あれは、斬新なツイズルなのか、それとも、シットスピンの出来損ないか。絶対王者で稀代のスピナー「羽生弓弦」選手のスピンが0点、つまり「無価値」とされたのだから、炎上するのも当然であろう。
まずは、用語のおさらいから。
フィギュアスケートは、氷上で反時計回りにクルクル回転する競技である。空中で回転すればジャンプ。止まって回ればスピン。移動しながら回転するとツイズルとなる。
問題になっている場面は、3アクセルを跳んだ後で、足替えのシットスピンに入る前、動画での3分5秒あたりのところである。このクルクルってやったのが、ツイズルなのか、スピンなのかが問題にされているわけだ。
これ、スピンだろっ?!
羽生選手は、この後、完璧なCSSp(チェンジフットシットスピン)を披露するのだが、同じスピンの2回目はノーカウントだし、1回目のツイズルみたいなスピンも認定されないから、結果0点となった次第である。
この大会では、羽生選手は、ぶっちぎりの首位だから、ここで6、7点無くなったとしても影響なんて全然無いのだけれど、完璧な演技にケチを付けられるのはファンとして耐え難いことのようだ。
ジャッジにイチャモンを付けるのは、スポーツ観戦の楽しみ方の1つではあるけど、連盟に直接抗議するなんて他のスポーツには無いことに思う。運営側も、(後ろめたいことが無いのならば)もっと毅然とした態度を取れば良いんだけど、ファンあってのフィギュアスケートってことなんだろう。
ちなみに、これはフリー演技のプロトコルである。ファンは、すでに2番ジャッジを特定しているはずだ。
それにしても、何で、あんな紛らわしい演技をしたんだろう。スピン1つだって、世界大会だと致命的なミスになりかねない。案外、スピンに入るタイミングをちょっと間違えただけなんてのが真相だったりして・・・まあ、国内大会でご祝儀採点をして、国際大会でコケるよりも、ずっと良いことに思う。
演技はホントに素晴らしかったと思う。翌日のフリーも圧巻だったけど、僕的には、このSPの方が断然インパクトがあった。出来映え点を稼ぐために、タケノコジャンプを連発する姑息な選手も多い中で、彼の凄さは採点基準を超越したところにあることを再認識した。
コロナ禍で、国際大会が次々と中止になり、コーチ不在の中で、10ヶ月ぶりの大会にバッチリ合わせてくるなんて凄すぎる。嫌いになりそうなくらい格好良かった。「僕の演技で世界を元気づける」なんて何様な発言も、彼なら許されよう。
羽生結弦選手は最高のフィギュアスケーターなのだ。
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