2015年11月18日水曜日

DECO*27 「モザイクロール」他 ~最も成功した第2世代ボカロP ~

 DECO*27(デコ・ニーナ)氏は、1986年生まれの28才。ニコニコ動画に投稿した曲が、ことごとくミリオンを達成したという、最も有名なボカロPの一人です。

 ボカロPでは、2007年の初音ミクの発売と同時に楽曲を発表していた、「Livetune」「Super cell」「OSTER Project」らを第1世代とするのに対して、彼らの活動に刺激を受けてボーカロイドに取り組み、2008年頃から楽曲を発表した世代を第2世代とよんでいます。DECO*27氏は、最も成功した第2世代のボカロPといえます。

 一般的に作曲者が人間のアイドルやアーティストに楽曲を提供した場合、楽曲は、あくまでも歌っているタレントのもので、提供者は、裏方に過ぎません。
 一方、初音ミクのファンが楽曲を聴くときには、初音ミクの楽曲と云うよりは、○○Pの作品というように、誰が作ったのかを重要視します。つまり、ボカロPは、自らは歌っていないのにもかかわらず、シンガーソングライターに近い存在だといえます。

  彼の影響力を物語るエピソードがあります。2009年、インターネット社からボーカロイド「Megpoid(メグッポイド)」が発売されましたが、当初は、ほとんど売れなかったそうです。ところがDECO*27氏が2010年にMegpoidを用いてボカロ曲「モザイクロール」を発表したところ、これがヒット、Megpoid自体の売り上げが急激に伸びたといわれています。

 では、1曲目、貼り付けさせていただきます。2010年のZepp東京でのライブテイクから、「愛言葉」です。
 ステージ向かって左で、飛び跳ねながらギターを弾いているのがDECO*27氏です。氏の楽曲の特徴は、独特の言い回しによる、青春あるある的な、草食男子の恋愛物語的歌詞にあります。って聴いてもらった方が速いですねw


 氏の楽曲は、ほとんど全て一人称が「僕」です。つまり歌詞に登場するのは、DECO*27氏自身と考えて良いと思います。こういう煮え切らない男の恋愛を「もだもだ」な恋って言うそうで、そんな日本語があるなんて、この歳になるまで知りませんでした。では、もう1曲。もだもだソング「おじゃま虫」です。


 DECO*27氏の活動の中で、話題になったのが、「柴咲コウ」さんとのコラボ活動です。氏は、柴咲コウの20枚目のシングル「無形スピリット」の作曲を手がけ、彼女と共に多数のTV番組にも出演しました。また、柴咲コウの全国ツアーにはDECO*27がバンドメンバーとして同伴したそうです。

 氏は、2013年頃になると、ボーカロイド関連の活動をあまり行わなくなります。「DECO*27としてもうやりたいことを全部やりきった」との思いから活動の停止を考えていたといいます。そりゃあ、CGの初音ミクなんかより、本物の柴咲コウの方が絶対魅力的ですから、無理もないことかと・・・w。
 しかし、横浜で開かれた初音ミクのライブ「マジカルミライ2013」で、会場の自身の曲での盛り上りを見たことで、再びボカロ関連の活動を考えるようになった、とありました。

 というわけで、氏が思い直したテイク、マジカルミライ2013から「ゆめゆめ」貼り付けさせていただきます。


 もだもだソングばかりでは、何ですから、氏の代表曲の1つMegpoidによる「モザイクロール」でお終いにします。こういう歌詞の世界を、当時のボカロ好きの若者は、格好いいと言っていたんでしょうね。


 この楽曲が発表されてから既に5年、ボカロを取り巻く環境も随分変わりました。ボカロブームは、遠い過去のこととなりつつあります。DECO*27氏の音楽家としての活動もこれからが正念場になると思います。彼でさえ、ボカロPとして音楽家を一生の職業にするのは困難なことになると思います。
 ボカロに関わり続けるのか、或いは捨て去るのか、どちらにせよ、氏の活躍を願うことに変わりはありません。

 人生なんて、もだもだな決断の繰り返しなんですから。・・・この使い方、たぶん間違ってますよねw

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