2015年3月14日土曜日

初音ミクとアニメと飯島真理と

 初音ミクってアニメでしょ、なんて言ったら、ファンの方は、怒るでしょうね。でも、ミクのカバー曲には、マクロスやエヴァの曲もたくさんアップされていますから、ヲタさん自ら、誤解の元をせっせと作っているようなものです。もちろん、アニソンとボーカロイドの相性が良いということが一番の理由でしょうけど。

さて、飯島真理さんといえば、超時空要塞マクロスのリン・ミンメイ。アイドル役の声優に本物のシンガーソングライターを起用しちゃうなんてことからも、この作品の先駆性というか、凄さが分かります。しかし、ご本人は、自分を世に出してくれた恩人とはいえ、いつまでも自分につきまとうミンメイのイメージに悩み、逃れるように日本を離れてしまいます。
 
でも、僕は純粋に飯島さんの歌が好きだったんです。「1グラムの幸福」とか「セシールの雨傘」とか・・・、ちゃんとアルバム持ってましたし、ところがミクのカバーを聴いて、あまりにも似合っていて、今ではこっちばかり聴くようになってしまいました。こんなことを言うと、今度は飯島さんのファンに怒られそうですが、結局僕は、飯島さんの曲を聴くとき、マクロスのイメージを消し去ることなんてできてなかったんですよ。
 
当時の彼女のライブには、アニメファンばかりが集まりました。「わたしは、リン・ミンメイなんかじゃないのに・・・」アーチストとしての才能も実績も持っていた彼女が、目の前の光景とのギャップに悩む姿は、考えただけでも胸が痛みます。
 
やがて、アメリカで音楽活動を再開した彼女は、マクロスの威光が遠くこの地まで届いていることを知ります。そして、自身の音楽活動とマクロス関連の仕事と両立させることに努めるようになります。2006年、英語版マクロスの制作が決まったとき、ミンメイの吹き替えをしたのは、飯島さん本人でした。「あなたのことは一生私が面倒を見るからね」22年の時を経て出てきた彼女の言葉でした。飯島真理は、リン・ミンメイではありませんが、リン・ミンメイは、飯島真理だったんです。 







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