2015年10月15日木曜日

駆逐艦「島風」 ~孤高の最強艦~

 今回紹介させていただくのは、駆逐艦「島風」です。島風は、75,000馬力という戦艦並みの機関を持ち、最高速力は39ノット、五連装の魚雷発射管を3基備え、一度に15発の魚雷を発射できる攻撃力、まさに最強の駆逐艦として建造されました。
 これが島風です。かなりスピード出てます。


 この島風が建造された経緯を説明するためには、まず、日本海軍が開発した「酸素魚雷」について語らなくはなりません。

 当時、魚雷は艦船を攻撃する兵器としては、もっとも強力なものでした。魚雷は、爆薬にエンジンやスクリューを付けた構造をしていますが、エンジンを動かすためには、燃料と空気が必要です。そのため、海中を進む魚雷は、圧縮空気が入ったボンベを搭載していました。
 酸素魚雷は、その圧縮空気の代わりに純酸素を使うというものでした。酸素ボンベならば、大きさは、空気ボンベの5分の1で済みます。この空いたスペースに爆薬を詰めれば、強い破壊力が得られますし、燃料を詰めれば、射程距離を伸ばすことができます。また、燃焼効率も大きく上がりますから、スピードもあげることができます。さらに、敵に発見されにくいという利点もありました。
 魚雷から出る排気ガス(ほとんど窒素)は、海中で泡となり、ちょうど飛行機雲のような航跡として海面に現れます。ところが酸素だけを燃焼させれば、排気ガスは全て二酸化炭素になります。二酸化炭素は水に溶けやすいので、酸素魚雷は航跡が現れないのです。
 酸素魚雷は、このように多くの利点が得られるため、各国は争うように開発に取り組みましたが、なかなか成功しませんでした。酸素を使うと、発射したときに激しく燃焼が起こってしまい、エンジンが爆発する恐れがあります。この制御がどうしてもできなかったのです。
 ところが、日本海軍は、発射するときは、空気を使って穏やかに燃焼させ、徐々に酸素の濃度を上げていくという仕組みを考え出し、この問題を解決することに成功します。
 ついに、日本は世界で唯一の酸素魚雷保有国になったのです。

 世界中で、どこの国も持っていない、「酸素魚雷」という兵器を保有した日本は、この兵器を最大限活用する戦術を採用します。それが、重雷装艦の建造でした。高速で移動し、酸素魚雷によって敵の艦隊を攻撃する。駆逐艦「島風」は、そういう戦術のために作られた艦でした。

 しかし、太平洋戦争が始まると、戦況は日本海軍が考えていたものとは異なり、艦隊対艦隊の海戦などは、ほとんど行われませんでした。駆逐艦に求められたものは、魚雷で敵艦を攻撃する能力ではなく、航空機に対する防空能力へと変わっていました。また、島風は、高速を出すために機関が複雑になり、量産が難しいという問題も抱えていました。結局、島風の同型艦の建造は中止され、島風型の駆逐艦は、島風のみとなってしまいました。

 艦これの「島風」です。大きなウサギリボンが特徴ですね。背中にしょっているのは、5連装の魚雷発射管です。その上に乗っているのは、マスコットの「連装砲ちゃん」だそうです。
 それにしても、このミニスカート、どうにかなりませんかね。いくら何でもやり過ぎです。あと、キャラクター設定としては、足が速くて、かけっこが得意とか、一人っ子キャラだとか出ていました。まあ、そういうことになるでしょうねww

 MMD動画は、どうもカメラを動かしすぎる傾向があって、僕なんかは、目が回りそうになります。カメラワークに凝るのも良いんですが、たまにこういう風な定点カメラの動画があるとホッとしますww
  曲は、「ふわりP」氏の「ふわりクレヨン」。可愛くって、明るくって大好きな曲なんです。


 就役した島風に与えられた任務は、そのほとんどが、輸送船や戦艦などの護衛で、有名なキスカ島撤退作戦、レイテ沖海戦などに参加したものの、得意の魚雷攻撃の機会は、ついに訪れませんでした。

  そんな島風に新たな命令が下されます。それは、フィリピンのオルモック湾へ、陸軍の部隊を揚陸するための輸送船を護衛するというものでした。しかし、フィリピンの制空権は完全に米軍にあり、そのような状況下で、低速な輸送船を突入させるのは、明らかに無謀な作戦といえました。
 五隻の輸送船と五隻の駆逐艦などで編成された船団は、悪天候を利用して出発しますが、無常にも天候は回復し、オルモック湾への突入寸前に米機動部隊に発見されてしまいます。輸送船に早急に湾内に突入して揚陸作業を行うよう命令し、駆逐艦には煙幕を張らせますが、のべ347機という艦載機の猛攻撃により、輸送船は全滅、護衛の駆逐艦も次々と攻撃を受けました。

 航空機の攻撃に対して、島風は積んでいた魚雷を誘爆を防ぐために海に投棄し、狭い湾内を逃げ回ることしかできませんでした。やがて多数の至近弾と機銃掃射により、機関が故障、航行不能になります。
 島風は、第二水雷戦隊の旗艦でしたので、司令官、参謀が多数乗船していました。駆逐艦「朝霜」が救援にかけつけましたが、米軍機の攻撃のために接近できず、朝霜に対して「帰れ」の命令が出されます。
 オルモック湾に単艦残された島風は、米軍機の攻撃により爆沈。司令官以下、乗組員のほとんどが戦死しました。孤高の最強艦のあまりにも惨めな最後でした。
 輸送船団は壊滅、帰還できたのは「朝霜」1隻だけだったということです。
 
 島風は、艦これでは、かなりの人気キャラなので、MMD動画もたくさん投稿されてますけど、どうせなら、史実と思いっ切りギャップのあるテイクでお終いにしたいと思います。曲は、先ほどと同じ「ふわりP」氏の作品、摩耶と島風による「みんなで可愛くきょうもハレバレ」です。


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