2017年11月11日土曜日

「イマージュな関係」Winkとアニソン考

 アニソンとは、云うまでも無くアニメーション番組の主題歌・挿入歌のことである。今では、音楽ジャンルの1つとして、確固たる地位を築いているが、昔からそうだったわけではない。アニソンの画期は、マクロスと飯島真理であると僕は考えている。マクロス以前とマクロス以後では、アニソンの概念が大きく変化したからだ。
 ならば、マクロス以前のアニソンが音楽的にツマラナイものだったのかと云うと、それは違う。主題歌は番組の顔だから、故冨田勲先生や故宮川泰氏のような一流の音楽家が手がけることも多かったし、時代を超えて存在する名曲もたくさんある。
 では、何が違うのか。それは、楽曲の独立性である。それまで作品と一体化していた主題歌が、1つの楽曲として存在する、あるいは、存在しても良いのだという認識が生まれたのが、マクロス以降のアニソンなのである。このことによって、いわゆるアーティストと呼ばれる者たちが楽曲を提供し、歌うようになっていった。若きシンガーソングライター飯島真理は、アニソン歌手というレッテルに苦しんでいたが、彼女の功績はあまりにも大きい。僕が子どもの頃は、アニメの主題歌がFM放送で流されたり、ちゃんとした歌番組で歌われるなんてことは、有り得なかったのである。

 アニソンは、アニメ作品との独立性・距離感によって、3つに分類される。Ⅰは、主人公の名や必殺技を連呼するタイプのもので「マジンガーZ」が好例である。Ⅱは、アニメのために作られたのだが楽曲にあまり作品感が無いもので「残酷な天使のテーゼ」など。Ⅲは、独立して存在していた楽曲を主題歌として採用したもので、極端な例だとジブリ映画「風立ちぬ」の「ひこうき雲」であろうか。
  また、エンディングテーマは、オープニングテーマとの対比で制作されるために、作品から一歩離れる傾向があり、バラード系が多いのが特徴だ。OP「宇宙戦艦ヤマト」はバリバリのカテゴリーⅠのアニソンだが、EDの「真っ赤なスカーフ」はカテゴリーⅡの、それも歌番組で披露しても全く違和感の無さそうなムード歌謡だった。
 
 今回、紹介させていただく「イマージュな関係」は、アニメ「わたしとわたし~二人のロッテ~」のオープニングテーマで、カテゴリーⅡに相当する。
 この楽曲は、Winkの13枚目のシングルとして、1991年12月にリリースされた。オリコン順位5位は、長く緩い下り坂にあったWinkにとっては、こんなところかなって感じだが、売り上げ14万枚弱は、この時期のWinkにしても健闘とは言い難い。アニメの主題歌というところが、裏目に出たのだろうか。
 このCDは、OP「イマージュな関係」とED「追憶のヒロイン」の両A面という扱いになっているが、タイトル名は、EDの方が先にあるし、歌番組でもこちらの方を歌っていたから、「追憶のヒロイン」が実質的なA面だったのだろう。しかし、相田翔子さんスタートの歌割りになっているのはOP「イマージュな関係」の方で、MVが作られたのもこちらである。


 歌詞の中に「もう一人の私」など、物語の内容を暗示するフレーズがあるものの、何も知らなければ、この楽曲がアニメの主題歌であると思うことはないだろう。もちろん、コード進行とか、キャッチーなサビとか、どことなく漂うアニソンっぽさは否定できないが、Winkが歌うことで、それらが格好良さへと昇華しているように思う。Winkがアニソンを歌ったと云うより、アニソンをWinkがカバーしたと云うべきであろう。
 楽曲の世界観は、ロッテとルイーザと云うよりも、彼女たちの両親、つまり大人の恋愛を描いているかのようだ。この曲をセルフカバーしての再結成なんてのも、アリに思えてくる。
 
 アニメ「わたしとわたし」について、僕は何も知らないが、素晴らしいファンサイトのおかげで、大まかな内容を把握することができる。有り難いファンというものは、どの世界にも存在するようだ。


 「わたしとわたし」は、1991年11月から1992年9月まで日本テレビ系で、土曜日の18:30から放送されていたようだ。放映期間は、ほぼ1年であるが、全29話と中途半端なのは、放送枠をプロ野球中継と共用していたからで、夏から秋にかけて、物語がクライマックスを迎えているのに、ジャイアンツ戦中継のために、5週連続で放送中止になったりしたらしい。

 原作は、映画の脚本として書かれたから、文庫本にすれば100ページほどの小説に過ぎない。だから、29話のアニメに構成するにあたって、オリジナルのエピソードでふくらめたり、人間関係をさらに複雑にしているのだが、それらは、原作の雰囲気を壊すこと無く、短編小説を見事に長編アニメ作品へと生まれ変わらせているのである。

 4分間の歌に合わせて、物語のあらすじをまとめてくれたPVである。大切なところは、だいたい出ているから、29話全部を見る時間の無い方にはお勧めである。


 児童文学アニメの名作とされ、再放送のリクエストも多いようだが、再放送やDVD化には、新たな著作権契約が必要らしい。著作権料を払うだけの売り上げが見込めないのなら、単なる金銭の問題であるが、親族が権利を相続している場合は、わずかな改作も認めないというケースも多い。ケストナーは1975年に亡くなっているから、著作権フリーとなる没後50年まであと8年だが、著作権法が改正されれば、もはや絶望的である。

 原作の考察とエンディング・テーマについては、次回ということで。

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