2022年8月4日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の舞台を巡る その5 ~「鎌倉国宝館」「大河ドラマ館」「寿福寺」「和田塚」~

かんなみ仏の里美術館の「阿弥陀三尊像」が、「鎌倉国宝館」の特別展(北条氏展)で公開されているとのことで、陣中見舞いに行ってきました。阿弥陀さんは、主賓扱いで中央のガラスケースに展示されていました。仏の里では見ることができない後ろ姿を拝観することができましたが、まあ、特に変わったところはなかったです。この阿弥陀さんは、鎌倉時代の慶派仏師「実慶」の作で、石橋山の合戦で討ち死にした「北条宗時」の墳墓堂に祀られていたという、北条氏所縁の仏像であります。

右手のケースには、修禅寺の大日如来像も飾られていました。こちらも実慶の作で、北条政子が2代将軍「源頼家」の7年忌に造らせたと云われています。実慶の大日如来は、運慶の大日如来と比べると腕の張りも控えめで、温和しい印象を受けます。像内からは、銘文と毛髪などの納入品が発見されて貴重な資料となっております。現存する実慶の仏像は4躯ですから、ここに全てが揃っていることになります。

詳しくは、過去ログ 

北条宗時と仏の里美術館の阿弥陀三尊像

今回の収穫は、鎌倉「光触寺」所蔵の重要文化財「頬焼阿弥陀」を拝観できたことです。光触寺は、拝観寺院ではありますが、10名以上の予約制という敷居の高さから、未拝観仏でありました。事前のチェックをしてなかったものですから、仏の里の阿弥陀さんと並んで展示されていたのは、嬉しいサプライズでした。

この阿弥陀さんは、「頬焼阿弥陀」の名で知られ、盗みの疑いをかけられた法師の身代わりになり頬に焼印が残ったという話が伝えられています。そう思って頬の辺りを見たのですが、漆のヒビ割れしか分かりませんでしたです。寺伝では、運慶作となっていますが、イメージ的には快慶の「安阿弥様」に近いように思います。鎌倉時代前期の作ということですから、慶派仏師の作であることは、間違いないかと思います。顔が小さくてスタイルが良いし、細かいところまで良く彫られている素敵な阿弥陀さんでしたよ。

さて、大河ドラマ館の入館料は1000円ですけど、ドラマ館のパンフレットを見せると国宝館の入館料が無料になります。あと、鎌倉歴史文化交流館も無料になりますから、ドラマ館の実質入館料は400円であります。ただ、先に国宝館に行ってしまうとドラマ館では返金してくれませんので、巡る順番に要注意であります。

鎌倉のドラマ館は、伊豆の国市のドラマ館の数倍はあろうかという規模でした。(伊豆の国が小さいんですけどね)展示物のメインは、衣装と小道具なんですが、文書類が面白かったですね。アシガールの時にも思ったんですけど、ドラマに登場する手紙などは、デタラメじゃなくって、ちゃんとそれらしいことが書かれているようです。和田義盛の手紙とか、義経の腰越状などが展示されていました。

鎌倉は、仏像巡りで何度も行きましたので、拝観可能な寺院はほとんどお参り済み。特に当てもないので、ノープランで歩き始めます。「寿福寺」は鎌倉五山第三位の寺院ですが、静かな佇まいのお寺さんです。裏山に、北条政子と源実朝の五輪塔があるそうですから行ってみましょう。

裏山一帯は墓地になっていて、檀家さんの多いお寺のようです。五輪塔は「やぐら」内にありましたが、控えめな感じ。檀家さんの墓石のほうがずっと立派です。誕生からお墓までということで、伊豆の国市にある「産湯の井戸」も貼り付けさせていただきます。

寿福寺は拝観寺院ではありませんが、御朱印は庫裡で受け付けているようです。納経済みかと思ってスルーしましたが、帰って調べてみましたら未だ頂いてませんでした。

今小路を下って「和田塚」を訪ねます。「和田義盛」と「北条義時」が争った「和田合戦」は、新田義貞の鎌倉攻めをのぞけば、鎌倉最大の市街戦でありまして、大河ドラマでどう描かれるのか今から楽しみであります。和田塚は、もともとは古墳だったそうですけど、明治時代に大量の人骨が発掘されたことにより、和田一族を葬ったところと推定されて、以後「和田塚」と呼ばれるようになったそうです。

住宅地にある小さな公園です。一番大きな石碑は忠魂碑か何かだったように思います。予想通り、何も無いところでした。何も無いところに佇んで思いを馳せるというのも、楽しみ方の1つなんですけど如何せん暑すぎます。江ノ電の線路際にある有名なあんみつ屋さんで涼んでいきましょう。

「和田合戦」は、通説では義時が義盛を挑発しまくって、反乱を起こさせたことになっていて、後世で義時が不人気であることの理由の1つであります。和田義盛は、今のところイメージ通りの描き方ですが、ブラック義時をどのように演出すのかも楽しみです。巴御前はどうなるんでしょうね。

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