2020年9月26日土曜日

「黒島結菜」出演 FMシアター「オールに願いを」

聞き逃し配信はこちら、ただし、放送後一週間で終了。つまり今日まで。

     FMシアター「オールに願いを」

2020年9月26日(土)22:50配信終了

番組紹介です。

「何事にも諦めがちの女子高生「若葉」は、母の再婚相手の「雄吾」のせいで長崎の夏の風物詩女子ペーロン競漕に参加することに。本当の自分、そして家族とは・・・」

学生時代は、テレビも新聞も無い生活をしていたから、ラジオが唯一の情報源だった。今でも、テレビをつけてる時以外は、部屋にはコミニティFMが流れている。だから、ラジオと無縁の生活ってことでもないのだが、黒島結菜さんが出演するのでなければ、ラジオドラマを聴くことなんてなかったと思う。

FMシアターは、毎週末の夜にNHKFMで放送されているラジオドラマだ。過去の放送記録を見ると、なかなかの俳優さんが出演されていて、さすがNHKって感じである。

9月19日に放送された「オールに願いを」は、NHK長崎放送局の制作とあった。なぜ、沖縄出身で東京在住の彼女が、このドラマの主役を務めるようになったのか分からない。長崎弁っぽい台詞もあったが、彼女がちゃんと言えてたかどうか、僕には知る由もない。

黒島さんは、17才の女子高生の役だった。最近は、随分大人っぽくなった彼女だが、声だけを聴くと「時かけ2016」の頃と何も変わらない、相変わらずの黒島結菜さんだった。共演の「波岡一喜」さんは、ベテランの個性派俳優さんで、今までもドラマや映画とかで何回も出会っているはずであるが・・・まあ、映像を見れば思い出せると思う。

で、ドラマが始まって直ぐ、なんとなくの違和感というか、既聴感を感じた。・・・ジブリ映画?「となりのトトロ」の糸井重里氏のような、「ハウルの動く城」のキムタク氏のような・・・。ジブリ映画がプロの声優をワザと使わないのは有名な話だ。そのために、何となくの浮き上がり感があるのだが、それと同じような雰囲気を感じたのだ。

語りが女優のテンションだからだろうか。声だけで演じるラジオドラマは、声優としての仕事に近い。声だけで全てを伝えるプロの声優だったら、やり過ぎなくらいメリハリをつけてくるように思う。

それにしても、聴けば聞くほど黒島結菜である。しかし、考えてみれば「若葉」ちゃんの役として、黒島さんがキャスティングされたのであるから、誰が演じているのか分からないよりも、ずっと良いことである。そりゃあ、プロの声優さんみたいに、個性を保ちながらも、役柄に合わせて声色を変えられるのがベストだけど、共立できなければ、大切にすべきは女優としての個性の方だ。黒島結菜を期待している者たちからすれば、何をやっても黒島結菜というのは、賞賛ではないにしても、決してディスってるわけではない。

お話の内容は番組紹介の通りであるし、結末は予想通りだった。悪人が一人も登場しない、これぞNHK的な良い話である。長崎にペーロン競漕という行事があるのは知っていたけど、地域毎にチームを作って、女性も参戦していることは知らなかった。


小さなドキドキと、ささやかな感動、そして、ちょびっとのユーモア。警察・医療・企業ものが多い民放の人気ドラマと比べれば、インパクトも面白さも何十分の1の地味な物語である。ただ、聴き終えた後には、何とも云えない心地よさがあった。

黒島さんって、こんな仕事が多いように思う。まあ、ファンからすれば、松永三津みたいな役にチャレンジして炎上するよりずっと安心してられるし、主演だから、放送の50分間ほぼ出ずっぱりなのも嬉しい。民放の大型ドラマにちょい役で出るのも良いけど、こんな仕事の仕方も悪くないと思った次第である。

FMシアターのドラマは、何かで受賞したり、高評価を得たりすると再放送されるらしいが、「オールに願いを」は、そういう雰囲気は無さそうだから、これでお終いになるんだろう。昭和だったら、ラジカセで簡単に録音できたんだけど、ネット配信では、そうもいかない。

「オールに願いを」は、手仕事をしながら聞き流すには、ぴったりのラジオドラマだった。週末の夜、ウォーターラインのプラモデルを組み立てながら、黒島結菜主演のラジオドラマを聴く。なんとも優雅なひとときではないか。

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