天外なストーリーに、子どもだった僕は惹き付けられました。松本先品は、出てくるキャラクターが全部同じなので、いろんな話が記憶の中でこんがらがっていますが、印象に残っている場面は、新国連軍の攻撃から移民宇宙船を守るために、老い先短い老人たちが盾となって、対戦車ミサイルをぶっ放しているところとか、移民した「大地球」の木が意思を持ち歩き回っているとこでしょうか。終末思想にエヴァンゲリオンっぽさを感じるのは、僕だけでしょうか。そういえば、「浦沢直樹」氏も「ワダチ」に衝撃を受けたとネット記事にありました。僕は、浦沢氏と、ほぼ同世代ですので、その気持ちよく分かります。

「男おいどん」は、「週刊少年マガジン」で1971年から2年間にわたって連載された「四畳半漫画」です。僕は、この漫画で、この世に「ラーメンライス」なる食べ物があることも知りました。親にせがんでマネしたような記憶があります。さすがに「玉子酒」はマネしませんでしたけど・・・。

この作品は、氏と氏の下宿仲間たちの実体験を描いた作品とされていて、作者の人生観が、台詞の1つ1つに表れています。今思うと、若干、説教臭い感もありますが、子どもだった僕には、その一言一言が心に響いたものです。

そんな漫画を喜んで読んでいた僕も、やがて学生になり下宿生活を送ることになりました。「おいどん」とは違って、田舎の学生ではありましたが、農家の納屋を改造した全6部屋の間借りで、風呂無し、流し・トイレ・玄関共同の生活を送っていました。家賃は8000円。僕は、仕送りもそれなりにもらっていたので、極貧な生活というわけではありませんでしたが、それでもテレビはなくって、ラジカセが唯一の情報源。布団は万年床で、冬はコタツで寝ていました。一週間分の洗濯物をボストンバックに詰めて、歩いて15分のところにある銭湯に通ってました。もう少し近いところにも2軒ほど銭湯があったんですけど、そこが一番広くて気持ち良かったんですよね。気になって調べてみたら、今もちゃんと営業していてびっくり、市内で残っている唯一の銭湯とありました。

僕にとって、これぞ松本作品と云えるのは「戦場まんがシリーズ」でしょう。バッグナンバーを床屋や歯医者の待合室で断片的に読んだだけですので、未読の話もかなりあるかと思います。以前、このブログにも投稿した「亡霊戦士」とか「成層圏に鳴くセミ」の記憶があるので、第4巻「わが青春のアルカディア」は、読んでいたようです。

零士氏の父親は、旧帝国陸軍の佐官で、軍用パイロットの草分け的存在だったそうです。戦時中は飛行学校の教官を務めていたともありました。戦後は、自衛官への誘いを頑なに拒み、炭焼きや野菜の行商を生業とし、かなり貧しい生活を送っていたそうで、その生き様は、松本零士氏の戦争漫画に大きな影響を与えたと云われています。

この物語で登場するのは、敗色濃厚な日本軍やドイツ軍の兵士です。敵味方を善悪で分けることなく、戦場における男の戦いを、両軍の立場から描いています。その作風は、決して戦争賛美ではなく、かと云って反戦漫画でもなく、戦争をロマンにしていると云えばそうかもしれませんが、理系目線で第二次世界大戦を描いた物語は、軍事ヲタク少年であった僕には、とにかく格好良く思えました。

松本零士氏の作品の中で、最も再読したいと思ったのが「戦場まんがシリーズ」です。

2023年2月4日土曜日

炭焼きレストラン「さわやか」を語る(その6) ~至極のパフェが遂に900円超え~

炭焼きレストラン「さわやか」が相変わらず繁盛しています。特に、首都圏に近い県東部の店舗の混み具合が半端ないようです。平日は、それほどでもありませんが、成人の日の三連休なんて、どの店舗も5時間待ちとかになっていました。

「さわやか」は、炭焼きレストランと名乗っている通り、肉は炭火で焼いています。随分前になりますけど、開店前のキッチンをちょっとだけ見せてもらう機会がありました。炭火なんて云っても下からガスで煽っているんじゃないの、なんて思ってたんですけど、本当に炭火だけで焼いてました。そういえば、この上に油をこぼして、火事になった店舗がありましたね。

「さわやか」は、土日になると約900人のお客が来店するそうです。週末の「さわやか」は、午前11時の開店から午後11時の閉店まで常に満席ですから、900人という数は1店舗当りが対応できるお客さんのマックスになります。つまり、さわやかは、定員900人の来店予約制ファミレスであります。これを、7名のキッチンスタッフと10人のフロアー係でまわしているそうです。店長さんもアルバイトさんも「さわやか」で働くことに誇りを持っているのが分かります。どんなに混できても決してパニクりません。こういうところはテーマパークのクルーと似ています。

1月4日には、御殿場アウトレット店の整理券が、フリマサイトに出されていたそうで、ネットニュースになっておりました。何時間も並ぶなんて馬鹿馬鹿しいみたいなコメントもありますが、アウトレット店の待ち時間はネタみたいなものですから、皆さん「400分待ち」みたいな整理券をゲットして面白がっているわけです。念のため話しておくと、さわやかは整理券方式ですから、5時間待ちと云っても店の前に並ぶ必要などなく、番号が近づいてメールで呼ばれるまでは何処で何をしていても構わないわけであります。よく、行列必至なんて書き込みがありますけど、さわやかの店舗前に行列なんてありません。2時間待ちなのであきらめましたなんて書き込みもありましたが、できることならば2時間前に整理券を取っておくことをおすすめしますね。

地元民だったら、食事したい時間を逆算して整理券を取りに云って、家に帰って出直しますし、観光客の皆さんは、待ち時間の計画を立てておくことをお勧めします。アウトレットならばいくらでも時間はつぶせますし、チョット足を伸ばして箱根方面で遊ぶこともできます。さわやかの待合室には、周辺の観光施設のパンフレットなども置いてあります。駐車場には、ちゃっかりとタリーズの看板も出ています。こう云うのを経済波及効果というのでしょう。コメダ珈琲も近くにありますが、コメダは食事に差し支えますのでやめておきましょう。

そんな「さわやか」も3月からは、いよいよ値上げをするそうです。全品10%程度とのことですが、このご時世では致し方ありません。

さて、さわやかは、年5回、季節毎にパフェメニューを変えるですが、冬の「三ヶ日みかんパフェ」が終了する前に行ってきました。僕は、さわやかで一番のメニューは、あの生焼けハンバーグではなく、パフェだと信じております。ネットでも「この程度のハンバーグならば他でも食べられる」なんて書き込みがありますけど、確かにそうです。けど、パフェは特別です。税込み800円未満で、このクオリティーのパフェを出してくる飲食店を僕は知りません。でも、注文する人、全然いないんですよね。僕が行った時間帯で三ヶ日みかんパフェを食べていたのは、僕だけだったみたいです。勿体ない話です。

ファミレスのパフェといっても、缶詰の蜜柑なんかじゃなくって、生の蜜柑を丸ごと一個使ったパフェですから侮れません。三ヶ日みかんと云っても、ピンからキリまでありますが、さわやかの蜜柑は、今シーズン食べた蜜柑の中で一番美味しかったです。まあ、生クリームが付いていましたけど。

「季節のフルーツパフェ」は、今は苺に変わっております。今年も静岡県産完熟大粒「紅ほっぺ」7粒使用の苺パフェです。昨年は、確か丸ごと使っていたはずですが、今年のパフェは、スライスしてあるようです。これで、税込み935円ですから、食べるしかありません。

って、ここまで書いてきて思ったんですけど、昨シーズンの苺パフェは、800円以下だったような・・・。3月を待たずに、デザートメニューは先行値上げってことなのかなぁ。まさか、ここからさらに10%アップってことは無いですよね・・・。

まあ、苺のパフェは、他のファミレスでも美味しそうなのがありますから、無理に注文しなくてもという方には、「静岡抹茶プリン」をお勧めいたします。抹茶スイーツは地味な存在でありますが、クオリティーは「京都辻利」レベルと云っても過言ではありません。レギュラーメニューにして頂きたいです。苺チーズケーキと抹茶プリンを両方注文しても900円以下ですから、これは悩みます。

・・・決めました、次回のさわやかでは、苺チーズケーキのお皿に抹茶プリンものせて写真を撮りましょう。

2023年1月30日月曜日

「ジャンボリミッキー!レッツ・ダンス!」のお姉さんに元気をもらう

以前、YouTubeのAIが台湾チア「峮峮」の動画を送ってきた話をしたが、今度は、ジャンボリミッキーの「まゆ」お姉さんが送られてきた。重ねて断っておくが、僕は、若い女の子の動画ばかりをみているわけではないので、YouTubeのAIが、いきなし「まゆ」お姉さんの動画を勧めてきた理由は不明である。

ディズニーのキッズダンス「ジャンボリミッキー」が、流行っていることは聞いていたし、大晦日に紅白歌合戦で紹介されたのも知っている。だけど、こんなにたくさんの動画がアップされているとは思わなかった。だって、ディズニーって著作権に滅茶苦茶うるさいんじゃなかったっけ。TikTokでバズッたのがブレイクした要因だそうだから、時代も変わったものである。

再生回数の多い動画は、お姉さんメインのものだ。TDLのステージにミッキーとかミニーちゃんが登場してるのに、そっちのけでお姉さんを追っかけ撮影してるんだから凄い。時代も変わったのものである。他に、お兄さんメインの動画などもアップされていて、関連動画の総数は数え切れない。

では、早速、お姉さんメインの動画を貼り付けさせていただこう。数ある動画の中からセレクトさせていただいたのは、D系ユーチューバーさん撮影のこちら。1月3日の第1回公演とのことである。ショーの観覧席は抽選だが、第1回目だけは全席自由席らしいから、お姉さんがお目当てのヲタクどもは、開園ダッシュで席を確保しているのだろう。

「まゆ」お姉さんこと「恒木真優」さんは.、横浜出身のダンサーで、TDLのダンサーの他にジャズダンスの講師もしているらしい。インスタのフォロワー4万人というから凄い。ミニ写真集を出したこともあるとのことで、フリマサイトでは、サイン入りの物品が高額で取引されていた。

コロナ禍で「ジャンボリミッキー」が休演中だった一昨年は、横浜ベイスターズのチアリーダーをしていたとのことである。ちょうど募集があったので・・・って、応募→即採用なんだから、まあ、才能さえあれば、食いっぱぐれることは無いってことのようだ。ダンスする姿が可愛いので若く見えるが、それなりのキャリアを積んだ大人の女性に思う。

「ジャンボリミッキー!レッツ・ダンス!」は、ランドとシーの両方で公演されていて、公演時間は15分。1日に5公演しているそうだ。お兄さんお姉さんは何人かいるが、シフトは非公開なので、どのダンサーさんに当たるかは、行ってみないと分からないみたいだ。どのお姉さんも可愛いしダンスも上手だけど、パフォーマンスの質は「まゆ」お姉さんが群を抜いている。

お姉さんのアップ動画もあった。画質が粗いので、おそらく柵外から望遠で撮っていると思われる。

この日は、お姉さんのテンションが特別高かったようだ。静止画系のヲタさんによると、どの瞬間を撮っても画になっていて、15分間全くスキが無いとのことである。正にプロのパフォーマンスと云えよう。

観覧席は、立ち上がり禁止なので、踊たいのであれば立ち席でとなるらしい。以前は、子ども向けということで昼間だけの公演だったそうだが、最近は夜にも1公演あって、こちらは大人ジャンボリミッキーと云うらしい。暗い中でテンション上げて、いい大人が集団で踊っている姿は一種異様だが、夢の国の出来事なので良しとすべきであろう。

公演再開直後のテイクである。お姉さんメインというわけではないので、ステージ全体の雰囲気が分かる。

ディズニーランドには、生涯で3度行くと云われている。1度目は親に連れられて、2度目は恋人と、そして、3度目は子どもを連れてだそうだ。もし、4度目があるとすれば、それは、お姉さんに元気をもらうときだろう。

2023年1月5日木曜日

Synthesizer V AI「Mai」が凄い ~自立型ボーカロイドへの道:その6~

昨年の11月に発表された歌声合成ソフト「シンセサイザー V」の最新バージョンが、話題になっている。YouTube上にも、音声データ「Mai」に歌わせた動画が投稿されていて、それなりに盛り上がっているようだ。

昨年の10月には、同じくAI技術を搭載したボーカロイドの最新バージョン「VOCALOID6」も発表されたのだが、インパクトの大きさはシンセサイザーVの方が、はるかに勝っていると云って良いだろう。

SynthVは、上海出身の天才プログラマー「Kanru Hua(華侃如)」氏によって開発された歌声合成ソフトである。ウィキペディアの記述には、

”従来のサンプルベース歌声合成と、 DPM(拡散確率モデル)を取り込んだ人工知能による歌声合成のハイブリッド手法によるエンジンを搭載。これにより、サンプルベースのエンジンにはない自然さと、人工知能を使用しているがユーザーの介入が制限されているシンセサイザーにはない高度な制御性を両立している。”

とあった。これは期待できる。古来より、世紀の大発明というモノは、大規模なプロジェクトでなく、1人の天才によってもたらされることが多いからだ。

SynthVの最大の特徴は、AI技術による人間そっくりの歌声にある。VOCALOID6もAI機能を持っているのだが、その効果は抑え気味で、調教の入る余地を(あえて)残しているとあった。確かに、人間そっくりに歌う初音ミクなんて、逆に気持ち悪いし、調教あってのボーカロイドということなのだろう。

一方、SynthVは、ベタ打ちの完成度が極めて高く、調教の余地はほとんど無いと云われている。では、早速、視聴させていただこう。まずは、YOASOBIの「夜に駆ける」で如何だろう。      


 SynthV がヲタクに注目されている理由の1つに、最新バージョンに添付されている音声データ「AI Mai」の声質がある。この子に歌って欲しい、歌わせたいと思わせるものが彼女にはあるのだ。云い方を変えれば、Maiちゃんの歌声はヲタク好みということである。

宇多田ヒカルさんの「First Love」である。AI+調教で作られた歌声を視聴させていただこう。

初音ミクは、そのキャラクターがビジュアル的にも歌声としても確立していた。ボーカロイドがブームになった重要な要素である。つまり、初音ミクは初音ミクであり、滑舌の改良に工夫はしても、人間の歌声に寄せたり、声質に手を加える必要はなかった。

Synth Vでは、ボーカルスタイル機能を使うことにより、同じMaiでも、声質の雰囲気を大きく変えることができるそうだ。こちらは、松田聖子ちゃんのカバー作品だが、かなり聖子ちゃんが入っている。ここまでくると、コンピュータに歌わせているという感覚は、ほとんど無いと云っていいだろう。

さらに、SynthVには、充実した「AIリテイク機能」があるそうだ。これは歌の一部を指定して歌い直しをさせる機能で、「もっと感情的に」などのアバウトな指示をすれば、AIが判断して表現を変えてくるというものだ。具体的な指示を与えずに演者にダメ出しを続ける意地悪な演出家のように、何回もテキトーに歌わせて、その中からしっくりきたテイクを採用すれば良いとのことである。

SPEEDの「White Love」である。この歌、フルコーラスで聴いたの初めてだと思う。        


SynthV AI Maiの実力は恐るべしである。人間そっくりに歌うということに関しては、かなり現実的になってきたと思う。


今回は、SynthVを褒めまくったが、このことはVOCALOIDの敗北を意味しない。上海出身のKanru Hua氏が日本で起業したのは、ボカロ文化が日本で定着しているからであり、そのボカロ文化は、VOCALOIDによって培われたものだからだ。

とは云え、VOCALOIDによって発展してきた歌声合成は、SynthVの登場で大きな分岐点を迎えたのは確かである。今後、歌声合成は、演奏的なボーカロイド系と、歌唱的なSynth V系の二極化が進んでいくように思う。

目指すべき、自立型ボーカロイドの次の段階は、歌詞を理解し歌唱に反映させることであるが、歌声合成に関するAIの可能性には期待しかない。

2023年1月2日月曜日

ちょっと早いけど「紀平梨花」2022-23年シーズンを振り返る

あわよくば世界選手権出場。でなくても四大陸選手権という目標で臨んだであろう全日本選手権でしたが、SPのミスが響いて総合10位以内には入れず、代表入りは成りませんでした。まあ、相変わらず、あっちが痛いとか、こっちが痛いとか云ってますから、無理をせずにじっくり調整、休養していただきたいものです。

と云うわけで、もう大きな大会に出場することもないでしょうから、少し早いとは思いますが、今シーズンを振り返ってみたいと思います。


さて、こちらが、ジャンプの練習を再開して2週間で参戦したという「中部選手権」のジャンプ構成であります。

①3S+2T   ②2A+2T   ③2Lo   ④1A(転倒)  ⑤3S   ⑥1A+2T   ⑦2Lo

この後、グランプリシリーズに参戦することが決まっていたので、この予選さえ通過できれば、全日本の出場権をもらえることになっていたみたいです。3回転は、サルコウのみという構成。4番目は単独の2アクセルを跳ぼうとしてたんでしょうか。2トゥループを3回跳んでるってことは、最後のはノーカウントだったのかなぁ。

日本のエース、メダル候補と云われていた選手の構成としては寂しい限りでありますが、これが復活への出発点ということですね。


第2戦が「ジャパンオープン」でした。

①3S+2T  ②2A+2T  ③2Lo   ④3T  ⑤3S   ⑥2A+1Eu+2S  ⑦2Lo 

新たに3回転トゥループが入りましたね。単独のトゥループなんて、あまり見る機会がないので、何のジャンプだったのか、リピートして見直してしまいましたよ。1つジャンプが増えただけで構成がかたちになってきました。あと、後半の3連続ジャンプ、2回転でしたけど、跳べただけでも凄いなと思いました。

2つの大会を編集した動画がありましたので、貼り付けさせていただきましょう。


次に、グランプリシリーズ「スケートカナダ」に出場しました。フリースケーティングでは、3位に入る得点で、オーサコーチも「アメイジング」と喜んでいましたね。スケーティングにスピート感が戻り、ジャンプ以外は、いつもの梨花ちゃんの演技に戻ってきたようです。オーサコーチのところで良かったです。YouTubeにも動画が投稿されていますので、早速、視聴させていただきましょう。

① 3S+2T  ② 2A+1Eu+2S   ③ 3Lo  ④ 3T  ⑤ 3T+2T   ⑥ 2A   ⑦ 3S 

ここでは、新たに3回転ループが入ってきております。


GPシリーズの2戦目のフィンランド大会です。3フリップが入って、総合でも4位になり、表彰台まであと一歩であります。1番目のジャンプは、2トゥループを付けての連続ジャンプにしたかったのだと思いますが、3ループのところでリカバリーしてきましたね。「3Lo+2T」というのは、普通の試合では見られない組み合わせですから、練習なんてしてないと思うんですけど、いきなりやっても出来るんですね。

①  3S      ② 2A+1Eu+3S      ③ 3Lo     ④ 3Lo+2T       ⑤ 3F      ⑥ 2A+2T     ⑦ 3T

あとは、連続3回転ジャンプが戻ってくれば、OKですね。


で、万全を期しての「全日本」であります。こちらが、事前に提出してあった構成表です。3ルッツ1本と、3フリップ2本の構成で、実現すれば、全日本だけでなく、世界でも通用するプログラムになっていました。

① 3S+3T    ②3F+2T   ③  2A      ④  3F    ⑤  3Lz      ⑥  2A+3T+2T      ⑦  3Lo

で、こちらが、実際に演技した構成です。結局、ルッツは回避でした。

①  3S+3T    ②  3F     ③  2A       ④  3Lo+2T     ⑤  3Lo    ⑥  2A+2T+2Lo    ⑦  3S

「3S+3T」が着氷できて何より。これがSPで成功していれば四大陸選手権の代表が取れていたかと思うと、残念であります。予定表に入っていた「2A+3T+2T」の3連続ジャンプは、梨花ちゃんの演技では、見たことがないので、入れてくるのを楽しみに待ちたいと思います。あと、右足首の負担を考えると、ルッツは、今シーズンは無理かなぁ。3アクセルの方が、先に入るかもしれませんね。

如何でしたでしょうか、どれも「タイタニック」の演技なんですけど、試合ごとに、ジャンプの構成が違うのが、面白いですね。リピートとかしちゃいそうですけど、よく間違いなく出来るものです。

今回は、ジャンプの話ばかりになってしまいましたけど、動画を改めて見て感じたことは、梨花ちゃんのスケーティングの可愛らしさです。今の梨花ちゃんは、エキシビションでは、ジャンプは1つか2つしか跳ばないんですけど、それでも彼女の魅力は十分に伝わってきます。

羽生君がプロに転向してから、観客席はガラガラのようです。当日券とかたくさんありそうだから、久しぶりに応援に行こうかな。

2022年11月13日日曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の舞台を巡る その9 ~函南町「仁田忠常 墓」~

伊豆の国市「北条邸跡」の背にある守山の展望台から、田方平野を眺めてみる。

足元を流れる狩野川の対岸にあるのが、江間氏の館跡。領主である「江間次郎」は、頼朝の旗挙げには加わらずに伊東祐親に従ったとされている。田方平野の他の豪族たちは、皆、頼朝の旗挙げに参加しているから、江間氏が反源氏方になったのは極めて不自然だが、何か特別な事情があったのだろう。ドラマでは、江間次郎を伊東祐親の家人のような存在で描いていた。江間氏が滅亡した後、北条義時は頼朝からこの地を与えられ、江間義時を名乗ることになる。実家のすぐ隣に、次男が家を建てた感覚であろうか。

江間の南、伊豆長岡の辺りは、後に九州惣追捕使に補任された「天野遠景」の領地。その対岸、北条の南隣には、「南条」を名乗る小豪族(北条の家人とも)の館があったらしい。その先は、田代信綱や加藤景廉、狩野茂光の領地と続いている。東側には、旗挙げの最初の標的になった山木判官「平兼隆」と後見役「堤信遠」の屋敷がある。そして、北条の北隣、函南町仁田郷を領地としたのが「仁田忠常」である。

北条邸から半径数kmの範囲には、分かっているだけでもこれだけの豪族の領地がひしめいているわけで、いかに北条が伊豆の小領主であったのかが分かる。

北条の屋敷から仁田の屋敷までは、直線で約4km。私鉄ローカル線伊豆箱根鉄道(いずっぱこ)で2駅の距離である。北条と仁田に姻戚関係があったかどうか分からないが、これだけのお隣同士であれば、両家はドラマのように近しい間柄だったのだろう。

ちなみに、2つの領地の間に「長崎」という地区がある。ここは、鎌倉時代末期に活躍(?)した内管領「長崎円喜」の領地があったところで、地区内には円喜の墓もあるらしい。長崎氏は、ドラマで出てきた「鶴丸(平盛綱)」の子孫で、この地を領有したことがきっかけで「長崎」を名乗った。長崎氏は、北条家の家人であったので、北条の領地を分けて貰ったのだろう。政治を腐敗させ、鎌倉幕府を滅亡に導いた張本人とされる有名人の名前の由来が、地方のこんな小さな字名だったとは驚きである。


さて、北条家と近い関係にあった「仁田忠常」は、頼朝の旗挙げには最初期から参加していたようだ。ドラマの中で「初めての戦で腕が鳴ります。」という台詞があった。旗挙げ時の忠常は未だ13歳で、初陣だったとされている。子役が演じていても良いくらいである。今回の大河ドラマでは、実年齢と見た目が大きく離れていることが多い。

彼は四郎と呼ばれていたから四男だったようだ。ドラマでは忠常しか登場しなかったが、兄の次郎忠俊は、石橋山の合戦で討ち死にしたとある。他の兄たちも、早くに亡くなったようで、忠常は若くして当主となり、二人の弟たちと共に仁田家を盛り上げていくことになる。

北条にとっても、若年で気心の知れた仁田は、使い勝手の良い存在だったのだろう。平家追討軍として全国を転戦し、富士の巻き狩りの猪退治や、人穴伝説などの武勇伝も伝わっているから、優れた武将であったことがうかがえる。

源頼家からの信頼も厚かったようだが、そのことが仁田氏滅亡の要因になってしまったのは気の毒なことである。忠常の最期は、吾妻鏡と大河ドラマで大きく異なるが、忠常が亡くなった後の仁田氏は、鎌倉幕府と関わることも無く、政治の舞台からは消えてしまう。


しかし、仁田忠常の子孫は、御家人でなくなった後も、百姓として仁田郷に住み続けた。百姓と云っても、広い土地をもつ豪農である。仁田氏の館跡には、今も仁田さん(忠常から40代目)が住んでいらっしゃる。今でも広い屋敷であるが、かつては一町歩(1ha)あったという。屋敷の周りには、土塁や堀の跡が残っている。何よりも凄いのは、800年以上経った今も、仁田さんが住んでいるということ。権力を握った北条氏は滅亡し、韮山の地には伝承しか残っていないことと対照的である。

忠常と二人の弟の墓もここにある。墓は屋敷内の私有地にあるが、仁田家のご厚意により自由にお参りすることができる。

マジックインキで書かれた案内板。「ティモンディ高岸」の直筆とのことであるが、だったら、ちゃんとサインをしてもらうべきであろう。知る人が居なくなれば、捨てられそうで心配になる。


仁田家の当主は代々「大八郎」を名乗り、戦国大名「後北条氏」の家臣と姻戚関係を持ったり、江戸時代には名主を務めていたようだ。時代が変わって支配者が交代しても、しぶとく存続できるのが百姓の強みと云える。


近代になって、37代目「大八郎」は、明治35年に田方農林学校(現静岡県立田方農業高校)の初代校長になった。農学校の設立にあたっては、仁田家が資金の半分を寄付したそうだ。戦前までは、この辺の土地は全部仁田家のものだったんだと思う。

「田方農業高校(でんのー)」は、今年で創立120周年。今では珍しい農業高校である。僕の親世代では、農家の跡取り息子が通う学校だったが、僕が学生の頃には、県立高校なら何処でも良いみたいな奴が通っていた。線路沿いに演習畑や牛舎があって、頭に波動砲を乗っけた奴が朝から農業実習に取り組んでる姿が、電車の窓から見えたものだ。ところが今では、食品や園芸、動物飼育が学べる高校として、女子中学生に人気の学校だそうだ。7割が女子生徒と云うから驚きである。

大八郎氏は、他にも丹那牛乳の売り込みなど函南の産業振興に貢献した。実は、伊豆箱根鉄道を設立したり、伊豆仁田駅を開業させたのも氏の功績なのだそうだ。後に、帝国議会の衆議院議員にもなっている。

ティモンディ高岸さんは、仁田忠常を演じるにあたって、函南町に挨拶に来たそうだ。高岸さんは、体育会系のお笑い芸人で、声も大きく極めて礼儀正しいから、町のお偉方は、「今時珍しい若者だ」とえらく気に入ったらしい。売れっ子で忙しそうだけど、これを機会に交流を始めていただければ嬉しい限りである。