2016年3月25日金曜日

松浦亜弥コンサートツアー2006 秋 「進化ノ季節…」

 「進化ノ季節…」は、2006年9月9日から11月5日まで、6会場で8日間、のべ15公演行われたコンサートツアーです。DVDは、10月22日の東京厚生年金会館でのテイクが収録されています。このライブでは、昼公演と夜公演で、セットリストを4曲ほど入れ替えています。ファンが2公演続けて参戦するというのは周知のことですから、ファンサービスとも云えますけど、簡単にチケットが手に入るということの裏返しでもあるわけで、複雑な気分ですね。DVDは、夜公演を収録していますが、昼公演で差し替えた曲は、特典映像として収録されています。

 この公演の直前、10月9日に相模大野で予定されていた公演が、顎関節症のため中止になっています。公演開始時刻を1時間以上過ぎての中止発表ということで、だいぶ叩かれたようですが、中止にしたくないという思いが、結果的に中止の決定を遅らせてしまったようです。わずが13日前のできごとなんですが、DVDを見る限り、顎関節症の影響は、僕には分かりませんです。

 出だしの3曲は「(昼)砂を噛むように:(夜)ずっと 好きでいいですか」「(昼)風信子:(夜)渡良瀬橋」「(昼)(夜)気がつけばあなた」です。
 中くらいのノリの曲から始まったって感じですね。この5曲は、いかにも松浦亜弥さんらしい安定したテイクだと思います。1つ挙げるとすれば、渡良瀬橋の間奏で「鍵盤ハーモニカ」を演奏したことでしょうか。森高千里さんみたいに「アルトリコーダー」を吹かなかったのは、難しくて吹けなかったからだと思います。鍵盤ハーモだってトチルくらいですから、ホントに楽器が苦手なんでしょう。ただ、やるからには、しっかり練習して100%にすべきだと思いますよ。

 「ずっと好きでいいですか」と「渡良瀬橋」の2曲入っている動画です。


 で、ここで、このツアーの最大の特徴である、ブラスの登場ですね。「The 美学」「GOOD BYE 夏男」「ナビが壊れた王子様」「宇宙でLa Ta Ta」と4曲続きます。


 まあ、前回の「OTONA no NAMIDA」が「大規模なディナーショー」ならば、今回は「テーマパークのアトラクション」と云えるでしょうか。「The美学」の方は、特に違和感なしに良い感じだと思いますが、「GOOD BYE 夏男」以降で、ブラスのお兄さんたちが一緒に振りをするのには驚きました。これ、どう思いますw
 ライブに来るファンは、松浦亜弥を見に来るわけですよ。アイドルが異性と共演するというのは、ファンの立場からすると、あまり面白いことではありません。僕は、アイドル系ライブのバックバンドの基本は、演奏に徹することだと思うんです。ステージのサイドに控えて演奏して、ソロパートでスポットライトを浴びてる方が、絶対格好いいと思うんですけど、一緒にダンスしようって、誰が言い出したんでしょうか。

 でも、折角ですから、三人を紹介しますね。ウィキペディアで調べたんですよ。
 トロンボーンの望月誠人氏がバンマスのようです。愛称は「ヅッキー」。ジャニーズ関係のライブの他、レコーディングやテレビ番組で様々なアーティストと共演するサポートミュージシャンだそうです。2011年9月6日、劇症肝炎にて他界とありました。このライブのわずか5年後です。
 トランペットは渡辺尚仁氏。愛称は「ナベさん」。ジャニーズ関連のライブサポートやレコーディングの他にテーマパークのバンドのお仕事もしていたそうです。
 サックスは森宣之氏。愛称は「ノリさん」。バンド「オリジナル ラブ」に参加後、シャ乱Q「ズルイ女」のホーンアレンジを担当。2006年に脳梗塞を患いますが、リハビリをしながら童謡・歌謡曲の演奏活動に携わるとありました。

 で、次は、ギターの登場ですね。ギタリストは「戸谷 誠」。愛称は「トニー」。椎名林檎のライブでサポートギタリストを務めている方のようです。ギターのみの伴奏で、ヲタクを着席させて、「可能性の道」「(昼)私のすごい方法:(夜)ハピネス」と2曲歌っています。その中から、今回はこちらを。


 で、今度は、キーボードの登場ですね。キーボーダーは寺田志保さん。愛称は「しほちゃん」。現在は、ゲーム主題歌やアニソン関係の仕事をされているようです。


 この「YOKOHAMA SING A SONG」が、僕的には、ベストテイクに思います。「草原の人」のカップリングでミューカルでも歌いましたけど、16才の「あやや」にはいくら何でも早すぎる印象がありました。ようやく曲に追いついたって感じですね。衣装、バンド構成も曲にピッタリです。
 次の「オリジナル人生」もなかなかだと思います。


 続くメドレーは「好きすぎて バカみたい」「桃色片想い」「ね~え?」「SHALL WE LOVE」「LOVE涙色」「Yeah!めっちゃホリディ」と、これぞ松浦亜弥というアイドルメドレーなんですが、ことごとくアレンジを変えてきてますから、これじゃあ振りマネもコールもできませんね。それでいて「皆さんご一緒に」って云うんですから、もうメチャ振りもいいところです。健気についていく亜弥オタさんたちが痛々しく感じたのは、僕だけでしょうかw

 この「デート日和」は、良いと思いますよ。タレントとバンドの距離感も良いし、キーボードの 志保さんが最高です。


 で、ラストスパート「恋してごめんね」「(昼)絶対解ける問題:(夜)I know」です。ここは、オタクさんも今までのノリでOK、ホッと一安心といったところでしょう。

 アンコールは、「夢」「女の友情問題」と盛り上げ曲とは云え、全く知名度の無いカップリング曲を2曲続けて、最後の最後までオタクの予想と期待を裏切り続けてお終いになります。



 僕は、このライブの「進化の季節…」の「…」の意味が分かりませんでした。で、ここに何か特別な想いがあるのではないかと、必死に深読みをしていたんですけど、「砂を噛むように…NAMIDA」から、前回「OTONANO no NAMIDA」で「NAMIDA」を使ったから、今度は、「…」を使ったのかなって思ったんですよ。安易すぎですよね。だとしたら、前回ストリングスだから、今回ブラスという安易な発想で企画したという予想も間違っているとは言えないと思いますよ。

 まあ、前回がストリングスでしたから、今回はブラスでというのは、確かに安易な発想ですが、アップテンポの楽曲については、それなりに迫力のあるステージになっていたと思います。完全フルバンドでカラオケの被せ無しが理想なんですけど、当時の動員力では、望むべくもないことですからね。これだけやらせてもらえてるだけでも、破格の特別扱いだと思います。

 2006年の2つのステージは、新たな挑戦というに相応しい試みだったと思います。歌を聴かせるという観点では、春のライブが、ステージを楽しむという観点では、秋のライブが良かったと思います。しかし、Amazonのレビューなんかは、概ね好意的な書き込みが多いんですけど、ファンが無理して自分を納得させている感じもするんですよね。受け入れられずに、黙って去って行ったファンも多かったのではないでしょうか。

 私は、自分の道を行きます。ついて来これるファンだけいればいい、っていうのは、結局は、ファンに甘えているだけってことなんですけどね。

3 件のコメント:

アヤまる さんのコメント...

なぜかコメントが通らなくなって、、、テスト

アヤまる さんのコメント...

なるほど、やり方が分かりました。
いつも大sansanさんのブログで多くのことを学ばせていただいてますが、それと同時に新たな興味が湧いてきます。

今回は「裏松浦亜弥ワールド」

2006年にチャレンジした、「OTONA no NAMIDA」と「進化ノ季節…」の2つのコンサートツアーが亜弥さんのわがままを押し通したものだったとする、20歳の松浦亜弥とは一体どんな女の子だったのだろうと。

これが「やらない」というわがままを通したのなら、単に「わがままで、強情なきかん子」だと理解できますが、「やる」というわがままを通したとなると、これは全然話が違ってきます。

何十人、場合によっては何百人という関係者(その多くは職人集団)を束ねて、創りあげていかなければならないわけですから、気が強くて歌唱力があるくらいのことではとてもつとまりません。

ストリングスのお姉さんたちならばまだ話も合って協力してくれたでしょうが、おじさん達はどうだったのでしょう。音楽というくくりでは3倍も4倍も経験がある先輩達ですし、年も親子ほど違います。その子に、今までやったこともないようなこと(舞台で絡んで踊るとか)をさせられる気持ちって、どうなんだろうと思ったわけです。

結果的にはどのステージもみんな一体感があってノリノリで楽しそうだし、見事なリーダーシップだと思いますが、それは実際にはどんなやり方なのでしょう。

ヲタさん達を魅了し、煽り、振り回し、強引に松浦亜弥ワールドに引きずり込むのが表の顔だとすると、スタッフ、裏方さん達を束ねて自分の思い通りに動かす裏松浦ワールドもあるのだろうと妄想が膨らみます。

無茶ぶりされ、詰め寄られ、叱責され、プライドをズタズタにされながらも、いつのまにか亜弥ちゃんのためなら頑張ろうという気にさせられてしまうカリスマ性。ドMと勘違いされたくないですが(ふくちゃん風に)、いっぺん亜弥さんの下で働いてみたいな。

さんのコメント...

物怖じしない性格だということは、よく言われていたみたいですね。
あと、デビュー以来、大人に囲まれて仕事をしていましたから、
一般的な20才とは、違っていたと思います。
目上に対する図々しさと、
それでいて、何となく許されてしまうような魅力を持っていたのでしょうか。

松浦亜弥さんは、このライブのバンド名を「べっちょないバンド」と名付けたとMCで言ってます。
「べっちょない」は、播州弁で「大丈夫だ」という意味だそうです。
尻込みするバンドに、無理やり振り付けに参加させようとしている様子が目に浮かびますw