視聴率もマズマズのようです。女性が主人公の大河ドラマは苦戦することが多いそうですが、相手役に「髙橋一生」氏、チョイ役で「菅田将暉」氏、人気子役の「寺田心」君など、大河ドラマならではの贅沢な俳優陣と、史実がほとんど知られていないために、伏線が効果的に機能、新鮮な気持ちでハラハラドキドキできるストーリー展開などが、ウケている要因のようです。
歴史ファンからは、髙橋一生氏演ずる「小野但馬守」の描き方について、この路線で大丈夫なの?と危惧する意見もあるようですが、だいたい、この期に及んでも、ドラマの主人公が男だったか女だったか論争されているくらいですから、その他の登場人物の描き方など何でも有りって感じです。
勉強になったといえば「今川氏は、桶狭間の後、無為無策の内に簡単に滅んでしまった」という誤ったイメージを変えてくれたことでしょうか。まあ、せっかくマイナーな人物が主人公なんですから、下手に検索して、ネタバレに遭遇することの無いように心がけたいものです。
で、今回紹介させていただく「龍潭寺」は、小林薫氏が演ずる「南渓瑞聞」が住職を務めた、井伊家の菩提寺になります。
南渓は、井伊家の出身で、井伊家の危機を救った名僧として知られています。ドラマで「直虎」が行ったことになっている施策は、実際には彼によるものだろう、と云われております。
南渓和尚が抱っこしているのが、ネットで話題の茶トラ猫「にゃんけい」。動物プロダクションにも所属している、れっきとした俳優猫で、オス・メス2匹でのダブルキャストだそうですよ。
実は、恥ずかしながら、毎回ドラマに登場し、重要な舞台になっている龍潭寺が、湖北五山の龍潭寺であることに気づいたのは、しばらく経ってからのことでした。といいますのも、ドラマの龍潭寺は、いかにも山寺の雰囲気ですが、僕の知っている龍潭寺は、丘の麓にあったようにイメージしていたからです。
「井伊谷」は、南アルプスに連なる遠州山地を背にして、広大な遠州平野を臨む、平安時代より拓けた地であって、決して、人里離れた山奥の盆地ではありません。
ドローンによって撮影された映像です。最初に写っているは、ドラマでも度々登場する「出生の井戸」のようです。
大河ドラマが始まってからは、観光バスが連なって来るなど、龍潭寺も拝観者が急増し、日によっては、拝観待ちになることもあるそうです。
湖北五山とは、浜名湖の北側にある「初山宝林寺」「龍潭寺」「方広寺」「摩訶耶寺」「大福寺」五ヶ寺の総称です。この五ヶ寺は、どれも由緒正しく、貴重な文化財を所有する立派なお寺さんですが、創建時期や宗派も全く異なっていて、互いに関係は無く、湖北五山という名称も、観光の拠点作りのために、最近になって付けられたとのことでした。
しかし、五山の名称が商業的に作られたものだとしても、それぞれ個性があって、佇まいの異なるお寺さんを巡るのは、楽しいものです。五ヶ寺を一度に訪れるのが厳しいのであれば、「龍潭寺」「方広寺」「摩訶耶寺」の三ヶ寺だけでも巡ってみてはいかがでしょうか。
御朱印帳の日付を見ますと、五山を訪ねたのは、平成24年の2月でした。一日かけて五つのお寺さんを巡って、最後に浜松の「石松餃子」にでも行ったのだと思います。
仏像巡りの観点から云うと、禅宗の龍潭寺は、五ヶ寺の中では、特に見るべきものも無いお寺さんでした。本堂の脇に、江戸時代作の丈六釈迦如来像が客仏として祀られていましたが、そのくらいであったと思います。
ただし、見るべきものが乏しいというのは、あくまでも仏像に関してであって、いかにも禅宗の寺院らしい落ち着いた佇まいや、小堀遠州作と伝わる庭園、井伊家歴代当主の墓所など、遠州を代表する拝観寺院であることに違いはありません。
ただ、お庭については、写真も撮りましたし、覚えているのですが、墓所については、どうであったか全く記憶がありません。今思えば、もっと心して拝観すべきであったと反省しております。
奥さんは、僕が戻ってきたことに驚いていました。まさか、サンダルを返しに来るとは思っていなかったみたいです。自分としては、お寺のサンダルを借りたままにしているのは、間違えられた靴を履く以上に気が引けただけのことだったのですが、善人扱いされてしまって妙な気分でしたよ。
ドラマでは龍潭寺の僧侶として、市原隼人氏演ずる「傑山」、小松和重氏演ずる「昊天」などが出てきます。どちらも実在の僧侶のようで、武勇にも優れ、井伊直政に従って参戦したという記録もあるようです。
井伊家が彦根藩主となったとき、彦根にも龍潭寺をつくります。開山は昊天宗建。やはり立派なお寺さんで、特にお庭が有名のようです。僕は、彦根には2度行きましたが、こちらの龍潭寺には、まだお参りしておりません。
ドラマも佳境に入ってきました。とりあえずの関心は、髙橋一生氏演ずる小野但馬守について、どのようにオチを付けてくれるかってところでしょうか。
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