2021年7月11日日曜日

黒島結菜「ごめんね青春!」現地巡礼 その6 ~白滝公園と桜川・御殿川~

日曜劇場「ごめんね青春!」の無料配信が終了しました。で、現地巡礼もついに最終回。今回は、菰池と白滝公園の湧水を水源とし、三島市街地のド真ん中を流れる「桜川」「御殿川」についてであります。

「桜川」は、街の北側にある菰池を水源に、白滝公園からの湧水を合わせて、三島大社方面へ流れる農業・生活用水です。「水上の小道」と名付けられた川沿いの歩道には、柳の並木や花壇が整備され、三島ゆかりの文学者「井上靖」「大岡信」などの文学碑も建てられていて、観光客や地元住民の散策路になっております。 先月、聖火リレーが、この通りを走りましたけど、人が集まってきて、かなりの密状態だったようです。

「太宰治」や「司馬遼太郎」「若山牧水」の碑もあります。

「桜川」は、ドラマでは、重岡大毅君演ずる「海老沢」君が、森川葵さん演ずる「あまりん」に突き落とされた川として登場します。また、水上の小道は、ドラマに登場する高校の通学路に設定されていて、波瑠さん演ずる「蜂矢祐子」が、錦戸亮さん演ずる「原平助」に声を掛けられ、泣き崩れるシーンなどが撮影されました。

三島駅前通りを下ったところにある「白滝公園」は、何処にもありそうな都市型公園ですが、最大の特徴は公園内に湧水があることでしょう。通りの向かいにある「楽寿園」の小浜池湧水が枯れ気味(今月は、豪雨の影響で2年連続の満水)なのに対して、白滝公園の湧水は、減ったとはいえ、今も枯れることなく湧き続いております。湧水は、園内に数カ所、溶岩の隙間や、大きな欅の根元から湧き出ていて、桜川に注いでいます。


以前は、駅前通りと公園の間に飲食店が入った長屋があって、通りからの死角部分になっていたのですが、今は、視界も開けて明るく健全な(?)公園になりました。「水泉園」とも呼ばれていましたが、最近は「白滝公園」と呼ばれることが多いようです。


こちらは、桜川のもう1つの水源である「菰池」です。池には、鯉とハヤとミドリガメとカルガモが住んでいます。周囲150mの湧水池ですけど、昔は、もう少し大きくて泳げたそうです。市が公園を整備するにあたって、池の一部を埋め立てて噴水を作ったことが、物議を醸しました。湧水量が少ないときは、大場川からポンプアップして、かろうじて水位を保っているのが現状で、湧水池から普通の池になりつつあるのが、ちょっと悲しい。


でも、今月は湧水量が多いので、池の水も増えて、かなり綺麗になってましたよ。ちょびっと安心です。

三島市の公式動画です。湧水量が少なめな時期に撮影したみたいですね。

菰池公園と白滝公園は、市民の普段使いの公園です。午前中は近所のおチビちゃんが遊び、お昼時にはサラリーマンが暇をしています。

湧水の上、川に張り出して建てられているのは白滝観音堂で、お婆ちゃんたちの憩いの場になっています。観音堂の脇には、「あまりん」が「FMみしま」にごめんねの電話をかけた電話ボックスが、今も残っています。

そんな白滝公園ですが、コロナ前には、京都の貴船にあやかって、川床茶屋がオープンしました。あんな所で仕出し弁当食べて何が楽しいんだろうって思ったんですけど、地元のレストランや料亭が日替わりでデリバリーしてくれて、なかなかの盛況だったようです。

何でも思いついたことをやってみて、そのノリに市民がついてくるってのが、三島の良いところでしょう。


白滝公園脇の桜川は、川幅が広くて、流れも浅く穏やかになっています。桜川は農業用水ですから、冷たい湧水の温度を上げるための工夫だったと思われます。普段は水深も膝下くらいですから、子どもたちにとっては格好の水遊びの場であります。水遊びがオフシーズンになると、カルガモや白鷺・青鷺などがやってきて、近くには鴨の餌を売っている店もあります。
農業用水であるというのは重要なポイントで、源兵衛川の水源が枯渇しても川が埋め立てられずに残されたのは、用水に設定された水利権があったからだと思います。


この週末は、市民プール並の人手でした。これも桜川や源兵衛川の水質が綺麗であると、三島市民が信じているからに他なりません。重ねて云いますが、ここはJR三島駅から南に徒歩5分、市街地のド真ん中です。


ドラマのロケが行われたのは、水量の少ない時期だったようですが、昨年の夏は、長梅雨の影響で水位が上がり、かなりの激流になってました。あの状態で「あまりん」に突き落とされたら、海老沢君の命は確実に危険にさらされたでしょう。川底には「三島梅花藻」が定着し、可愛い白い花を咲かせていたのですが、水量が復活して流れが急になったら、ちぎれて流されてしまいました。遊歩道が水没して通行止めになったりと、湧水が戻れば戻ったで困ったことも起きます。


桜川は、三島市の湧水川のなかでも、水量の多い川の1つです。昭和の初めまでは、岸には水車小屋が並び、舟も浮かんでいたそうですが、現在は、三嶋大社の交差点で暗渠となり、ここからは人目に触れることも無く、アスファルト道路の下を流れ続けます。桜川を生活用水として使うことよりも、塞いで道路にすることで、三島の街を発展させようと考えたのでしょう。拡張された道路は、旧東海道と下田街道が交わる、(バイパスなどを除くと)三島市街地で最も交通量の多い交差点になっています。
暗渠となった桜川は分岐を繰り返して何本もの細い用水路に分かれ、地上に出てきた後は三島市南部の田畑を潤して、その役目を終えます。


「御殿川」は、白滝公園の先の水門「ドンドン淵」で、桜川から分かれた支流です。元々は、
御殿川が湧水が集まって流れてた自然河川で、桜川の方が後から開削された用水路なんだそうです。名前の由来は、川の西側に徳川将軍が宿泊するための御殿があったことによります。御殿は、総面積一万坪以上、石垣で囲まれた2つの郭で構成された、ほぼ城と云えるようなものでしたが、使われたのは家光が上洛した元和9年と寛永11年の2回だけだったそうです。


御殿川は暗渠になることはなく、三島の街を南に流れていきます。川には、洗い場や川端、水車小屋の後などが残っていて、川沿いには、腰切不動尊や古民家レストラン、佐野美術館の隆泉苑などがあります。
腰切不動は、寛永10年に御殿川に流れ着いた上半身だけの石仏を祀ったものだそうです。上流からって云っても、菰池水源ですから、町内なんですけどね。

市街地を抜けた御殿川は、桜川の一部や大場川と合流、最後は、狩野川となって北上し、駿河湾へと流れていきます。


白滝公園では、毎年7月中旬に「水まつり」が開催されます。近年始まった小さなイベントですが、雰囲気が良いんで年を追う毎に賑わいを増し、
灯籠流しも行われるようになりました。三嶋大社の夏祭りは2年連続で中止になってしまいましたが、こちらは開催されそうです。久し振りに行ってみようかな。


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