「閻魔堂沙羅の推理奇譚」ちゃんと見てますよ。第3話の「黒島結菜」さんは、前・後編の特別扱いでしたけど、最終話の「牧瀬里穂」さんも60分構成なんですね。ちなみに、牧瀬里穂さんは、今月で49才になられるそうです。黒島結菜さんは、23才ですから、ちょうど母娘役にぴったり。今回は、すれ違いでしたけど、共演とかあれば嬉しい限りです。
で、今回は、このお二人が出演した、伝説の冬CMについて投稿させていただきます。
まずは、牧瀬里穂さんです。先日「朝だ!生です旅サラダ」という旅番組に出演され、それに関連して、JR東海「X'mas Express」のCMがSNSで拡散されて(牧瀬里穂が)トレンド入りしたそうです。31年も前のCMが、いまだに話題になるというのも凄いことに思います。
放送は1989年(平成元年)、終電後の旧名古屋駅でロケを行ったとのことですから、歩いている人たちは全員エキストラということになります。云われてみれば、動きが不自然で、何となく分かります。今の名古屋駅は高島屋と一体化しちゃいましたけど、当時は如何にも「駅」って感じです。改札に駅員さんが立っているのが、平成元年ですよね。
この時の牧瀬里穂さんは17才。東京の大学に進学した彼氏と、地元に残っている高校生の彼女という設定でしょうか。こんな可愛い彼女を、故郷に待たせているなんて羨ましい限りです。で、先に見つけた里穂ちゃんが柱の陰に隠れるという可愛すぎる演出。この後の展開を視聴者に想像させる終わり方なんて素敵すぎです。それにしても山下達郎さんの名曲は、何年経っても色褪せませんね。
1989年と云うと、スマホどころか、携帯電話さえも無かった時代です。それでもあの頃の恋人は、ちゃんとつながっていたんですよね。
これは「X'mas Express」シリーズの2作目で、この後も、毎年毎年、たくさんの女優さんによって続編が制作されましたけど、設定年齢が最も低いこのバージョンが、僕は断トツで好きなんです。
昨年、このCMについて、「さくマガ」さんに「89 牧瀬里穂のJR東海クリスマスエクスプレスのCMが良すぎて書き殴ってしまった」という記事が掲載されました。当時の時刻表や駅構内図を使っての詳しい考察が話題になったのですが、今年も再掲載されているということで、僕も読ませていただきました。
その中で衝撃だったのは、このCMが「待ち合わせの場面では無い」という考察です。僕は、この記事を読むまで、何の疑いも無く、彼氏と待ち合わせをしている里穂ちゃんが、悪戯心で柱の陰に隠れているのだとばかり思っていたんです。バンダナ君(彼氏)は、待ち合わせで目立つようにバンダナを頭に巻き、改札口で里穂ちゃんを探しながら歩いているのだと。
しかし、違和感があったのも確かです。1つは、里穂ちゃんが名古屋駅に迎えに行った時刻です。このロケは終電後、つまり深夜に撮影されました。ですから、映り込んでいる時計や列車の出発時刻板は、CM用に設定されたものです。時計の時刻は午後10時前、女子高生がこんな時刻に駅へ迎えに行くなんて不自然です。まあ、ギリで親に外出を許してもらったとしても、その後、二人でデートなんかをしていたら、完全に青少年補導の対象になってしまいます。今晩帰省するけど、(遅いから)会うのは次の日にしよう。ってのが、あるべき約束に思います。
もう1つは、バンダナ君の歩き方です。多少周りを気にしてはいますが、待ち合わせをしていた彼女がいないにしては、飄々としていて、全然焦っていないんですよね。そのまま改札口から歩いて来ちゃってる。僕の彼女が牧瀬里穂ちゃんだったら、絶対、改札口で待ちます。一晩中でも待ちます。
一方で、里穂ちゃんは焦りまくっている。僕は、彼に早く会いたい一心で走っているのだと思っていたんですけど、ちゃんと待ち合わせをしているのならば、あんなに慌てなくっても良いはずです。バンダナ君を待たせたとしても、「ゴメン、待った?」「ううん、全然」とか云ってれば良いんですから。しかも、駅の構内でキョロキョロして、バンダナ君を探しているかのようなシーンもある。
やはり、待ち合わせでは無かったのでしょう。彼が今晩帰省することを(東京駅の固定電話とかで)知った里穂ちゃんは、サプライズで迎えに行くことを思い立った。新幹線が名古屋に到着するまで2時間弱。慌てて支度をして家を出たんだと思う。もしかしたら、プレゼントを未だ用意して無くって、急いで買ったのかもしれない。だからギリギリになった。
里穂ちゃんは焦っていました。この時代、新幹線に乗ってるバンダナ君とは、連絡のとりようが無い。もし遅れてしまったら、バンダナ君が先に改札口を出ていたら、さっさと行ってしまいます。約束していないんですからね。すれ違いになってしまう。だから、里穂ちゃんは何が何でも、新幹線の到着時刻には、改札口にいなければならなかったんです。でも、遅れてしまった。もしかしたら、もう改札口を通過しているのかもしれない。だから、構内を見回していたんです。で、改札口に降りてくるバンダナ君を見つけた。そして、サプライズ感が増すように、柱の陰に隠れた。これは、とっさに思いついたのかもしれませんし、初めから考えていたのかもしれません。
里穂ちゃんは、サプライズのために、もの凄いリスクを負っています。彼が8時発の新幹線に、乗っていないかもしれないんですから。あの笑顔はリスクを負っているからこそ醸し出されるもので、僕らはその笑顔に共感し、このCMは伝説になったんです。
次は、「黒島結菜」さんのNTT docomo 「想いをつなぐ篇」。
こちらのCMは、放送が2013年とありますから7年前、本格的にスマホが普及し始めた頃ですね。黒島結菜さんは高校2年生、16才の時の作品になります。
CM 曲は、SPICY CHOCOLATEの「ずっと feat. HAN-KUN & TEE」
最近の大人っぽくなった黒島結菜さんも、もちろん素敵ですけど、この頃の黒島さんも最強。十代の黒島さんの魅力は普通っぽさ。何だかその辺に居そうな可愛い子って感じが、彼女の良さに思います。
お相手役は「葉山奨之」さんで、丸山純奈さんと同じトライストーン所属の俳優さんです。映画「あしたになれば」でも黒島さんと共演していましたけど、まさか「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんとお付き合いするようになるとは思いませんでした。
で、このCMのコンセプトは「つながる」だと思います。奨之君は、常に結菜ちゃんと連絡を取り合っています。電車に乗り遅れたシーンがありますけど、メイキング映像によると、乗り遅れて直ぐにラインしています。花火大会が終わっても、会場で待っていた結菜ちゃんは健気とも云えますけど、彼の現在位置が逐一報告されているんだから、待つしかありません。
スマホでつながり合っていれば、大切なデートの日にバイトを入れても大丈夫ということなんでしょうか・・・っていうか、こんな可愛い彼女がいたら、絶対バイト入れないと思います。結菜ちゃんと約束しておいて「間に合わないかも」じゃねぇだろう!急にシフト変わって断り切れなかったとか云いたいんでしょうけど、黒島結菜ちゃんが僕の彼女だったら、絶対バイトは入れません。
里穂ちゃんも、奨之君も走っていますけけど、その理由は全く違います。彼は義務を果たしているに過ぎません。だから、僕は、このCMの奨之君には好感できないんです。途中で、池に落ちた子猫を助けていたとか、道に迷ったお婆さんを自宅に送り届けたとか、納得できる理由があれば良かったんですけどね。結果として、16才の黒島結菜さんが可愛いだけのCMになってしまったように思います。
このNTT docomo のCMが放送されてからも、7年たちました。今は、全ての世代がスマホを持ち、ラインを利用するようになったし、待ち合わせで彷徨うことなんて無くなりました。僕らはつながることによって、無駄は無くなったし、安心を手に入れました。その一方で、サプライズを回避したがるようになったと思います。約束もせずに会いに行くことなんてないし、プレゼントだって、何にするか事前に相談することも多いと聞きました。
だからと云って、携帯電話が無い時代が良かったなんて云いません。バンダナ君と里穂ちゃんだって、名古屋駅に改札口が2つあったら、出会えなかったわけで、「昨夜、名古屋駅に迎えに行ったんだよ。」「そうだったの、ゴメン、気付かなかった。」なんてことになったら、「携帯電話があれば良いのにね。」ってなるはずだからです。そりゃあ、会いに来てくれた「気持ち」が有り難いってことも云えるんだけど、それは後になって思えばってことで、その時は、残念な気持ちの方が何倍も大きいはずです。
大切な人とつながっている今の時代は、あの頃の僕たちが望んでいた社会でもあるわけですから。
・・・ちょっと違ってるような気もするけど。
お終いは、2つのCMのスペシャルコラボで。
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